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[GDC 2014]フルHD有機ELパネル搭載の最新版Oculus Rift「DK2」登場。いよいよ製品化へ
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印刷2014/03/24 15:10

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[GDC 2014]フルHD有機ELパネル搭載の最新版Oculus Rift「DK2」登場。いよいよ製品化へ

Rift Development Kit 2
Rift
 GDC 2014では,Sony Computer Entertainment(以下,SCE)の仮想現実対応ヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)「Project Morpheus」(開発コードネーム)が発表され,大いに注目を集めたが,ゲームにおける仮想現実対応HMDに先鞭をつけたのは,ご存じのとおりOculus VRである。
 そんなOculus VRは,GDC 2014の期間中となる3月20日に,新たな開発キットとなる「Rift Development Kit 2」,略してDK2を正式にリリースした。単価350ドルで事前注文を受け付けつつ――送料75ドルを追加で払えば,日本にも発送してくれる――解説セッション「Working with the Latest Oculus Rift Hardware and Software」も開催していたので,本稿ではその内容をまとめてみたい。

Oculus VRのDK2事前注文受け付けページ



フルHD解像度の有機ELパネル採用。赤外線センサーも


 セッションでは,概要をOculus VRのNate Mitchell氏が,技術面をMichael Antonov氏が担当した。

Nate Mitchell氏(Oculus VR)
 DK2の新要素で最も大きいのは,今回「Development Kit 1」(以下,DK1)という名前が与えられた従来の開発キットが1280×720ドット解像度の液晶パネルを採用していたのに対し,1920×1080ドット解像度の有機ELパネルを採用した点だ。これにより,「極めて低いPersistenceを実現できた」とMitchell氏は述べている。Persistence(パーシスタンス)は,日本語だと「残像感」という理解でいいだろうと思う。

DK2のカギとなる新要素は2つ
Rift

 また,DK2では6軸自由度(6 Degree-of-Freedom,6DoF)のヘッドポジションセンサーに加えて,赤外線センサーの搭載によって,DK2では頭の位置を検出できるようになったのもポイントだ。
 具体的にいうと,DK2ではHMD側に赤外線LEDを埋め込み,専用の赤外線カメラで読みとることで位置を検出するという,至って標準的な手法を採用しているとのことだった。言うまでもないが,DK1は赤外線によるトラッキングをサポートしておらず,赤外線カメラも付属していないので(関連記事),DK2では構成部品が1つ増えることになる。

スライドの右側に見えるのが,DK2付属の赤外線カメラ。このカメラを使ってHMD本体の赤外線をトラッキングする仕組みだ。トラッキングの範囲は0.5m〜2.5m
Rift

 DK2では,遅延テスター(latency tester)なる機能も組み込まれる。これにより,開発者はHMDの遅延状況,もう少し具体的に述べると,一般的なディスプレイのそれとは少し異なり,「センサー入力から,映像が変化するまでの時間」を確認できるようになるという。
 頭の動きに対して映像の動きが遅れると,HMDにおいてはいわゆる3D酔いの大きな原因の1つとなるため,開発者としても遅延状況を把握しておくことは重要になる。そのための機能が用意されたという理解でいいだろう。

DK2におけるそのほかの新要素。遅延テスターや,ヘッドセット本体側へのUSBアクセサリポート追加,光学系の一新などが挙げられている
Rift

 以上のようなハードウェアの刷新により,「DK1と比べ,ほんの少しだけ重くなってしまった」(Mitchell氏)というのが,DK2に関するマイナス面での新情報だろうか。ただ,具体的な数字は明かされなかったが,文字どおり「ほんの少し」程度の重量増であれば,導入された新要素とのトレードオフとして,納得できるものともいえそうである。

 セッションでは続いて,DK2の仕様に関する,もう少し踏み込んだ説明も行われた。
 片目あたりの解像度は960×1080ドットで,これはProject Morpheusと同じ。視野角は90〜110度だ。最も強調されたのは,75Hzという,一般的な液晶ディスプレイと比べて高いリフレッシュレートに対応するところ。この高リフレッシュレートと,有機ELパネルによる低い残像感によって,画面内で物体が横に動くとき,物体が歪んで見える「ローリングシャッター現象」を,大幅に抑えることに成功しているとのことだ。

DK2のヘッドセット概要。「will target 85+ consumer」というのは,ユーザー全体の85%以上が使っていて気分を悪くしないことを目指している,的な意味になる
Rift

 ローリングシャッター現象は,パネルに表示されている時間と物体の移動速度の相互作用で現れるものだそうで,DK2では高リフレッシュレート化によって1フレームの所要時間を従来よりも短くするとことでローリングシャッター現象を抑えたという説明があった。

表示時間を短時間にして切り替えることでローリングシャッター現象を抑えたという
Rift

 この「横方向に動いたときに生じる不快な要素」を抑えるために,SCEはProject Morpheusのプロトタイプで,横方向スキャンに対応した変則的な液晶パネルを採用していた(関連記事)。それと比べるとOculus VRの手法は地味ともいえるが,効果的な解決策であるようには見てとれる。


ソフトウェア的な工夫で遅延を抑えるTimeWarp


 セッションでは,センサー入力を受けて映像が変化するまでに生じる遅延を抑えるための,ソフトウェア的な工夫も紹介されていた。名づけて「TimeWarp」である。
 思いっきり正直に述べると,説明を聞いただけの状態では今ひとつ理解できていない。ただ,これはセッションに参加していた開発者達も同じだったようで,Oculus VRのフォーラムでも今まさに「分からん」と話題になっていたりする。

 一応,Oculus VRによる説明をおおまかになぞっておくと,「センサー入力を受けてから映像を変化させる」という,DK1と同じ処理をDK2でも行う場合,フレームをレンダリングする前にセンサーの値を読み出し,その情報に従ってレンダリングを行うことになる。このとき,DK2のリフレッシュレートが75Hzであることからフレームのレンダリング時間を75分の1秒(約13.3ms)とすると,約31ms程度の遅延が生じるという。

フレームをレンダリングする前にセンサーの値を読み出し,その方角の絵をレンダリングするとなると,おおよそ31ms程度の遅延が発生するという
Rift

 Riftでは,DK1とDK2に共通して,光学系の歪みをソフトウェア側で補正する(=逆に歪ませる)手法がとられている。そこで,フレームをレンダリングする前にセンサーを読み出し,「おおよそ動いている方向」を予測してレンダリングを行って,画像を歪ませる前に再びセンサーを読み出してその結果を「補正する画像」に反映させるらしい。これがTimeWarpである。

これがTimeWarp。画像を歪ませる直前に再びセンサーを読み出し,映像に反映させるということらしい
Rift

 実際にそういうことができるのかはよく分からないが,1920×1080ドットよりも大きめの解像度でフレームをレンダリングしておいて,画像を歪ませる直前のタイミングで,センサーから得た情報を基に1920×1080ドットでトリミングする位置を変えるといった処理を行えば,確かに不可能ではない気もする。
 なお,上のスライドに「Pioneered by John」とあるとおり,このアイデアは“あの”John Carmack氏が編み出した手法なのだそうである。氏はいま,Oculus VRのCTO(最高技術責任者)に就任しているので,TimeWarpはJohn Carmack効果といったところかもしれない。


次のアップデートは「小売市場向け」に!


 セッションの最後には,注目すべき発言があった。DK2に続くアップデートは,コンシューマ(consumer,消費者)向けになるというのだ。つまり,DK2は製品版にかなり近い仕様の開発キットであり,ここから,製品版に向けたブラッシュアップが始まるということだ。具体的な製品版の投入スケジュールは明らかにされなかったが,長らくテストのフェーズにあったRiftが,いよいよ一般のゲーマーも買えるアイテムになる日が見えてきたという感じである。

Oculus VRのブースではDK2の体験が可能だったが,当然のように参加希望者が列をなしていた。白い台の上に載っているのがポジショントラッキング用の赤外線カメラ
Rift

Oculus VR公式Webサイト

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