T-MEDIAホールディングスは,本日(2015年4月28日)12:00にゲームプラットフォーム「
TSUTAYA オンラインゲーム」のβ版サービスを開始した。このプラットフォームには,TSUTAYAでのレンタルやTポイント提携先でのショッピングなど,同社が提供している「Tカード」をリアル店舗で利用した場合の履歴が,ゲームに反映される仕組みが取り入れられている。本稿では,そうした仕組みの説明や,今後展開される予定のタイトルなどが発表された記者説明会の模様をレポートしよう。
T-MEDIAホールディングス 執行役員 山内智裕氏
 |
最初に登壇したT-MEDIAホールディングス 執行役員
山内智裕氏は,今回の取り組みについて「ワンストップ」と「O2O」(Online to Offline)というキーワードから説明した。
まずワンストップについては,TSUTAYAが書籍,DVD,CD,ゲームといった商材の販売やレンタル,買い取りを1つの実店舗で行える(ワンストップでできる)ことがユーザーの支持を得てきたと山内氏。同様に,TSUTAYAのインターネットサイトでも書籍や映像,音楽を取り扱ってきたが,そこに今回,オンラインゲームを取り入れようというわけである。
O2Oに関しては,2012年5月にスタートした「Tの世界」というコンテンツを例に説明がなされた。このコンテンツは,Tポイント提携店舗でTカードを利用してショッピングすると,ユーザーの街が育っていくというオンラインゲームだ。山内氏によると,このコンテンツに登録したユーザーがTポイント提携店舗を訪れる回数は,登録前より2倍近くに増加したという。さらには,そうしたユーザーから,それまで行ったことのない店舗を利用したり,新しいサービスを受けたりといった声が寄せられたとのこと。
山内氏は,これらをまとめて「ゲームであるTの世界を起点として,生活を楽しむユーザーの姿が見えた」とし,「今後は,それをより拡大していきたい」「ゲームがもたらす視覚と聴覚に,触覚,味覚,嗅覚を加え,生活とゲームが一体となった五感で楽しむゲームプラットフォームを目指したい」と意気込みを見せた。
続いて登壇したTSUTAYA オンラインゲームのプラットフォーム&マーケティングプロデューサー
立山聡瑠氏は,今回の取り組みのベースにはTの世界があり,それをプラットフォームとして昇華させたと説明する。
 TSUTAYA オンラインゲーム プラットフォーム&マーケティングプロデューサー 立山聡瑠氏 |
 TSUTAYA オンラインゲームには,ミドルゲーマー向けの他社タイトルもラインナップされる |
TSUTAYA オンラインゲーム内の通貨「ゴールド」は,Tポイントと連動している
 |
 |
2015年5月31日まで実施されるキャンペーンの紹介もなされた
 |
O2Oによるリアル店舗との連動に関しては,Tカードの利用履歴が,TSUTAYA オンラインゲームの各ゲーム内にてさまざまなアクションとして反映されるという。立山氏はユーザーがショッピングやレンタルをすると,ゲーム内でレアカードや経験値が入手できたり,あるいは提携店舗で実施されているスタンプラリーを制覇するとゴールドがもらえたりするといった例を挙げた。
TSUTAYA オンラインゲームのコンテンツ拡充を目指したクリエイター支援施策およびパートナー募集の紹介もなされた
 |
 |
TSUTAYA オンラインゲーム ゲームプロデューサー 平岡功臣氏
 |
TSUTAYA オンラインゲームのゲームプロデューサー
平岡功臣氏からは,T-MEDIAホールディングスが展開するゲームタイトル4本が紹介された。
「PROJECT-TO」は,ファイブスターズゲームと共同開発している“お店屋さんごっこ”のゲームで,ユーザーのTカード利用履歴がゲーム内の仕入れに反映される。すなわちリアルの提携店舗でショッピングをすると,通常のゲームでは入手できない特別な商品を仕入れることが可能となり,ほかのユーザーとの差別化を図れるというわけだ。またゲーム内ではほかのユーザーの店に行って買い物をしたりできるようなソーシャル要素も用意されるとのことである。
対応プラットフォームはスマートフォンおよびPCで,サービス開始時期は2015年冬が予定されている。
ゲストとして登壇したファイブスターズゲーム 代表 渡邉幹雄氏は,TSUTAYA オンラインゲームを「生活とゲームがシームレスになる,画期的なプラットフォーム」と表現していた
 |
 |
「にゃんこプレジデンッ!」は,モバイルファクトリーと共同開発した,位置情報を使うなわばり争奪ゲームである。なわばりのスポットとなるのはTSUTAYAや提携店舗などで,それぞれの近辺でチェックインできるほか,それらの店舗を利用するとさらなる特典が付与される。対応プラットフォームはスマートフォンで,現在サービス中だ。
「メモリア・ナイツ」は,クリーク・アンド・リバーと共同開発しているディフェンスタイプのRPG。並行セカイの「ニホン」を舞台に,各地にある拠点「T-FRONT」を奪回していくという設定で,リアルの提携店舗を利用するとレアアイテムなどを入手できる。対応プラットフォームはスマートフォンおよびPCで,サービス開始時期は2015年7月を予定。
そして最後に,レッド・エンタテインメントと共同開発している
「東京ハーレム」が紹介された。このタイトルは,キャラクターデザインにイラストレーターのゆーげん氏を起用するなど,上記の3本よりもエンターテイメント寄りの内容になるという。さらなる詳細については,今後の発表を待ちたい。プラットフォームはPCブラウザで,サービスインは2015年夏を予定。
ゲストとして登壇したレッド・エンタテインメント 代表 名越康晃氏は,「東京ハーレム」の映像配信などにもチャレンジしたいと意気込みを語っていた
 |
記者説明会のエンディングで再び登壇した山内氏によれば,今後のTSUTAYA オンラインゲームではエンターテイメント系タイトルやミドルコアゲーマーに向けたタイトルなどを拡充していく予定もあるという。同プラットフォームの正式サービス開始は,2015年7月末を予定しているとのことなので,それまでに公開される新情報にも期待したい。