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カプコンの綾野智章氏に「CAPCOM Pro Tour 2019」における,賞金と改造コントローラ問題への見解を聞く
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印刷2019/07/27 00:00

インタビュー

カプコンの綾野智章氏に「CAPCOM Pro Tour 2019」における,賞金と改造コントローラ問題への見解を聞く

 2019年6月21日,カプコンは「ストリートファイターV アーケードエディション」PC / PS4 以下,ストV AE)を競技タイトルとするワールドツアー「CAPCOM Pro Tour 2019(以下,CPT2019)」の公式規定を更新した。今回大幅に加筆されたのは,公式大会ルールの「CPTにおけるコントローラー利用の理念」部分。これまで大まかにしか定められていなかった入力機器の使用可否や改造に対し,カプコンが一定のルールを明示したことになる。

「CAPCOM Pro Tour」公式規定 2019


 2014年から開催されている「CAPCOM Pro Tour」で,なぜ今になって入力機器のルールが定められたのか。大きな転機となったのは,2019年5月にアメリカで開催されたeスポーツイベント「ComboBreaker 2019」だった。日本のプロゲーマー・ウメハラ選手(梅原大吾氏)が,独自に改造されたレバーレスコントローラ(※)で大会に出場しようとしたところ,運営とカプコンの判断で改造コントローラを使用しての出場を禁止されたのだ。

梅原大吾氏:日本初のプロ格闘ゲーマー。CPTにおいて,入力機器の規制が厳しくない現状に一石を投じるため,2019年5月より独自の改造が施されたレバーレスコントローラの使用を開始する。使用禁止の裁定に対し,「入力機器に関する議論が生まれたことはよかった」とSNSでコメントを残している
画像(014)カプコンの綾野智章氏に「CAPCOM Pro Tour 2019」における,賞金と改造コントローラ問題への見解を聞く

※レバーレスコントローラ:アーケードコントローラのレバーを廃し,上下左右の4方向をボタンに置き換えた入力機器。ヒットボックスが有名だが,今回問題となったのは,ヒットボックスとは異なる挙動を示すコントローラで,後ろと前のボタンが同時に入力された場合,後に押したボタンが優先される仕様となっていた

 この時にカプコンが提示した回答は「CPTの精神に沿わないコントローラの使用を認めることはできない」というもの。さらに追記として,コントローラの利用規定について,ルール改正を視野に検討を進めていると発表されていたのだが,そのルール改正が6月21日,正式に行なわれたということになる。
 今回,4Gamerは,上記の改造コントローラとCPT 2019における賞金の支払いについて,回答が用意できたとカプコンの「ストリートファイター」シリーズプロモーションプロデューサー兼eスポーツプロデューサー・綾野智章氏から連絡を受けて,インタビューを行った。本稿ではその模様をお届けしていく。

eスポーツプロデューサー・綾野智章氏
画像(003)カプコンの綾野智章氏に「CAPCOM Pro Tour 2019」における,賞金と改造コントローラ問題への見解を聞く


改造コントローラの禁止基準は「優位性の獲得」


綾野智章氏(以下,綾野氏):
 今年5月に「ストV AE」の競技シーンで問題となった「改造コントローラ」と,7月にはCPT 2019における賞金の支払いのルールについて,カプコンより回答が用意できました。サイレントで更新するのでなく,多くのプレイヤーやシーンのファンに周知してもらうべく,メディアの方々に協力してもらう形にしました。

4Gamer:
 それではまず改造コントローラの話について聞かせてください。こちらは6月21日にルールの改定があったとのことですが,それ以前にカプコンとして明確な線引きはあったのでしょうか。

綾野氏:
 CAPCOM Pro Tourが始まった時点では,選手は好きなコントローラを自由に使えるというベースの上に,連打やマクロといった一般的に違反とされるものを禁止していた程度でした。

4Gamer:
 梅原大吾氏が使用するレバーレスコントローラが,通常のアーケードコントローラなどでは再現できない動きが可能ということで大きな物議を醸し,今回のルール改正につながりました。格闘ゲームの歴史を考えると,これまでにもそういった問題が出ていないとは考えにくいのですが,過去にも同様のケースはあったのでしょうか。

画像(006)カプコンの綾野智章氏に「CAPCOM Pro Tour 2019」における,賞金と改造コントローラ問題への見解を聞く
綾野氏:
 以前ですと,「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション(以下,スパIV AE)」で何度か入力機器の優位性の問題は指摘されていました。1回目がスパIV AEのテクニックであるコパ辻(※)がやりやすいコントローラが登場したときになります。この時もかなり悩みましたが,最終的に勝敗に大きな影響は与えないと判断し,そのままで通しました。

※コパ辻:目押し連続技における入力猶予を1F伸ばす「辻式」を弱パンチで行うテクニック。ボタンの入力優先の関係でセレクトボタンなどを使う必要があった

 ただ,次にですね。豪鬼の必殺技「天衝海轢刃(※)」をニュートラルの状態から出しやすくするための改造コントローラが作られて,この時はすぐにルールを改定しないといけないという判断を下しました。ですが,これも使用者が該当する改造コントローラを今後使用しないと明言してくれたことで,ルール改定までには至りませんでした。

※天衝海轢刃:コマンドは88+KKK。ニュートラルの状態から出すには上方向への入力2回をすばやく行う必要があり,通常のレバーや十字キーでは至難のテクニックだった

4Gamer:
 後者は当時,大きな話題になっていましたが,やはりカプコンとしてもルール改定の検討を進めていたんですね。

綾野氏:
 通常のコントローラでは再現することが難しいテクニックが可能となっていたので,これは優位性につながっていると判断し,完全に禁止しようと考えていました。ですが,プレイヤーの理解もあってとくに大きな問題になることはなく収束したんです。
 また,禁止といっても改造自体を禁止するという考えはありませんでした。eスポーツは年齢,性別,人種,ハンディキャップに影響されることなく,同じゲームを楽しみ,その中で強さやテクニックを競い合うものだと考えています。それなのにハンディキャップを持つ人が満足にパフォーマンスを発揮できない入力機器のみが使用可能というのは我々の思想に反します。そういった意味も踏まえ,改造コントローラそのものについては,多様性の1つとして認めています。

4Gamer:
 今回問題となった梅原大吾氏が使用するレバーレスコントローラは,後ろボタンと前ボタンを同時に入力したときに,後に押したボタンが優先されるものでした。これが優位性を獲得していると判断され,禁止されたということになるわけですね。

綾野氏:
 そうですね。「ストV AE」本来の挙動であれば前後同時にボタン入力した場合,前入力が優先されるのですが,該当するコントローラは異なった挙動を示し,優位性を獲得していました。また,それであればほかのレバーレスコントローラも異なる挙動(※)を示すものもあるのではないかと指摘されるかもしれませんが,ニュートラルになるのであれば,優位性につながることはないという判断のもと,問題はないとしています。ちなみに「誰が使っているか」については判断には関係していません。

※異なる挙動:ヒットボックスに代表されるレバーレスコントローラでも後ろボタンと前ボタンを同時に入力することが可能だが,この場合「何もレバー入力をしていない」という信号がゲームに送られる

レバーレスコントローラ「ヒットボックス」
画像(001)カプコンの綾野智章氏に「CAPCOM Pro Tour 2019」における,賞金と改造コントローラ問題への見解を聞く

4Gamer:
 梅原大吾氏が該当するコントローラを使用しての大会出場を禁止された時,カプコンは「CPTの精神に沿わないコントローラの使用を認めることはできない」と回答を提示していました。この「CPTの精神」が指す意味とはどういったものなのでしょうか。

綾野氏:
 当初の発表ではそうお伝えしましたが,今回の改定では「CPTにおけるコントローラー利用の理念」と表記させていただきました。この理念ですが,「改造することは問題ないが,それは公平性が担保された中で行う範囲に収まっていなければならない」といった内容になります。多様性は認めますが,公平性は担保してくださいということです。

4Gamer:
 こちらの公平性の基準は何になるのでしょうか。

綾野氏:
 ゲームの開発をPS4の標準コントローラであるDUALSHOCK 4と,一般的なキーボードで行っていますので,それらで可能な動きを逸脱しないことが基準となります。ただし,キーボードも千差万別なところがあるので,大きな指針となるのはDUALSHOCK 4の方ですね。

4Gamer:
 ヒットボックスなどのレバーレスコントローラの話になりますが,今回問題になった入力優先以外にも,DUALSHOCK 4やアーケードコントローラでは非常に難しいニュートラルを介さない動きが可能となっています。これはカプコンが定める優位性にはつながらないと考えていいのでしょうか。

綾野氏:
 そこはレバーレスコントローラが使用されてきた歴史に基づいて定めました。これまでレバーレスコントローラを使うプレイヤーは少なからずいましたが,そのことに対し,有利な入力機器を使っているとか,禁止にするべきという話は出てきませんでした。確かに一部のコマンドは簡単になったり,すばやく入力できるようになったりするんですが,テクニックと呼んでいい範囲内であろうというのが今の判断となっています。
 ただ,レバーレスコントローラの挙動において,現在定められている規定内であれば使用は問題ありませんが,今後自分たちの想像を超えるようなテクニックの範囲を超えた優位性となる挙動が発見されてしまったような場合は,再検討を行う可能性はあります。

4Gamer:
 優位性につながっているという判断を下すのは誰になるのでしょうか。

綾野氏:
 最終的な判断はカプコンのeスポーツ担当部署やCPT運営会社であるCAPCOM Media Venturesで行います。カプコンでは多くの社員がCPTはもちろんのこと,プロゲーマーの配信もチェックしているので,何かおかしいことがあればすぐに議題に上げて,合意が取れ次第,変更をかけていきます。今回は,前述のとおりストIV時代から何度か議題に上がっていたので,すぐに対応することが決定しました。

4Gamer:
 現在の使用可能なコントローラについてもう少し詳しく聞かせてください。DUALSHOCK 4でも,十字キーとアナログスティックの両方でキャラクター操作ができ,通常のアーケードコントローラでは難しい挙動は可能となっています。こちらは問題ないということですか。

綾野氏:
 開発環境で使用しているコントローラがDUALSHOCK 4になります。ですので,DUALSHOCK 4で実現可能な挙動は違反とはなりません。十字キーとアナログスティックの両方を使ったキャラクター操作も問題ありません。

4Gamer:
 アーケードスティックにアナログスティックが付属されているコントローラもあります,そちらはどうでしょうか。

綾野氏:
 アナログスティックをそのままの入力機器として使うのであれば禁止することはありません。ただし,アナログスティックを改造して無理やりレバーとして扱うといった,機械能力の変換は認められません。

4Gamer:
 アーケードスティックの中には,ボタンに十字キーをアサインできるものが存在します。こちらは完全に禁止なのか,あるいは割り当てさえしなければ使用は可能なのでしょうか。

綾野氏:
 こちらは公式規定の範囲内に収めてもらえればコントローラ自体の使用を禁止することはありません。ただ,こういった機能というのは悪用しようと思えば,すぐに悪用できてしまいますよね。なんらかの方法で正常に戻すスイッチなどを取り付ければ,大会運営のチェックをすり抜けることも難しくはないでしょう。
 現在ルールに明記されていることは,あくまでもプレイヤーの良心,性善説に基づいて作成されているもので,これはできる限りプレイヤーには窮屈な大会にしたくないという思いがあります。ただし,こういった入力機器の悪用が発覚した場合は,ルールやチェック体制をさらに厳しくすることになるかもしれません。

画像(012)カプコンの綾野智章氏に「CAPCOM Pro Tour 2019」における,賞金と改造コントローラ問題への見解を聞く


ライセンス非所持者の賞金は10万円が限度に
ライセンスの即時発行は変わらず可能


4Gamer:
 今回,CPT 2019における賞金の支払いについてもルールの改定が行われたとのことですが,どういった内容になったのでしょうか。

綾野氏:
 これまではCPT 2019の海外大会であれば,日本eスポーツ連合(JeSU)のプロライセンスの有無に関係なく賞金をお支払いしていましたが,今後はプロライセンスを所持していない日本在住プレイヤーに対しての賞金は国内外大会問わず10万円が限度額となります。対象の大会は,「CAPCOM Pro Tour」におけるスーパープレミア大会と地域オープン大会,地域決勝大会,及びグローバルプレミア大会が該当します。

4Gamer:
 海外大会においても国内での大会と同一のルールになったわけですね。なぜこのタイミングで変更することになったのでしょうか。

画像(007)カプコンの綾野智章氏に「CAPCOM Pro Tour 2019」における,賞金と改造コントローラ問題への見解を聞く
綾野氏:
 結果的に「EVO2019」の直前の時期となりましたが,タイミングにとくに深い理由はありません。カプコンとして法律を遵守しなければならないのは当然で,去年と同じ立て付けだから今年も問題ないだろうという楽観的な考えはしていません。常に適法であるかの検討を行っていて,今回,もう少し厳格にしたほうがいいだろうという判断が下り,よりJeSUの規約に則った形になったわけです。プロライセンス非所持の場合,直近のEVO2019では,EVO運営側からの賞金については我々は関与しませんが,カプコンから授与できる賞金は10万円が上限となります。

4Gamer:
 これまでのCPTの大会と同じように,優秀な成績を収めれば,すぐにプロライセンスを取得することはできるのでしょうか。

綾野氏:
 JeSUによる承認後のライセンス発行となりますが,問題なく取得できます。上位8名に入賞した選手については,推薦枠としてカプコンよりJeSUへ申請を行います。我々としてもすばらしい成績を残した選手には賞金を獲得してもらいたいので,プロライセンスを取得してほしいと思っています。
 
4Gamer:
 昨年の話になりますが,「CAPCOM CUP 2018」の決勝大会はラスベガスで実施されましたが,この大会でもプロライセンスを所持していない選手に対する賞金は10万円が上限だったと認識しています。昨年の時点でなぜ同一のルールが適用されていたのでしょうか。

綾野氏:
 2017年までCPTは,CAPCOM U.S.A.が独自の判断で運営していたんですね。2017年までは日本のカプコンは完全にノータッチで,日本のプレイヤーやシーンのファンにアナウンスをすることもありませんでした。
 ですが,2018年からは会社が一丸となってeスポーツに取り組んでいこうという話になりまして,日本のカプコンも「CPT ジャパンプレミア」を運営し,CPTの決勝大会であるCAPCOM CUP 2018の宣伝を行ったわけです。その結果,日本の法律をより遵守していこうという判断のもと,今年と同一のルールで賞金が支払われたのです。

4Gamer:
 ちなみにカプコンの見解として大会の賞金は何に該当するのでしょうか。一部では労働の対価――労務報酬にあたるのではないかと言われていましたが。

綾野氏:
 どういった立て付けなのかは申し訳ないのですが,控えさせていただければと思います。我々としては,現行法を順守し,JeSUの規約についても参照したうえで,賞金額の設定を行い,カプコン個社の判断で賞金をお渡ししています。具体的には,景表法と刑法,風適法に抵触しないよう精査して,賞金を授与しています。賞金の授与について大きな判断となるのはプロライセンスの有無で,賞金の上限額をそれぞれ定めさせていただいています。

4Gamer:
 用意した質問は以上となります。最後にメッセージがあればよろしくお願いします。

綾野氏:
 改造コントローラと賞金の問題につきまして,参加する選手やシーンを追いかけているファンに心配をかけることになりましたが,今回のルール改定で一定の回答を提示できたと思っています。
 また,eスポーツの競技シーンは公平性が担保されていなければならないとは考えていますが,それと同時にルールによって参加者が窮屈になってしまうのはよくないと考えています。今後も問題が起きるか,起きそうになった場合,早急に対応を検討し,改訂を進めていきますのでよろしくお願いします。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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