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ペルソナ4 ザ・ゴールデン公式サイトへ
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  • 発売日:2012/06/14
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    ダウンロード版:5980円(税込)
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疑似体験が現実を乗り越えるという奇跡。マフィア梶田が「ペルソナ4」の魅力を探る
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印刷2014/08/29 00:00

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疑似体験が現実を乗り越えるという奇跡。マフィア梶田が「ペルソナ4」の魅力を探る

ペルソナ4 ザ・ゴールデン
 「ペルソナ4」(以下,P4)は2008年にアトラスからPlayStation 2用ソフトとして発売され,累計で50万本以上もの売り上げを記録した大ヒットタイトルだ。「ペルソナ」シリーズならではの“心の闇”を鋭く抉った秀逸なストーリーや,挑み甲斐のあるゲーム性が多くのファンを虜にした。
 その後,2014年現在に至るまで,数々の関連タイトルやメディアミックスが展開され,最近では2度目のアニメ化作品となる「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」の放送や,PlayStation 3用ソフト「ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド」の発売など,その勢いは留まるところを知らない。

 名実ともに,アトラスの看板タイトルである「ペルソナ」シリーズの中でも屈指の人気を誇るコンテンツへと成長したP4だが,なぜ本作はこんなにもファンの心を惹き付けて止まないのか? 以前からペルソナ好きを公言し,今では公式バラエティー番組「ペルソナストーカー倶楽部」のMCまで任されている筆者だが,P4の魅力の根源をじっくりと考えたことはあまりなかったような気がする。

 そこで,筆者が独自の視点から考察……というのはどうにも堅苦しいので,いちファンとして抱いている“想い”を語っていきたいと思う。……自分で言うのもなんだが,愛が非常に“重い”ので,胃もたれには注意してほしい。


八十稲羽で過ごした青春の日々

時を越えて辿り着いた“答え”


 人は誰しも,表層人格(ペルソナ)と“本当の自分”の矛盾に葛藤するものだ。多感な少年期に肥大化したペルソナが自己のイメージを作り上げ,多くの場合はそれと同時に芽生えた抑圧された自分(シャドウ)を認められないまま大人になる。

 ……かく言う筆者も,そんな大人のひとりだ。さまざまな自己矛盾を抱えたまま生きてきたが,近頃ではライターとして,あるいは顔出しのタレントとして,忙しくペルソナを取っ替え引っ替えした結果,もはや自分の本質というものが分からなくなってしまった感もある。
 ならばと開き直り,「周囲から望まれるペルソナを被り続ければいい」と思うようになった一方で,たまにどうしようもなく虚しい気持ちになることも……まぁ,自由気ままに振舞っているように見えるかもしれないが,意外とシリアスなことを考えちゃったりしているのだ。

P4では自らのシャドウを否定するとシャドウに襲われ,殺されてしまう。筆者もそうなる前に自分のシャドウを受け入れたいところだか,まだ難しそうだ
ペルソナ4 ザ・ゴールデン ペルソナ4 ザ・ゴールデン

 さて,いきなり小っ恥ずかしい自分語りをしてしまったが,真摯にP4を語るうえで必要な前置きだったので許してほしい。なぜなら,筆者にとってP4はただ「名作ゲーム」という言葉で片付けられるものではなく,抑圧されていた過去の自分,言い方を変えれば,ペルソナをコントロールできず,シャドウと向き合うこともできずに苦しんでいた少年期の自分に,ある種の“成長”をもたらしてくれたタイトルなのである。

 ミッションスクールの厳しい校則に縛られ,男だらけのムサ苦しい寮生活で青春を棒に振ってしまった筆者にとってP4の世界は極めて眩しいものだった。過去の自分を知るものがいない田舎町という,“リセットされた環境”で始まる新生活,そこで出会った個性的な仲間たちと育んでいく愛と友情,退屈な日々をブチ壊す「テレビの中の世界」という非日常と,それに立ち向かう“特別な力”を得た自分。……言い換えれば,多くの人々が少年時代に望んでやまなかったであろう物がすべて本作には存在していたのだ。
 主人公に自身を投影しながら過ごした八十稲羽での日々は,まるで灰色だった現実での青春時代に楽しい思い出を上書きしていくかのように,たいへん心躍るものだった。

八十稲羽で過ごす日々は,まさしく理想の青春。あの頃,何者にもなれずに悶々としていた自分を“やり直す”ことができる空間だ
ペルソナ4 ザ・ゴールデン ペルソナ4 ザ・ゴールデン

 しかしながら,「ただそれだけ」ならば,P4も筆者にとって退屈な現実から逃避させてくれる,多くのアニメやゲームの1つに過ぎなかったはず。そうではなく,理想的な青春を描きつつも,キャラクターひとりひとりの精神世界,それも他人に決して見られたくない部分へと容赦無く踏み込んでいくところに,本作の“凄み”があると思う。

 それぞれが抱えている抑圧。友情や愛情の裏に打算が見え隠れする人間関係,家庭環境や親の仕事からくる問題,性の悩み……どれもフィクションと言ってしまうにはあまりに生々しく,少なからず自分にも思い当たるところがあり,痛いほど共感してしまう。美しいところ,好きになれるところばかりでなく,醜いところまで描かれているからこそ,P4の仲間たちは自分と同じ「不完全な人間」として感じられ,ただのキャラクターに終わらない魅力を持っているのだ。

P4のキャラクターには「好きなゲームキャラ」という以上の思い入れ……まるで,現実に存在する友人であるかのような感情を抱いてしまう
ペルソナ4 ザ・ゴールデン

前作「ペルソナ3」(以下,P3)と比べて作品の雰囲気は明るくなったものの,展開は決してヌルくない。「ペルソナ」がどこまでも深く人の心や生き方に切り込んでいく作品であることは一貫している
ペルソナ4 ザ・ゴールデン

 そして,本作では抑圧された心……“シャドウ”に打ち勝って“肯定すること”に大きな意味がある。シャドウは切り捨てるべき暗黒面ではなく,自らの潜在的な可能性なのだ。それを受け入れることで“新たな力”になるということが,P4では描かれている。

 これは筆者が少年期に悩み求め,どうしても到達することのできなかった“答え”そのものだ。プレイしているうちにあらゆるイベントが自分の学生時代とオーバーラップしていき,仲間たちが自らのシャドウを乗り越えるたびに筆者の心も軽くなっていった。現実はゲームのようにいかないことはよく分かっているし,所詮は疑似体験による錯覚なのかもしれない。……だが,1人の少年に戻って八十稲羽で過ごした時間は,確実に筆者を人間的に成長させてくれた。

主人公はあらゆるペルソナを付け替えることができる「ワイルド」の能力を持っている。あくまでシステム的なもので,深読みし過ぎかもしれないが,筆者は「どんなに仮面を付け替えても,お前はお前だ」と言われているような気がした
ペルソナ4 ザ・ゴールデン

P4の仲間たちは,ストーリー上で自らのシャドウと対峙することになる。最初は拒絶しようとするが,最終的に「お前も自分だ」と肯定することでペルソナ能力が覚醒する。見ないようにしていた一面を受け入れることで人間的にも大きく成長し,ますます彼らのことが好きになる
ペルソナ4 ザ・ゴールデン

 結局のところ,現在でも筆者は前述したように少年期とは形を変えてペルソナへの葛藤を抱き続けている。しかし,こんなものは過去に「自称特別捜査隊」の仲間たちと一度は乗り越えた試練で,大したことじゃない,と思えるようになった。現実を乗り越えてしまうほどの奇跡的な疑似体験を提供してくれた作品に,心から感謝したい。


この世界を終わらせたくないという想い

ジャンルの枠を越えて深く愛されるP4


 P3からシリーズに導入された「コミュ」システムも,作品の魅力を大きく高める一因となっている。尊敬されるような行動を取ったり,好感度が高まるような会話をしたりすることで各キャラクターとの「コミュランク」が上がっていき,絆が深まるだけでなく,主人公の攻撃を援護してくれたり,ピンチを救ってくれたり,そのコミュが象徴するペルソナのレベルが上がりやすくなるのだ。
 「みんなの想いを力に」「仲間との団結が強さになる」といった形でドラマを盛り上げる展開は,古今東西枚挙に暇がないが,コミュシステムほど“絆”の力をゲームにうまく落とし込んだ作品はほかに無いだろう。

 また,このコミュシステムの魅力をさらに高めているのが,「プレイヤーの分身」という面の強い主人公だ。それというのも,本シリーズの主人公はデフォルトネームが設定されていない場合が多く,さほど重要でないと思われる会話でもプレイヤーに選択肢が提示されたり,ストーリーに関係しないところで多くの自由行動が可能になっていたりと,全体的に世界への“没入感”を大事にしようという工夫が見られる。

 コミュについても“選択”がプレイヤーに委ねられる面は同様で,特定の人物とだけ親密になろうが,八方美人になろうが自由だ。コミュによっては不用意な言動をとってしまうことで「リバース」や「ブロークン」といった,いわば「こじれた」状態になってしまうこともあるが,大切な存在であれば時間をかけても仲直りすべきだし,そうでないなら距離を置いてしまうのも選択肢のひとつだ。プレイヤーによって築きあげる人間関係は千差万別で,このあたりも濃厚な疑似体験を提供することで作品に対する“思い入れ”が強くなるように……という狙いから生まれたシステムではないだろうか。

 実際,コミュシステムがユーザーに与えたインパクトは大きく,今では「ペルソナ」といえば“コミュ”というくらい,シリーズを代表する要素として受け入れられているという印象だ。そして2012年にPlayStation Vita用ソフトとして発売された「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」(以下,P4G)でも新キャラ「マリー」の登場や「足立 透」のコミュが追加されるなどしており,P4の“完全版”と呼べる内容となっている。
 その分,ボリュームは相当なものになっており,コンプリートを目指すとかなりの時間が必要になるのだが,この世界にドップリとハマった身からすると,それでも足りない。まだまだこの世界を終わらせたくない,かけがえの無い仲間たちと共に過ごしたいというファンの想いが,多数の関連シリーズを生み出す原動力になっているのではないかと感じる。

 そういったファンの要望に応えて,前述のP4Gや,対戦格闘の「P4U」シリーズ,P3とP4のキャラが「世界樹の迷宮」をベースにしたシステムで競演する「ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス」といった作品がこれまでにリリースされているほか,新たなジャンル(リズムゲーム)である「ペルソナ4 ダンシング・オールナイト」の発売も控えている。
 このジャンルの多彩さも,「ペルソナ」というタイトルの懐の広さをよく表している。しかも,これは信者目線かもしれないが,これまでにリリースされたものに「ハズレ」のタイトルは一切無い。既存のファンを満足させつつ,新たなジャンルの開拓にも成功しているという印象だ。
 さらに,これらのタイトルがしっかりとP4の「その後」や「合間のエピソード」を描いている点も特筆すべきポイントだ。人気シリーズからのスピンオフ作品には「ただキャラクターを使っただけか」と溜息をつきたくなるようなものも少なくないが,P4に関してそれは当てはまらない。まったく別ジャンルの展開であっても,ファンに支持され続ける理由はここにあるのだろう。

●ペルソナ4 ザ・ゴールデン
オリジナル版には無かったイベントが多数収録され“青春度”が大幅アップしているほか,コミュやペルソナも追加されるなど完璧にファンの期待に答えた満足度の高いタイトル
ペルソナ4 ザ・ゴールデン

●P4Uシリーズ
格闘ゲームながらP4の“その後の物語”を描く。P3のキャラクターも成長した姿で登場し,自称特別捜査隊の面々と新たな事件へと挑んでいく
ペルソナ4 ザ・ゴールデン

●ペルソナ4 ダンシング・オールナイト
こちらもP4の“その後”を描いた作品だが,ジャンルはなんとリズムアクションゲームで,小室哲哉氏や浅倉大介氏など著名なアーティストがゲスト参加
ペルソナ4 ザ・ゴールデン

●ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス
「世界樹の迷宮」のシステムをベースに,P3とP4がコラボしたダンジョンRPG。時空を越えてペルソナ使いたちが一堂に会する

 最後にまとめるとすれば,P4の魅力はやはり自分の内面や他人との関係を遠慮なく,ありのままに描き,かつうまくゲームに落とし込んでいるところにある,ということになるだろうか。人間をテーマにした作品はいくらでもあるが,美しい面も醜い面もしっかり描き,さらに受け手に選択権を与えて感情移入させる工夫が秀逸だという点で,ほかに類を見ないタイトルだと思う。

 テンション優先で取り留めのない文章になってしまったが,同じペルソナファンに共感してもらえたり,未経験の人にP4を始めとしたシリーズ作品への興味を持ってもらえたならば幸いだ。筆者としても,あらためてP4に対する想いを整理するいい機会になった。

 ……ただ,ぶっちゃけるとP4は「あまりに好きすぎて,文章にしたくない」レベルのタイトルである。あまりにも好きすぎて,言葉ではとても魅力を伝えきれず,いっそ何も語らず黙っていたくなる気持ち。分かってもらえるだろうか? ライターとしてはいかがなものかとも思うのだが,こうして何とか書き終えた今でも,まだまだ語り尽くせていないという感がある。筆者にとってP4はゲームを越えた“人生体験”であり,生涯忘れられない存在になるだろう。願わくば,ペルソナに悩む少年少女たち……そして,悩みつつ大人になったかつての少年少女たちに触れてほしいタイトルだ。

ペルソナシリーズ公式サイト

  • 関連タイトル:

    ペルソナ4 ザ・ゴールデン

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    ペルソナ4

  • 関連タイトル:

    ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド

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    ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド

  • 関連タイトル:

    ペルソナ4 ダンシング・オールナイト

  • 関連タイトル:

    ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス

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