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ハロー!Steam広場 第80回:取捨選択の必要ナシ! 拾えば拾うほど強くなれるローグライクRPG「Dungeon Souls」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ゲーム内で手に入れた家を売ってリアルの家を建てる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第80回は,アイテムを拾った分だけ強くなれるという,ローグライクRPG「Dungeon Souls」をメインに紹介しよう。キャラクターの装備枠に制限が存在せず,拾ったアイテムがすべてキャラの強さに上乗せされるのだ。このほか,オムツを履いた赤ちゃんがベビー用品で戦う「PaciFire」もあるので,お見逃しなく。
拾った分だけ強くなる。ローグライクRPGファンのツボを押さえた「Dungeon Souls」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,海外のインディーズ系デベロッパMike Studiosが手がける「Dungeon Souls」を紹介しよう。
本作は,ランダムに生成されるダンジョンを舞台にしたローグライクRPGだ。ローグライクとはいっても,一歩一歩じっくりと進んでいくようなタイプではなく,わらわらと押し寄せてくる敵をスキルで豪快に蹴散らしていくような,ハック&スラッシュに近いプレイスタイルになっている。
また,グラフィックスが2Dのドット絵なのも見どころの1つで,カメラ視点がトップビューというクラシカルな雰囲気も刺さる人には刺さるだろう。
プレイヤーはダンジョンへと潜る前に,まずは操作するヒーローを選択することになる。巨大な斧を振り回す「バーバリアン」や,髑髏(どくろ)を召喚して戦う「ネクロマンサー」など,ユニークな能力を持ったヒーローばかりなので悩みどころだが,初めてプレイするならば,やることがシンプルで癖のない「バーバリアン」か「アーチャー」をオススメする。
プレイするヒーローを決めてダンジョンに足を踏み入れたら,あとは次のフロアを目指して邁進するけだ。通常のローグライクならば,次のフロアへと続く階段が用意されているものだが,本作に階段はなく,フロア内に点在する魔法陣をすべて活性化させて,ワープポータルを開かなければ,次に進めない。
もちろん,フロア内にはモンスターもいるため,プレイヤーはこれらを倒しながら魔法陣を探すことになるのだが,魔法陣を踏んで活性化させるとさらに大量のモンスターが現れるので,一度ダンジョンに潜ったら休む間もなく戦う羽目に。
そのぶん戦闘のテンポはよく,それぞれのヒーローが持つ強力なスキルを使って群がる雑魚を蹴散らしていく爽快感は格別だ。スキルの発動準備をしてから魔法陣を活性化させて,一斉に湧いたモンスター達を一網打尽にした瞬間なんかは,脳汁がドバドバと溢れ出てくるように思えてとても気持ちがいい。
本作はインベントリシステムが特徴的で,拾ったアイテムはすべてヒーローの能力値にプラスされる。たとえば,武器を2つ拾ったとしよう。通常ならばそこでどちらを装備するか悩むことになるはずだが,本作ではどちらも拾った時点で装備されたことになるので,取捨選択する必要がないのだ。
極端な話,武器を100個拾ったら100個分の攻撃力がステータスに付与されるといった感じで,アイテムを拾った分だけヒーローが強くなっていく。
もちろん,拾った装備の性能を吟味しながらヒーローを強化していくことも,ローグライクRPGにおける醍醐味の1つではあろう。ただ,一度死亡すると最初からやり直しになるというローグライクの性質上,あまり深く考えずにヒーローを強くしていける本作のシステムのほうが,気軽に遊ぶには向いているといえるだろう。
また,ヒーローが死亡しても,難度がノーマル以上ならばダンジョンで集めたお金を持ち帰ることができ,それを使って彼らの初期ステータスを上げるといったやり込み要素もしっかりとカバーされている。
アーリーアクセスとはいえ,本腰を入れて遊べてしまうほどコンテンツは充実しており,あとは協力プレイモードの実装を待つのみといったところか。足を踏み入れるたびに構造が変わるランダムダンジョン,強力なスキルで敵を蹴散らす爽快感,ユニークアイテムを拾った時の高揚感,繰り返しプレイしてヒーローの初期能力を上げていくやりこみ要素など,ローグライクRPGファンを満足させる要素が詰め込まれているので,同ジャンルが好きな人はぜひ遊んでみてほしい。
「Dungeon Souls」Steamページ(980円)
オムツを履いた赤ちゃんがベビー用品で戦うオンラインシューター「PaciFire」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は,アリゾナのインディーズ系デベロッパOo Studiosが手掛ける「PaciFire」を紹介しよう。
本作は,オムツを履いた赤ちゃん達が,ベビー用品を使って戦うという異色のオンラインシューターだ。ダブルバレルのショットガンに見立てた哺乳瓶からミルクをぶっ放したり,ベビーパウダーを詰め込んだ手榴弾を投げつけたりなど,血の一滴も流れないコミカルな戦いが,“戦場”で繰り広げられることになる。
その戦場も,ベビーベッドの上だったり,シリアルの入った巨大なお皿の上だったりと,ユニークなロケーションばかりだ。ゲームの開発にUnreal Engine 4を使用しているだけあってか,グラフィックスもそれなりに気合が入っている。
本作は,現在Kickstarterで開発資金の募集を行なっており,目標額は5万ドルになっている。ただ,公開されているトレイラーを見る限りでは,すでに遊べる段階まで作られている様子で,リリース予定日が2015年12月になっていることを考えると,たとえキャンペーンに失敗したとしても,アーリーアクセスなどでリリースされる可能性はある。
ただ,キャンペーン開始から一週間ほど経過した時点で,目標額の1%も集まっていないところを見るとなかなか厳しそう。オンライン対戦特化のインディーズ系ゲームは,プレイヤー数の獲得がなかなか難しく,満足にマッチングされる保証もないので,こういった作品に出資するのはなかなかリスキーであるのは事実だ。とはいえ,ベビー用品で戦うオンラインシューターというのはなかなか斬新なので,興味のある人は“いいね”を押しつつ,今後の動きに注目しておこう。
「PaciFire」GREENLIGHTページ
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