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生演奏&声優陣によるボーカル曲で“フォトン”が揺れた「メギド72 the concert 〜新年の宴〜 presented by ファミ通」をレポート
音楽面でもプレイヤーから大きな支持を集め,2019年12月25日には待望のCDも発売したスマートフォン向けアプリ「メギド72」(iOS / Android)。その初の単独コンサートでは,ゲームのコンポーザーである寄崎 諒氏を筆頭としたエルプシャフト音楽団による生演奏と,シークレットゲストも加えた総勢7人の声優陣によるボーカル曲が披露された。
<セットリスト>
ソロモン王の伝説 -承-
追放アッパーグラウンド
俺らイケメン
辺境の剣
魔を統べる少年
常連のグラス
夢魔謡う一夜
悪戯スーパーセル!
魅惑狂騒曲
混沌より愛をこめて
龍虎激突
Encounter
永遠意光〜Twilight
勝算の一手
化身舞闘 -嵐渦叫風-
Lovable Debris!
<アンコール>
カタチを成す想い
メギド72
<出演者>※敬称略
メインキャスト:朝霧友陽(カスピエル役),鈴木裕斗(インキュバス役),高橋広樹(メフィスト役)
ゲスト:生田善子(アスモデウス役),宮下栄治(ベリト/フラウロス役),関根明良(アイム/シトリー役),バトリ勝悟(ヒュトギン役)
今回のコンサートのテーマは,作中に登場する酒場を舞台とした“メギドたちと楽しむ宴”。オープニングを飾ったのは,ゲームのタイトル画面で流れる「ソロモン王の伝説 -承-」で,そのまま伸びやかなボーカルを加えたアジトの「追放アッパーグラウンド」と続いた。
ここで,ステージにはカスピエル,インキュバス,メフィストの3人が登場する。新年を迎え,それぞれの時間を過ごしているため,アジトには彼ら以外誰もいない。しかしこのアジトには約900のファン……もとい,フォトンがあふれていた。インキュバスは“俺の女になれなかった魂”,メフィストは“ギャンブルをやりたい野郎ども”という各々の解釈で,暗闇に揺れるフォトンたちとコミュニケーションを図る。
やがてカスピエルの提案で,3人の中で誰がもっともフォトンたちを喜ばせられるかという勝負へと発展した。そこでヴァイガルドきってのイケメン3人は,景気づけとして「俺らイケメン」を熱唱。フォトンたちと3人の掛け合い「S!A!K!E!酒!」「イケメン!」「ハンサムボーイ!」などのコール&レスポンスもばっちりと決まっていた。
朝霧友陽さん(カスピエル役) |
鈴木裕斗さん(インキュバス役) |
高橋広樹さん(メフィスト役) |
こうして気分が盛り上がった3人はお酒を求め,酒場へ向かう。そのあいだにメインストーリー1章を象徴する「辺境の剣」,ピアノからの導入が印象的だったメギドクエストの「魔を統べる少年」,サックスがクールなエッセンスとなった「常連のグラス」が会場を包み込んだ。
酒場へと到着するが,こちらも人影はなく貸し切り状態の寂しい雰囲気だった。しかしアジトにいたフォトンもついてきており,一緒に乾杯を行うことに。何に乾杯するのかとたずねたメフィストに,カスピエルは「我らがソロモンに,乾杯!」と高らかにグラスを掲げる。3人がソロモンと出会った頃を振り返る中で流れたのは,彼らが活躍したイベント「ソロモン誘拐事件」を思い起こさせる「夢魔謡う一夜」だ。
さらにサックスが魅せる「悪戯スーパーセル!」,よりアグレッシブになった「魅惑狂騒曲」を終えると,酒場にはアスモデウスが登場。凍りつく3人だったが,インキュバスはすぐアスモデウスにお酌をする処世術を見せつけ,強がる姿勢に会場は大笑い。カスピエルは近づけるだけですごいと称賛する中,アスモデウスは「騒がしい!」と一喝。スクリーンにはショートアニメで描かれたリンゴを片手で握りつぶすアスモデウスのビジュアルが映し出され,より大きな笑いが巻き起こった。
生田善子さん(アスモデウス役) |
歌い終わって満足したアスモデウスはその場を去り,ほっと一息つく3人。しかしカスピエルとインキュバスはふと昔を思い出し,しんみりとしてしまう。メフィストはお酒を飲むことは“辛くても苦しくても,それを忘れて楽しむ戦い”と叫び,酒場の楽団へ盛り上がる曲のリクエストを投げかける。ここで演奏されたのは「龍虎激突」「Encounter」の2曲で,とくに「Encounter」ではアレンジされた独特なコーラス部分を楽しめた。
場の雰囲気が上向きに変わったところで,改めて乾杯をしようとする3人の前に現れたのはベリトだった。ここはベリトに任せようとなり,ベリトの「俺様と,ついでに三馬鹿に乾杯!」との音頭に合わせてフォトンたちを含めた全員で2度目の乾杯を行う。
上機嫌なベリトは「1曲歌ってやりたい気分」と尊大に言い放ち,ゆっくりと「永遠意光〜Twilight」(※)を届ける。ベリトの気持ちに覚えのあるカスピエルとインキュバスの2人は,ベリトに対して「痛いほど分かる」と同意するのだった。
※「永遠意光〜Twilight」がゲーム内に登場したのは,2019年8月に開催されたイベント「死を招く邪本ギギガガス」だ。ベリトがメギドとして目覚めたきっかけや,フルーレティのような“芸術派”メギドについて語られている。とくにベリトを語るうえで欠かせないのが,ヴィータの友人だ。存在が大きく異なる彼らは,いつまでも共にいられない。歌詞には,最期のときが迫る友人への率直な想いがつづられている。さまざまなジャンルの音楽が登場する「メギド72」の楽曲だが,この「永遠意光〜Twilight」はヒップホップ調で,このジャンルでは日常の些細な出来事や感じた想いをそのまま歌詞にするケースも多い。ならば,ベリトが友人への気持ちを歌で表現するなら“まさにこれ”としか言いようがないと思われた。イベントストーリーを読んだことがない人は,ぜひ復刻を待って「死を招く邪本ギギガガス」をプレイしてほしい。この歌の感動が何十倍にも膨れ上がり,涙なしには聞けなくなるはずだ。
少し悲しい空気が漂ってきたところで,再びアスモデウスが戻ってくる。やや乱暴ながら,過去ではなくハルマゲドンを阻止する未来を見ていろとの叱咤にその場の全員が励まされていく。常に戦場という意識を持つことこそ“勝算”が生まれるといった一言と共に「勝算の一手」と,続けて激しさを増した「化身舞闘 -嵐渦叫風-」がパワフルに演奏された。
ついに宴も終わりを迎え,メギドとフォトンたちにも別れのときが近づく。しかしフォトンが大地に還り,また現れるように,この場のフォトンたちともすぐ会えるだろうと語るベリト。アスモデウスに急かされ,酒場をあとにする彼らの背中を見送ったのはゼパルやフラウロスが登場したイベント「傀儡の王と操られた花嫁」の「Lovable Debris!」だ。フォトンたちの手拍子と,フラウロスの代名詞ともいえる“クズ!”の大合唱でコンサートは終了した。
盛大な拍手の中で現れたのはすでに登場していたメギドに加え,ヒュトギンとフラウロス,アイムだった。そして,イベント「魔獅子と聖女と吸血鬼」で登場した「カタチを成す想い」を歌い上げる。
ステージ上の関根さんがアイムからシトリーのセリフ・ラップパートへ流れるように歌い分けた瞬間や,宮下さんがベリトとはまったく違うテンションとなっている光景を目の当たりしたファンからは大きな感嘆の声が上がった。
関根明良さん(アイム/シトリー役) |
バトリ勝悟さん(ヒュトギン役) |
改めて万雷の拍手の中で出演者が勢揃いし,会場に集ったファンやパブリックビューイング会場へ向けて挨拶をする。夜の部ではバトリさんが,シークレットゲストのネタバレを伏せていてくれた昼の部へ参加したファンへの感謝を伝えつつ,名乗らずにトークしてしまう微笑ましいシーンも。鈴木さんはもう一度コール&レスポンスをやりたいと話し,高橋さんや関根さんたちは自作の応援うちわを持ち込んだファンに対してコメント。自身のうちわに触れられたファンからは,悲鳴のような声も上がっていた。
最後はファンも総立ちとなり,出演者全員で熱唱する「メギド72」で締めくくられた。メギドの名前をリズミカルに歌わなくてはならないため難度が高いものの,熱心なゲームプレイヤーとしても知られる朝霧さんをはじめ,全員が見事に歌いこなしていたのはさすがといったところ。ファンもマフラータオルやペンライトを振り,今日一番の熱気に会場中が酔いしれていた。
終演後はステージに宮前氏も登場し,ファンへの感謝を伝えると大きな拍手が送られた。さらに今回の公演が収録されたBlu-rayの発売決定が告知されたほか,1月9日発売の「週刊ファミ通 2020年1月23日増刊号」には別冊付録として今回の公演台本が収録されている。詳しくは「メギド72 the concert 〜新年の宴〜 presented by ファミ通」のページをチェックしてみよう。
「メギド72」公式サイト
「メギド72」ダウンロードページ
「メギド72」ダウンロードページ
メギド72 the concert 〜新年の宴〜 presented by ファミ通
(C) DeNA Co., Ltd.
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