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ハロー!Steam広場 第307回:ドラゴンとなってアンデッドの軍勢から世界を救うアクションRPG「Elmarion: Dragon time」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,PS5のコントローラだけは持っている上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第307回は,ドラゴンが主人公のアクションRPG「Elmarion: Dragon time」を紹介しよう。本作の目的は,アンデッドの軍勢に支配された世界を救うこと。優雅に空を飛び回り,敵を見つけたらブレスで焼き尽くすといった感じで,ドラゴンならではアクションが楽しめる作品だ。
ドラゴンとなってアンデッドの軍勢から世界を救うアクションRPG「Elmarion: Dragon time」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はロシアのデベロッパー,Fleon Gamesが開発を手がける「Elmarion: Dragon time」(エリマリオン 〜ドラゴンの刻〜)を紹介しよう。
ドラゴンといえば,ファンタジー系の作品には欠かせない存在だ。時には力強い味方として,時には強大な敵として描かれ,作品によっては人型に変身したりと,何らかの強いインパクトを与える存在として出てくることが多い。ゲーマーなら,今までプレイしたゲームで記憶に残るドラゴンが何体かいることだろう。本作は,そんなドラゴンを操作して物語を進めていくアクションRPGである。
ゲームの舞台となるのはアンデッドの軍勢に支配された世界だ。ドラゴンであるプレイヤーの使命は,この世界をアンデッドから救うこと。あくまで救いたいのは人間ではなく“世界”だが,そのためには人間やほかのドラゴンとの協力が不可欠。プレイヤーはさまざまなミッションを通して,人間やドラゴンと関係を築いていき,ともに世界を守るのだ。
物語はミッション形式で進行し,エリア分けされた特色ある地域を移動しながら,探索や戦闘をおこなう。オープンワールドではないが,それぞれのエリアは飛行を前提としているので結構広く,ダンジョン(洞窟)なども用意されている。一部のキャラクターとは会話も可能で,選んだ選択肢によって始まるミッションが変わったりと,展開に分岐路も存在する。
物語を始める前にプレイヤーは,自分が操作するドラゴンの属性タイプ(火や雷)を選ぶ。これによってドラゴン自体のステータスが異なるほか,ブレスの威力や効果も変わるといった感じだ。
プレイヤーはドラゴンなので自由に空を飛んで移動できるほか,お約束のブレス攻撃で遠距離から敵を殲滅することもできる。近距離では敵に噛みつき,そのままむさぼって体力を回復することも可能だ。
敵を倒すと経験値が入手でき,一定値までためるとレベルが上がる。すると成長ポイントがもらえるので,これを体格(HP)や知力(MP)といった基礎ステータスに割り振ることでステータスを強化できる。それとは別にもらえるスキルポイントを使えば,新たなブレスをアンロックしたり,入手済みのものを強化したりも可能だ。
また,倒した敵や宝箱から装備を入手することもあり,装備すればさらに能力を底上げできる。各地には隠されたアイテムやクリスタルがあり,回収すればステータスをアップさせたり,回復薬として利用したりもできる。
主人公が人間ではなくドラゴンという部分に目を奪われがちだが,システム自体はスタンダードなRPGに近い。
ドラゴンなので飛行には一切の制限がなく,好きなだけ自由に飛んでいられるのがなかなか楽しい。ブレス攻撃も,敵を正面に捕らえれば誘導されるので,照準を合わせるのが苦手な人でも気持ち良く敵を焼き払えるのが嬉しいところ。噛みつき攻撃も,弱い敵なら「ボリボリ」と音を立てながら瞬時に消えていくのが結構爽快だ。ほかにも序盤は弱くてもレベルが上がると使いやすくなる技もあり,キャラ成長の楽しみも大きい。
また翻訳の品質の問題でもあるのだが,日本語に設定すると主人公のドラゴンの台詞が妙に可愛くてお茶目なのも,個人的には気に入ったポイントだったりする。
ただし,本作はアーリーアクセスという点を考慮しても,気になる部分が多い。まずクエストの誘導が分かりにくく「どこに行って何をしたらいいのかわからない」なんてことがしょっちゅうある。加えて,UIにはミニマップ(レーダー)しかないので,迷いやすいのも少しストレスだ。エリアの境界が曖昧なので移動に手こずることもあるし,全体的なグラフィックスや,(ドラゴンを除いた)NPCなどモーションは,何世代か前のゲームを彷彿とさせるほどだ。
またゲームバランスに関しても練り込み不足を感じる。ザコ相手でも,ちょっと弓矢を受け続けるとあっという間に死んでしまったり,キモのブレスも連発するとMPが切れてすぐガス欠になってしまう辺りが,“強大なドラゴン”感がなくてちょっとガッカリしてしまう。死ぬと回復用のクリスタルが全部没収されるなど,死にやすいわりにデスペナルティが強めなもの気になるところである。
とはいえ,「敵でも移動手段でもなく,自らドラゴンになって自由に戦闘や探索ができる」というコンセプトは面白く,強化用のオーブを探してそこら中を飛んで回ったり,邪魔な敵を蹴散らしているうちにどんどんレベルが上がったりと,ついついプレイを続けてしまう魅力があるのも確かだ。
先ほど不満点を挙げたが,ゲーム自体のアップデートは頻繁に行われており,今後のブラッシュアップにも期待できる。
アーリーアクセスの予定は原稿執筆時点で2020年の秋までとなっており,正式リリース後は価格もアップするとのことなので,「パンツァードラグーン」のような,ドラゴンが主役のゲームに興味がある人は,早めに手を出してみるのは十分アリだろう。
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