トゥーンシェーディングによるカラフルなグラフィックスと,“バトルボーン”と呼ばれる個性的なキャラクター,そして豊富な成長要素や多彩な対戦モードなど,FPSにさまざまな要素を付け加えたゲームシステムは,Gearboxのヒット作「ボーダーランズ」を思わせ,欧米ゲーマーの注目を集めている。
実際のプレイの模様については,本日(2015年6月12日)掲載した記事を参照してほしいが,ここでは,イベントで行われた「バトルボーン」開発キーマンに対するインタビューの模様をお伝えしたい。
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クリエイティブディレクター
ランディ・ヴァーネル氏インタビュー
「豊富なバリエーションから,自分のキャラクターを見つけてほしい」「バトルボーン」のクリエイティブディレクターを務めるランディ・ヴァーネル(Randy Varnell)氏は,これまで長い間「ボーダーランズ」シリーズの開発に携わり,「ボーダーランズ 2」ではデザインプロデューサーを務めたという。
実を言うと,今回の「バトルボーン」はヴァーネル氏が自ら立ち上げた企画であり,開発チームの実質的なトップとも呼べる人物だ。
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4Gamer:
よろしくお願いします。まずは,「バトルボーン」のヒーローシューターという呼び名ですが,それはどのようなものと考えればいいのでしょう。
Randy Varnell氏(以下,ヴァーネル氏):
そうですね,まず,「シューター」という言葉は一人称視点のシューティング,つまりFPSであることを意味しています。また本作には多数のキャラクターが登場しますが,全員が「ヒーロー」という位置づけになっています。我々はヒーロー1人1人を非常に重要視しており,それぞれのキャラクターが別のゲームで主人公になれるほど,情熱を注いでデザインしていますが,これらを合わせて,ヒーローシューターというわけです。
4Gamer:
実に25人ものヒーロー,つまり“バトルボーン”がいますね。
ヴァーネル氏:
すでに予告しているように,ゲームのリリース時には25人のバトルボーンが用意されます。ここで強調しておきたいのは,“シューター”としてはいますが,銃だけでなく剣や斧を持っていたり,魔法を使うものがいたりして,それぞれのキャラクターで異なるプレイが楽しめるということです。
今回のデモをプレイされて,使用キャラクターの選択画面がなんとなく「ストリートファイター」などの格闘ゲームのような雰囲気だったことが分かったかと思います。本作は格闘ゲームのように,豊富なバトルボーンのバリエーションの中から,自分に合ったキャラクターを見つけてほしいのです。
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4Gamer:
MOBAを一人称視点でプレイしているような印象も,プレイでは受けました。
ヴァーネル氏:
そうですね。MOBAのプレイフィールが,「バトルボーン」のベースの1つであるのは確かです。「ボーダーランズ」シリーズは,FPSとアクションRPGを合わせた作品でした。
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本作では,マッチのたびにキャラクターのレベルを上げ直したり,キャラクターの特徴を前面に押し出したチームベースのシステムになっていたり,あるいはボスキャラクターの周囲にミニオンが蠢いていたりなど,MOBAタイトルらしい特徴があることは間違いありません。
しかし本作には,「ボーダーランズ」で評価されたストーリー性や,キャラクター同士のやり取りなどが加えられており,プレイしてみれば,本作ならではの独自性が感じられると思います。
4Gamer:
確かに,キャラクター同士が会話することで,ゲームのノリの良さが伝わってきました。
ヴァーネル氏:
はい。MOBAの話を続けると,本作には5人対5人で戦う対戦もあります。「インカージョン」(Incursion)というゲームモードでは,双方のチームのベースとなる輸送船があり,それらをつなぐ2つのルートの途中に“スパイダー・セントリー”という拠点が用意されるなど,MOBAに近い雰囲気のマップになっています。
それぞれのチームは,ミニオンを従えてスパイダー・セントリーを制圧し,さらに相手の陣地を攻略していくという,MOBAではおなじみのスタイルになっており,だいたい1試合30分から40分で終わります。
4Gamer:
なるほど。そのほかのゲームモードに関しては,いかがですか。
ヴァーネル氏:
発表済みのゲームモードについてだけ補足しますと,「デバステーション」(Devastation)はマップに3つの拠点があり,それぞれのチームがより長く制圧するほどポイントが得られるものになっています。
もう1つの「メルトダウン」(Meltdown)は,それぞれのチームがより多くのミニオンを特定の地点までエスコートすることでポイントを稼ぐというモードで,ほかの2つよりもFPSに近く,1マッチあたり10分もかからないようなスピーディなゲームプレイが楽しめます。
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4Gamer:
ストーリーについても聞かせてください。別次元の世界から来たというヴァレルシ(Valersi)は,何を目的にしているのでしょうか。
ヴァーネル氏:
最後に残った惑星である,ソーラス(Solus)を消し去ることが目的です。その理由は,皆さんがプレイしていく過程で知ることになると思います。
4Gamer:
5つの勢力が登場しますが,これらの勢力の違いもゲームに影響を与えるのですか。
ヴァーネル氏:
すべての勢力には,それぞれの背景や戦う理由がありますが,結局はお互いに争うのはやめて,より大きな敵であるヴァレルシやレンデイン(Rendain)と戦うという展開になっています。
勢力の違いは,例えばソーン(Thorn)やミコ(Miko)が所属するエルドリッド(Eldrid)は,基本的にシールドを持ちませんが,その代わりにヘルス回復のアビリティが与えられています。またジェネリット帝国(Jennerit)に属するラス(Rath)やカルダリウス(Caldarius)は,相手に攻撃してダメージを与えると,それを自分のヘルスとして吸収し,自らを回復させるアビリティを持っています。このように,それぞれの勢力によって使える能力に大きな違いがあるのです。
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4Gamer:
例えば,「アサルト」のようなクラスはありますか。
ヴァーネル氏:
今の時点では,明確なクラス分けはしていませんが,チーム対戦が繰り返されるにつれて,“オフェンス”や“ディフェンス”“スペシャリスト”といった役割が必然的に発生するものだと考えています。
例えばミコは,全キャラクターの中でも最も優秀なヒーラーです。また,ミニガンで突進していくモンタナ(Montana)は,その大きな体で敵の攻撃を受け止められます。この2人を組み合わせ,モンタナが盾となりつつ,その背後からミコがダメージを回復させる,といった戦い方が一般的なものになるでしょう。
我々がキャラクターを作り上げる際,それぞれの能力や役割に留意しています。それぞれの特徴や役割をいかにゲーマーの皆さんにうまく使ってもらえるか,これからしっかりまとめあげていきたい部分ですね。
4Gamer:
イベントで公開された,ストーリーモードのミッションについてもう少し教えてください。Co-opやソロでは好きなミッションを選んでプレイする,「Evolve」のようなスタイルになるのですか。
ヴァーネル氏:
「Evolve」のキャンペーンモードは,「バトルボーン」 を説明するうえで,良い例かもしれませんね。「Evolve」には,パターン化されたいくつかのミッションがあり,それをランダムにプレイしていくというシステムになっていました。「バトルボーン」の大きな特徴となるのは,ミッションの背景に,しっかりとしたストーリーがあることです。
冒頭とエンディングの間のミッションは,テレビドラマのエピソードのようになっており,好きなときに何度でもプレイできます。25人のバトルボーンそれぞれに物語が用意されているので,25種類のストーリーがあるとも言えます。違ったキャクターで,何度も同じミッションに挑んでほしいですね。
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4Gamer:
最後になりますが,今回のミッション「To the Edge of the Void」では,敵の徘徊する場所への突入から始まり,ウルフ・セントリーをエスコートし,最後にはタワーディフェンスというか,Waveモードのような戦いになりました。1つのミッションにさまざまなスタイルが盛り込まれているという印象を受けましたが,そのへんは意図されてのことですか。
ヴァーネル氏:
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ちなみに今回のデモでは,ウルフ・セントリーが自動回復できるように設定していたのですが,本当はもっとシビアなものになります。プレイヤーが適切なキャラクターを選んでチームとして連携しなければ,ゲームオーバーになってしまうでしょう。
あるいは,敵のボスを全員で倒すといったミッションでは,攻撃性の高いキャラクターを選ぶ必要があり,こうしたセレクションの面白さもゲームの特徴の1つとなっています。
4Gamer:
分かりました。いずれまた,違うモードでプレイしたいですね。本日はどうもありがとうございました。
Gearboxの副社長
スティーブ・ギブソン氏に話を聞く
「ボーダーランズに比べて,会話のボリュームは7倍になっています」![]() |
インタビュー中,日本語に反応するような素振りを見せたギブソン氏だったが,実は両親がアメリカ軍で働いていたため,神奈川県で育ったとのこと。その後,進学のため故郷のテキサスに戻り,大学の寮で「DOOM」好きな仲間達に出会ったことからゲーム情報サイトを立ち上げて,現在に至ったという。
4Gamer:
「バトルボーン」のプロジェクトが始まったのは,いつ頃ですか。
Steve Gibson氏(以下,ギブソン氏):
そうですね,およそ3年前になります。まあ,企画そのものは数年前からあったので,どの段階を以て「開発が始まった」のか,正確には言えないのですが。
4Gamer:
本作に限らず,Gearboxでは通常,どのようにゲーム開発が始まるのですか。
ギブソン氏:
いろいろなパターンがあります。例えば「ブラザー イン アームズ」では,デザイナー何人かがリアルタイムストラテジーとシューターを合わせたようなタイトルを作りたいと言い始めたのがきっかけで,そこから広がっていきました。
「ボーダーランズ」のときは,マット・アームストロング(Matt Armstrong),ショーン・リアダン(Sean Reardon),そしてランディ・ピッチフォード(Randy Pitchford)の3人が,「ディアブロ」っぽいルート要素をシューティングに組み込みたいと思ったのが始まりでした。
そしてこの「バトルボーン」では,クリエイティブディレクターのランディ・ヴァーネルとランディ・ピッチフォードのアイデアから企画が始まっています。以上からお分かりのように,Gearboxはさまざまなジャンルをミックスした新しいゲームを作ることに情熱を傾けています。
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4Gamer:
「バトルボーン」は,FPSとMOBAを組み合わせたゲームでしょうか。
ギブソン氏:
いいえ。MOBAは,あくまでマルチプレイの要素のうちの1つです。「インカージョン」モードがそれですね。本作には格闘ゲームの要素もありますし,「ボーダーランズ」的なRPGの要素もあり,さらには「ブラザー イン アームズ」のストラテジーも混じっています。
4Gamer:
発売日や対応機種の情報を教えてください。
ギブソン氏:
発売日は,今のところ今冬で,プラットフォームはPCとPlayStation 4,そしてXbox Oneになります。現時点ではエクスクルーシブプラットフォームや予約特典などについては未定です
4Gamer:
DLC展開は,すでに企画されていますか。
ギブソン氏:
いや,まだ全然ないですね。
4Gamer:
それは意外です。Gearboxといえば,とくにコンシューマ市場におけるDLCビジネスの開拓者の1人であるという印象があります。
ギブソン氏:
確かに,「ボーダーランズ」シリーズのDLCは良い評価を得ていますが,あれはかなりぶっつけ本番で,内部はてんやわんやだったんですよ。
4Gamer:
「ボーダーランズ」では,武器が無数にあることを「バジリオン」(Bazillion)というキャッチーな造語でアピールされていました。こうした,バジリオン的なセールスポイントは「バトルボーン」にもあるのでしょうか。
ギブソン氏:
物量という面では……。まあ,まだ発表していないこともあります。
4Gamer:
βテストなどについてはいかがでしょう。
ギブソン氏:
それも,まだ何も言えません。
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4Gamer:
「Unreal Engine」をベースとするゲームエンジンを使われていますが,「ボーダーランズ」からの進化は具体的にどういったものがありますか。
ギブソン氏:
そうですね,「バトルボーン」は最新コンシューマ機向けタイトルですので,ポリゴン,シェーダー,そしてアニメーションなど,あらゆる点で進化しています。「ボーダーランズ」に比べて,キャラクターの会話のボリュームが7倍にもなっているんですよ。25人のヒーローがいて,1人がほかの24人と会話を交わすのですから,相当な会話量になることがお分かりでしょう。
4Gamer:
キャラクター達が,お互いに勝手に話を始めるんですか。「ドラゴンエイジ」のような感じを想像すればいいんでしょうか。
ギブソン氏:
そうです。「ドラゴンエイジ」は素晴らしいタイトルだし,我々も影響を受けたことは事実です。ただ,本作の会話が「ドラゴンエイジ」と同じスタイルになるわけではありません。
いずれにしろ,25人のキャラクターが5つの勢力に分かれ,各勢力に異なる事情や因縁があるわけですから,彼らのやり取りはかなり幅広いものになります。
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4Gamer:
3Dエフェクトが使われている一方で,マズルフラッシュや爆発などはカートゥン風の2Dで処理されていますね。
ギブソン氏:
ええ。本作には多くのキャラクターやさまざまな場面が登場しますので,3Dだけでなく2Dの表現も使うことにより,視覚的に判別しやすくしようとしています。
4Gamer:
グラフィックスの雰囲気は,「ボーダーランズ」と似ていますね。
ギブソン氏:
そうでしょうね。しかし,「ボーダーランズ」では例えば,映画「トップガン」をオマージュする場面があったりなど,現実世界とつながりを感じさせるコンテンツが用意されていましたが,「バトルボーン」はあくまで「バトルボーン」の世界で完結しており,現実と関連するようなコンテンツはありません。
4Gamer:
「バトルボーン」のBGMについて教えてください。
ギブソン氏:
ゲームで使われている音楽はすべてオリジナルで,「ボーダーランズ」シリーズと同じチームが作曲を行っています。
4Gamer:
今回発表されたキャラクターの中で……いや,未発表のものでもいいのですが,ギブソンさんがお気に入りのバトルボーンは誰ですか。
ギブソン氏:
私のお気に入りは,オレンディです。4つの腕が下に並んだプレイ画面に驚くでしょ? 25人のバトルボーンそれぞれに,特徴のあるプレイ画面になるように配慮しているんですよ。
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ハンサムジャックなど,「ボーダーランズ」には強い印象を残すNPCがたくさんいました。「バトルボーン」ではいかがでしょう。クリースやレンデインに期待してもいいですか。
ギブソン氏:
もちろんです。我々も「ボーダーランズ」におけるキャラクター作りは大きな実績だったと思っており,その成功があったからこそ,「バトルボーン」では25人という多くのキャラクラーを作り上げ,「ボーダーランズ」以上のクオリティで仕上げたいと思っているのです。
4Gamer:
つまり「ボーダーランズ」があったからこそ,本作は開発できたわけですね。本作で目指しているものを教えてください。
ギブソン氏:
ストーリーテリングとキャラクターデベロップの部分が,「ボーダーランズ」の影響を受けているのは間違いないですね。ストーリー構成で大きく違っているのは,「バトルボーン」ではオープニングとエンディングミッションこそ全キャラクター共通ですが,途中はプレイヤーが好きなように物語を進められることです。
使用するバトルボーンを変えることもできるし,プレイするミッションの順番も変えられます。これは「ボーダーランズ」ではできなかったことでしょう。プレイヤーキャラクターが大きく増えているので,ゲームの幅が大きく広がっています。
4Gamer:
では最後に,読者に向けてメッセージをいただけますか。
ギブソン氏:
FPS好き,マルチプレイ好き,重厚なストーリー性のあるゲーム好きというプレイヤーの人は,ぜひ遊んでください。「バトルボーン」は,過去のタイトル同様にGearboxの独自IPであり,新たなジャンルを作り出した作品になっています。
4Gamer:
本日は,どうもありがとうございました。
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