イベント
「大逆転裁判」×「リアル脱出ゲーム」は双方が見事に融合した新しい推理ゲーム。超難度の謎が待つ「倫敦大法廷殺人事件」を体験してきた
※「リアル脱出ゲーム」とは,参加者達が提示された道具,暗号,パズルを解き,さまざまな状況からの脱出を目指す体感型ゲームのこと。
このイベントは,全国32都市でのツアー開催が予定されており,東京では6月26日から8月30日までの金・土・日・祝日に開催予定となっている。
開催都市やチケット料金などは以下のとおりである。各都市での詳しい公演日程などは,公式サイトを確認していただきたい。
「大逆転裁判 −成歩堂龍ノ介の冒險−」公式サイト
リアル脱出ゲーム×大逆転裁判「倫敦大法廷殺人事件」公式サイト
■開催都市一覧
札幌、青森、岩手、仙台、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、東京、神奈川、新潟、富山、福井、金沢、静岡、長野、名古屋、岐阜、三重、京都、大阪、滋賀、神戸、岡山、広島、山口、鳥取、松山、高松、福岡、沖縄
■東京公演
◆会場:原宿ヒミツキチオブスクラップ
◆日程:6/26(金)〜8/30 (日) ※公式サイトをご確認下さい
◆チケット料金
前売一般 2,880円
前売学生 2,360円
前売小中学生 2,160円
当日 3,390円(一律)
会場では限定グッズの販売も予定されている。詳細は「こちら」の記事を見ていただきたい |
「倫敦大法廷殺人事件」では,倫敦大法廷内で発生した殺人事件の容疑者となった「成歩堂龍ノ介」の無罪を勝ち取ることが最終目的だ。参加者は見習い弁護士として,6人でチームを組み,被告人の無罪を証明するべく,さまざまな謎に挑戦していくことになる。
イベントの冒頭には,今回の公演のために制作されたオリジナル脚本によるオープニング映像が上映され,逆転シリーズらしいキャラクター同士のコミカルな掛け合いが楽しめる。映像はフルボイスとなっているので,ファンにとってはたまらない演出だろう。
オープニングが終了すると,いよいよ脱出ゲームのスタート。プレイヤーは与えらえた証拠品や証言の中から「ムジュン」を見つけ,それを裁判官に「異議あり!」とおなじみのセリフとともに提出する。証拠品と証言の「ムジュン」が認められれば,新たな証言や証拠を入手することができるという流れだ。1時間という制限時間内に犯人を特定し,決定的な証拠を見つけることができればゲームクリアとなる。
ちなみに,証拠提出時に「異議あり!」と宣言するのは「お約束」といったところ。ひょっとしたら,大きな声を出さないと異議が却下されてしまうかもしれない(?)。
各チームに渡される証拠品や道具。これを使って謎を解いていく |
羞恥心を捨てて,「異議あり!」と元気よく宣言しよう |
ゲームの内容については,ネタバレになるので詳しくお伝えできないが,難度は「かなり高め」と言っていいだろう。序盤から本当に多くの証拠品や証言,謎が提示されるので,チームの中で役割を決めておくといいかもしれない。また,リアル脱出ゲームならではの「気づき」が重要な場面もあるので,証拠品や証言をきっちり整理し,些細な情報も見逃さないことを心がけよう。
栄光の脱出成功パネルを掲げるチームは1組も出ず。むむむ……悔しい |
また,筆者のチームだけでなく,今回のプレスレビューで参加した全17チームは,一組として事件の真相(ゲームクリア)までたどり着けなかった。いかに歯ごたえのある難度かがお分かりいただけるだろう。
ゲームの内容は非常に面白く,シリーズファンの筆者は,時間を忘れてゲームに没入してしまった。世界観や謎解きにも,逆転シリーズらしいエッセンスがちりばめられていて,シリーズファンなら思わずニヤリとしてしまう場面も多い。「リアル脱出ゲーム」と「大逆転裁判」が見事に融合したゲームなので,「我こそは脱出ゲームの申し子なり!」という人や,シリーズファンの人はぜひ挑戦してみてほしい(筆者も叶うことなら,もう一度記憶を消して挑戦したいなあ)。
プレスレビュー後,「大逆転裁判」ディレクターを務めるカプコンの巧 舟氏と,倫敦大法廷殺人事件」のディレクターであるSCRAPの西澤 匠氏への囲み取材が行われた。
──最初に「倫敦大法廷殺人事件」の企画がスタートした経緯を教えてください。
「大逆転裁判」ディレクター 巧 舟氏 |
SCRAP代表の加藤さんが逆転裁判シリーズのファンだというお話を以前からうかがっていました。「大逆転裁判」の制作が一段落した後に,ちょうど飲みに行く機会がありまして,そこで具体的なお話が決まりました。
僕が大阪にいて,西澤さんが東京なので,主にSkypeなどでやり取りしましたね。
西澤 匠氏(以下,西澤氏):
毎週Skypeで3,4時間ぐらいお話していましたね。
巧氏:
お互いにiPadで見つめ合いながら(笑)。僕は今回,脱出ゲームの企画には初めての参加だったのですが,(本公演の前に)3回くらいデバッグ公演があったんです。ああいうのは毎回やっているんですか。
西澤氏:
そうですね。今回は3回めでやっとでした。毎回,巧さんから厳しいご意見をいただいていました。1回めは「大逆転裁判」と「リアル脱出ゲーム」の両方を詰め込みすぎて,2時間のゲームになってしまいました(笑)。
そのたびに少しずつ仕様を詰めていって今の1時間のゲームになっていきましたね。とはいえ,今回もかなり難しかったようですが。
──今回のコラボにあたって,苦労した点などはどこですか。
西澤氏:
正直なところ,リアル脱出ゲーム」ではなく,「リアル大逆転裁判ゲーム」を作るぞというくらいの意気込みで作っていました。僕も昔から逆転シリーズのファンなので,「大逆転裁判」の世界観だけをお借りするのは,あまりにももったいないと思っていたんですね。ですので,あまりやらないのですが,普段のリアル脱出ゲームのフォーマットではないゲームの進め方で作ろうと進めていきました。
ですが,推理モノって難しいんですよ……。以前からも,巧さんは凄い人だと思っていたのですが,このゲームを作るにあたって,その3倍ぐらい凄い人だなと再認識しました。ご協力いただきありがとうございました。
巧氏:
いや,よくやったと思いますよ。
(一同笑)
巧氏:
僕もリアル脱出ゲームに参加したことがあるのですが,全然違うシステムなんですよね。その挑戦的な姿勢にビックリしました。
──このゲームで一番楽しんでほしいのは,リアル脱出ゲームという名のまったく新しい推理ゲームということですか。
「倫敦大法廷殺人事件」ディレクター 西澤 匠氏 |
そうですね。あとは,ゲームだけでは気づけない「気づき」を盛り込むことで,リアルで謎を解く楽しさを感じていただきたいですね。
──巧さんはこういった取り組みは始めてですよね。
巧氏:
そうですね。僕はこういうイベントは初めてだったので,本当に楽しかったです。とくに僕は外から好き放題言う無責任な立場なので,楽しかったです(笑)
映像もチーム内で本気で作っています。フルボイスで豪華ですよ。
西澤氏:
あんなに脚本を書いていただけるものなのかと思いました。脚本を読んでいるだけで,凄く楽しかったです。
巧氏:
ちょうど制作が終わった直後で,まだエンジンが止まっていなかったので,チョイチョイっと書きましたけどね(笑)。
──今回のコラボでとくに意識されたことを教えてください。
巧氏:
リアル脱出ゲームに「大逆転裁判」らしさをどう残すか意識しました。その点に関してはSCRAPさんの方が,とても協力的にしてくださったので,凄くやりやすかったです。
西澤氏:
「大逆転裁判」本編のような「ムジュン」に気づいたときの喜びをどこに置くか,という部分も意識しました。
普段,脱出ゲームを作る時は,制限時間内に9割の人間は脱出できない調整をするのですが,「大逆転裁判」の魅力を損なわない難度調整についてはかなり話し合いました。
巧氏:
ここで難しくしすぎて,「『大逆転裁判』を買わない」と言われてしまったら逆効果ですから(笑)。
(一同笑)
──注目してほしいところを教えてください
巧氏:
SCRAPさんと「大逆転裁判」が見事に1つになっているところです。世界観もパズルも1本の筋にまとまっているのは,なかなか凄いことなんじゃないかと思うので,ぜひ楽しんでいただきたいと思います。
西澤氏:
オリジナル脚本の贅沢なフルボイス映像を,「大逆転裁判」ファンの方にぜひご覧いただきたいと思います。
「大逆転裁判 −成歩堂龍ノ介の冒險−」公式サイト
リアル脱出ゲーム×大逆転裁判「倫敦大法廷殺人事件」公式サイト
おまけ:プレスプレピューだけのオリジナル問題
実は,今回のプレスプレビューでは,本公演前に頭の体操として特別問題が出題されていた。26日からの一般公演では出題されない問題なので,ぜひ挑戦してみていただきたい。(※答えの確認は最後の画像をクリック)
■制限時間:10分
画像右上の問題(Q2)は「( )にそれぞれひらがなを1文字入れ国名にしろ」
画像をクリックすると答えが表示されます
なお,この問題はSCRAPのスタッフが3分程度で仕上げたとのこと。当然,本公演の難度はこの比ではないので,気を引き締めて挑んでほしい。
- 関連タイトル:
大逆転裁判 −成歩堂龍ノ介の冒險−
- この記事のURL:
(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.