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「Oculus Rift」の新型試作機「Crescent Bay」が登場。Oculusいわく「過去最高のVR対応HMD」
写真を見るとまず目に付くのは,ゴーグル部分の左右やや後方についたオンイヤータイプのヘッドフォンだ。現行の開発者向けキット(Rift Development Kit 2,以下,DK2)はサウンド再生機能を備えていなかったため,ゲームコンテンツなどで音を楽しみたい場合は,別途ヘッドフォンやイヤフォンを装着する必要があった。しかし,Riftを一般消費者向けに提供する以上,本体にもサウンド再生機能が必要であるのは明白。最終製品でもヘッドフォンが用意されるのか,ヘッドフォン出力端子に切り替わるのかは分からないが,製品化に向けた重要なアップデートだとは言えるだろう。
鼻を覆う部分とゴーグル前面の距離がDK2よりも短くなっているように見える点からは,ゴーグル部分全体が小型化されている可能性も感じられる。顔の周囲を覆う遮光用フード部分も若干小型化されているようだ。
頭を支えるベルトも変更されている。DK2では3本のベルトがまとまる後頭部でベルトの長さを調整して,ユーザーの頭に合わるようになっていたが,Crescent Bayにそういうギミックは見当たらない。よりシンプルな方法で装着できるように改良されているのではないだろうか。
筆者もDK2をごく短時間試用したことがあるのだが,ゴーグルの重さや装着のしにくさは大きな課題だと感じていた。その点にきちんとメスが入ったとすれば,それは大いに歓迎できそうだ。
上のイメージを見ると,3本のベルトがまとまった「後頭部を支える部分」にもヘッドトラッキング用のマーカーが用意されたのが分かる。ソニー・コンピュータエンタテインメントの「Project Morpheus」(プロジェクトモーフィアス,開発コードネーム)とよく似た仕様になったといえそうだ。Crescent BayでOculus VRは,360度のヘッドトラッキングに対応したとしているので,このマーカーを使っているということなのだと思われる。
Unreal Engine 4やUnity無料版もRiftに対応
Oculus VRはサラウンドサウンドの研究も開始
開発ツールの対応もさらに加速している。まず,Epic Games開発のゲームエンジン「Unreal Engine 4」(以下,UE4)がRiftに最適化されると発表された。Oculus ConnectではUE4による各種のデモアプリケーションが披露されたとのことだ。
ちなみにOculus VRはBlogで,最終製品版の完成に向けた技術的な課題は残っているものの,Crescent Bay自体は「今までに作られた中で最高の仮想現実対応HMD」であるとアピールしている。製品化に向けた取り組みがCrescent Bayの登場で加速することを期待したい。
Oculus VR公式Blogの当該ポスト(英語)
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