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スマホ版「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」のプレイレポート。往年の傑作RPGはタッチ操作でどのように変化したか
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印刷2014/04/26 00:00

プレイレポート

スマホ版「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」のプレイレポート。往年の傑作RPGはタッチ操作でどのように変化したか

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 スクウェア・エニックスは2014年4月17日,スマートフォン/タブレット向けRPG「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」iOS / Android,以下,DQ4)の配信を開始した。

 今さら説明するまでもないだろうが,DQ4は1990年にファミリーコンピュータ向けソフトとして発売された「ドラゴンクエスト」シリーズの4作めで,前3作の「ロトシリーズ」に続く「天空シリーズ」の第1作にも当たる。今回配信されたスマートフォン版は,2007年にリリースされたニンテンドーDS版をベースに,スマートフォン向けに各種の調整が施された内容となっている。

 筆者はiPhone 5sとiPad Airの2機種で,本作を終盤まで進めてみたので,「スマートフォン/タブレット向けゲームとしてどうなのか?」という視点でプレイフィールをお届けしたい。

iOS版とAndroid版ともに価格は1800円(税込)で,購入後の課金要素はない。若い読者はピンと来ないかもしれないが,ファミコン版のDQ4の盛り上がりは凄まじく,社会現象にまでなった
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iOS版「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」ダウンロードページ

Android版「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」ダウンロードページ



画面は縦長表示,バーチャルパッドでの操作


 本作はプラットフォームがスマートフォン/タブレット端末ということで,多くの人がなじみ深いであろうファミコン版などと比べると,ユーザーインタフェース周りが大きく変わっている。過去に発売されたスマートフォン版「ドラゴンクエスト」「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」と同様に,画面レイアウトは縦長表示で固定。そして,方向キーを模したバーチャルパッドが画面にオーバーレイで表示され,これをタッチで操作する。

 バーチャルパッドの位置は,基本的に画面下部にあり,設定で中央,右側,左側の3か所に位置を調整できる。NPCと会話したり扉を開けたりするときは,バーチャルパッドの中央のボタンや画面内のメニュー類がない場所をタッチすれば,ニンテンドーDS版にもあった「べんりボタン」のように,状況に応じたアクションとなる。
 こういった仕様なので,スマートフォンであれば片手で端末を持ちつつ,親指で操作というスタイルでのプレイも十分可能だ。

 戦闘時のコマンド選択もタッチ操作で行うが,ここで少々面倒に感じたのが,おそらく操作ミスを防ぐために導入されたと思われる再確認だ。たとえば呪文を使用するときは,使いたい呪文を一覧から選んだ後,さらに「つかう」コマンドを選択する必要がある。さらに,パーティ全員の行動を決めてからも「これで戦う」とワンクッション入る形になっており,人によってはテンポが悪いと感じるだろう。ミスを防ぎたいという意図は分かるのだが,できればオプションでオン・オフが選べるとよかった。

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画面右下に表示されているのがバーチャルパッド。最下部にある3つのボタンはカメラ視点を変更するものとなっている
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メニューはアイコン化されており,押し間違いはそう起こらない。それだけに再確認のオン・オフ設定がほしかった

 バーチャルパッド以外の,スマートフォン/タブレット向け調整は全体的に好感触だ。セーブに関しては,教会での「冒険の書」の記録以外に,フィールドでも使える「ちゅうだん」メニューがある。それとは別に,マップの切り替えやバトルの終了ごとにオートセーブが行なわれる。
 スマートフォンやタブレットだと,ゲームの中断はほかのアプリと同様にタスクを切り替えてしまいたくなるが,この場合データが保持される保証はないので,セーブの方法がいくつも用意されているのは嬉しいところだ。

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こちらの2枚のスクリーンショットは,iPadで撮影したもの。iPhoneとは画面の縦横比が違うので,見え方も変わってくる
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当たり前かもしれないが,今遊んでもやっぱり面白い


 スマートフォンやタブレット向けの機能に続いて,ゲーム本編の紹介へ移ろう。国産RPGの金字塔とでもいうべきDQ4だが,ファミコン版以来久しく遊んでいないというベテランゲーマーや,名前は知っているがプレイしたことがない若い人もいると思うので,念のため軽く紹介しておこう。

 本作はドラゴンクエストシリーズで唯一,オムニバス形式でストーリーが進展するタイトルだ。第1〜4章でスポットが当てられたキャラクターが,最終章となる第5章で“勇者”の下に集まり,世界の危機に立ち向かう。勇者以外の各キャラクターにも感情移入できるこの手法は,今プレイしても唸らされるはずだ。

 ニンテンドーDS向けのリメイク時にゲームバランスが調整されているため,ファミコン向けのゲームによく見られる理不尽な仕様とも無縁だ。フィールドやダンジョンは長すぎず短すぎずという感じで,ルーラやリレミトといった移動系呪文の消費MPも1に抑えられているため,ストレスは感じない。また,山のエンカウント率が極端に高く設定されているなど,レベル上げのためのポイントまで用意されている。

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 ファミコン版のプレイヤーなら,ボス敵にザラキを連発するクリフトに切れた経験があるだろうが,その味方キャラクターの戦闘AIに関しても,(少しだが)改善されている。
 勇者がベホイミをかけようとしているのを無視して先に回復させてしまうミネアや,イオラをかけてほしいときにベギラマを繰り出すマーニャなどに突っ込みを入れたくなる事はあるが,そういった点も含めて楽しくプレイできるといった印象だ。どうしても納得がいかないのなら,「めいれいさせろ」も選べる。

 今回プレイして個人的に最も嬉しかったのが,サウンド関連である。楽曲そのものの良さは言うまでもないが,素晴らしく聴き応えのあるものになっていると感じた。それだけに,クリア後の特典等,何かしらの形で楽曲再生モードが欲しかったところだ。

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第1章「王宮の戦士たち」 王宮戦士のライアンが,次々と起こる子供の失踪事件を究明する。プレイヤーキャラクターは1人で,RPGに不慣れな人でも遊びやすい
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第2章「おてんば姫の冒険」 サントハイムの姫アリーナは自らの武術の腕を試すべく,世界中を旅することに。神官クリフトと老魔術師ブライが付き添い,バランスの取れたパーティとなる

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第3章「武器屋トルネコ」 商人見習いのトルネコは,世界一の大商人となるべく,店を構えお金稼ぎに奔走する。戦いではなく商売がメインという,RPGでは一風変わったゲーム性だ
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第4章「モンバーバラの姉妹」 占い師のミネアと踊り子のマーニャの姉妹が,父の仇を討つべく旅に出る。最終章に向けて,ストーリーも少しずつシリアスさが見え始める

第5章「導かれし者たち」 山奥の小さな村で暮らしていた主人公が,第1〜4章に登場した仲間らと力を合わせ,世界を救うべく冒険を繰り広げる。主人公の出自の秘密は“天空シリーズ”の核心へとつながっていく
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バーチャルパッドに慣れるかどうかが評価の分かれ目


 かつてファミコン版にハマり,それでいてリメイク版が未経験というような人が本作をプレイすると,随所で「そういえばこんな展開だった」と,懐かしさと新鮮さが入り混じった,不思議なプレイ体験が味わえるだろう。しかもそれが家だけでなく,外出先や移動中でも楽しめるのだ。

 ただ,それだけにバーチャルパッドの操作性が気になるところではある。同じバーチャルパッドでの操作となっている「ドラゴンクエストVIII」のプレイレポートでは,数時間で完全に慣れたという旨の記述があったのだが,筆者の場合は本作を20時間少々プレイしても,「操作に慣れた」と感じることはなかった。井戸から外に出て移動しようとしたら再び井戸に入ってしまったり,動き回るNPCに話しかけようとしても捕まえられなかったり……という感じだ。

 バーチャルパッドを意識して,確認しつつ操作すれば,こういったミスは大抵防げるのだが,ゲーム自体の出来がいいだけに,どうしても引き込まれてしまって,確認がおろそかになってしまう。本作に限った話ではないが,ゲームパッドでの操作を前提に作られたゲームを,バーチャルパッドで代用する手法には,まだまだ課題が山積みだと感じさせられた。

 iOS7ではゲームパッド用APIが導入され,スクウェア・エニックスのスマートフォン向けタイトルでも「聖剣伝説 RISE of MANA」などがロジクールのゲームパッド「G550」に正式対応している。もちろん外付けのゲームパッドを前提としたゲーム作りは無理だろうが,少なくとも選択肢の一つとして,あるに越したことはないだろう。スクウェア・エニックスにはゲームパッド操作を前提に作られた,莫大なゲーム資産があるので,まずはこのAPIへの対応を希望したいところだ。

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「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」公式サイト

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