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ハロー!Steam広場 第117回:100門以上の大砲を積んだ帆船は,果たして浮くことができるのか!? 海戦もできちゃう造船シミュレーション「The Last Leviathan」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,エンディングに入る前に,お世話になった町を破壊して回る鬼畜Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第117回は,自分で1から作り上げた帆船を使って海戦に興じる造船シミュレーション「The Last Leviathan」をメインに紹介しよう。100門以上の大砲を積み込んだ戦艦や,トビウオのように海面を跳ねる小型船など,プレイヤーの想像次第でさまざまな船が作れるのが,本作の魅力である。このほか,第二次大戦下の世界が舞台のVRシューティング「The Last Sniper VR」もあるので,お見逃しなく。
※お知らせ:来週(2016年7月19日)のハロー!Steam広場は,筆者取材のため休載いたします。次回更新は7月26日となりますので,ご了承ください。
「ぼくのかんがえたさいきょうのふね」で海戦を繰り広げるシミュレーションゲーム「The Last Leviathan」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はイギリスのインディーズ系デベロッパ,Super Punk Gamesが手掛ける「The Last Leviathan」を紹介しよう。
本作は,材質や形状の異なるブロックパーツを組み合わせて,帆船を作り上げていくシミュレーションゲームだ。現実では考えられないような数の大砲を積んだり,船体の両サイドに帆を取り付けて飛ばしたりと,アイデア次第であらゆる帆船を生み出すことができ,それら使って海戦まで楽しめるという,帆船マニアにはたまらない内容になっている。本連載の読者ならば,「Besiege」の帆船版と言えばどんなゲームか伝わるはず。
船の造り方はいたってシンプル。まず,「CREATIVE」モードを立ち上げてNEWボタンをクリックすると,舵輪が取り付けられたブロックが海面の上空に現れる。これが帆船のコアになるので,あとはこのブロックにほかのブロックを肉付けしていくだけだ。
船体を形作るためのブロックには,四角形や三角形などの5つの形状が用意されており,うまく組み合わせれば船体の湾曲も再現できる。また,船のバランスを取るための「竜骨」も重要なパーツなので覚えておこう。
いい感じに船体が出来上がったら,ここで一度「SET SAIL」をクリックして,船を海に降ろしてみよう。この時点でしっかりと浮かぶのであれば問題ないが,沈んだり横転したりしてしまう場合は,おそらく竜骨を取り付けた場所や数が原因と考えられる。本作では,浮力を物理演算でシミュレートしているので,船が重すぎれば当然沈み,重さが偏っていればバランスを崩してしまうのだ。
「DOCK」をクリックすると空中に引き揚げられるので,問題を確認した後で一度引き揚げて,全体を見直してみるといいだろう。
沈まない船体を作ったら,次に船を動かすためのパーツを取り付けていく。用意されているのは,左右の動きを可能にする「方向舵」,風を受けて推力を生み出す「帆」,そして「スクリュープロペラ」の3つである。
ここでカンの鋭い読者ならばこう思うはず――「あれ,帆いらなくね?」と。ところがどっこい,本作には各パーツにコストの概念があり,造船にかかった総コストで船のクラスが決まってくる。ゲームモードの1つ「BATTLE SEAS」には,クラスの一番低い「コグ船」でしか参戦できないリーグがあったりするので,なるべくコストを抑えてクラスの低い船を作るのであれば,帆よりもコストのかかるスクリュープロペラなんぞ積めないのである。
少し話がそれてしまったが,方向舵は必ず付けるとして,推力系のパーツは帆かスクリュープロペラのどちらかを付ければ十分である。船が動くようになったら,最後に大砲や火炎放射器といった武器を積んで,装飾を施したら完成だ。名前を付けて保存したら,さっそく実戦で試してみよう。
バトル系のモードには,先ほど少し触れた「BATTLE SEAS」に加えて,指定した船と1vs1で戦う「VERSUS」と,デベロッパ主催の「EVENTS」の3つが用意されている。「VERSUS」では自分の作った船はもちろん,Steamワークショップにアップロードされているほかのプレイヤーの船をダウンロードして,その船と戦うといったことも可能だ。
「EVENTS」については,おそらく日によって内容が変わるので,ここでは詳しく言及しないが,原稿執筆時点では,デベロッパが指定した船と戦う様子をYouTubeに投稿して,そのURLをハッシュタグを付けてツイートすると,自分の作った船の3Dプリント模型などがもらえる抽選に参加できるという,変わったイベントが開催されていた。イベント限定とは言わずに,3Dモデリングデータを自由に取り出せるようにしてくれれば,遊びの幅も広がると思うのだが。
すでに完成しているような印象を受ける本作だが,おそらくキャンペーンモードにあたる「VOYAGE」と,BATTLE SEASにおけるキャラベル船クラス以降のリーグが未実装となっているので,あとはプレイヤーのフィードバックを反映しながら,それらの実装を目指していく感じだろう。「Besiege」にハマった人ならば(筆者もそうだが)本作にもハマる可能性は十分ある。ぜひ遊んでみてほしい。
「The Last Leviathan」Steamストア(980円)
第二次世界大戦時のドイツを舞台に,ナチス兵をスナイパーライフルで撃ち倒していくVRシューティング「The Last Sniper VR」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は海外のインディーズ系デベロッパ,BrilliantGameStudiosが手掛ける「The Last Sniper VR」を紹介しよう。
VRと付いていることからも分かる通り,本作はHTC Vive対応のVRゲームだ。スナイパーをフィーチャーしたVRゲームというと,すでに「The Nest」というロボットを倒していく作品がアーリーアクセスでリリースされているのだが,こちらは第二次世界大戦時にナチスの支配下に置かれたドイツが舞台という,より現実的なシチュエーションが用意されている。
ゲームの内容は,高台に陣取ったプレイヤーがスナイパーライフルを使って,地上にいるナチス兵を撃ち倒していくというもの。最初の一発を撃った瞬間から,ナチス兵達の激しい猛攻が始まるので,プレイヤーは壁や柱などに身を隠しながらそれに応戦していくことになるようだ。
VRゲームなので,当然ながらカバーアクションをするときは,自分の体を動かすことになる。また,武器がボルトアクションライフルなので,一発撃つ度に装填する必要があり,こういった細かい動作の1つ1つが没入感へとつながっていくわけだ。
本作はすでにGREENLIGHTを通過しており,早ければ今月中にもデモ版がリリースされるとのこと。HTC Viveを所持していて興味のある人は,この作品をフォローリストに追加して,デモ公開のニュースを受け取れるようにしておこう。
「The Last Sniper VR」GREENLIGHTページ
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