オススメ機能
Twitter
お気に入り
記事履歴
ランキング
4Gamer.net
パッケージ
TITAN
  • NVIDIA
  • 発表日:2013/02/19
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
「GeForce GTX TITAN Black」レビュー。換装用の大型クーラーが付属したGIGABYTE製カードは,ハイエンド派の琴線に触れるか
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2014/05/02 23:59

レビュー

「Kepler世代のシングルGPU最上位モデル,換装用クーラー付き」は買いか?

GeForce GTX TITAN Black
(GIGABYTE GV-NTITANBLKGHZ-6GD-B)

Text by 宮崎真一


TITAN
GV-NTITANBLKGHZ-6GD-B
メーカー:GIGA-BYTE TECHNOLOGY
問い合わせ先:CFD販売 050-3786-9585(平日10:00〜12:00,13:00〜18:00)
実勢価格:14万6000円前後(※2014年5月2日現在)
TITAN
こちらが付属クーラーに交換した状態。詳細は後ほど
 少し前の話になるが,2014年2月18日,NVIDIAから,Kepler世代の新たなシングルGPU最上位モデル「GeForce GTX TITAN Black」(以下,GTX TITAN Black)が発表された。すでに日本市場でも搭載カードがいくつか流通しているので,店頭で見かけたという人や,購入済みという人もいるだろう。

 そんなGTX TITAN Blackカードは,どのメーカーの製品も,NVIDIAのリファレンスデザインを採用している。要は,すべて同じ外観をしているのだが,そこにGIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)から「カード自体はリファレンスデザインを採用しつつ,3連ファン仕様のオリジナルクーラーを付属させる」という,ユニークな仕様の製品「GV-NTITANBLKGHZ-6GD-B」が登場してきた。今回4Gamerでは,そんなGV-NTITANBLKGHZ-6GD-BをGIGABYTEから入手できたので,GTX TITAN BlackというGPUの実力ともども,テストによって明らかにしてみたい。


GTX 780 Tiの高クロック版となるGTX TITAN Black

DPフルスピードモードは健在


GK110コアのブロック図。GTX TITAN Blackにおいて,無効化されるブロックなどはない
TITAN
 発表から時間が経ってしまったこともあり,あらためて確認しておきたいと思うが,GTX TITAN Blackは,Kepler世代の「GK110」コア,そのフルスペック版を採用するGPUだ。
 Keplerアーキテクチャにおいて,演算ユニットたる「Streaming Multiprocessor eXtreme」(以下,SMX)は,シェーダプロセッサ「CUDA Core」が192基と,L1キャッシュや16基のテクスチャユニット,ジオメトリエンジン「PolyMorph Engine 2.0」などで構成される。そしてGK110の場合,SMXは3基1組でラスタライザである「Raster Engine」を組み合わされ,“ミニGPU”的な「Graphics Processor Cluster」(以下,GPC)として機能するようになっており,さらにGPCは5基用意されるので,フルスペック版GK110たるGTX TITAN Blackは,CUDA Core数にして2880基,SMXにして15基という規模を持つGPUということになる。

GTX TITAN Black GPU。チップ上の刻印はGK110-430-B1で,GTX 780 Tiと同じ,新しいリビジョンのGK110を採用していることが分かる
TITAN
 ただ,ここまでの説明は,実のところ,先に「B1リビジョン版GK110のフルスペックモデル」として紹介した「GeForce GTX 780 Ti」(以下,GTX 780 Ti)とまったく同じ。GPUチップの刻印も,GTX 780 Tiが「GK110-425-B1」のところ,GTX TITAN Blackは「GK110-430-B1」で,違いはGK110に続く3桁数字の下二桁だけである。

 では,この「下二桁」がどんな違いを生んでいるかだが,結論から先に述べると,動作クロック,そして,倍精度浮動小数点数演算プロセッサ(以下,DP)のフルスピードモードを持つかどうかの2点となっている。

 まず動作クロックの話をしておくと,GTX 780 Tiがベース875MHz,ブースト928MHzなのに対し,GTX TITAN Blackでは順に889MHz,980MHzへ引き上げられている。メモリクロックは7000MHz相当(実クロック1750MHz)で変わりなしだ。

GTX TITAN Blackでは,NVIDIAコントロールパネルの「倍精度」プルダウンメニューから,DPフルスピードモードを有効化できる
TITAN
 一方のDPフルスピードモードだが,これはつまり,GTX TITAN Blackの置き換え対象である「GeForce GTX TITAN」(以下,GTX TITAN)で採用された動作モードのこと。なので詳細はGTX TITANの解説記事を参照してほしいと思うが,基本的に3Dグラフィックス処理向けとなるGeForceでは,3Dゲームにおいてまったく使われない倍精度演算性能を落とし,3D性能に最適化されている。それに対して,GeForceベースの数値演算プロセッサ「Tesla」では,科学演算において非常に重要な倍精度演算性能に最適化されているのだが,GTX TITAN,そして今回のGTX TITAN Blackでは,このGeForce的な動作モードと,Tesla的な動作モードを切り替えられるようになっている。要するに,DPフルスピードモードというのは,GeForceを,非常に高価なプロセッサであるTeslaとして使える(※ただし動作保証はない)モードのことなのだ。
 その意味でGTX TITAN Blackは,GTX TITANのフルスペック&クロックアップ版と位置づけることもできるだろう。

 表1はGTX TITAN BlackとGTX 780 Ti,GTX TITANのスペックをまとめたものだが,GTX TITAN Blackは史上最高スペックのシングルKeplerという理解でいい。

TITAN


クロックアップモデルたるGV-NTITANBLKGHZ-6GD-B

新型のWINDFORCE 3X 600Wクーラーが付属


リファレンスクーラー上にある「TITAN」の文字は掘られ,さらにグレーで塗られている
TITAN
 以上を踏まえてGV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bを見ていきたいが,冒頭でも紹介したとおり,GV-NTITANBLKGHZ-6GD-B自体はNVIDIAのリファレンスデザインを採用したカードだ。
 動作クロックはベース1006MHz,ブースト1111MHz,メモリ7000MHzなので,GPUコアクロックはGTX TITAN Blackのリファレンスと比べて約13%引き上げられている計算になる。

NVIDIAコントロールパネルの「システム情報」をチェックしたところ
TITAN TITAN
TITAN
外部出力インタフェースはDual-Link DVI-D×1,Dual-Link DVI-I×1,DisplayPort×1,HDMI(Type A)×1
TITAN
GTX 780 TiおよびGTX TITANと同じく,PCI Express補助電源コネクタは8ピン,6ピン各1となっている

WINDFORCE 3X 600W
TITAN
 そんなGV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bにおける大きな特徴となるのが,「交換用GPUクーラー」だ。本製品の製品ボックスに付属するのは,GIGABYTE独自のGPUクーラー「WINDFORCE」の最新モデルにして,600WものTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)にまで対応するという「WINDFORCE 3X 600W」である。
 製品ボックスには,NVIDIAリファレンスクーラーの取り外し方から載っている英語マニュアルと,ヘックスローブ――いわゆる「トルクス」――ねじの取り外しに使える簡易工具など,交換に必要な部品や道具はすべて用意されている。

WINDFORCE 3X 600Wクーラーと関連品一覧。WINDFORCE 3X 600Wの取り付けマニュアルと,予備も含めたネジ,簡易工具,リファレンスクーラーに塗布されていたシリコングリスを拭き取るための布と,新たに塗布すべきシリコングリス,必要な熱伝導シートがすべて用意されている。ただし簡易工具は本当に簡易で,非常に使いづらいので,できれば別途トルクスドライバーを用意したほうがいい
TITAN

 WINDFORCE 3Xシリーズのクーラーなので,ファンはもちろん3連。GPUダイの上にくるヒートシンクで,一部を山のように盛り上げることにより,乱気流などが発生しないようにエアフローを整え,冷却能力を引き上げるとされる「Triangle Cool」を採用する点も,従来のWINDFORCE 3Xと変わらない。

ファンブレードには5本線状の突起が設けられた
TITAN
 変わったのはまずファンで,半透明のブレードには5本線状の突起が設けられ,これにより,従来比で冷却効率は30%改善したとのこと。その下のパッシブヒートシンク部では,放熱フィンの高さを1段飛ばしに変えることで,エアフローの整流を図っているとのことだ。さらに,GPUやメモリチップと接触する,Triangle Cool付きの冷却ブロックと,放熱フィン側の冷却ブロックをつなぐヒートパイプは,WINDFORCE 3X 450Wが8mm径2本と6mm径4本だったのに対し,WINDFORCE 3X 600Wでは8mm径5本,6mm径1本へと変更されている。これらが,600WものTDPに対処するための強化ポイントということになるだろう。

TITAN
GPUダイの上に来るヒートシンク部にはTriangle Coolが採用されている
TITAN
放熱フィンは,寄ってみると。一段飛ばしで段差に違いのあることが分かる
TITAN
8mm径のヒートパイプ5本が2つの冷却ブロックをつないでいる。6mm径の1本は,Triangle Cool付きのヒートシンク部内で熱移動を担当
TITAN
WINDFORCE 3X 600Wの底面側。付属の熱伝導シートを貼ると,メモリチップおよび電源部ともクーラーは接触するようになる

付属のマニュアルに従い,GV-NTITANBLKGHZ-6GD-BからGPUクーラーを取り外したところ。リファレンスクーラーは,「Vapor Chamber」方式のパッシブヒートシンクと,70mm角相当のブロワーファンを組み合わせた構造になっている
TITAN
 なおGIGABYTEは,交換後のWINDFORCE 3X 600WクーラーがGTX TITAN Blackをきちんと冷却できることは保証している一方,交換時にカードを破損した場合は自己責任という立場を取っている。GTX TITAN Blackカードを買うような人であれば,付属のマニュアルに従うだけで造作もなく交換できるはずだが,万が一の場合でも,メーカーや販売店,4Gamer編集部,そして筆者は一切保証しないので,その点はくれぐれも注意してほしい。

 というわけで,換装前と後を比較してみると,リファレンスクーラー装着時のカード長が実測273mm(※突起部除く)なのに対し,WINDFORCE 3X 600W装着時は同290mmと,やや長くなる。

リファレンスクーラー装着時(左)とWINDFORCE 3X 600W装着時(右)の違い。GTX 780 Tiリファレンスカードだと全長は実測約267mmだったので,GTX TITAN Blackのリファレンスデザインはそれより少し長い。そして,WINDFORCE 3X 600Wに換装すると,さらに長くなるわけだ
TITAN TITAN
GPUクーラー換装前(上下段とも左)と換装後(上下段とも右)の違い。WINDFORCE 3X 600Wを装着した場合,カード長が長くなるだけでなく,マザーボードに差したときの垂直方向にも5mmほど,クーラーが基板からはみ出る格好となる
TITAN TITAN
TITAN TITAN

 最後に基板をチェックしてみるが,GPUを中心に12枚,表面と背面の両方にメモリチップを搭載することで総グラフィックスメモリ容量6GBを実現するデザインは,GTX TITANとそっくり。そのメモリチップはSK Hynix製の2Gbit GDDR5「H5GQ2H24AFR-R2C」(7.0Gbps品)で,こちらはGTX 780 Tiのリファレンスカードと同じだったので,GTX TITANのカードデザインをベースに,搭載するメモリチップの仕様を引き上げてある,というイメージでいいだろう。

左はカード全景。GTX TITANのリファレンスデザインとよく似ている。電源は見る限り6+2フェーズ構成だ。右は搭載するSK Hynix製メモリチップである
TITAN TITAN


GTX TITAN Blackは2種類のGPUクーラーでテスト

比較対象はGTX 780 TiとGTX TITAN


 テスト環境のセットアップに入ろう。
 今回,比較対象としては,表1でその名を挙げたGTX 780 TiとGTX TITANを用意した。また,GPUクーラーの違いによって自動クロックアップ機能「GPU Boost 2.0」の効果には違いが出ると思われることから,GV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bは,リファレンスクーラーを装着した状態と,WINDFORCE 3X 600Wを装着した状態の両方でテストを行う。以下,グラフ中では便宜上,順に「Ref. GBT GTX TITAN Black」「WINDFORCE GBT GTX TITAN Black」と書いて区別するので,この点はあらかじめお断りしておきたい。

OC GURU IIで設定できる動作クロックの下限はマイナス105MHzだった
TITAN
 さて,本稿の序盤でもお伝えしたとおり,GV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bはメーカーレベルでのクロック引き上げがなされたカードである。なので,製品付属のオーバークロックツールである「OC GURU II」(Version 1.63)を用い,リファレンス相当にまで動作クロックを下げた状態でもテストを行う……といきたかったのが,ベースクロックはカード標準比でマイナス105MHzの901MHzにまでしか下げられなかった。MSI製ツール「Afterburner」(Version 2.3.1)でも同じ結果だったので,今回はこの「ベースクロック901MHz」(※このときブーストクロックは1006MHz)を,GTX TITAN Blackのリファレンスクロックに近い値として扱い,「GTX TITAN Black@901MHz」と表記しつつテストに用いる。このとき組み合わせたGPUクーラーはNVIDIAリファレンスクーラーのほうだ。

 そのほかテスト環境は表2のとおりで,用いたグラフィックスドライバは,テスト開始時点の最新β版となる「GeForce 337.50 Beta Driver」である。


 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション15.1準拠。シングルGPUのウルトラハイエンドということで,テスト解像度は1920×1080ドットと2560×1600ドットの2パターンを選択した。
 また,これは筆者のGPUレビューにおいて恒例ながら,テストに用いたCPUの自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」は,テスト状況によってその効果に違いが生じる可能性を排除する目的で,マザーボードのUEFI(≒BIOS)から無効化している。


GTX 780 Ti比で数%のスコア向上

WINDFORCE 3X 600Wはブーストクロックにプラス効果


 順に見ていこう。
 グラフ1は「3DMark」(Version 1.2.362)のスコアをまとめたものだが,まずGTX TITAN Black@901MHzとGTX 780 Tiを比べてみると,そのスコア差はわずか約1%。両者でベースクロックの違いが約3%だから,妥当な結果といったところか。
 GV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bは,より高いクロックで動作するメリットを活かし,対GTX 780 Tiで8〜9%程度,対GTX TITANで約13%高いスコアを示した。また,0.05%にすら達しない,わずかレベルではあるものの,WINDFORCE 3X 600Wへの換装効果がスコアに出ている点も見逃せないところだ。

 なお,OC GURU IIを使って3DMark実行中のGPUコアクロック変化を追ってみたところ,GV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bは,リファレンスカード装着時に最大1150MHzを記録したのに対し,WINDFORCE 3X 600W装着時には1176MHzまで上がるのを確認できた。このクロック差が,スコアの違いを生んでいるということなのだろう。


 ゲームアプリケーションベースのテストでも同様の傾向は出るだろうか。グラフ2,3は「Battlefield 4」(以下,BF4)の結果となる。
 BF4も全体的には3DMarkを踏襲した結果となっているものの,GTX TITAN Black@901MHzが,GTX 780 Tiに対して3〜7%程度のスコア差をつけている点は注目しておきたい。ブーストクロックの違いが約8%程度なので,3DMarkと比べて「GPUコア性能勝負」にならないことから,より高いクロックに入りやすくなり,結果としてスコア差が付いているということではなかろうか。
 GV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bで,WINDFORCE 3X 600W装着時がリファレンスクーラー装着時に対して最大2%高いスコアを示しているのも,その推測を裏付けている。


 グラフ4,5の「Crysis 3」では,3DMarkのスコアを踏襲する結果となった。GTX TITAN Black@901MHzとGTX 780 Tiとの差は2〜3%だ。
 GV-NTITANBLKGHZ-6GD-B同士の比較では,実フレームレートでこそ最大でも1.6fpsの違いに留まるものの,WINDFORCE 3X 600W装着時がリファレンスクーラー装着時と比べて最大で約2%高いスコアを示しているのも目を引くところである。


 描画負荷が比較的低いFPS「Bioshock Infinite」の結果がグラフ6,7だ。
 GTX TITAN Black@901MHzとGTX 780 Tiに注目すると,そのスコア差は1〜7%程度。描画負荷の高まり連れてギャップが拡大していくという点ではBF4と若干が異なるものの,GPU Boost 2.0によってより高いクロックに入りやすくなっているという傾向そのものは似ていることを確認できる。

 面白いのは,GV-NTITANBLKGHZ-6GD-BにおけるWINDFORCE 3X 600Wへの換装効果があまり大きくないこと。十分すぎるほど描画負荷が低いため,NVIDIAのリファレンスクーラーであっても,高いクロックに入った状態を長く維持できるということなのだろう。


 では,描画負荷は低ければ低いほど,GTX TITAN Blackの高い動作クロックがメリットを生むのか。そうとは限らないという例になるのが,グラフ8,9にスコアをまとめた「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)だ。
 公式の高解像度テクスチャパックを導入し,グラフィックスメモリ負荷を高めてあるものの,現行世代のウルトラハイエンドGPUにとっては“軽すぎる”ことが明らかになっているSkyrimだが,実際,今回のテスト対象では,いずれもCPUボトルネックによってスコアの頭打ちが生じ,違いはほとんど確認できない。


 グラフ10,11は,「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」(以下,新生FFXIVベンチ キャラ編)のテスト結果となる。
 ここでも「標準品質(デスクトップPC)」の1920×1080ドットではCPUボトルネックによるスコアの頭打ちが発生しているが,それ以外では3DMarkやCrysis 3とおおむね似たような傾向が出ている。GTX TITAN Black@901MHzはGTX 780 Ti比で2〜3%程度高いスコアを示し,GV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bはリファレンスクーラー装着時でGTX 780 Tiよりも4〜6%高いスコアだ。

※総合スコアでは分かりにくいという人のため,平均フレームレートベースのグラフも用意しました。グラフ画像をクリックすると表示します
TITAN
TITAN

 DirectX 11世代におけるGPU性能の違いが比較的素直に出る「GRID 2」の結果は,新生FFXIVベンチ キャラ編とよく似ている(グラフ12,13)。標準設定の1920×1080ドットではCPUボトルネックによるスコアの頭打ちが見られるものの,それ以上の解像度では3DMarkやCrysis 3と同傾向を示した。


 ところで,本稿の序盤でも紹介したとおり,GTX TITAN BlackはDPフルスピードモードに対応している。そしてそのときの性能についてNVIDIAは「倍精度を要求するアプリは,一般的にワークロードの負荷が大きく,温度と電力によって動作クロックが制限される。GTX TITAN Blackでは稼働するSMXの数がGTX TITAN比で増えたことによって発熱も大きくなり,いきおい,動作クロックは低めに推移することとなるため,結果として性能値はGTX TITANと変わらない」と説明しているが(関連記事),実際にはどうなのか。システム情報表示ツール兼ベンチマークツールである「Sandra 2014.SP2(20.28)」から,GPGPU性能をチェックするための「GP(GPU/CPU/APU) Processing」を実行し,そのときの動作クロック推移を,TechPowerUp製のGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.7.7)で追ってみることにした。
 その結果がグラフ14である。

 ここではGTX TITAN Black@901MHzとGTX TITANの比較となるが,注目したいのは,ログ取得開始後10秒過ぎから,800MHz台前半で動作クロックが比較的安定しているGTX TITANに対し,GTX TITAN Black@901MHzの動作クロックが揺れていること。全体的には900MHz前後で推移しているのだが,60秒経過時点から115秒時点あたりで700MHz前後にまで落ち込んでいるのも目を引く。


 つまり,NVIDIAの説明どおりであれば,この「動作クロックが落ち込んでいる部分」でGP(GPU/CPU/APU) Processingは倍精度浮動小数点演算性能のテストであり,それ以外が単精度浮動小数点演算性能のテストとなるため,当然,そこだとGTX TITAN Black@901MHzのスコアはGTX TITANよりも高くなるはずだ。それを見るべく,スコアの詳細をまとめたものがグラフ15,16だが,結果は果たして予想どおりとなった。
 単精度浮動小数点演算性能を見る「Single Float Shaders」や,32bit×4と思われるエミュレーションによって四倍精度浮動小数点演算性能を見る「Quad Float Shaders」では,GTX TITAN Black@901MHzがGTX TITANを上回るスコアを示す一方,倍精度浮動小数点数演算性能を見る「Double Float Shaders」だと,両製品はほぼ同じところに並んでいる。要するに,GTX TITAN BlackのDPフルスピードモードが持つ挙動は,NVIDIAの説明どおりであり,GTX TITANがそうであったように,GTX TITAN Blackも,DPフルスピードモードの性能は自己責任版「Tesla K20X」相当になるというわけだ。



消費電力はGTX 780 Ti比で若干増大

WINDFORCE 3X 600Wの冷却性能と静音性は優秀


 GTX 780 Tiと比べて動作クロックが引き上げられたことで,その消費電力はどの程度増大しているのか。ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を利用して,システム全体での消費電力を比較してみることにした。
 テストにあたってはゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイの電源がオフにならないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時としている。

 その結果がグラフ17で,端的に述べて,アイドル時の消費電力に大きな違いはない。次にアプリケーションベンチマーク実行時だと,GTX TITAN Black@901MHzとGTX 780 Tiとの差は6〜23Wとなっていた。GTX TITAN Blackのリファレンスクロックなら,その差はもう少し小さくなるはずなので,ここは「動作クロック分,若干高め」と評すべきではなかろうか。
 GV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bは,そこからさらに動作クロックが高くなるわけだが,GTX TITAN Black@901MHzとのスコア差は大きくない。そんななかでWINDFORCE 3X 600W装着時のスコアが高めなのは,それだけ高い動作クロックに入る時間が長いということなのだと思われる。


 GPUクーラーの冷却性能,とくにWINDFORCE 3X 600Wの冷却性能を見るべく,GPU温度もチェックしておこう。今回は,24℃の室内で,テストシステムをPCケースに組み込まず,いわゆるバラックに置いた状態から,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,GPU-Zから温度を取得することにした。

 その結果がグラフ18で,一目見て把握できるように,WINDFORCE 3X 600Wの冷却能力は高い。リファレンスカードを装着した状態のGV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bだとアイドル時が33℃,高負荷時が82℃のところ,WINDFORCE 3X 600W時は順に30℃,70℃なのだから,たいへん優秀ということになろう。


 では,その動作音はどの程度か。
 今回はグラフィックスカードのファンに正対する方向で,カードから約300mm離れたところにマイクを置いて,リファレンスクーラー装着時とWINDFORCE 3X 600W装着時でGV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bの動作音を比較することにした。下に示したのはWave形式で録音したデータだ。
 今回は,GV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bとしての定格クロックに設定した状態で,まずOSを起動した状態で約1分間放置。その後,新生FFXIVベンチ キャラ編を最高品質の2560×1600ドットで実行したときの模様を録音しているので,ぜひ聞き比べてほしい。

リファレンスクーラー装着時のGV-NTITANBLKGHZ-6GD-B動作音

WINDFORCE 3X 600W装着時のGV-NTITANBLKGHZ-6GD-B動作音

 簡単にまとめると,リファレンスクーラー装着時には,後半,ファンの動作音が徐々に上がっていくのに対してWINDFORCE 3X 600Wだとそこまでではない,といったところになる。また,動作音の周波数が低いのも気づくはずだ。
 WINDFORCE 3X 600Wは冷却性能だけでなく,静音性にも秀でていると言ってよいだろう。


GTX TITAN Blackはインパクトを欠くが,それだけにGV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bの意義は大きい


製品ボックス(上)と,なぜか同梱されていた布製マウスパッド(下)
TITAN
TITAN
 Kepler世代のシングルGPU最上位モデルとなるGTX TITAN Blackだが,3Dゲーム用GPUとして見た場合にはどこからどう見ても「クロックアップ版GTX 780 Ti」である。GTX TITANと同じようにDPフルスピードモードを利用できるので,“なんちゃってTesla K20X”として使いたい人にとって大バーゲン品なのは変わらないが,倍精度浮動小数点演算性能もGTX TITANと同じなので,そちら方面でのインパクトも欠くと言わざるを得ないだろう。
 ハイエンドGPUをリリースするときには,まず間違いなく世界規模でレビュワー向けのカード貸し出しを行うNVIDIAが,GTX TITAN Blackでは行わなかった。それは“そういうこと”だったのだと思われる。

 ただ,GV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bは,メーカーレベルのクロックアップによって,GTX 780 Tiとのスコア差を広げ,その存在意義を多少なりとも増している。また,このクラスのカードを買う人であればとくに難しいことを考えなくても換装できるであろうWINDFORCE 3X 600Wクーラーは,間違いなく優秀だ。

 GTX TITAN Black自体は,すでにKepler世代のハイエンドモデルを持っている人にとって魅力的な選択肢ではないが,それでも選ぶなら,単なるリファレンスモデルではなく,GV-NTITANBLKGHZ-6GD-Bのほうがいい。今回はそのようにまとめたいと思う。

GIGABYTEのGV-NTITANBLKGHZ-6GD-B製品情報ページ

  • 関連タイトル:

    TITAN

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
トピックス
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:06月26日〜06月27日