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小児がんで息子を失った父が開発するアドベンチャーゲーム「That Dragon, Cancer」のKickstarterキャンペーンが成功
この「That Dragon, Cancer」は,小児がんと闘う息子Joel(ジョエル)君へのラブレターとして,プログラマのRyan Green(ライアン・グリーン)氏が,ライターの妻Amy Green(エイミー)氏や友人の協力を得て開発を始めた作品だ。残念ながら,ジョエル君は2014年3月に4歳で帰らぬ人となってしまったが,息子のため,そして同じ境遇にいる多くの人々のために,その開発は中止されることなく続けられてきた。
日本語にすると,「がん,というの名のあのドラゴン」といった意味となる本作だが,ゲーム中にはドラゴンのようなモンスターは登場せず,どこか物悲しい印象の病院敷地内で,ジョエル君との短いときを共有していくという趣向になっている。子供の笑い声が聞こえる束の間の瞬間を大切にしながらも,ときおり詩をそらんじて見せたり,言葉にならないうめき声を“主人公”の父が発するというような,「エンパシーゲーム」という新しいカテゴリーのゲームジャンルに属することは,以前の「Access Accepted第443回:プレイヤーがゲームに感情移入する『エンパシーゲーム』」でも紹介したとおりだ。
「That Dragon, Cancer」のリリースはPC,Mac,そしてOUYA(Android)向けに2015年10月が予定されている。決して万人受けするようなゲームではないものの,これまでとはスタイルの異なるゲームとして,心に留めておくのも良いだろう。
「That Dragon, Cancer」公式サイト
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That Dragon, Cancer
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