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東京レトロゲームショウ2016:最終回 リマスター版がアナウンスされた「Call of Duty 4: Modern Warfare」をあえて今,プレイしてみる
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印刷2016/05/26 12:00

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東京レトロゲームショウ2016:最終回 リマスター版がアナウンスされた「Call of Duty 4: Modern Warfare」をあえて今,プレイしてみる

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今週のテーマ:いつかはオレもリマスターされたい

 記念すべき最終回となった今週の「東京レトロゲームショウ2016」は,2007年に発売された「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,CoD4)をピックアップしよう。「Call of Duty」シリーズ最新作となる「Call of Duty: Infinite Warfare」に,リマスター版が同梱されることがActivisionから発表されており,もしかすると,新作よりそっちのほうが盛り上がっているのではないかという雰囲気さえあるCoD4だが,ここで,“リマスターされていない版”をプレイして,リマスター版を待ってみるというのもオツなものであろうというのが選択の理由だ。意味がよく分からない。

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「Call of Duty」シリーズ公式サイト

Steam「Call of Duty 4: Modern Warfare」紹介ページ


 リマスター版を喜んでいるプレイヤーが多数いることからも分かるように,CoD4はシリーズの中で大きなエポックを作った作品だ。「Call of Duty」(2003年),「Call of Duty 2」(2005年),そして「Call of Duty 3」(2006年)と,一貫して第二次世界戦を描いてきたCoDシリーズのメインストリームが,いよいよ「現代戦」にそのフィールドを移すとあって,発売前から人々の注目を集めていたが,予想どおり,発売と同時に高い評価を獲得してビッグセールスを記録,続くシリーズの成功の礎を築いた。
 そういえば,「バトルフィールド」シリーズも,現代戦に移行した「バトルフィールド2」(2005年)で大ヒットを飛ばしており,なんだかんだ言って,みんな現代戦が好きなのね。筆者もだが。

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 そんなCoD4の背景となるのは,近未来の世界だ。ロシアでは超国家主義者と政府の内戦が勃発し,西側諸国は1500発の核ミサイルがどうなるのかを懸念していた。そんな中,イングランド西部のクレデンヒルにあるSAS基地に,新人隊員のソープ('Soap' MacTavish。ソープはニックネームで,ファーストネームは不明)が配属されてくる。チュートリアルを兼ねた簡単な適性試験を受けたのち,ソープは上官のプライス大尉(Captain Price)と共に,ベーリング海を進む貨物船の強襲作戦に参加する。この貨物船には,ロシアから流出した核弾頭が積み込まれていると思われていた……みたいな感じで話が進んでいく。

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 シングルプレイキャンペーンでは,敵味方とも多数のキャラクターが登場し,一見,関係が薄いようなミッションをこなしていくうちに,やがて大きな陰謀が見えてくるというストーリー展開になっている。もっとも,それほど複雑な話ではないし,やや荒唐無稽な感じもあったりするのだが,敵と味方がハッキリした分かりやすい話だとも言える。また,ラストシーンにはおそらく誰もが驚くはずだ。人の顔と名前が一致しないタイプの筆者は,だんだん誰が誰やら分からなくなるのが困りポイントでしたけど。えーと,ニコライって誰だ?

ニコライ
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 前作までのシングルプレイは,プレイヤーがアメリカ,イギリス,そしてソ連の兵士として,それぞれの視点から第二次世界大戦を戦い抜いていくというスタイルになっていた。本作でもそれが部分的に踏襲されており,主人公のソープだけでなく,アメリカ海兵隊のポール・ジャクソン(Paul Jackson)軍曹として中東の某国に派遣されたり,あるいは,若き日のプライス大尉として,チェルノブイリの廃墟にほど近いプリピャチに潜入したり,さらにはAC-130スペクターのオペレーターとして上空から地上攻撃をかましたりなど,物語を多層的な視点で眺めることが可能になっていて,そのへんがクールでカッコいい。序盤では,クーデターで捕らえられた中東某国の親米派大統領として,処刑台に縛り付けられて撃たれる場面を本人視点で体験できたりもする。

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 個人的に注目したのが,上記のAC-130スペクターからの地上攻撃シーンだった。スペクターは実際にイラクやアフガニスタンに投入されて,その映像がメディアに流れ,映像の中でオペレーター達が陽気に「ナイス,キル!」「ドカーン」などと笑っていたことが物議をかもした。それを本作でも再現しており,大作タイトルでこうした賛否ある描写を盛り込むところが,「Call of Duty」シリーズの挑戦的な部分であるなあと感心した記憶がある。もっとも,続く「Modern Warfare 2」では,モスクワ空港でテロリストとして民間人を撃ちまくる場面が,さらに「Modern Warfare 3」では民間人を巻き込んだパリの化学兵器テロを始め,ショッキングなシーンが次々と登場し,このへんになると,正直,ちょっとやり過ぎな感がなきにしもあらず。

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ジャベリン対戦車ミサイル
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 さて,現代の戦いになったおかげで,登場する武器は多彩だ。各種のアサルトライフルやサブマシンガンのほか,歩兵携行のミサイルなども登場する。ジャベリン対戦車ミサイルは,トップアタックが再現されており,発射するといったん,グッと上昇し,それから戦車の中でも装甲の薄い上部を狙って上空から落下するから,マニアは感激するがよい。
 とはいえ,戦いはかなり厳しい。本作は「Call of Duty 2」で採用された,当時のFPSとしては割と革新的なシステムになっている。まず,これまでのようなヘルスパックを使った体力回復は,ゲームのテンポを落とすとしてキャンセルされ,代わりに時間による自動回復が採用された。侵攻ルートに沿ってあらかじめ敵が配置されるというシステムも,ルート選択の自由を奪うとして使われず,代わりに,プレイヤーキャラクターの周囲に自動的に敵が出現するという形になった。さらに,ユーザーインタフェースも没入感を損なうとして最小限に留められた。しかも,筆者の大好きなクイックセーブもなくなった。
 こうした新たなシステムの是非については当時,さまざまなメディアで熱く論争されたような記憶があるが,現在のFPSを見る限り,デベロッパであるInfinity Wardの判断は割と正しかったんじゃないかと思えたりするわね。

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 それはともかく,そういうわけでシングルプレイで従来の,敵をすべて倒して,それからゆっくり探索して,次のエリアに進んで……みたいなテクニックは使いづらく,次から次に出てくる敵を相手にした,白熱の戦いを要求されるのだ。マップが広めで,攻略の自由度が高いとはいえ,デベロッパが想定した侵攻ルートを大きく逸脱すると,どこからともなく現れた敵に撃たれまくって即死,なんてことも起き,逆に,想定ルートが分かってしまうと,必要以上にサクサク進む。
 そういう意味で,“あらかじめ決まった役割を演じている感”は漂うモノの,その雰囲気に乗れるのなら,まるで戦争映画の主人公になったような気持ちが味わえるわけだ。

 ソープらSAS隊員による小規模な突入作戦や,ジャクソン軍曹として味わう大規模戦闘など,展開は多彩で,次などうなる? と飽きることがない。いやー,改めて見てみてもなかなかの傑作だわ(上から目線)。そんなCoD4は現在,「Steam」などで販売中。未プレイという人は,ぜひ試してみよう。リマスター版が出ちゃうけど。

 ■公開されたリマスター版のスクリーンショット
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