スマホがゲーム業界のメインストリームに躍り出てからそれなりの時間が経ったが,ドンチャン騒ぎのバブル的好景気もなんとなく一段落して,市場はいったん踊り場に差し掛かりつつあるように感じる。ここはおそらく,さまざまな問題を解決したうえで「次なるステップ」に進むための踊り場なのだろうし,このあと誰が上がってくるのか,どんなゲームがデビューするのか,遊ぶ側からすると楽しみでならない。
一方で,実際に開発をしているデベロッパとしては,ちょっと先が見えない不透明な時期に差し掛かっているように思う。今はネイティブアプリの狂乱が一段落して,バブル真っ直中にいたスマホゲームマーケットが初めて迎える“小休止”であり,いま何を仕込んで,何を目指して,どこに向かって進んでいくのか,とても大切な時期なのだ。超強力なIPを抱える会社や,すでにメガヒット――という言葉すら生ぬるいが――の作品を抱える会社はいったん置いておくとして,こんなタイミングで,業界を支える中堅〜上位陣の会社は,どんなことを考えて,どんなポリシーで会社を動かしていっているのだろうか。
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そんな話を聞く相手として選んだのは,PCオンラインゲーム業界にいたころから「ちょっと(というより,だいぶ)変わった人」として名を馳せていた,Aiming(エイミング)の椎葉忠志氏と,その右腕の萩原和之氏。椎葉氏は、ゲームオン時代に数々のプロジェクトを手がけて,あるとき突如会社を飛び出してONE-UPという会社を作り,そこで「ブラウザ三国志」や「戦国IXA」などの,いまだサービスが続けられているドル箱タイトルを生み出した張本人だ。そのまま腰を落ち着けるのかと思いきや,そこもあっさり飛び出して,2011年6月にAimingを立ち上げ今に至る。「ロードオブナイツ」(iOS / Android)や「剣と魔法のログレス いにしえの女神」(iOS / Android)などAimingのその後の活躍は,おそらくは業界の方やユーザーであれば知るところだろう。
彼らがスマホゲームマーケットの過去と未来をどう考えて,このあとどういう手を打っていくつもりなのか,じっくり聞いてきたのでここにお伝えしよう。
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4Gamer:
本日はお時間ありがとうございます。実は……椎葉さんが4Gamerに登場するのって初めてなんですよね。
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そう。4Gamerさんが全然誘ってくれないから。
4Gamer:
いや,ただ単に「なんとなくタイミングがなかった」というだけです(笑)。そんなわけで初めまして,ですがよろしくお願いします。
椎葉氏:
分かりました。でも僕なんでもそのまま正直に話しちゃうから,いくらなんでも書いちゃダメそうなことはちゃんと削ってくださいね?
4Gamer:
前向きに検討します(笑)。
まず過去を振り返ってみる
4Gamer:
さて……Aiming的には,2015年の1年を振り返っていかがでした?
椎葉氏:
いきなり答えるのが難しい質問がきましたね。
4Gamer:
じゃあ,とっかかりとして……これはあくまでも僕の個人的な感想なんですけど,スマホゲームのバブルが1つ終わって,次の時代に差し掛かるタイミングだったのかな,というのが昨年の印象です。
椎葉氏:
そのイメージのとおりだと思います。
遡って考えると,最初は市場自体がどんどん伸びていくので,出せば当たる……とまでは言いませんが,新しいヒットが多く出るタイミングが必ずありますよね。
モバイルゲーム市場は,ガラケー末期にモバゲー,GREEが伸びて,次にgloopsやgumiさんが成功して,オリジナルに限らず何でも当たるぞと市場が伸びて。スマホ時代に変わって2012年に「パズル&ドラゴンズ」(iOS / Android,以下パズドラ),2013年9月に「モンスターストライク」(iOS / Android,以下モンスト)が出ているんですが,これらは説明不要なくらいにとんでもない規模になりました。ここまでで第1世代の終焉ですよね。
4Gamer:
その後の“エポックメイク”になったのが「チェインクロニクル」(iOS / Android)ですね。
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そう。それに続いて,自社タイトルですが「剣と魔法のログレス いにしえの女神」(iOS / Android,以下ログレス)や,コロプラさんの「白猫プロジェクト」(iOS / Android,以下白猫)といった,3DやMMO,マルチプレイがあるような,カードソーシャルから派生したものよりは,より「ゲームらしい」体験ができるタイトルが出てきました。出てきましたが……。
4Gamer:
……が?
椎葉氏:
ここがもう少し盛り上がるとよかったんですけどね……。
4Gamer:
あぁ……でもそのあたりのジャンルが盛り上がる前に,開発費がすごい勢いで高騰しちゃいましたから,なかなか難しかったのでは。
椎葉氏:
そうなんですよ。これまでのように,どんな会社でも作れる/出せるというわけにもいかなくなり,大手メーカーやコロプラさん,そして僕らといった,限られた数社になっちゃうわけです。結果としてこの続く世代は,市場としては「モバゲー+GREE」や「パズドラ+モンスト」ほど大きくならなかったんですよね。
4Gamer:
マーケット全体の数字感で見るとそうかもしれませんが,でもやっぱり「伸びている」という流れは引き継がれていると思うんです。
椎葉氏:
そうかもしれません。でも例えばコロプラさんなんかだと,自分たちはマス向けのゲームが得意だと自覚されているので,ゲームらしいゲームを作ろうという意志と実力はあるけど,濃いゲームを作ろうというのとはちょっと違うと思うんですよね。
あと何より,スマホゲームそのものが既存のIP(Intellectual Property:知的財産)頼りになってしまったわけです。モバゲー,GREEの黄金期以降に繰り返されたことがまた起きたなと。
4Gamer:
歴史は繰り返すものですから。しかし確かに去年は,大手からのIP作品が目立ちましたね。
椎葉氏:
そうですね。スマホゲームのユーザー数もピークを迎えたと言える今だから,IPのような引きのあるものは圧倒的に人が集まるんですよね。まさに一極集中ですよ。
僕らは去年2つのタイトルを海外からライセンスイン(※)したのですが,それぞれ事前登録者数が30万人以上と良い進捗で,しっかり進められたなぁと喜んでいたんですよ。でもほぼ同時期に「Fate/Grand Order」(iOS / Android)が70万人以上とか聞かされて「いやいや,ちょっと待って」と。
※「ひめがみ絵巻」(iOS / Android),と「ロストレガリア」(iOS / Android)の2タイトル
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お客様……僕らはユーザーとは言わず“お客様”と呼ぶのですが,お客様は正直だなぁと(笑)。30万人だって立派な数字ですよ。でも,あれだけ苦労して集めて僕らは30万人なのに……70万人ですよ!? しかもプロモーションコストもさほど掛けていないっていう話ですからね。
4Gamer:
でも70万人もいるが故に,ちょっとしたことで炎上しちゃったりもするわけでして……。そこはなかなか痛し痒しといったところじゃないでしょうか。
結局のところグラフィックスはとても大事
4Gamer:
しかしそうやって,なんとなくブームが落ちついて踊り場に差し掛かった今,マーケットへの参入障壁がどんどん高くなっていくのが困りものです。
萩原氏:
飛び込んだとしても,昔のように小さい会社がカジュアルゲームを作って当てるというのはなかなかねえ……。
椎葉氏:
かなり難しくなってしまいましたよね。でも基本無料で触ってもらうチャンスさえ築ければ,面白さでなんとかなるんです。
ログレスもそうでした。初月売り上げは2000万円あるかないかだったのが,雪だるま式に増えていって,ピーク時には初月の100倍とかになったんです。まぁこの過程までは凄く長かったです。
4Gamer:
でも,御社は割といつもスロースターターなイメージがあるので,あんまり違和感ありません(笑)。
萩原氏:
うん,そうですね。はい(笑)。
椎葉氏:
それができるのも基本無料だからだなあと思ってます。少しのユーザー数でも,少しずつ確実に売上を上げて,それによってできたお金も,開発費を取り返そうというのではなく,再投資するようなイメージで。
今のゲーム内容で楽しんでもらえて,売上が伸びたのだからと,さらに投資すればもっといけるんじゃないかと。
4Gamer:
確かにそうなんですが,そこに至るまでのハードルが凄く上がってます。
椎葉氏:
そもそも僕は,グラフィックスの向上というものが面白さの向上につながったり,遊びとして面白くなったりというのは,それほど関係ないと思っているんですが。
4Gamer:
少なくとも「イコール」ではないですよね。
椎葉氏:
ただ,まずお客様に手に取ってもらわなきゃいけないと考えたときに,たくさんゲームがある中で選んでもらうためには,見た目のいいものや名前が立派なもの,自分の興味あるものを手に取っちゃうのは,どうしても消費行動として当たり前なわけで。
4Gamer:
はい。
椎葉氏:
「ゲーム内容を差別化しました,システムが最高に面白いです」ってアピールしても,手に取ってはくれないわけです。そうなると,グラフィックスを良くするしか差別化が難しい感じになってしまって,それがイノベーションのジレンマとして……ね。
4Gamer:
ゲームシステムの話を聞いて「なるほど,これは面白そうだな」と分かるような人はそもそもゲーマーだから,そういう人はプロモーションを難しく考えなくても,自分で判断して手に取ってもらえますしね。
椎葉氏:
ただそれ以外の人にも遊んでもらわなきゃ,といったときに,その人達がどうしてもゲームの見た目を重視してしまうというのは,これまでのゲームの歴史で繰り返されていることで,まさに今もそれが起きているんですよね。
いまから作っても,もう遅い?
4Gamer:
でもそういう状況下でも耐えて耐えて,また耐えて……というのは,体力があってこそできることですよね。
椎葉氏:
そうです。でもそれはログレスや白猫の時代までが限界かな……という感じですかね。スマホゲーム初期は,広告費で1000〜2000万円かければ,売り上げが3000万円増えるみたいな状況だったわけです。もちろん良いゲームということが大前提ですが,さっき言った「雪だるま式」がし放題なわけです。
4Gamer:
今はそういうわけにはいきませんよね。開発費の高騰と共に,広告費も高騰することになりがちですし。
椎葉氏:
そう。そもそも1000万円の広告で始めることは成り立たないわけです。開発費に2〜4億円掛かるプロダクトなら,広告もそりゃあ億スタートとなってしまうんで。
そうなると参入ハードルがとんでもなく高くなってしまう。ゲームって,新しくて多様な面白さを提供し続けられないと,業界として諦めちゃうんです。
4Gamer:
諦める,とは?
椎葉氏:
これは決してモバゲーとGREEが悪いという話じゃなくて,ゲームの歴史でずっと繰り返されてきていることなんですが……モバゲー,GREEもカード型ソーシャルゲームだけで,新しい遊びを提案できなかったわけです。新しいことをしない,つまり諦めたんですね。
4Gamer:
なるほど,意味が理解できました。
椎葉氏:
小さな会社が参入できて活躍できる市場がある方が,新たなプロダクトも生まれてイノベーションも起きるんですが,それがなかなか……。
4Gamer:
何かのイノベーションが起きるより早くマーケットが大きくなりすぎちゃって,どこかでひずみが生じてるかもしれません。
椎葉氏:
だいたいこういうのって,ハードウェアが出て2年くらいでブームが来て,3年ほどでピークを迎えて落ちていく。お約束のパターンですね。
スマホも,モバゲーとGREEの黄金期が2011〜12年あたりだとして,パズドラが2012年に出て2013年に大ヒット……。そう考えると,やはり2,3年で周期が来てますよね。そしてゲーム開発側は,「市場が伸びてるぜ!」と作り始めて,ゲームが完成するころには大体ピークが過ぎて落ち着いちゃっているんです(笑)。こういう流れは,家庭用ゲームでもいつも起きてることですが。
4Gamer:
はい(笑)。そのころには得てして新しいものが生まれていますしね。
椎葉氏:
どの会社も,2年くらい前から作っているゲームが大半だと思います。
例えば,チェンクロや「ブレイブ フロンティア」(iOS / Android)が2013年の夏ごろリリースされたので,それらを見て「こういうゲームらしいゲームを作るんだ」といって開発されたゲームがリリースされたのが……2015年の夏ごろですかね。
4Gamer:
なるほど確かに……。
椎葉氏:
ではログレスや白猫の成功を見て作り出した作品が,2016年の夏以降に出るかというと……怪しいところです。
4Gamer:
そもそも「ゲームらしいゲーム」を作るのであれば,制作期間も順調に延びてそうですし。
萩原氏:
まぁそんなこと言ってる僕らは,自社開発タイトルのリリースは去年0本でしたけどね。
4Gamer:
そこには触れないようにしてたのに……。
本当に好きなものに対しては,
みんなお金をちゃんと遣ってくれる
椎葉氏:
でも自分を正当化するわけじゃないですが,他社も出がらし感というか……新しいものを作るということに対してどんどん苦労が重くのしかかるようになってきていて,コロプラさんも2015年春まで3本の新作が出てますが,そのあと出てないですね。
4Gamer:
コロプラに限らず,どこもいま,次のエポックメイクな一手を打とうにも打てない状態っていう感じがします。
椎葉氏:
出せないですね。制作に時間も掛かるし,かといって時間をかけすぎると市場が変わっちゃうし。
僕らはいままでずっとそうなのですが,1年半で1本作りたいと思ってるんです。それなら市場の変化についていけると思うんですけど……これがびっくりするくらい間に合ってないんです(笑)。
4Gamer:
でも,そもそもゲーム業界として考えたときに,FFやドラクエという超強力IPをもってしても,むろんかなりの人気を集めているとはいえ,スマホマーケットでは「トップ」を取れないわけですよね。そう考えると,まだ名前の大きさ勝負だけにはなってない気もしますし,追いつく努力をしていればいずれは報われるんじゃないでしょうか。
椎葉氏:
そうですね。それこそ初代プレステ以来と言ってもいいレベルで,多くの人がゲームで遊んでくれている時代が来ているわけですから,チャンスはたくさんあります。
4Gamer:
家庭用は最近ちょっと,以前ほどの元気はないですけど……。
椎葉氏:
最近,家庭用ゲームのソフト市場売上が2000億円を割ったというデータがあったので,過去20年くらいの家庭用ゲームのソフト市場を調べたんですよ。そしたら,ピーク時って5800億から6000億あったんですね。
4Gamer:
うお,そんなにあったんだ。
椎葉氏:
1997年とか98年なんて,ミリオンヒットが年間10本以上あって,それこそスクウェア1社で4本出したりしてたんです。我々が家庭用ゲーム業界に入ったころですが,当時僕がプレステで初めて担当したゲームは,27万本くらい売れたんです。いまだと凄い数字ですよねえ。
4Gamer:
いまその数字だったら,週間ランキングの上位に余裕で躍り出ますよ。
椎葉氏:
ですよね。いまそんなゲーム作ったら,社内で神扱いですよ。でも当時は,まぁインセンティブはあって嬉しかったんですけど,売れ行きについては「それくらい売れるでしょ」という感じの空気で褒められることもなく……。時代の差を感じますね。
4Gamer:
そんなこともあったんですね。
いま週間ランキングを見てると,ちょっと悲しい気持ちになってきます。多くの人ががんばって作った作品も,売れた本数はこれだけなのか……って。任天堂やSCEの取り分を引いて,メーカーの販売価格を考えてパッケージにかかるコストを考えると……ね。
椎葉氏:
ゲームだけではなくて,CDや雑誌,なんでもそうですからね。「配信があるから」と言っても,売れなくなってきているのは間違いなくて。日本という国全体が,“趣味のセグメンテーション化”というか,それぞれが興味あることにはお金を使うし,ないことは興味も持たない。すごくピーキーな方向に進んでますよね。
4Gamer:
本当に凄く細かいところまで細分化して,ニッチになってますよね。それに伴って消費行動も変わってきているというか。
椎葉氏:
僕は,日本のプロ野球が好きなんですね。テレビは視聴率が悪いと放送すらしなくなってきていますが,観客動員数はずっと増えてるんです。
4Gamer:
そうなんですね。野球観ないので知らなかったです……。失礼ながらちょっと意外でした。
椎葉氏:
なんか放送とかも減ってきて,ただでさえ不況感ありますしね(笑)。でも昔は人気がないと言われたパ・リーグも,動員数は増えている。本当に好きなものには夢中で,自分が強い趣味に思っているものには全然気にしないでみんなお金を使うんです。
4Gamer:
確かに,自分の消費行動を振り返ってもそうですね。
椎葉氏:
そんな時代に,膨大なマスマーケットであるスマホゲームにおいて,僕らはカジュアル(ライト)ユーザーとコアユーザーの間を狙っているんですが……この定義が曖昧で,線引きが難しいわけです。
基本的に制作中止にはしない。
意地でも作り上げてローンチする
4Gamer:
共通認識といえるものはまだない……というか,何がカジュアルで何がコアかっていう議論はあると思いますが。ちなみにAimingには何か定義っぽいものはあるんですか?
椎葉氏:
僕らはそれを「モチベーション」で測ってます。
4Gamer:
なんか一発で理解できました。
椎葉氏:
コアユーザーは,コンシューマやスマホ問わず,ゲームの発売日をちゃんとチェックしていて,例えば「オーディンスフィアの新作が1月14日に発売されて,早期購入特典にアートワーク集が付いてくる」「やっぱヴァニラウェアの作るゲームは最高だよな」なんて話をしている人達ですね。
4Gamer:
4Gamerの読者にもいっぱいいそうです。
椎葉氏:
この人達は,消費行動として常にゲームを探しているし,「DARK SOULS」みたいな“死にゲー”と呼ばれる高難度のゲームも,難しいからこそうまくやって,難所を超えることで喜びや満足感を得ている。これって相当モチベーション高いですよね。
4Gamer:
分かります。「モチベーション」という言葉には「なるほどなぁ」という感じです。
椎葉氏:
一方のカジュアルユーザーですが,これは「モチベーションが低い人達」です。なんか言葉だけ聞くと誤解を招きそうですが,そこまでどっぷりゲームに浸かっていない人達ですね。
4Gamer:
スマホの台頭で爆発的に増えた人達ですね。
椎葉氏:
こういう人達は,小さい達成感でいいんです。パズドラや「キャンディクラッシュ」(iOS / Android)のようなシンプルなルールのパズルや,「運が8割じゃないのかこれ」という“運ゲー”とか呼ばれるようなゲームでも,2割でも自分が関与してるとこがあれば,「クリアできた」「いいカードが手に入った」と満足できる。
どっちが上とか下とかそういう話ではなく,楽しみ方とそれぞれに合ったゲームがあるという話ですが,でもその2つって相容れないですよね。
4Gamer:
そうですね。求めるものがあまりにも違うので,やはりそこはまったく別なものとして捉える必要があると思います。
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僕らは,両者の真ん中よりもちょっとカジュアル向けを目指してます。モチベーションが高い人はそれなりの操作があった方が楽しんでくれるんですけど,長くやるゲームとなるとその操作が面倒くさくなる。でも操作が多くてもモチベーションが高ければ乗り越えるんで,このバランスをどうすればいいか,常に意識してるんですよ。
4Gamer:
コア層を満足させて,カジュアル層も挑めるところを狙っているわけですね。でもスマホ向けでそんなコアなものってまだないですよね。
椎葉氏:
ないですね,MMO出してるところがいくつかあるかな,というくらい。
Aimingという会社に対しての見方や期待って,それこそお客様それぞれにあるんです。ある人は「もっとMMO作ったらいいじゃん」と思っているし,またある人は「ログレスのガワを新しく作り変えて,IP載せてみたらいいいじゃん」というふうに。
4Gamer:
あぁ,ログレスのガワ替えは割といい線かもしれない……。
椎葉氏:
ログレスは相当規模が大きくなってきたので悪くはない話だとは思うんですけど,それ以前に「多様性を生み出せる/新しいものを作っていける」という実力を持たなきゃいけないですし。それでできるだけ違うジャンルを作ろうとする結果……なかなか新作が出ないという。
萩原氏:
自分達で勝手にハードル上げすぎてるんじゃないかっていう気がします。
4Gamer:
でも確かに新作を出すって相当難しいことですよね。そもそも途中で開発が中止になることだってあるでしょうし。
椎葉氏:
たしかにあります。
4Gamer:
Aimingは,そこは思い切りよくさっくりと見切るタイプなんですか?
椎葉氏:
仮に作っている最中に「これはダメだ」となったら作り直すしかないし,中止するという選択肢も,もちろんあります。でもウチは,頑張って作りきらせて,無理矢理にでも出すというのが基本です。
4Gamer:
予想外の返答が。
萩原氏:
たとえそのゲームが50点の出来でも出す。そこから良くしていって,せめて70点までは上げていこうという感じなんですね。少しでも長く遊べるゲームにしていくため,お客様からの意見も反映しながら改善していくんです。
4Gamer:
ビジネスとしては分の悪そうなアクションですが,あえてそれをやる理由はどこにあるんでしょう?
椎葉氏:
詰まるところ「内部のため」なんですよね。もちろん,面白いゲームにしていってお客様に満足してもらうというのは大前提としてありますが。
4Gamer:
文脈的にお金の話ではなさそうなので,その「内部のため」をもうちょっと聞かせてください。
椎葉氏:
ローンチしてからバージョンを上げてゲームを良くしていく過程で開発者は,自分達が作ったゲームがどう評価されているか,なにが悪くて改善しなければならないのかが見えてきますよね。それを真摯に捉えてゲームが良くなっていくと,売り上げや継続してくれるプレイヤー数といった数字でも,少しずつ結果が表れてくるのです。
萩原氏:
それもあって初速が出ないんですけどね,うちは(笑)。
椎葉氏:
さっきから偉そうに「俺たちはスロースターターだ」なんて雰囲気出してますけど,本当は違います(笑)。
で,作品を外に出してどうだったかという過程もなく,制作途中で「面白くなりそうにない」といって中止してしまったら,そのチームにいた人達は,なんで面白くならなかったか分からないままですよね? その人達には成長がないから,次を任せたところで,結局もう一回同じ間違いを繰り返すだけだと思うんです。
4Gamer:
なるほど。そういう意味で「内部のため」なんですね。
椎葉氏:
まぁこれはこれで欠点があって,開発が長引くとチーム内の仲が悪くなることもあるんですよね。でも,「あいつが悪い。あいつのせいでダメだ」とか「お前が嫌いだ」みたいによっぽど酷くならない限りは,意地でも完成させて出すと。
4Gamer:
上がなんでも決めて一方的に通達して従わせると,結局何も進歩しないですからねえ。博打度は高いですが,会社にとっては良いアクションに思います。
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運営型スマホゲームは,日本独自のもの?
4Gamer:
まずは出すことが大事で,プレイヤーの意見も取り入れながら少しずつでも良くしていく,と。……でもそれって,実は日本のプレイヤーの空気と合ってたりしません? あえてポジティブに表現するなら,いわゆる“運営型”といいますか。
椎葉氏:
確かにそうかもしれませんね。一つのサービスとして,お客様からの要望や改善点を聞きながら,良くしていく,と。私たちのキャリアとしてそれで成功してるのは,日本市場に合っているからだと思います。中国や韓国,台湾なんかは“初速型”なので。
4Gamer:
そこまでデータに詳しいわけじゃないんですが,海外のゲームってたいがい初速型じゃないですか? 運営にまじめに取り組んでる海外産スマホゲームってあまり聞いたことないんです。
まあでも逆に言うと,ゲームの面白さやシステムだけであそこまで成り立ってるのが凄いとも思いますが。
椎葉氏:
なるほど確かに。でも海外といっても,アジアと欧米ではやっぱり違う面がありますね。運営とか初速とかいう以前に,欧米はなんといっても英語でのグローバルサービスがあまりにも強いんです。
塵も積もれば山となる……というと言葉は悪いですが,なにせマーケットが全世界ですから。例えば「League of Legends」でいうと,DAU(※)は常に1000〜2000万はいると思うんですけど,売上が900億円とか1000億円とか言われていて。
それをログレスに当てはめて考えると,1000万DAUだったら,売上が月に余裕で1000億超,年間だと1.2兆円超ですよ!
※DAU(Daily Active Users):1日に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数
4Gamer:
いやそこ,当てはめるところなんでしょうか(笑)。
しかしホントに「英語」でのグローバルサービスはユーザーの数が文字どおり桁違いですよね。そうなると,一人ひとりのプレイヤーに高額の課金をしてもらわなくてなんら問題ありません。
椎葉氏:
向こうのゲームって,お金使わなくていいじゃないですか。いやそれどころか,使い方を探さないといけないぐらいですし,実際顧客単価も低いですもんね。
キャンディークラッシュなんか,世界で数億人っていうDAUがいると言われていて,もし1億人がアクティブで1人が10円払えばそれで10億円ですよ。ARPPU(※)が低くてもまったく問題ない。ローカルを相手にしている日本ではできない成功事例ですね。
※ARPPU=Average Revenue Per Paid User(課金ユーザー1人当たりの平均売上金額)
4Gamer:
英語という巨大マーケットが世界を変えるのは,PCだとすでにSteamで経験済みですね。
椎葉氏:
ええ,まさにSteamなんかもそうですね。
ウチに「ARK: Survival Evolved」(※編注:恐竜がいる時代でサバイバルしたり,恐竜を育てたりするゲーム。「こちら」を参照)に凄くハマっているスタッフがいるんですが,あれだって「これで2980円でホントにいいのか?」というクオリティじゃないですか。マイクロトランザクションの課金もなく,それで儲かるのかなと思うんですけど。でも英語で,難しい言葉がなくても理解できるシステムでゲームを作れたら,誰でも遊べるわけですからね。
4Gamer:
おっしゃるとおりです。そこからして日本は「ちょっと特殊」なわけですが。
椎葉氏:
そもそもDAUが100万もいかないですよね。パズドラやモンストは別格として,普通は数十万くらいです。そうなると,お客様に長く遊んでもらえるよう,一人ひとりに向けて深堀りしながらゲームを作らなきゃいけないわけで,そのためには運営型にならざるを得ないんですよね。
アジア諸国はその中間のイメージです。欧米のようにユーザー数はもの凄く多いし,高額課金者もいるというハイブリットな感じ。
4Gamer:
運営型を欧米に持ってったらどうなると思います?
椎葉氏:
うーん……どうしてもニッチ寄りになるでしょうね。例えば,2年くらいサービスしているログレスでいま起きていることなんですが,武器と防具の組み合わせが難しいんですよ。
萩原氏:
どんな組み合わせにしていいか分からないんです。今回の「最高の武器」って言われてるものも,自分のメインのジョブや属性によっては使えたり使えなかったりして。それも難しくて,多くのお客様に価値がうまく伝わりにくくなってるんです。
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つまり“難しい言葉”が必要なゲームになってるんですね。もちろん海外にも,日本向けのこういうゲームが好きな人もいるので,お客様は集まると思うんです。しかしワールドワイドで成功しているタイトルに比べたら地味な印象になりますね。
プロモーションの仕方も難しいんです。カジュアルで分かりやすいタイトルなら,それこそSNSで投げれば広まりますが,ニッチで,かつゲームの魅力を伝えるのに説明が必要なゲームって,どこにどう投げこめば,そういうゲームが好きな人に知ってもらえるの? というのが分からないんですね。それでいまのところ,欧米展開は難しいなって。
ログレスがついに中国進出……か?
4Gamer:
さすがにちょっと欧米と違うのか,ログレスはアジア圏で売れてますね。
椎葉氏:
台湾で1位取ったりとか。
4Gamer:
おめでとうございます。確かに台湾の人,好きそう……。
ところでずっと前から思ってたんですが,あの絵柄であのゲームシステムを考えると,ログレスってどう考えても中国向けじゃないですか?
椎葉氏:
いやあ,あれは構想の時点から,中国のお客様に向いてるぞと思いながら作っていました。
4Gamer:
やっぱり!
椎葉氏:
韓国は,「ラグナロクオンライン」以降に2D MMORPGでのヒットがないので難しいだろうと。台湾は,よしんば当たったとしても市場が小さいと。でも中国は,トップクラスで2D MMORPGがいっぱいある国で,しかもほぼオートの“ながらゲー”が好きな国なんです。絶対これ向いていますよね。
4Gamer:
2Dで可愛い系のキャラで,半分くらいの“ながらゲー”で,戦闘はエンカウントというと,もうこれは中国市場以外ないんじゃないかと。
椎葉氏:
とはいえ中国市場も凄く大きくなって,いっぱいゲームがあるわけですよ。さらに,これまで日本のゲームが成功しなかった事例も多いので,「わざわざ日本のゲームを持ってくる必要ってあるの?」という,パブリッシャ側の意識があるのも事実です。
4Gamer:
Tencent(テンセント)もそんな見解なんですか?(※編注:AimingとTencentは,2014年12月に資本業務提携を発表している)
椎葉氏:
さすがにその手の話をここで明確にお話するのは難しいですけど,1つだけ言えるのは,彼らが大変優秀な評価チームを持っているということです。
4Gamer:
何度か見たことがありますけど,中国の巨大な会社の評価レポートってホントすごいですよね……。
椎葉氏:
ホントそうですね。まずゲームプレイ評価をがっちりして,次に市場で儲かるかをビジネス部門が判断するという,ちゃんとしたプロセスをもっているんです。しかもその評価レポートも,しっかりとゲームを見ていてとてもいいです。そこがしっかりしているから,持っていくゲームも外れないですし。
萩原氏:
モンストとパズドラですからね。まあモンストは諸事情によってサービスを終わっちゃいましたけど……。(※編注:ミクシィとTencentの方針の違いなどで2015年10月19日に中国サービスは終了している)
椎葉氏:
モバイルゲームは市場ごとの違いが大きすぎるので,参入のタイミングが難しいということはあります。でもついにログレスも,中国でのサービスに向けて現在相談しています。
4Gamer:
なんで中国進出しないのかなと思ってましたが,ついにですか。
椎葉氏:
どこまでやっていけますかね(笑)。自国のゲームが面白いのに,わざわざ日本の,そしてIPモノでもないゲームをやる必要はあるのかとか,2D MMORPGは古いとか,いろいろ言われていますが,まあ見てろよという気持ちです。
萩原氏:
昨年,中国のとある企業に「ログレスどうですか?」と中国進出の話を相談したら,全部3Dにするか,アニメIPでカバーしてくれって何度も言われたりしました。日本でかなり上位のほうにいるタイトルなのに,そんな扱いなんです!
椎葉氏:
まあでも台湾もそんな感じですよ。昨年の11月に,全ゲームの中で売上Top8とかになったんですよ。でもサービスを始めるまで,誰もがそこまでの人気になるって思ってなかったし。
萩原氏:
最初は低い扱いだったんですよね(笑)。例えばサーバーは,日本では15ワールドくらいあるのですが,台湾はサービス開始当時2ワールド分しか用意してなくて。それもすぐ埋まってしまって,どうするのかと聞いたら「もう一個増やすのはどうにかなるけど,4ワールド以降を用意するには3週間かかります」って言われたりとか。
4Gamer:
さ,3週間?
萩原氏:
僕らはもちろんクラウドを使ってますが,向こうはどうもPCのMMO時代のノウハウに引きずられているのか,そもそもクラウドサービスが少ないのか分からないのですが,普通のリアルサーバーで運用してるんです。
椎葉氏:
そんなことをしてる間にも,めっちゃ人増えてるじゃん! て。一体どれだけ期待してなかったのかと(笑)。
萩原氏:
こちらから,いったん広告を止めてくれと言ったくらいです。
4Gamer:
でも台湾の人の日本コンテンツ好きは健在なんですねえ。
成功したら海外に行くのってスゴイじゃないですか
4Gamer:
しかしついに中国ですか。
萩原氏:
はい,やりたいですね!
椎葉氏:
ログレスが当たって安定してた2年くらい前だと,まだ中国の市場がスマホでMMOができる環境じゃなかったんですよね。
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スペックもそうですし,通信環境も悪かったですよね。そもそも2013年にスマホでMMO作ろうなんて会社がなかったですし。日本でも「Aimingは誰と戦ってるんだ」と言われたり(笑)。
椎葉氏:
でもきっとワンチャンあるなと。もう少し我慢して勝負するときを待とうと思っていたら……中国市場が日本の3倍の速度で進んで,あっという間に追いついてきちゃいました。
4Gamer:
めっちゃ早かったですよね。
椎葉氏:
早すぎです(笑)。日本と同じで,もう大手しか勝てない,超大型IPがなければ勝負できない……みたいになってきてしまって。
4Gamer:
しかし……改めて中国は凄いと思いますね。あんなヘボっちい……といってはなんですが,不安定な“3G回線”でスマホのMMORPGを作ってたわけじゃないですか。なんという技術力を持ってるんだと。
椎葉氏:
やはりそれは,飛びきり優秀な人材が集まってくるからでしょう。
欧米やアジアと比較すると,日本はゲーム開発者の地位が低いですよね。そもそも大学でソフトウェア工学を学んだ人が,第一志望でゲーム開発を選ぶ率ってむちゃくちゃ低い。一方で中韓だと,IT企業のトップは,売上の6割がゲームだというTencentです。時価総額が20兆円とかで,日本で言うとメガバンクを軽く超えてますから。
4Gamer:
メガバンク2つ分以上でしょうか……。
椎葉氏:
そういう会社だから,もちろん大学で専門的にソフトウェア開発を学んだトップの人や一流の人が志望するわけです。むろん,決して学歴が高い人が必ず優秀ということでもないんですが,業界や会社の社会的地位の高さが,開発の現場で技術的な差が生まれることにつながっているというのは間違いないと思います。
4Gamer:
昔から誰彼構わず聞いてるんですが,なんで日本は地位が低いんでしょう?
椎葉氏:
なんなんでしょうねえ……。親がゲームなんかするなと言うし,マスメディアも定期的にネガキャンやってくれますし(笑)。
萩原氏:
つい最近も,「ゲームは青少年の成長に悪い影響を与えるという結果が出た」ってやってませんでしたっけ。
4Gamer:
もちろん真面目な研究が大半だとは思ってますが,中には御用学者のロビー活動みたいなものもありますからねえ。鵜呑みにする我々側にも問題はある気はしますが。
ちなみに地位の話ですが,今までのゲーム業界の人が,市場が勝手に成長していくことに任せて,そこに乗っかって「いいもの」だけを作り続けてきたことが原因じゃないかなと思ってるんです。もちろんまったく悪く言うつもりはないですし,それがゆえに今の我々があるわけですが,単純に過去の事実として。
椎葉氏:
確かに日本のゲーム業界は,「ビジネス」を作った経験がゼロに近いかもしれません。これまでやってきたことは,誰かがハードを作ってくれたところに,ソフトを出しているだけだったので。
もちろんそこで良いゲームを作って成功するというのは凄いことだし,おっしゃるようにそれの積み重ねで市場が大きくなってきたわけで,そういうメーカー各社の貢献には,感謝と尊敬を持っています。でも,そこから自分で新しいフィールドを作ることをしていなかったから,そこがやっぱり弱みとしてすごく出ているな,と思います。
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4Gamer:
「ゲーム業界」と言ってしまいましたが,“業界”が作れていないんですかね。市場は作れましたが。
椎葉氏:
中山さん(セガ)や宮本さん(任天堂),襟川さん(コーエーテクモゲームス)や加藤さん(日本ファルコム)といったゲーム業界第一世代の人達は,何もないところからこの市場を作り上げた人達です。僕は昔,中山さんにお世話になりましたが,いろんな意味でレベルが高く,やはり市場を作った偉人だと感じました。
4Gamer:
ゼロからって本当にすごいですよね。それもあってか「第一期」の人って,いまだ存在感のある偉大な人が多いです。
椎葉氏:
逆にいま,モバゲー/GREE以降に活躍しているのは,新しい業界を作った世代のように思います。そっちの人達ってビジネスセンスがあるし,成功したらさらに次は海外へと挑むじゃないですか。
4Gamer:
「そっち」って,いわゆる「IT系の人達」っていうことですよね?
椎葉氏:
そうですそうです(笑)。
で,成功したら海外へと行くわけで,そこで痛い目に遭ったりしてるんですけど,行くだけスゴイことなんです。新しい産業を作り上げて,それに甘んじることなく,もっと大きくしたいという気持ちと野望を持って挑戦しているわけですから。
4Gamer:
確かにそうですね。
椎葉氏:
ただ彼らは,ゲームのことを知らなすぎるかもしれません。これまでの歴史の話をしても分からないわけです。同じようなことが繰り返されていることを知らないから,未来を予測する力が弱かったりするのかも。
例えばWebのサービスで言ったら,現状がどうかは置いておいて,mixiは12年くらい続いている寿命が長いサービスなんですが,そういうふうに「現状が長く続く」という感覚の人がIT/ベンチャー系には多い気がしますね。GoogleやAmazonなどはもう生涯なくならないインフラに思えますからね。
4Gamer:
ゲームって,どれだけシェアを取っても,お客さんであるプレイヤーが飽きてしまったらそこで終わりですからね。
萩原氏:
“友達と連絡を取り合うツール”とかも,本当の意味での生活必需品ではないですからね。いままでのことを体感として分かっていないと,どこかで焦ることになる気がするんです。




























