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GeForce GTX 700
  • NVIDIA
  • 発表日:2013/05/23
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「GeForce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」をテスト。TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか
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印刷2014/02/18 23:00

レビュー

TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか

GeForce GTX 750 Ti
(GeForce GTX 750 Tiリファレンスカード,GIGABYTE GV-N75TOC-2GI)
GeForce GTX 750
(GIGABYTE GV-N75OC-1GI)

Text by 宮崎真一


GTX 750 Tiリファレンスカード
画像集#003のサムネイル/「GeForce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」をテスト。TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか
 2014年2月18日23:00,NVIDIAは,新しいエントリーミドルクラス市場向け向けGPU「GeFroce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」(以下順にGTX 750 Ti,GTX 750)を発表した。両製品はいずれも,NVIDIAの第4世代Teslaアーキテクチャ「Maxwell」を採用する,史上初の製品となる。

 製品型番からすると「GeForce GTX 760」の下位モデルに見えるものの,その実「GeForce GTX 660」(以下,GTX 660)の下位に位置づけられる新製品2モデルは,「GeForce GTX 650 Ti」(以下,GTX 650 Ti)を置き換えることになるが,“下のほう”から登場したMaxwellは速いのか。今回4Gamerでは,GTX 750 TiのNVIDIAリファレンスカードと,GIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)のGTX 750 Ti搭載カード「GV-N75TOC-2GI」,そしてGIGABYTEのGTX 750搭載カード「GV-N75OC-1GI」を入手できたので,テストを通じ,その実力に迫ってみたいと思う。

GV-N75TOC-2GI(左),GV-N75OC-1GI(右)
メーカー:GIGA-BYTE TECHNOLOGY,問い合わせ先:CFD販売(販売代理店)
GV-N75TOC-2GI価格:1万9000円前後,GV-N75OC-1GI価格:1万6000円前後(※いずれも2014年2月18日現在)
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関連記事:NVIDIA,「GeForce GTX 750 Ti&GTX 750」発表。新世代GPUアーキテクチャ「Maxwell」第1弾の詳細をまとめてみた


第1世代のMaxwellアーキテクチャに基づく

GM107コアを採用するGTX 750 Ti&GTX 750


 NVIDIAが「第1世代」と位置づけるMaxwellアーキテクチャの概要は,別途掲載してある解説記事を参照してほしい。おおざっぱにまとめておくと,GTX 750 TiとGTX 750は,いずれもTSMCの28nm HPプロセス技術を用いて製造されるGPUで,コアの型番は「GM107」となる。

GTX 750 Ti GPU(左)とGTX 750 GPU(右)。刻印は前者が「GM107-400-A2」,後者が「GM107-300-A2」だった
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 Kepler世代のGPUでは,シェーダプロセッサ「CUDA Core」192基を中心に,スケジューラやロード/ストアユニット,超越関数ユニット,L1キャッシュ,テクスチャユニット,ジオメトリエンジンなどをひとまとめにした演算ユニット「Streaming Multiprocessor eXtreme」(以下,SMX)を基本単位としていた。これに対して第1世代Maxwellでは,新しく「Maxwell Streaming Multiprocessor」(以下,SMM)が基本単位となり,その中身も,32基のCUDA Coreがスケジューラやロード/ストアユニット,超越関数ユニットとセットになったパーティションを4基内包する仕様に改められたのが大きな特徴だ。
 32基のCUDA Coreを集積したパーティションが4基あるので,SMMあたりのCUDA Core数は128基。SMMあたり,4基のWarpスケジューラが用意される点や,1基のジオメトリエンジンが組み合わされるあたりはKepler世代から変わっていないが,テクスチャユニット数は8基で,Kepler世代から半減している。

第1世代Kepler(左)と第1世代Maxwell(右)におけるStreaming Multiprocessorのブロック図。MaxwellではCUDA Coreを中心とした部分が4パーティションへ分割されている
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GM107の全体ブロック図
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 複数のSMMがラスタライザとセットになって“ミニGPU”的な「Graphics Processing Clusters」(以下,GPC)を構成するのもKepler世代と同じだが,GM107では最大5基のSMMでGPCを構成する仕組みになっている。Kepler世代では1〜3基のSMXでGPCを構成していたので,GPCの構造はずいぶんとシンプルになったわけだ。
 ちなみにGTX 750 TiはSMMが5基なので,総CUDA Core数は32×4×5で640基。一方のGTX 750はSMMが4基となり,32×4×4で512基という計算になる。

 そんなGTX 750 TiおよびGTX 750の主なスペックを,置き換え対象であるGTX 650 Tiや,その上位モデルだったが,製造終了となった「GeForce GTX 650 Ti BOOST」(以下,GTX 650 TiB),GTX 750 Tiの上位モデルと位置づけられるGTX 660,さらに,競合製品から,現行モデルとなる「Radeon R9 270」「Radeon R7 265」「Radeon R7 260X」「Radeon R7 260」(以下順にR9 270,R7 265,R7 260X,R7 260),そして,これらによって置き換えられた旧世代モデル「Radeon HD 7850」「Radeon HD 7790」「Radeon HD 7770 GHz Edition」(以下順にHD 7850,HD 7790,HD 7770)とまとめたものが表1だ。

※そのまま掲載するとページに収まりきらないため,簡略版を掲載しました。表画像をクリックすると正式版を表示します
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カードサイズは150mm以下とかなりコンパクト

GIGABYTEの2モデルは補助電源&デュアルHDMI仕様


 ここからは入手した3枚のカードを順に見ていこう。
 なお,GPUクーラーの取り外しはメーカー保証外の行為だ。今回は記事作成のため,特別に取り外しているが,読者が同じことを行った場合,メーカー保証が失効する。また,GPUクーラーの取り外しによって何か問題が発生したとしても,GPUおよびグラフィックスカードメーカー,販売代理店,販売店,筆者,そして4Gamer編集部は一切責任を負わないので,以上の点は十分に注意してほしい。


●GTX 750 Tiリファレンスカード

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 NVIDIAのGTX 750 Tiリファレンスカードは,2スロット仕様ながら,60mm角相当の小型ファンを組み合わせたGPUクーラーが目を引くデザインになっている。カード長は実測約146mm(※突起部除く)。GTX 650 Tiのリファレンスカードは同149mmだったので,気持ち短くなったことになる。

外観はエントリーミドルクラスというより,エントリークラスのグラフィックスカードといった趣。6ピンのPCI Express補助電源用となる空きパターンの存在を確認できる
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クーラーは小型ながらも背は意外と高かった(左)。右は外部出力インタフェース。Dual-Link DVI-D×1,Dual-Link DVI-I×1,HDMI Mini Type C×1となっている
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 4点留めされたビスを外すと,GPUクーラーは簡単に取り外せる。取り外すと,GPUクーラーが,アルミ製のヒートシンクとファンによるシンプルな構造なのも確認できよう。
 基板デザインは,GTX 650 Tiリファレンスカードのそれと非常によく似ている。厳密に言えば異なるのだが,電源フェーズ数が見た限り2+1フェーズ仕様である点や,GPUとメモリチップの配置点はそっくりなので,GTX 650 Tiのリファレンスデザインをベースとしたものという理解でいいのではなかろうか。

 搭載されるメモリチップはSK Hynix製の4Gbit GDDR5「H5GC4H24MFR-T2C」(5Gbps品)が4枚。GTX 750 Tiにおけるグラフィックスメモリのリファレンスクロックは5400MHz相当(実クロック1350MHz)なので,若干のクロックアップ設定になっているようだ。

100%同じではないものの,GTX 650 Tiのリファレンスデザインとよく似た基板が採用されている。メモリチップは4Gbit品が4枚で総容量2GB
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●GV-N75TOC-2GI

GV-N75TOC-2GI。カード後方へはみ出す大型クーラーと,6ピンの補助電源コネクタが,外観上の特徴である。最新世代とされるWINDFORCE 2Xクーラーは8mm径の太いヒートパイプが目を引く
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 GIGABYTEとCFD販売の協力を得て入手したGV-N75TOC-2GIは,コアクロックがベース1033MHz,ブースト1111MHzへと,リファレンスの同1020MHz,1085MHzから若干引き上げられた製品となる。

 カード長は実測188mm(※突起部除く)で,リファレンスカードと比べると42mm長いが,これは,搭載される2スロット仕様のGPUクーラー「WINDFORCE 2X」がカードの後方へはみ出ているためだ。基板長自体は約146mmで,リファレンスカードと変わらない。
 気になるのは,「オーバークロック動作に対応するため」(GIGABYTE)として,6ピン補助電源コネクタが用意されていること。もちろん,使用には給電が必須となる。GTX 750 TiはTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)が60Wと低く,リファレンス仕様では補助電源ケーブルによる給電を必要としないだけに,この仕様は賛否が分かれそうだ。

WINDFORCEクーラーは,カード後方だけでなく,マザーボードに対して垂直方向にも,ヒートパイプの分だけ15mmほどはみ出した格好になる。なお,2連ファンはいずれも80mm角相当だった
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 ビデオの外部出力インタフェースは,Dual-Link DVI-D×1,Dual-Link DVI-I×1,HDMI Type A×2。HDMI 1.4準拠のHDMI出力を標準で2系統用意するのは珍しいが,これは,HDMIケーブル2本で簡単に4K解像度のテレビと接続できるようにするためとのことだった。GIGABYTEは最近,「4K」を重要な要素として訴求しており,今回の2連HDMI出力もその一環ということになる。

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 WINDFORCE 2Xクーラーを外すと,基板デザインはリファレンスカードと似て非なる,GIGABYTE独自のものであることが分かる。電源部が2+1フェーズ構成なのはリファレンスカードと同じながら,GV-N75TOC-2GIではGIGABYTE独自の品質規格「Ultra Durable 2」準拠となっており,実際,搭載部品のグレードはリファレンスカードよりも高いようだ。

最新世代のWINDFORCE 2Xクーラーは,8mm径のヒートパイプがGPUのダイと接触する構造が採用されている(左)。4枚あるメモリチップのうち,ヒートスプレッダ直下用のメモリチップの熱はヒートシンク側で受ける格好になっているのも目を引くところだ。右はパッシブヒートシンク単体。各所に設けられている段差によってエアフローを調整しているという
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 なお,搭載されるメモリチップはSamsung Electronics製の4Gbit GDDR5「K4G41325FC-HC03」(6Gbps品)。リファレンスカードとは異なり,GV-N75TOC-2GIでは若干のクロックマージンが設けられている。


●GV-N75OC-1GI

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 やはりGIGABYTEとCFD販売の協力で入手したGV-N75OC-1GIも,GV-N75TOC-2GIと同様のクロックアップモデルだ。動作クロックはリファレンスがベース1020MHz,ブースト1085MHz,メモリ5000MHz相当のところ,ベース1058MHz(※ブーストは未公開),メモリ5012MHz相当へと,やはり若干引き上げられている。

 カード長は実測172mm(※突起部除く)。こちらも2スロット仕様のGPUクーラーがカードの後方へ伸びる格好になっており,基板長自体はGV-N75TOC-2GIと同じ146mmだった。なお,6ピンの補助電源コネクタを搭載する点や,標準でHDMI 1.4準拠のHDMI Type A出力端子を2系統用意して4Kテレビに対応する点も上位モデルと変わらない。

GPUクーラーは,カード後方だけでなく,マザーボードに対して垂直方向にも数mmほどはみ出す
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補助電源コネクタの配置,そして,ビデオの外部出力インタフェースの構成と配置は,上位モデルと同じだ
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 GPUクーラーは,取り外してみると,WINDFORCE 2X比でずいぶんとシンプルなものであることが分かる。一方で基板はコンデンサやチョークコイルといった構成部品も含めてまったく同じに見えるので,上位モデルと共通という理解でまず間違いないだろう。
 ただし,搭載されるメモリチップは,間もなく社名がマイクロンメモリ ジャパンへと変わるエルピーダメモリ製の2Gbit GDDR5「W2032BBBG-60-F」(6Gbps品)へと変更されている。クロックマージンは上位モデルと同じ一方,4枚の合計容量は上位モデル比で半分となる1GBだ。

基板自体は上位モデルとおそらく同じもの(左)。GPUとメモリチップだけ換装されているイメージになる(右)
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現行世代&前世代の10製品と比較し,

GTX 750 TiとGTX 750の立ち位置を探る


 テスト環境のセットアップに入ろう。
 今回,主役となるグラフィックスカードが3枚あることから,GTX 750 Tiは,リファレンスカードを用いてリファレンスクロックでの検証を行いつつ,GV-N75TOC-2GIはカードとしての定格クロックでもテストを行う。一方のGTX 750は,入手したGV-N75OC-1GIがクロックアップモデルとなるため,カードの定格仕様だけではなく,MSI製のオーバークロックツール「Afterburner」(Version 2.3.1)を用いて動作クロックをリファレンス状態にまで下げた状態でもテストを行うことにした。以下,ベンチマークスコアの段落では,「動作クロックをリファレンス相当にまで下げたGV-N75OC-1GI」のことを「GTX 750」と表記するので,この点はご注意を。

 そんなGTX 750 TiおよびGTX 750の比較対象として用意したのは,表1でその名を挙げたGPUだ。現行モデルと,少し前に流通していたモデルから,GTX 750 TiおよびGTX 750の比較対象として適当と思われるものを可能な限り用意したら,10製品になった次第である。
 なお,用意したカードのうち,Sapphire Technology製のHD 7790搭載カード「SAPPHIRE HD7790 1G GDDR5 PCI-E DL-DVI-IDL-DVI-D/HDMI/DP DUAL-X OC VERSION」などの一部のカードは,メーカーレベルで動作クロックが引き上げられたクロックアップモデルのため,その場合はやはりAfterburnerから動作クロックをリファレンス相当にまで引き下げている。

 そのほかテスト環境は表2のとおり。GeForceのテストに用いたグラフィックスドライバは,NVIDIAから全世界のレビュワーに配布された「GeForce 334.69 Driver」となる。バージョン表記からするに,テスト開始時点の公式最新β版ドライバ「GeForce 334.67 Driver Beta」をベースに,新世代GPUへの対応を行ってきたものという理解でいいのではなかろうか。
 一方,Radeonのテストに用いたのは,テスト開始時の公式最新β版となる「Catalyst 14.1 Beta1.6」だ。

※そのまま掲載すると縦に長くなりすぎるため,簡略版を掲載しました。表画像をクリックすると正式版を表示します
画像集#041のサムネイル/「GeForce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」をテスト。TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか

 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション15.0準拠。NVIDIAがGTX 750 Tiのターゲット解像度を1920×1080ドットとしていることから,テスト解像度は1920×1080ドットと,16:9アスペクトで一段下となる1600×900ドットを選択した。

 なお,これは筆者のGPUレビュー記事における共通設定だが,CPUの自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」は,その効果がテストによって異なる可能性を排除すべく,マザーボードのUEFI(≒BIOS)から無効化している。
 また,ここまで述べてきたテスト環境およびテスト方法は,先週掲載したR7 265のレビュー記事とまったく同じだ。そのため,R7 270XとR7 265,R7 260X,HD 7850のスコアは同記事のものを流用しているので,この点もお断りしておきたい。


GTX 750 Tiの実力はGTX 650 Ti&R7 260X以上

GTX 750の実力はR7 260以上


 以下,グラフ内に限り,GV-N75TOC-2GIを「GBT 750 Ti OC」,GV-N75OC-1GIを「GBT 750 OC」と表記すること,そして,グラフは基本的にGeForce→Radeonの型番順としてあるが,グラフ画像をクリックすると,「3DMark」(Version 1.2.250)は「Fire Strike」テストのスコア順,それ以外のゲームベンチマークテストでは1920×1080ドット環境でのスコア順でそれぞれ並び変えたものを表示するようにしてあると述べつつ,順にテスト結果を見ていこう。

 というわけでグラフ1は,3DMarkのスコアをまとめたものになる。NVIDIAは,GTX 750 Tiの仮想敵をR7 260X,GTX 750の仮想敵をR7 260としているが,「Graphics Core Next」アーキテクチャを採用するRadeonに有利なスコアが出やすい3DMarkで,GTX 750 Tiがライバルよりやや高いスコアを示し,GTX 750が,このクラスのGPUにとってはより重要なテストであるFire Strikeでライバルをかわした点は注目に値しよう。なお,GTX 750が「Extreme」プリセットでスコアを大きく落とすのは,容量1GBというグラフィックスメモリ容量が,Extremeプリセットを満足に動作させられるレベルに達していないためだ。

 GeForce同士で比較すると,GTX 750 TiはGTX 650 TiBとほぼ互角のスコアを示し,置き換え対象となるGTX 650 Tiに対してFire Strikeで約27%もの差を付けた。一方のGTX 750も,GTX 650 Tiに対してFire Strikeで約16%高いスコアを示している。
 GV-N75TOC-2GIとGV-N75OC-1GIは,動作クロックの引き上げ率が大きくないため,スコアの向上率も相応のレベルに留まった。

画像集#042のサムネイル/「GeForce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」をテスト。TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか

 続いてグラフ2,3は「Battlefield 4」(以下,BF4)の結果となる。BF4はRadeonシリーズへの最適化が進んでいることで知られているが,それでもGTX 750 TiはR7 260Xといい勝負を演じている。GTX 650 TiBとの比較では,「標準設定」で互角となる一方,「高負荷設定」では約96%のスコアとなったが,これは「128bit接続,5400MHz相当」対「192bit接続,6008MHz相当」というメモリスペックの違いが生んだものだろう。
 GTX 750はGTX 750 Ti比で86〜88%程度のスコア。R7 260とほぼ互角だ。

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 極めて描画負荷が高いゲームタイトルの代表として採用している「Crysis 3」は,BF4における高負荷設定の傾向をさらに強調するような結果になった。グラフ4,5を見ると分かるように,GTX 750 Tiは,GTX 650 Tiにまったく太刀打ちできず,スコアは85〜86%にまで沈んでいる。いくらGPUコアの動作効率を上げても,メモリ周りはどうにもならないわけである。
 もっとも,Crysis 3ではGeForceシリーズが高いスコアを出す傾向があることもあって,同じ128bitインタフェースを持つR7 260Xに対しては9〜19%程度のスコア差を付けた。

 GTX 750は,GTX 750 Tiとのスコア差が小さいが,これは,そもそも描画負荷が高すぎて,このクラスのGPUでは全体的にスコアが上がらないためだと思われる。

画像集#045のサムネイル/「GeForce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」をテスト。TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか
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 打って変わってグラフ6,7は,描画負荷が低めのゲームタイトル代表として採用している「BioShock Infinite」のスコアをまとめたものだ。
 ここでGTX 750 TiはGTX 650 TiBの91〜98%程度と,やや離されるものの,R7 260に対しては14〜31%程度と,大きめのスコア差を付けた。とくに,GeForceが全体的に優勢となるUltraDX11_DDOFで,R7 260Xの上位モデルであるR7 265よりも高いスコアを示しているのは注目すべきだろう。

 GTX 750は,GTX 750 Tiの9割弱といったところ。ただし,上でも述べた理由により,UltraDX11_DDOFではR7 260どころかR7 260Xに対しても14〜17%程度の差を付けている。

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 高解像度テクスチャパックの導入によってグラフィックスメモリ負荷を高めてあるため,ミドルクラス以下のグラフィックスカードからするとメモリのテストといった感もある「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)のテスト結果がグラフ8,9だ。
 ここでは,標準設定でGTX 650 TiBをわずかに上回るスコアを示したGTX 750 Tiが,「Ultra設定」では逆に91〜93%と逆転され,さらに100GB/s超えのメモリバス帯域幅を持つR7 260Xにも迫られるなど,大変分かりやすい結果が見て取れる。もっとも,同じ128bitインタフェース同士で比較した場合は,GTX 650 Tiに対して26〜28%程度のスコア差を生み,後継製品として納得のいく結果を示してもいるのだが。

 GTX 750も,GTX 650 Tiに対して11〜20%高いスコアを示した。R7 260に対してもUltra設定で7〜10%程度上回り,R7 260Xに並んだ点は特筆すべきだろう。GPUコア性能勝負になった場合は,同クラスの従来型GPUに対して,効率のよさを示すというのが,GM107の特徴といえそうな印象だ。

画像集#049のサムネイル/「GeForce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」をテスト。TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか
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 グラフ10,11は,「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」(以下,新生FFXIVベンチ キャラ編)のテスト結果だ。ここでも,「メモリ勝負にならなければ上位陣といい勝負」という傾向が見え,GTX 750 Tiは,標準品質(デスクトップPC)でGTX 650 TiBと互角である一方,最高品質では93〜95%のスコアを示している。対R7 265のスコアが最も詰めたところで約99%,最も離されたところで約84%というのも示唆的である。
 一方のGTX 750は,GTX 750 Ti比で91〜94%程度のスコアを示し,R7 260どころかR7 260Xすら安定して上回っている。

画像集#051のサムネイル/「GeForce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」をテスト。TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか
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 スクウェア・エニックスによれば,スコアは7000以上で一番上の指標「非常に快適」となるが,スコアでは分かりにくいという人のため,グラフ10’11’には平均フレームレートベースのグラフを置いてみた。興味のある人はこちらもチェックしてほしい。
 ざっくりまとめると,最高品質の1600×900ドットでは,GTX 750以上がスコア7000のラインである平均60fps超え。同1920×1080ドットではGTX 750 Tiが平均55fps強,GTX 750が50fps強といったところだ。

画像集#053のサムネイル/「GeForce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」をテスト。TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか
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 性能検証の最後は,スコアをグラフ12,13へまとめた「GRID 2」である。
 GRID 2は比較的素直に総合性能差が出やすいのだが,そこでGTX 750 TiはGTX 650 TiBやHD 7850,R7 260XといったGPUと同程度のスコアにまとまった。GTX 750はR7 260といい勝負を演じているのも分かる。

画像集#055のサムネイル/「GeForce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」をテスト。TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか
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競合製品に対する消費電力面の優位性は明らか

ただ,GTX 650 Tiとの違いは大きくない?


 GTX 750 TiとGTX 750が持つ,最大の魅力の1つが,順にわずか60W,55WというTDPである。「TDP=実消費電力」ではないものの,100W超えが当たり前となっているエントリーミドルクラスGPU市場にあって,リファレンスデザインを採用する限り補助電源が不要ということのインパクトは計り知れないが,では,実際の消費電力はどの程度なのだろうか。今回も,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を比較してみたい。

 テストにあたっては,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時としている。

 その結果がグラフ14だ。
 アイドル時は概ね80W弱でまとまっており,全体として大差ない。もちろん,現行世代のRadeonは,ディスプレイ出力が無効になると,省電力機能「AMD ZeroCore Power Technology」によって待機電力が大きく引き下げられ,実測値で60W台後半にまで消費電力が下がる。そこまで考慮するとRadeonが優勢だが,ゲームプレイ中の放置状態についていえば,どれも同じと述べていいだろう。

※そのまま掲載すると縦に長くなりすぎるため,簡略版を掲載しました。グラフ画像をクリックすると,縦1500ドット超の完全版を表示します
画像集#057のサムネイル/「GeForce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」をテスト。TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか

 一方,アプリケーション実行時を見てみると,GTX 750 TiはGTX 650 TiBと比べて49〜61Wも低い消費電力値を示した。競合となるR7 260Xと比べても24〜36W低い値だ。
 やや気になるのは,TDPが110WのGTX 650 Tiと比べると,その差が2〜14Wと一気に縮まること。「手元にあるGTX 650 Tiカードが,消費電力面で“大当たり”」という可能性を考慮しても,もう少しスコア差はついてもよかったように思う。TDPは60Wながら,実消費電力は,PCI Express x16スロットで供給できる75Wに近いのではないか,という気はしないでもない。

 GTX 750の消費電力は,そんなGTX 750 Tiとほぼ同じ。ただ前述のとおり,ここでのGTX 750は,補助電源コネクタを持ち,メーカー出荷時点でクロックアップされたGV-N75OC-1GIの動作クロックを下げたものなので,やや高めに出てしまう可能性はあると思われる。補助電源コネクタを持たない,リファレンスクロック版のカードが出てくれば,今回のテスト結果と比べて多少下がるのではなかろうか。

 グラフ15は,上のアイドル時に加え,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」とし,両時点におけるGPU温度をTechPowerUp製のGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.7.5)から追った結果となる。なお,テスト開始タイミングの都合上,GPU-Zのバージョンは最新の0.76ではないので,この点はご了承を。

 スコアは,室温を24℃で揃え,PCケースに組み込まない状態でも揃えたときのものだが,そもそもグラフィックスカードは,製品ごとにGPUクーラーもファン回転数もバラバラであり,横並びの評価には適していない。ここでのスコアはあくまでも,今回入手したGTX 750 TiカードとGTX 750カードの傾向を掴むに留めてほしいと思うが,端的に述べると,GTX 750 Tiリファレンスクーラーが持つ冷却能力はあまり高くないようだ。それに対して,GV-N75TOC-2GIとGV-N75OC-1GIは,高負荷時にもGPU温度を50℃台に留めており,いずれもなかなか良好な結果とまとめることができそうである。

画像集#058のサムネイル/「GeForce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」をテスト。TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか

 気になる動作音だが,筆者の主観であることを断ったうえで述べると,GV-N75TOC-2GIが搭載するWINDFORCE 2Xクーラーは,間違いなくGTX 750 Tiリファレンスカードより静かだ。さらに言えば,GV-N75TOC-2GIのほうが,シングルファン仕様のクーラーを搭載するGV-N75OC-1GIより静かだと感じた。定評あるWINDFORCEクーラーらしいテスト結果といえそうだ。


小型デスクトップPCのアップグレード用には鉄板

刺さる人には刺さるGPUだ


画像集#035のサムネイル/「GeForce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」をテスト。TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか
 以上のテストから,GTX 750 Tiは,補助電源を必要としない設計でありながら,GTX 650 TiやR7 260Xを上回る性能を発揮できるGPUとまとめることができる。消費電力はもう一声欲しかったというのが正直なところだが,MMOゲーマーである筆者は個人的に,長時間プレイする前提に立ち,「GPUは最高性能よりも,とにかく電力効率を追求すべきだ」と考えており,その観点からすると,GPUコア性能レベルで確実に電力効率の向上が感じられるGTX 750 Tiはかなり魅力的な存在だと感じている。
 GTX 750もR7 260を上回る性能が確保されており,悪くない選択肢であるように思う。

 ただ,そんなGTX 750 TiとGTX 750の前に立ちはだかるのが,今回10製品も用意したことからも分かるように,とにかく競合製品が多いという事実である。
 NVIDIAによれば,搭載グラフィックスカードの北米市場における想定売価は,グラフィックスメモリ容量2GB版のGTX 750 Tiが149ドルで,GTX 750は119ドル。これが,日本における売り出し価格だと順に1万円台後半,1万台中盤となる見込みで,そうなると,消費電力にこだわらないなら,明らかにGTX 750 Tiより性能の高いGTX 660やR9 270,あるいは,先週の時点では微妙な存在に思えたが,GTX 750 Tiと比べた場合には絶妙な立ち位置に見えるR7 265といった選択肢が,有力な候補として浮上してくるのだ。「コストパフォーマンス」という観点に立った場合,少なくとも当面の間,GTX 750 TiとGTX 750は不利な環境へ置かれることになるだろう。

GV-N75TOC-2GIとGV-N75OC-1GIの製品ボックス
画像集#002のサムネイル/「GeForce GTX 750 Ti」「GeForce GTX 750」をテスト。TDP 60W以下で登場した第1世代Maxwellは速いのか
 おそらくGTX 750 TiとGTX 750の“主戦場”は,300W程度の電源ユニットが積まれたMini-ITXケースベースのPCや,あるいは,昔から一定のニーズがある「大手メーカー製のデスクトップマシンを買ったら,電源容量やスペースの都合から,差せる単体グラフィックスカードに大きな制限があることに後から気づいてしまった」という人達のPCである。また,「一定水準の3D性能を,できる限り低消費電力で手に入れたい。そのためならコストは惜しまない」といった(筆者のような)人もターゲットになるはずだ。そういうところでは,60Wや55WというTDP,そして何より,補助電源不要という仕様が大きなアピールポイントになるだろう。
 その意味において,今回テストしたGIGABYTE製カードは優秀なGPUクーラーを持つだけにたいへん惜しいと言わざるを得ないのだが,GTX 750 TiとGTX 750自体は刺さる人には刺さるGPUと言えそうである。

NVIDIAのGeForce製品情報ページ

GIGABYTEのGeForce GTX 700シリーズ製品情報ページ

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    GeForce GTX 700

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