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本シリーズを手掛けるCD Projekt REDは,ポーランドに拠点を置くデベロッパであり,同社が2007年にリリースしたシリーズ1作め「The Witcher」は,欧米のRPGファンを魅了したタイトルだ。
その後,2011年5月に発売された「The Witcher 2: Assassins of Kings」(PC / Xbox 360)は,さらに進化したグラフィックスと,より洗練されたアクション性によって,ファンはもちろん,多くのゲーマーから高い評価を受け,Metacriticにおける76メディアの平均評価が「88」点と,非常に高いスコアを獲得している。
今回4Gamerでは,CD Projekt REDでシニアライターを務めるJakub Szamalek(ヤクブ・スザマレク)氏,シニアQAアナリストのBartosz Ochman(バルトシュ・オクマン)氏,ビジネスデベロップメントマネージャーのRafal Jaki(ラファール・ヤキ)氏,ならびにスパイク・チュンソフトで海外事業グループのプロデューサーを務める本間 覚氏から,「ウィッチャー3」のプレゼンテーションを受ける機会を得たので,その内容をさっそくお伝えしよう。
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ウィッチャー3のメインターゲットは新規ユーザーに
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そんな人気作家の小説をベースにしたアクションRPGシリーズ最新作となる「ウィッチャー3」は,シリーズ初のオープンワールドゲームとなっており,発売前にも関わらず,すでに海外のメディアアワードを160以上も獲得するなど,ゲーマーからの期待値の高さがうかがえる。
今回,スパイク・チュンソフトが発売するPlayStation 4およびXbox One向けの国内版は,フルローカライズとなっており,主人公ゲラルトを始めとする主要キャラクター達はもちろん,村人の雑談から吟遊詩人の歌声まで,ゲーム内のNPC1人1人にしっかりと日本語ボイスが入っているというのだから驚きだ。
さらに,英語音声への切り替えにも対応する予定とのこと。今までのゲラルトの声が耳に馴染んでいるという人にとっては,嬉しい配慮だ。
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ちなみに,CD Projekt REDからリリース予定のPC版には,スパイク・チュンソフトが制作した日本語パックが,PS4およびXbox One版の国内発売日に合わせてCD Projekt REDから配信される予定となっている。これはPCゲーマーにとって吉報といえるだろう。
本作はシリーズ作品ということで,ストーリーの観点から新規ユーザーが置いてけぼりにならないかが懸念されるところだが,本間氏の話によると本作では新規ユーザーをメインターゲットにしているとのこと。
したがって,本作のストーリーは前作のエピローグを引きずらず,単体で完結するようになっており,世界観やキャラクターについては,ゲーム内や公式サイトでも分かりやすく紹介するなど,シリーズ未経験者でも安心してゲームの世界に飛び込めるよう設計されているようだ。
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おなじみのあの敵も登場した,世界初のPS4実機プレイデモ
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デモの舞台となるのは,陰鬱な湿地帯「ヴェレン」だ。ゲラルトは,自身が実の娘のようにかわいがっていた「シリ」の行方を追って,この地にやってきたのだが,どうやらシリの居場所は「森の貴婦人たち」と呼ばれる3人の魔女が知っているようだ。今回のデモでは,この魔女を探すのが目的となる。
デモが始まってまず筆者の目を引いたのは,そのグラフィックスだ。「The Witcher 2」をプレイした時も,前作からの進化には驚かされたものだが,本作はオープンワールドということもあってか,遠景もしっかりと描写されており,新世代機のマシンパワーが余すことなく使われている印象を受けた。
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さて,デモの開始地点となる湿地帯には,お菓子が撒かれた「ごちそうの道」と呼ばれる林道があり,これをたどって湿地帯を抜けると,子供達と老婆が暮らす集落に辿りついた。ここにいる子供達は,シリについて何か知っている様子なのだが,老婆が会話の邪魔をして話を聞くことができない。
ここでのやり取りを見ていて感じたのは,NPCの仕草に対する妥協のなさだ。会話をしている時の顔の筋肉や眼球,口の動きなどが,とても自然で,実際に自分で操作しているわけでもないのに,会話の内容に没入できた。
もともとCD Projekt REDはシリーズ1作めである「The Wicher」の頃から,NPCの仕草や反応に力を入れており,今回の集落のシーンでは,その技術がますます進化しているのをはっきりと感じることができた。
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老婆の姿が見えなくなったので,なんとかして子供達の協力を取り付けるため,かくれんぼをすることに。もちろん鬼はゲラルトだ。どちらかといえば彼は狼なのだが,それはまあ置いておくとして,隠れた子供達を探すため,ここではゲラルトが持つ“ウィッチャーの感覚”を使うことに。
これは,隠れたオブジェクトを分かりやすく視覚化する能力で,デモではこれを使って子供達の足跡をたどり,1人ずつ見つけていた。ちょっと大人気ない気もするが,一刻も早くシリの行方を知りたいので仕方がないといったところ。
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かくれんぼに勝利して,ゲラルトは“ジョニー”と呼ばれる怪物の少年の情報を手に入れた。ということで,今度はジョニーを探すことに。
彼を探すため集落から離れた沼地を歩いていると,待ってましたと言わんばかりに“ドラウナー”が沼から現れた。
知らない人のために説明しておくと,ドラウナーはシリーズではおなじみの雑魚モンスターであり,その正体は溺れ死んだ人間の成れの果てだ。沼地に限らずどこにでもいそうな気配なので,本作でも水場に近づくときは注意が必要かもしれない。
また沼地では,ドラウナーのほかにも,水中を移動してゲラルトを撹乱しながら攻撃してくる“ウォーター・ハグ”というモンスターの姿も確認できた。
従来作と同様に戦闘では,銀の剣と鋼の剣の2本を使って戦うことになる。2本の剣にはそれぞれ役割があり,銀の剣が対モンスター用,鋼の剣が対人用といった感じだ。また本作では,クロスボウによる遠距離攻撃や,周りのオブジェクトを利用した攻撃などが追加されているので,バラエティに富んだ戦闘が楽しめそうだ。
モンスターを一掃したところで,ジョニーの棲み家である洞穴を発見。ゲラルトは洞穴から出てきた怪物の少年にシリの居場所を知っているか聞こうとするのだが,どうやら彼は声を失っているようだ。ゲラルトはジョニーの声を取り戻すために,崖の上にあるハーピーの巣へ向かうことになる。
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ハーピーの巣がある場所からは雄大な景色が一望できるようになっており,湿地帯を超えた遥か彼方には,大きな塔がそびえ立っていた。Szamalek氏によると,もちろん塔まで歩いて行くことも可能で,塔の向こう側にはもっと広大なフィールドが存在するとのこと。
本作のフィールドは,前作「The Witcher 2」の約35倍と聞いていたのだが,前作がオープンワールドではなかったので,イメージできなかったというのが正直なところ。ただ,こうしてゲームプレイを見ながら説明を受けると,そのスケールの大きさをはっきりと見て取ることができ,改めてオープンワールド化の恩恵を実感できた。
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ハーピーの巣には,ジョニーの声が詰まった瓶が置いてあったので,これを回収してジョニーに届けると,無事に声を取り戻すことができた。ジョニーは集落にいた老婆と親しいらしく,老婆がゲラルトに協力するよう頼んでもらえることに。こうして,ゲラルトは老婆の力を借り,魔女達の声を聞くことに成功する。果たして,魔女達はシリの行方を知っているのか。といったところで今回のデモは終了となった。
プレゼン終了後,短い時間ではあるが話を聞くことができたので,その模様もお伝えしよう。
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単体でも楽しめるカードゲームも収録。オープンワールド化がもたらした新たなゲームプレイとは
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。さっそくですが,本作を開発するうえでもっとも意識した部分があれば教えてください。
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我々がもっとも意識した部分は,ストーリー主軸のゲームプレイとオープンワールドをどのようにしてうまく融合させるかという点です。プレイヤーは,オープンワールドの中で自由に探索することができますが,同時にストーリーにも自由度があり,プレイヤーの選択が世界に影響を及ぼします。この2つの要素が高い完成度でうまく組み合わさったものが,「ウィッチャー3」なのです。
4Gamer:
オープンワールドということは,偶発的に発生するイベントもありそうですね。
Szamalek氏:
もちろん,とても広大な世界なので,偶発的に起きるイベントはたくさんあります。また,こういった偶発的なイベントも,プレイヤーの行動次第で,周囲の環境に影響を与えます。
4Gamer:
影響というと?
Szamalek氏:
例えば,とある町の周囲にいる怪物を退治すると,そのエリアは安全になります。すると商人がその町を訪れるようになり,経済が活性化し物価が安くなるのです。ただ一方で,町に訪れるようになるのは商人だけではありません。怪物のいない町は盗賊達にとってもホットスポットになりうるのです。
4Gamer:
必ずしもポジティブな結果だけが残るわけではなさそうですね。話を聞いていて少し気になったのですが,ゲラルトにはモラル値のようなものがあるのですか?
Szamalek氏:
いいえ。どのような選択肢にも,必ずそれぞれの言い分があり,それに伴うバックグラウンドもあるので,単純に善悪でゲラルトが評価されることはありません。
4Gamer:
ちなみに,偶発的なイベントや,それによる影響というのは,プレイヤーの見ていないところでも起きるのでしょうか。
Szamalek氏:
例えば誘拐された子供を助けるクエストがあるとします。そのクエスト自体はゲラルトがいるときに発生しますが,救出した,あるいはできなかった子供がその後どうなるかは,ゲラルトの見ていないところでも進行します。
4Gamer:
ダンジョンなどのロケーションはどれくらい用意されていますか?
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これはとても難しい質問ですね。具体的にどれくらいの数があるかはお答えできないのですが,フィールドを見渡すと必ず気になるロケーションがいくつか目に入り,そこに行くと何かしらのイベントが発生したり,宝物があったりします。
4Gamer:
なるほど。先ほどのデモプレイを見た限りだと,ゲーム内には時間と天候の概念があるようですが。
Szamalek氏:
時間や天候については,非常によく作りこまれていて,それらの変化は,人々とモンスターの両方に影響を与えます。例えば人狼というモンスターは,昼に戦うと弱いですが,満月の夜だとかなりの強敵となります。
一方で人々は,夜になると家に帰る者もいれば,酒場に行って酒を飲み交わす者もいます。このように本作では,人々やモンスターがそれぞれのライフサイクルに準じて生活を送るようになっています。
4Gamer:
メインストーリーやサイドクエストなど含めて,ゲーム全体のボリュームはどれくらいあるのか教えてください。
Szamalek氏:
メインストーリーが大体50時間ほどボリュームがあり,そのほかのコンテンツも遊び尽くそうと思えば,最低でも100時間はかかりますね。
4Gamer:
RPGとして十分すぎるボリュームですね。ちなみに,拡張コンテンツなどを配信する予定はありますか?
Jaki氏:
従来作でも,拡張コンテンツのサポートをしてきたので,我々としては本作でも同様のことがしたいと考えています。ただ,現段階でお伝えできる情報はありませんので,今後の情報に期待してください。
4Gamer:
ウィッチャーシリーズといえば,ミニゲームも見逃せない要素の1つですよね。
Jaki氏:
そうですね。ミニゲームもかなりこだわって作っています。小さいものから大きいものまでたくさんあるのですが,中でも,私が共同開発している「グウェント」というカードゲームはイチオシです。
4Gamer:
それはどういったゲームなのでしょうか。
Jaki氏:
グウェントは,本作における世界各地で行われている対戦カードゲームです。プレイヤーは探索中にグウェントをプレイするためのカードを見つけることができ,それらでデッキを作ってNPCと戦うことができます。
4Gamer:
それは面白そうですね。
Jaki氏:
はい。これ単体でゲームとして成立するほど完成度が高いので,ぜひ楽しんでもらいたいです。
Szamalek氏:
もちろん,前作にもあった拳闘試合もありますし,本作では馬に乗れるので競馬や,船を使ったレースなどを楽しむことができます。
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4Gamer:
本作におけるゲラルトの成長要素についても教えてください。
Szamalek氏:
ゲラルトの成長の方向性は3つあります。剣,印(魔法),錬金と3つのツリーが用意されており,どのようにゲラルトを強化していくかはプレイヤー次第になります。
4Gamer:
成長の方向性によってストーリーなどに変化などはありますか?
Szamalek氏:
はい。例えば印を集中的に成長させて,アクスィーという敵の精神を操る呪文を覚えていれば,相手を説得するという選択肢が生まれます。そうすることで,その後の結果が変わることになります。
4Gamer:
前作ではルーンをはめて武器を強化できましたよね。
Szamalek氏:
はい。本作でも武器や防具はクラフトしたりアップグレードしたりできます。また,ウィッチャーの各流派(ゲラルトは「狼流派」)の武器や防具の取得に専用のクエストが用意されており,各流派の歴史や偉人を知る機会があったりもします。また,爆弾といった戦闘に役立つ道具を作ることも可能ですよ。
4Gamer:
ウィッチャーシリーズといえば,アダルトな表現も欠かせない要素の1つだと思うのですが,本作ではどのように表現されるのでしょうか。
Szamalek氏:
もちろん本作にも従来作同様にありますよ。ただ,それはお楽しみ要素としてあるわけではなく,あくまでも世界観を形作るうえでの1つの表現になっています。
4Gamer:
結構きわどいシーンがあると思うのですが,日本語版ではどうなりますか?
本間 覚氏:
アダルトシーンについては,オリジナル版でも調整中なので,まだ明確なことはお話できませんが,CEROさんが定める規定の限界を狙っていきたいところです。
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4Gamer:
ちなみに日本語版の規制は,日本語化されたPC版にも影響するのでしょうか。
Jaki氏:
PC版に影響することはありません。
4Gamer:
コンシューマ版とPC版で見比べてみるのも面白そうですね。では最後に,日本のゲームファンに向けてメッセージをお願いします。
Szamalek氏:
本作は,シリーズとしては3作めとなりますが,初めてシリーズに触れる人でも楽しめるように最大限の努力をしています。本作には,じっくりと遊べるプロローグのストーリーが用意されているので,そこでウィッチャーの世界観について深く知ることができます。
またゲーム内には,世界観や登場キャラクターについて解説するコンテンツがあるので,シリーズに触れたことのない人でも,安心して本作を手に取ってもらえると思います。ぜひ遊んでみてください。
Jaki氏:
私は日本語の吹き替えをすごく気に入っています。本作には英語音声への切り替えがありますが,日本のプレイヤーには,ぜひ日本語で遊んでもらいたいですね。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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