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「Radeon R9 270」レビュー。179ドルの“ほぼHD 7870 GHz Edition”は,「補助電源1基」の市場で主役となれるGPUだ
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印刷2013/11/13 14:01

レビュー

179ドルの“ほぼHD 7870 GE”は,「補助電源1基」の市場で主役となれる存在だ

Radeon R9 270
(Hightech Information Systems HIS R9 270 iPower IceQ X2 Boost Clock 2GB GDDR5 PCI-E DLDVI-I/HDMI/2xMini DP)


HIS R9 270 iPower IceQ X2 Boost Clock 2GB GDDR5 PCI-E DLDVI-I/HDMI/2xMini DP
画像(004)「Radeon R9 270」レビュー。179ドルの“ほぼHD 7870 GHz Edition”は,「補助電源1基」の市場で主役となれるGPUだ
 2013年11月13日14:01,AMDはRadeon R9シリーズの新型GPURadeon R9 270」を発表した。北米時間2013年9月25日に発表されたRadeon R9&R7シリーズ第1弾のラインナップは,先週の「Radeon R9 290」情報解禁で一段落付いていたが,それから1週間で早くも新モデルの登場と相成ったわけだ。
 その型番からして,すでに販売が始まっている「Radeon R9 270X」の下位モデルであることは容易に想像できるが,その立ち位置はどのようなものになるだろうか。AMDの日本法人である日本AMDから,Hightech Information Systems(以下,HIS)製の搭載グラフィックスカード「HIS R9 270 iPower IceQ X2 Boost Clock 2GB GDDR5 PCI-E DLDVI-I/HDMI/2xMini DP」(以下,HIS R9 270 IceQ X2)を入手したので,その実力を検証してみたい。


R9 270はR9 270Xの動作クロック引き下げ版

補助電源コネクタは6ピン×1に


R9 270X GPU(※写真はASUSTeK Computer製カード「R9270X-DC2T-2GD5」に搭載されていたもの)
画像(002)「Radeon R9 270」レビュー。179ドルの“ほぼHD 7870 GHz Edition”は,「補助電源1基」の市場で主役となれるGPUだ
 あらためて振り返っておくと,R9 270Xは,「Radeon HD 7870 GHz Edition」(以下,HD 7870 GE)のリフレッシュ(もしくはリネーム,リブランド)品。自動クロックアップ機能「AMD PowerTune Technology with Boost」と,より高いクロックで動作するグラフィックスメモリを採用しつつ,北米市場における想定売価が199ドルという,バランスのよいGPUに仕上がっていた。

HD 7870 GEのブロック図。R9 270とR9 270XはいずれもHD 7870 GEベースとなる
画像(003)「Radeon R9 270」レビュー。179ドルの“ほぼHD 7870 GHz Edition”は,「補助電源1基」の市場で主役となれるGPUだ
 もちろん,HD 7870 GEベースなので,コアアーキテクチャは「Graphics Core Next」。64基のシェーダプロセッサとキャッシュやレジスタファイル,スケジューラ,4基のテクスチャユニットによって演算ユニットたる「Compute Unite」を構成し,それを計20基搭載することで,総シェーダプロセッサ数1280基,総テクスチャユニット数80基のGPUになっていたというのは,先のレビュー記事でもお伝えしているとおりだ。
 付け加えるなら,メモリインタフェースは256bitで,メモリクロックは5600MHz相当(実クロック1400MHz)。公称典型消費電力はHD 7870 GEより5W高い180Wである。

 では,その下位モデルとなるR9 270はどうなっているのかだが,端的に述べると,

  1. 最大ブーストクロックがR9 270Xの1050MHzから925MHzに下げられた
  2. 最大グラフィックスメモリ容量がR9 270Xの4GBから2GBに下げられた
  3. 公称典型消費電力がR9 270Xの180Wから150Wへと下がり,補助電源コネクタが6ピン×2から6ピン×1になった

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「150Wクラス最速」「小型筐体で高画質な1080pゲームプレイ」というのがキーワードとなるR9 270
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AMDが示しているR9 270の主なスペック
だけだ。基本的にはR9 270Xの低クロック版という理解でいい。ミドルクラス市場を狙うという,GPUの位置づけを考えると,補助電源コネクタが6ピン×1になったのは魅力だろう。

 そんなR9 270のスペックを,R9 270XやHD 7870 GE,R9 270の下位モデルとなる「Radeon R7 260X」,そしてAMDがR9 270の競合製品と位置づける「GeForce GTX 660」と比較したものが表1となる。
 R9 270Xがそうであったように,R9 270も,DirectX 11.2や,AMD独自のグラフィックスAPI「Mante」をサポートする一方,AMD独自のプログラマブルサウンドエンジン「TrueAudio」は搭載しない。

※HD 7870 GEはDirectX 11.2対応(関連記事)。NVIDIAは,KeplerアーキテクチャのGPUがDirectX 11.2に対応すると公式blogで明らかにしている
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かなりコンパクトなHIS R9 270 IceQ X2

カードデザインはHISオリジナルか


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GPUクーラーを含めたカード長は実測約212mmだった
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外部出力インタフェースはDual-Link DVI-I×1,HDMI×1,Mini DisplayPort×2となる。前段で示したリファレンスカードの画像とはインタフェースの並びが異なる
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中を覗き込むと3本のヒートパイプを確認できた
 以上を踏まえつつ,入手したHIS R9 270 IceQ X2を概観していこう。
 外部出力インタフェースの並びを見る限り,HIS R9 270 IceQ X2がリファレンス準拠のカードデザインを採用している可能性は低いため,あくまでも筆者の目の前にあるカードの話となるが,そのカード長は実測約212mm(※突起部除く)で,R9 270Xリファレンスカードの同242mm比で約30mmも短い。
 しかも,この212mmというのは,カードの後方にはみ出ている2連ファン式クーラー「IceQ X2」を含んでのものだ。基板だけならその長さは同200mmと,R7 260Xリファレンスカードの同174mmとまではいかないものの,かなりの短尺といえる。GPUクーラーとの組み合わせ次第では,かなりコンパクトなモデルが登場する可能性もあるのではなかろうか。

 AMDからGPUクーラーを取り外さないようにとのお達しが出ているため,今回チェックできるのはあくまでも外観のみだが,IceQ X2クーラーの隙間から覗き込むと,3本のヒートパイプによってGPUの発熱を放熱フィン部へ運ぶ仕様になっているのが分かる。付け加えるなら,基板上の電源部やメモリチップにヒートシンクは搭載されていなかったので,これらの冷却は2連ファンのエアフローに頼ることになる。

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 補助電源コネクタが6ピン×1という仕様なのはリファレンスどおりとして,押さえておきたいのは,HIS R9 270 IceQ X2で,「マザーボードに差したとき,補助電源コネクタがマザーボードと平行に後方を向く」ことだ。そのため,カード後方にコネクタを差すためのスペースが必要になるが,もっともHIS R9 270 IceQ X2の場合は,GPUクーラーがカード後方にはみ出ているため,それが大きな問題になることはないと思われる。

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 なお,基板背面のデザインから判断するに,電源部はR9 270Xリファレンスカードと同じく4+1フェーズのように思われる。また,その電源部がビデオ出力インタフェース側に実装されている点や,GPUパッケージを囲むように8枚のメモリチップが配置されている点などは,R9 270Xリファレンスカードのデザインを踏襲しているようだ。
 ちなみにメモリチップは,カードの隙間から確認した限り,エルピーダメモリ製GDDR5「W2032BBBG-6A-F」(6.0Gbps品)だった。メモリクロック5600MHz相当(実クロック1400MHz)の製品なので,チップの仕様的にはクロックに若干のマージンがある計算となる。


R9 270XやHD 7870 GE,GTX 660などと比較

BF4のテストも新規に実施


AMDはR9 270をGTX 660キラーと位置づけている
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 今回のテストにあたっては,先の表1でその名を挙げたGPUを,比較対象として用意した。
 用いたグラフィックスドライバは,テスト開始時点における最新のものだ。Radeon用には,「Catalyst 13.11 Beta9.2」(もしくはCatalyst 13.11 Beta V9.2)を,GeForce用には,「GeForce GTX 780 Ti」のレビュワーに対して配布された「GeForce 331.70 Driver」を使う。
 そのほかテスト環境は表2のとおり。

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Catalyst Control CenterからHIS R9 270 IceQ X2の情報を確認したところ。動作クロックはリファレンス仕様となっている
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SHANGHAIステージ冒頭は,描画負荷が比較的高い。しかも,キャラクターを操作する必要がなく,「ユーザー操作」という不確定要素を排除することができる。そこで,このシークエンスを選んだ次第だ
 テスト方法は,来たる4Gamerのベンチマークレギュレーション15.0を先取りするものとなる。具体的には,「3DMark」(Version 1.1.0)と「Crysis 3」「BioShock Infinite」「The Elder Scrolls V: Skyrim」のテストはレギュレーション14.0に完全準拠としつつ,新たに「Battlefield 4」(以下,BF4)と「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」(以下,新生FFXIVベンチ キャラ編),「GRID 2」のテストを追加する,というものだ。

 最終的なテスト方法はレギュレーション公開時に変更となる可能性があり,新規採用の3タイトルにおけるテスト方法はあくまでも今回のレビューにおけるものだと断ったうえで紹介しておくと,BF4では,キャンペーンモードから「SHANGHAI」ステージを選択。同ステージの冒頭に,ホテルへ車で移動するシーンがあるため,そのシーンにおける1分間の平均フレームレートを取得することにした。テストは解像度ごとに2回行い,その平均をスコアとして採用する。
 グラフィックス設定は,ゲーム側の「最高」プリセットが選択された状態を「高負荷設定」,そこからアンチエイリアシング関連の2項目だけ「OFF」にした状態を「標準設定」としている。

 新生FFXIVベンチ キャラ編とGRID 2では,どちらも公式のベンチマークツールを利用することになる。前者では「グラフィック設定」プリセットから「標準品質(デスクトップPC)」と「最高品質」を,GRID 2ではグラフィックス設定に「ULTRA」プリセットをそれぞれ選択のうえ,標準設定と最高設定を選び,いずれにおいても解像度ごとにテストを2回実行して,平均をスコアとして採用することとした。

 解像度は,AMDがR9 270のターゲットとしている1920×1080ドットと,アスペクト比16:9でその“1つ下”となる1600×900ドットを選択したことも付記しておきたい。
 また,これはいつものことだが,CPU「Core i7-4770K」でサポートされる自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」は,テスト時の状況によって挙動が変わる可能性を排除できないため,マザーボードのUEFI(≒BIOS)から無効化している。


R9 270が持つ最大の武器はメモリ帯域幅か

BF4への最適化度合いも要注目


 いずれのグラフも,主役となるR9 270以外はRadeon→GeForceでスペック順に並べてあるが,グラフ画像をクリックすると「より描画負荷の高いテスト項目におけるスコアで並び変えたグラフ」を表示するようにしてあると案内しつつ,テスト結果を順に見ていこう。
 グラフ1は3DMarkの結果で,R9 270のスコアはR9 270X比で91〜92%程度。最大ブーストクロックがR9 270Xの約88%というスペックからすると,かなり頑張っていると述べていいのではなかろうか。

 対HD 7870 GEではほぼ互角のスコアで,GPUコアクロックが低い分をメモリクロックで取り返している,といったところ。GTX 660よりも13〜14%程度高いスコアなのは,3DMarkでRadeonが高いスコアを発揮する傾向にある以上,おおむね予想どおりといえる。

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 続いてグラフ2,3は,4GamerのGPUベンチマーク記事初登場となるBF4のテスト結果だ。
 BF4についてはAMDが発売前から並々ならぬ気合いを見せていたわけだが,実際に並んでいるスコアを見ても,Radeonのスコアは非常に高い。とくに,標準設定の1920×1080ドットでGTX 660が平均60fpsに届かないのに対し,R9 270で60fps超えを果たしてきている点は高く評価すべきだろう。
 また,高負荷設定では全体的にスコアが低くなるが,そこでもR9 270がGTX 660に対して8〜9%程度のスコア差を示している点は押さえておきたい。ちなみに,対R9 270Xのスコアは90〜92%程度,対HD 7870 GEのスコアは99〜104%で,おおむね3DMarkと同じ傾向と述べていいと思われる。

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 ここまでとは若干異なる様相を見せるのが,グラフ4,5にスコアをまとめたCrysis 3である。ここでR9 270のスコアは対R9 270Xで89〜95%と,「同じGPUアーキテクチャ,同じメモリクロックであれば,描画負荷が高くなれば高くなるほど,GPUクロックの違いはスコアを左右しづらくなる」という傾向そのものの結果となっているが,それ以上に気になるのは,対GTX 660で92〜97%程度のスコアに留まっていることだろう。
 Crysis 3は決してGeForceべったりの最適化がなされたタイトルではないので,このあたりはCatalyst側の最適化が足りていない印象を受ける。

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 グラフ6,7の「BioShock Infinite」も,Crysis 3と似た傾向になった。R9 270とR9 270XやHD 7870 GEとのスコア差は3DMarkやBF4とほぼ同じレベルに留まっている一方,GTX 660には若干置いて行かれている。

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 Skyrimのテスト結果をまとめたグラフ8,9だと,R9 270とR9 270Xの力関係は変わらない一方,HD 7870 GEに対しては,GPUコアクロックが“効く”傾向にある標準設定で95〜97%程度のスコアに留まるところが,8xアンチエイリアシングを適用した「Ultra設定」では約98%のスコアを示している点に注目しておきたい。メモリ周りの負荷が高い状況では,HD 7870 GEとのスコア差を縮めているわけだ。
 対GTX 660でR9 270は互角以上に立ち回っており,解像度1920×1080ドットでは2〜3%程度のスコア差を付けていた。テクスチャユニット数が同程度なら,DirectX 9世代のアプリケーションを前にしても,GeForceといい勝負ができるということなのだと思われる。

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 R9 270が持つメモリバス帯域幅の優位性は,グラフ10,11に示した新生FFXIVベンチ キャラ編においても確認できる。本ベンチマークツールでは全体的にGeFore優位のスコアが出がちなのだが,そんななか,標準品質(デスクトップPC)でGTX 660比94〜97%程度のスコアとなるR9 270が,最高品質で100〜102%程度のスコアを示すのは,そのよい例といえるだろう。
 実スコアで,スクウェア・エニックスが示す最高指標「非常に快適」のラインである7000を最高品質の1920×1080ドットで超えてきているのも注目すべきポイントだ。R7 260XではなくR9 270を選ぶ理由の1つになりそうである。

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 なお,平均フレームレートベースの比較でないと分かりにくいという読者もいると思われるので,グラフ10’,11’に,フレームレートベースのグラフも示しておいた。必要に応じて参照してもらえれば幸いだ。

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 グラフ12,13はGRID 2のスコアだが,ここでR9 270は再びHD 7870 GEから離される結果となった。具体的には対HD 7870 GEで94〜96%程度。R9 270の最大ブーストクロックとHD 7870 GEのGPUクロック差が約8%なので,メモリ性能で差を縮められなかったということなのだろう。GRID 2は比較的“軽い”タイトルなので,こういうケースではHD 7870 GEに軍配が上がりそうだ。
 なお,GTX 660に対しては5〜8%高いスコアとなっている。

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R9 270X比で最大23W低い消費電力

HD 7870 GEやGTX 660と比べても低め


 前述のとおり,R9 270の公称典型消費電力は150Wと,R9 270Xのそれと比べて30Wも低いが,その違いは数字に出てくるのか。ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力で比較してみることにした。

 テストにあたってはゲーム用途を想定し,無操作状態が続いてもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時としている。

 その結果がグラフ14である。
 アイドル時の消費電力はR9 270が頭1つ抜けているが,これはHIS R9 270 IceQ X2のカード設計がメーカー独自のものである可能性が高い以上,あり得る話だろう。
 ちなみに,アイドル状態が続いたときにディスプレイ出力が無効化され,省電力機能「AMD ZeroCore Power Technology」(以下,ZeroCore)有効になった場合,R7 270のスコアは69Wに下がっていた。R9 270Xが67Wだったので,ZeroCoreの挙動に違いはないと見ていいはずだ。

 一方のアプリケーション実行時だと,R9 270はR9 270X比で14〜23W低いスコアを示す。スペック上の違いである30Wには届かないものの,確実に消費電力が下がっている点は評価したい。また,HD 7870 GEやGTX 660に対し,概ね低い値を示しているのも見逃せないポイントといえる。

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 最後にグラフ15は,3DMarkの30分間ループ実行時点を「高負荷時」として,アイドル時ともども,GPUの温度を追った結果となる。
 テストに用いたツールはTechPowerUp製の「GPU-Z」(Version 0.7.4)。テスト時の室温は24℃で,テストシステムはPCケースに組み込まず,いわゆるバラック状態に置いたときのスコアだ。

 言うまでもなく,カードデザインもGPUクーラーも異なるため,横並びの比較に意味はほとんどないのだが,あまり違いの見られないアイドル時はともかく,高負荷時の数字をチェックしてみると,R9 270が唯一50℃台と,飛びぬけて低いスコアを記録しているのが分かる。これは,R9 270の消費電力が低いことに加え,HIS R9 270 IceQ X2で採用されるGPUクーラーの冷却性能がそこそこ高いということによるものだろう。

画像(031)「Radeon R9 270」レビュー。179ドルの“ほぼHD 7870 GHz Edition”は,「補助電源1基」の市場で主役となれるGPUだ

 ちなみにクーラーの回転数は今回のテスト中を通じて1400〜1850rpmの範囲で変動しており,筆者の主観であることを断ったうえで述べると,静音性はかなり良好だ。さすがに「高い負荷がかかってもほとんど無音」というわけではなく,「ああ,ファン回転数が上がったな」と感じられるレベルではあるものの,それでも十分に静かだと感じられた。


“ほぼHD 7870 GE”でトータルバランスは抜群

「補助電源コネクタ1基」の市場で主役となる可能性も


HIS R9 270 IceQ X2の製品ボックス
画像(014)「Radeon R9 270」レビュー。179ドルの“ほぼHD 7870 GHz Edition”は,「補助電源1基」の市場で主役となれるGPUだ
 以上のテスト結果から,R9 270の実力は“ほとんどHD 7870 GE”であり,GTX 660との比較でも,おおむね互角以上と述べて差し支えない。とくにこの冬における主役の1つであるBF4で示されたテスト結果はインパクトが大きい印象だ。消費電力も同クラスの中では低く,カードサイズも小さいことから,トータルバランスにかなり優れたGPUとまとめることができるだろう。

北米市場におけるRadeon R9シリーズの想定売価
画像(015)「Radeon R9 270」レビュー。179ドルの“ほぼHD 7870 GHz Edition”は,「補助電源1基」の市場で主役となれるGPUだ
 北米市場におけるR9 270搭載グラフィックスカードの想定売価は179ドル(約1万7800円)。R9 270Xが同199ドルなので,20ドルしか違いはないことになるが,一部の特別な高級モデルを除くと,R9 270Xカードの国内実勢価格が2万4500〜2万8000円程度,GTX 660カードの国内実勢価格が1万9000〜2万6000円程度(※いずれも2013年11月13日現在)なので,2万円台前半でスタートし,ボーナス商戦期の本番に最安値で1万円台に突入してくれば,十分面白い存在になるはずだ。
 逆に,R9 270Xカードとほとんど変わらない価格になってしまうのであれば,選ぶ理由はない。このあたりは慎重に見極めたいところである。

 そんなわけで,R9 270が買いか否かを決めるのは,一にも二にも価格だ。価格さえこなれてくれば,補助電源コネクタが6ピン×1で済むGPUとして鉄板の存在となり得る存在だと思う。

AMDのRadeon R9シリーズ製品情報ページ(英語)

  • 関連タイトル:

    Radeon R9 200

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