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1万人を超える「Ingress」エージェントが東京を舞台にバトル。緒方恵美さんが演じるADAの日本語版ボイスパック配信も発表された公式イベント「Aegis Nova Tokyo」をレポート
これはXM Anomalyと呼ばれる大規模イベントの一環で,すでにアメリカやカナダなど世界各地の都市では,それぞれ数千人規模のエージェント(Ingressプレイヤー)がバトルを繰り広げてきた。その最終決戦の地に選ばれた東京では,お台場および新宿/渋谷といった都内各地を舞台に,一日がかりの壮大な戦いが繰り広げられた。
本稿ではその模様を,特設会場で催されたステージイベントと合わせてレポートしていく。
「Ingress」公式サイト
「Ingress」ダウンロードページ
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基点となったお台場の特設会場には,イベント参加のチェックインをするためにエージェントが来場。開場時間から人の流れが途絶えることはなく,最終的な参加者は1万人を超える大盛況となった。
エージェントの顔触れは,20〜30代の男女を中心に,親子連れ,海外のチームなどバラエティ豊かで,Ingress人気の幅広さを感じさせるものであった。また,(事前のSNS交流などを経て)会場で初めて顔を合わせたエージェント同士で挨拶を交わす姿があちこちで見られ,リアルイベントならではのコミュニケーションが活発に図られていたのも印象的だった。
オープニングイベントは,特設会場に用意されたステージで実施され,エージェント有志によるDJやお笑いライブ,初心者向け講座などさまざまなプログラムが行われた。さらに,エージェントとしても活躍している秋田県のご当地ヒーロー・超神ネイガーや,Ingressのストーリーのカギを握るキャラクター・司アキラなどが登場し,会場の盛り上げに一役買っていた。
これから戦いに赴くエージェント達をDJが音楽で盛り上げる |
超神ネイガーは,秋田弁で自身のエージェント活動をアピール |
会場内の物販ブースにはエージェント達が列をなしていて,公式グッズの販売では人気商品はお昼前には品切れとなってしまうほどだった。ローソンや東京三菱UFJ銀行といった協賛企業のブースや,一般ユーザーによる手作りグッズの頒布会なども賑わっていた。
TシャツやBIOカード(エージェント名刺)ホルダーといったIngress公式グッズを販売 |
オートバックスによるIngressカーのお披露目など,協賛メーカーのブースも活況 |
運行を開始したばかりのIngress専用バス“NL-PRIME”が展示
協賛企業の展示の中でとくに目を引いていたのが,旅行ポータルサイト大手のWILLER TRAVELとNianticのコラボレーションによって生まれた,Ingress専用バス“NL-PRIME”だ。
7月17日より運行を開始しているこのバスは,20数人のエージェントを乗せて各地のポータルを巡るツアーに用いられる。東京都内や横須賀といった関東圏を皮切りに,今後は全国各地を巡回していくという。外装や車内はIngressの世界観を用いた装飾がなされ,各座席に用意されたディスプレイで専用のアトラクションを楽しみながらポータル巡回を行えるなど,ファンにとってはたまらない内容となっている。
会場に展示されていたNL-PRIME | |
NL-PRIMEは,日本のXM研究者・司アキラとともに,エキゾチックマター(XM)の研究を行う移動ラボという設定。車内の随所にIngressの意匠を取り入れた,こだわりのデザインとなっている | |
ツアー中には,Ingressに関する映像やクイズがタッチ式ディスプレイに表示され,乗り合わせたエージェント同士の交流を促す仕掛けも用意されるという |
INGRESSバス「NL-PRIME」特設サイト(WILLER TRAVEL)
NL-PRIMEのお披露目に合わせて,会場ではナイアンティックのアジア統括本部長・川島優志氏と,WILLER TRAVEL代表取締役の村瀨茂高氏による対談が行われた。
今回のコラボは,WILLER TRAVELが東日本大震災の復興イベントに向かう深夜バスを企画したことがきっかけで生まれたのだという。川島氏は,「企画段階からこちらが驚くほどの情熱を持って取り組んでこられた」と,NL-PRIMEの出来栄えを称えていた。
一方の村瀨氏は,「バスの完成度にはまだ満足しておらず,もっと探査機らしさを出したい。ユーザーがもっと外に出て楽しんでもえるよう頑張る」とコメント。NL-PRIMEで全国各地を巡回し,活性化させていくというビジョンを語った。
東京各地が静かな戦場に。エージェント達が熱く戦ったアノマリー戦
ここからは,イベント本編であるXM Anomalyの様子をお伝えしよう。
エンライテンド(緑)とレジスタンス(青)の2陣営に分かれ,ポータル(陣地)を奪い合うというルールは通常通りだが,Aegis Novaでは「クラスター」と呼ばれる戦域の中で,特定の一瞬だけで集計されるのがミソ。
計4回行われるポイント計測に合わせてエージェント達は該当地域へと移動し,集計時間内にポータル争奪戦を行った。加えて,シャードと呼ばれる80個の破片をゴールのポータルに誘導する「フラッシュシャード」という特別ルールもあり,その両方のスコアの合計で勝敗が決まるルールとなっていた。
筆者もお台場での第4クラスターに参加したが,計測時間中はスキャナー(アプリ)の画面が更新されるごとにポータルの色が緑から青,青から緑へとめまぐるしく変化。平穏そのものな現実世界に重なるレイヤーで,大人数のエージェント同士による大激戦に(ほんの少しだが)参加できたことは,壮大にして痛快な体験であった。
アフターパーティーでイベントの勝敗を発表。ADAの日本語版ボイスパック配信が決定し,緒方恵美さんを起用!
戦いを終えて,続々と会場へと戻ってくるエージェント達 |
勝敗の発表前にステージに立った川島氏は,大勢のエージェントに向けて「今日という日が訪れたのは奇跡だと思ってます。最初の東京のイベントに来たエージェントは60人。そこからここまでたどり着けたのは,本当に皆さん一人一人の歩みだと思います」と感謝の言葉を述べた。
さらに,サプライズゲストとして登場したのが,アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の碇シンジ役などで知られる声優の緒方恵美さん。
知人に誘われてエージェント活動を始めたという緒方さんは,「今日の仕事が終わってスキャナーを立ち上げたところ,新宿が見たことのない光景になっていた(笑)」とクラスター戦中の凄まじさに驚いたとコメント。また,仕事で縁のある声優やゲーム会社,出版関係者の多くがエージェントであると話していた。
そしてイベントは,この日最大のクライマックスである勝敗の発表に移る。獲得ポイントは8581対5733,エンライテンドの勝利が告げられると,同陣営のエージェントからは大きな歓声が湧き上がる。
すでに海外で大人気となっている「Pokémon GO」については,「もう間もなく日本に登場する」と話すにとどまったが,「皆さんがやってくれたことなしにはできなかった。外に出て楽しむこと,人と繋がることを,もっと多くの人が見つけるところを見ていくでしょう」と,IngressとPokémon GOがもたらす新たな地平を見据えたコメントをして,イベントを総括した。
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Ingress Prime
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(C)2012-2018 Niantic, Inc.
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