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印刷2019/01/31 15:11

レビュー

「ネルケと伝説の錬金術士たち 〜新たな大地のアトリエ〜」レビュー。「アトリエ」らしさは持ちつつ,街づくりを軸にした意欲作

 本日(2019年1月31日)発売された「ネルケと伝説の錬金術士たち 〜新たな大地のアトリエ〜」PS4/Switch/PS Vita)のレビューをお届けする。「アトリエ」シリーズらしいプレイ感は持ちつつも,シミュレーションで街を発展させていく新基軸を導入した意欲作だ。主人公のネルケとともに,マリーをはじめとするシリーズ歴代のキャラクター達と,新たな大地に旅立とう。
 歴代のシリーズ19作品を紹介する記事も「こちら」に掲載しているので,ぜひチェックしてほしい。

画像(001)「ネルケと伝説の錬金術士たち 〜新たな大地のアトリエ〜」レビュー。「アトリエ」らしさは持ちつつ,街づくりを軸にした意欲作


錬金術士を描く「アトリエ」シリーズ20周年の挑戦


 材料からさまざまなアイテムを「調合」する錬金術。これを扱える「錬金術士」の成長と活躍を描くのが,コーエーテクモゲームスのガストブランドが展開する「アトリエ」シリーズだ。第一作は1997年の「マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士〜」。シミュレーションとRPGを融合した内容がコアゲーマーに,落ちこぼれ錬金術士のマリーと個性豊かなキャラクター達のふれ合いがライト層に好評を博し,コミックや小説になるなど人気を博した。その後は時代や世界を変えた作品がリリースされ,「アトリエ」シリーズとして定着。最初はシミュレーションとしての側面が強かったが,後にRPG要素に重点を置いた作品が増えている。

 そんな「アトリエ」シリーズの20周年記念作品となるのが,「ネルケと伝説の錬金術士たち 〜新たな大地のアトリエ〜」だ。「街づくり」をテーマに据えたターン制の“街づくり×RPG”で,近年のRPGに寄ったタイトルからは大きく変わったシステムを採用している。
 これまでのシリーズでは,主人公のほとんどは錬金術士だったが,本作のネルケは錬金術士に憧れるも才能に恵まれなかった女性だ。そんな彼女が片田舎の村「ヴェストバルト」の担当管理官となり,街を発展させるべく奮闘するのが今回の物語となる。

錬金術士にはなれなかったネルケ(写真左)だが,メイドのミスティ(写真右)とともに,街づくりという新たな使命に燃える
画像(002)「ネルケと伝説の錬金術士たち 〜新たな大地のアトリエ〜」レビュー。「アトリエ」らしさは持ちつつ,街づくりを軸にした意欲作

 ネルケのもとには「マリーのアトリエ」の主人公・マリーをはじめとした歴代シリーズのキャラクター達が集う。ネルケは,忠実なメイドのミスティや,村長のクノスらとともに,街に施設を建てたり,錬金術士達に調合を依頼したりと,管理官として采配を振るっていくのだ。

シリーズ初代作「マリーのアトリエ」の主人公・マリーも登場
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「ソフィーのアトリエ 〜不思議な本の錬金術士〜」のソフィーと「ユーディーのアトリエ 〜グラムナートの錬金術士〜」のユーディーが作品の枠を越えて共演。こうしたクロスオーバーが本作の魅力だ
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素敵なキャラクター達と街を発展させよう


 「街づくりのシミュレーション」と聞くと,「巧みに施設を建築し,住民の不満や交通問題,公害といった“根治できない問題”に対処し続ける」「効率よく進めないと,あっという間に街が破産してしまう」といったイメージを持つ人も少なくはないと思う。しかし,本作は「錬金術士による調合など住民達の力を借りながら,うまく経済を回していき,街を発展させていくゲーム」という側面が強い。レシピを手に入れて新しいアイテムを調合できるようになる楽しさ,錬金術士が成長する嬉しさ,お題とスケジュールに合わせて生産物を変えていくやりくりの面白さといった部分がフォーカスされているのだ。

十分な素材を用意し,研究などで手に入れたレシピで新たなアイテムを調合し,これを販売して利益を得る。得た利益で施設を建築したり区の開拓を行ったりして,街を発展させていく。街づくりには住民という協力者が不可欠だ
画像(005)「ネルケと伝説の錬金術士たち 〜新たな大地のアトリエ〜」レビュー。「アトリエ」らしさは持ちつつ,街づくりを軸にした意欲作 画像(006)「ネルケと伝説の錬金術士たち 〜新たな大地のアトリエ〜」レビュー。「アトリエ」らしさは持ちつつ,街づくりを軸にした意欲作

 多くの街づくり系シミュレーションでは,資金やエネルギー,交通の便や公害,住民の満足度など,相反する要素を天秤に掛けつつゲームを進めていく。「たくさんのエネルギーを生むが公害がすごい施設」や「住民の満足度は上がるけれど儲からない施設」など,プラスとマイナスの要素を組み合わせ,ままならない状況の中でベターを模索していくものだ。
 一方,本作には公害やエネルギー問題はなく,ひたすらに拡張と発展というベストを目指していけばいいので,シミュレーションの初心者でも気軽に遊びやすい。やるべきことの大枠が,課題という形でシステムから指示されるので,何をしていいか分からないという事態に陥ることもないだろう。あくまで,調合で生み出したアイテムによって経済を発展させていくのがメインとなるので,街づくりというよりも,初期の「アトリエ」シリーズっぽい印象だ。

画像(007)「ネルケと伝説の錬金術士たち 〜新たな大地のアトリエ〜」レビュー。「アトリエ」らしさは持ちつつ,街づくりを軸にした意欲作
歴代キャラクター同士のイベントも頻繁に発生する。ヴィオラートとエリーが錬金術を研究して生み出したのは,回復アイテム「絶品デザートワゴン」
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若き村長として働くクノスをねぎらう,ネルケと街の住民達。本作の登場人物は,ネルケを助けてくれる良い人ばかりだ


街づくりは施設の建築から


 ネルケの目的は,ヴェストバルトを発展させることだ。そのためにはコール(お金)が要る。稼ぐには,錬金術士達がアトリエで調合したアイテムをショップで売るのが効率的だ。
 調合にはもちろん素材や材料が必要となる。街の周囲を調査して新たな素材を手に入れ,これを街の畑や林で栽培して増やしていく。当然,アトリエやショップ,畑などといった施設は,ネルケが指示して建てなければならない。つまり,お金を稼ぐという目的を軸に,「施設の建築」「調査による素材の入手」「調合による商品の準備と販売」という3つの要素が存在し,これらをうまく回していけば人口も増え,自然と街が発展していくのである。

●街を発展させる流れ
  • アトリエやショップを「建築」する
  • アトリエでアイテムを「調合」する
  • ショップでアイテムを売る
  • 新たな品物の素材を手に入れるために「探索」する
  • 調査で見つけた素材を畑や林で「栽培」する
  • 栽培した素材をもとに,さらに高額のアイテムを調合する

栽培やキャラクターの派遣で素材を入手。アトリエで調合してアイテムを作り,ショップで販売する
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 しっかりとしたチュートリアルが存在するのはもちろんのこと,後述する「課題」や「まちの声」が目標を示してくれるので,これに従っていればゲームの進め方は自然と理解できる。
 1ターンは「平日」と「休日」の2パートからなっており,平日には建築や調合の指示といった街づくり,休日にはキャラクター達とのふれ合いや調査などを行う。どちらのパートもやるべきことは山積みで,退屈する暇はないだろう。

 平日は,基本的に担当管理官としての采配を振るう,シミュレーションのパートである。ネルケの着任時,ヴェストバルトにはこれといった産業がなく,空き地ばかりが広がっているという状態だ。空き地はマスで区切られており,錬金術士が調合を行うアトリエや,これを販売する「食品店」「雑貨屋」「武具屋」などのショップ,素材を栽培できる「畑」「牧場」「林」といった栽培地,特殊な効果を持つランドマークなどの施設を建てられる。

街を発展させるには,まず空き地に施設を建築していく必要がある
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 アトリエやショップ,栽培地を建てたら,キャラクターを配置しよう。作業の効率がアップし,経験値を得てレベルが上がれば能力も上がる。とくに錬金術士は,アイテムを調合できる量や成功率が上昇するため,優先的に配置していきたい。

栽培や調合など,さまざまな仕事をキャラクターに依頼していく
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施設は大通りや小路に面して建設しなければならない。面積を有効活用すべく,施設の向きや小路の引き方を工夫しよう。もし建てる場所を失敗したと思っても心配ご無用。ペナルティなしで,場所を変更できる
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 ゲームを進めていくと,より効果の高い上位施設を建てられるようになる。例えばアトリエの場合,「普通のアトリエ」→「大きなアトリエ」→「豪華なアトリエ」とランクアップする。配属したキャラクターが多くの経験値を得られるようになり,さらにシリーズお馴染みの「妖精さん」を配置して作業を手伝ってもらえるなど,いいこと尽くめだが,ランクが上であるほど,より広い面積を占有する。つまりは施設を移動・撤去して区画を整理し,上位施設用の土地を確保する必要が発生するわけで,このあたりは腕の見せ所だ。
 また,上位施設の建築には錬金術士が調合した,高度なアイテムが求められるため,発展のためには計画的に調合を続けていくことも重要となる。

上位施設やランドマークを建てるため,高度なアイテムを用意しよう
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 いろいろな施設を建てると,その区画が発展し,ヴェストバルトの景観も変化していく。街並みを眺めることもできるので,時には自分のプレイを振り返ってみるのもいいだろう。新たな土地を開拓し,そこに新たな施設を建てることもできるので,大都市を目指してみよう。

新たに開拓した新区画の施設に,妖精さんを配置する。ゲームを進めると,雇える妖精さんも「新人妖精さん」から「まじめな妖精さん」にランクアップ。雇用費はかかるが,それだけ良い働きをしてくれる
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新たな区画の開拓は,まず小路を引くことから。小路を引いたら施設を配置していこう
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最初は寂しかったヴェストバルトも,街づくりが進むと施設が林立する賑やかな場所に
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錬金術士に依頼し,アトリエでアイテムを調合しよう


 本作の華であり,経済活動の中心となるのが,錬金術士によるアトリエでの調合である。錬金術というと,怪しげな薬や魔法の道具を調合するイメージがあるが,本シリーズの錬金術士は,魔法使いとマンガ的発明博士を足して2で割った感じ。傷薬にビキニ鎧,蓄音機にリンゴのパイ……と,素材とレシピさえあればさまざまなものを作ってくれるのだ。

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 栽培した素材をそのまま売ることもできるのだが,調合することで利益がグッとアップする。例えば,食品系素材の「小麦」はわずか1コールにしかならないが,小麦×2で「小麦粉」に調合するだけで35コールになる。さらに小麦粉と「植物油」「源素・火」を調合して「伝統食パン」にすれば135コールに。小麦粉と「ハチミツ」「何かのタマゴ」「シャリオミルク」で「特製ホットケーキ」にすれば858コールで売れてしまう。調合万歳だ。

錬金術士の友好度を上げるとレシピが手に入ることも。ここでは一気に10種ほど増えている
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 もちろん,高度な調合にはレシピを手に入れなければならないし,素材を調査で発見してから,街の栽培地で量産する必要もある。また,調合で作ったアイテムがさらに高度なアイテムの材料になる場合もある。もちろん,どの材料が足りなくてもアイテムは作れない。錬金術士に調合を頼んでいた場合は,材料不足で無駄な時間を過ごしてしまうことになる。そうならないためには,材料を安定供給できる基盤を作っておくことが必要になるわけだ。

シリーズでお馴染みのハゲルさんも登場し,栽培やショップなどいろいろな仕事を頼める
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複数のアイテムに必要となる「中和剤・赤」の用意を怠ったため,調合が不可能に。結果,ショップでの流通が滞ってしまった
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ショップでアイテムを販売するには,充分な在庫が必要。いくら高額で売れるアイテムの調合方法が分かっていても,滞っては利益にならない。時にはたくさん作れるアイテムで凌ぎつつ,数ターンおきに高額アイテムを売るような工夫も必要だ
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 前述した特製ホットケーキの素材は,何かのタマゴとハチミツ,シャリオミルクだ。何かのタマゴは「暗がりの小径」,シャリオミルクは「深緑の樹林」で発見でき,牧場で量産が可能。ハチミツは「ハチの巣」「年代物のつぼ」「源素・火」を調合して作る。素材となるハチの巣は「深緑の森」で見つけて林で増やさなければならないし,年代物のツボと源素・火は「見識の広野」「展望の草原」から採取する必要がある。入手と消費のバランスが崩れないようにし,複数のアイテムの素材となる品は普段からコツコツ作って備蓄する。こうしたマネジメントが,本作のキモであり楽しい部分だ。

一度調査した場所にはキャラクターを派遣できる。一気にたくさんの素材が欲しいときなどは派遣を使うのも手
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 調合で重要なのが,錬金術士のレベルを上げ,「最大コスト」を増やしておくことだ。最大コストは,錬金術士がこなせる仕事量を示すもので,調合を頼む際,アイテム毎に決められた「コスト」の合計値が,最大コスト以下になるようにしなければならない。最初は最大コストも低く,あまりたくさんのアイテムを調合できないのだが,レベルが上がれば高度なアイテムを量産できるようになっていくのは,実に「アトリエ」シリーズらしい。レシピも結構な数が存在しているようで,いくら調合してもアイテム図鑑がなかなか埋まらず,アイテム集めに熱が入る。

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良い休日は「訪問」と「調査」のバランスがポイント


 休日は,キャラクター達と触れ合う「訪問」か,一緒にお出かけをする「調査」などを行う。同じ休日にすべてを行うことも可能だが,訪問と調査はネルケの「行動力」を消費するので,うまくバランスを取って実行したい。

 本作には,歴代シリーズからキャラクター達が結集しており,マリーやエリー,ソフィーにリディーといった錬金術士達はもちろんのこと,マリーの親友であるシアや,筋骨隆々で自称・妖精さんのペペロン,ホムンクルスのちむといった個性的なキャラクター達まで登場する。
 キャラクターによっては訪問するとイベントが発生し,友好度や経験値が上がる。また,特殊な効果を持つランドマーク作りを提案してくれたり,新アイテムを研究してくれたりといったイベントで,ネルケを手助けしてくれることもある。

歴代「アトリエ」シリーズタイトルからさまざまなキャラクター達が仲間になる
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 「アトリエ」シリーズのプレイヤーであれば,そうしたイベントをより楽しめる。マリーが落ちこぼれだった頃を振り返ったり,借金で苦労したユーディーが貧乏暮らしの辛さを語ってくれたり,にんじんが大好きなヴィオラートが提案するランドマークが「にんじん畑」だったりするなど,シリーズファンならやり取りを見ているだけでたまらない。多数のキャラクターにイベントがあり,つい調査をそっちのけで訪問を繰り返したくなってしまうだろう。

 錬金術士達が協力して新アイテムを開発する「研究」も見どころだ。これは,研究に参加する錬金術士達の友好度が一定以上で,必要なアイテムやコールがあれば実行できる休日のコマンドだ。研究を行うとレシピや新たなアイテムが生み出され,上位施設を作れるようになったり,戦闘で使うアイテムを強化できるようになったりするなど,街づくりには不可欠。完了時にはイベントが発生することもあり,キャラクターのファンも,イベントを目当てにプレイしていれば街づくりにつながっていくのが嬉しいところだ。

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マリーがランドマーク「教会」の建設を提案したのは,親友が結婚したことを思い出したのがきっかけ。シリーズを知っているならニヤリとできるポイントだ
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さまざまな作品に共通して登場する名物キャラクターのパメラ。それぞれのパメラは同一人物とも別人とも明言されていないのだが,本作のパメラはなぜかすべての世界で起こったことを知っているようだ
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 錬金術士達の個性が際立つのが,調査地へ赴いて素材を拾い,モンスターと戦うRPGパートとなる調査だ。本作の調査は,ネルケ+最大4人のキャラクターがパーティを組み,自動でマップを歩いてゴールを目指すという,シンプルなシステムになっている。行動力が多いほど調査ルートを長く歩けるので,採取や戦闘の機会が増加し,ゴールまでたどり着ければ次の調査ルートが現れる。一度調査した調査ルートには,キャラクターを派遣して素材を採取してもらえるので,積極的に攻略していきたい。
 訪問と調査を両立させたい場合は,「走る」コマンドが有効だ。これを使うと,調査中に足を止めて採取をせず,ゴールへまっすぐ向かうので,行動ゲージの消費を抑えられる。ただし,魔物は容赦なく出現するので注意が必要だ。

調査は自動で進行し,素材となるアイテムを拾ってくれる
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 モンスターに遭遇すると戦闘がスタートする。戦闘はマニュアル,セミオート,オートから選択でき,自分で操作する場合は,リアルタイム進行+コマンド選択式となる。ゲーム内の時間が流れる中,行動順が回ってきたキャラクターに行動の指示を与えていく仕組みだ。ネルケやミスティなど,錬金術士でないキャラクターは前衛で戦う「アタッカー」,錬金術士は「サポーター」として戦う。アタッカーは武器による直接攻撃が可能で,狙うべき魔物や使うスキルをプレイヤーが指示できる。サポーターは基本的に自動で行動し,スキルで全体攻撃やバフ・回復などの補助をしてくれる。戦闘で使える錬金術はサポーター毎に異なっており,バフ・回復系のみのリディーや,攻撃系しか使えないスールのような者もいるので,うまく組み合わせるのが重要だ。

戦闘はリアルタイム進行+コマンド選択式。時間の経過に伴い,画面上部のラインをキャラクターのアイコンが動いていき,左側に達した者が行動できる
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 アタッカーやサポーターが行動する毎に「ドライブ」(画面下の緑色の玉)が蓄積されていく。ドライブが多いほど,次に行動できるまでの時間が短縮されるが,これを消費することでスキルの発動やアイテムの使用ができる。とくに錬金術士は,全体攻撃や回復など強力な効果を発揮するうえ,プレイヤーの指示で即座に発動してくれるため,一気に戦況をひっくり返せる。ドライブを溜めて手数を増やすか,必殺技を使って手早くケリを付けるか,リアルタイムならではの戦略性が生まれているというわけだ。

 シリーズファンは,錬金術士が使う技に注目してほしい。通常技では,メルルの「全自動きのこ鍋」や,シャリーの「うに」といったシリーズお馴染みのアイテムが,攻撃や回復に活躍する。また,必殺技ではマリーが「ギガフラム」を投げまくって攻撃し,エリーはチーズケーキを振る舞って仲間を回復させるなど,キャラが立っていて面白い。
 自分でキャラクターを操作してマップを巡る要素が無いのは少し残念だが,街づくりや調合の指示に注力したいという気持ちもあるので,プレイヤーのやることが増えすぎないよう,うまく調整されている印象だ。

錬金術士の必殺技は派手なものが多い
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調査ルートの奥にはボスが待ち受けていることも
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課題やまちの声による依頼をこなして,さらなる発展を


 栽培で素材を安定供給し,調合したアイテムをショップで売っていく。公害などのネガティブな要素がないので,供給と消費のバランスが確立すればプレイを自動化できそうなものだが,そうした状況を良い意味で引っかき回してくれるのが,「課題」「まちの声(依頼と国策)」「国策」,そして「重大急報」だ。

 課題というのはネルケの父から与えられる長期目標のこと。「黒字状態を規定ターン数継続する」「特定の施設を建てる」など具体的な達成法が指示されているため,課題をこなしていけば街の発展やゲームの進め方について自然と学んでいける。

長期目標である「課題」。「サブ課題」から1つずつこなしていけば最後には達成できるようになっている
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 まちの声はキャラクターや住民などからの要望で,期日付きの短期目標の依頼や,もう少し規模が大きい中期目標となる国策がある。「アイテムを○個調合(販売)してほしい」「特定の魔物を○体倒してほしい」など,その中身は多岐にわたる。達成するとお金がもらえ,さらに依頼主の友好度もアップするのだが,期日によっては無理をしないと達成できない場合がある。無視してもペナルティはないが,国策は街の人口上限が増えるので,何とか間に合わせたいところだ。

短期目標の「依頼」はキャラクター達からのもの。リスト下部の地球儀っぽいアイコンが「国策」で,街の人口と人口上限が増えるので重要だ
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 期限が迫っているが,どうしても依頼や国策を達成したい時は,栽培や調合を見直して無理やり進めてみるのも面白い。在庫の多い素材はひとまず栽培を中止し,依頼で用いるものに切り替える。それでも足りない場合は,多くのキャラクターを調査に派遣してかき集める。錬金術士達の調合メニューも見直してみる。無駄なものを削ったり,利益が少ないアイテムの調合を止めたりして,ちまちまとコストを浮かせていくのもアリ。そのときに,知らない間にレベルアップしてコストが余っている錬金術士を見つけた時などは,服のポケットからお札を見つけたような幸福感を味わえる。
 人とモノを全力でブン回し,なんとか依頼を期日に間に合わせた時のカタルシスは格別だ。国策で大量生産したアイテムが実は高額で売れる品で,大きな収入をもたらしてくれるようなことがあるのも面白い。

 一方,重大急報は達成できないと該当区画が封鎖され,施設がすべて停止する。大金を払えば復旧できるが,足りない場合は施設をすべて壊して更地にするしかない。こちらも状況次第では緊急体制を組まざるを得ず,プレイに緊張感をもたらしてくれる。

「重大急報」が発生したら,何が何でも達成しよう
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うまくこなせると,その区画にいるキャラクターの友好度がアップ。しかし,対応に失敗すると区画が封鎖されてしまう
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封鎖された区画は,大金を払って復旧するか更地にするしかない。更地にすると費用は安く済むが,あらゆる施設がなくなってしまう
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 本作は街づくりのシミュレーション要素が強く,同時に,栽培と調合を滞りなく回していく経済シミュレーションの要素も色濃い。チュートリアルがしっかりしているのはもちろん,課題や依頼による導線作りもなされており,すぐに没入できるだろう。とくに依頼や国策,重大急報で引っかき回された状況に,栽培や調合を大幅変更して対応するのが面白く感じられた。
 また,こうしたシミュレーション部分を錬金術士達のイベントが彩っており,キャラクターモノとしても楽しい。歴代シリーズタイトルのキャラクター達が,街づくりという新たなテーマについて語り合うのも新鮮で,従来のシステムを踏襲しなかったことによるメリットともいえるだろう。シミュレーション初心者はもちろんのこと,RPG要素が強くなった近年の「アトリエ」シリーズのプレイヤーにも遊んでほしい作品だ。

「ネルケと伝説の錬金術士たち 〜新たな大地のアトリエ〜」公式サイト

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