「5作目という区切りの本作で，記録を作りたい」。名越稔洋総合監督が最新作への気合いを語った「龍が如く5　夢，叶えし者」体験会の模様をレポート

　2012年12月6日にセガから発売される予定の，PlayStation 3向けソフト「龍が如く5　夢，叶えし者」（以下，龍が如く5）の店頭体験会が，10月20日から12月1日まで，全国の主要都市で開催される（関連記事）。初日となる本日（10月20日），東京のビックロ ビックカメラ新宿東口店では，体験会場に本作の総合監督である名越稔洋氏が現れ，体験会のほかにサイン会が開催された。

　会場には大型画面でプレイできる試遊機が2台設置され，9月の東京ゲームショウに出展されたものとほぼ同じバージョンの体験版を，約15分ほどプレイできた。開店時間である10：00には「龍が如く」シリーズファンが多数集まり，試遊を楽しんだり名越氏のサインをもらったりと，大いににぎわった。

この秋オープンしたビックロ ビックカメラ新宿東口店の1階に設置された，試遊会場。体験版の内容については，TGSのプレイレポートを合わせてチェックしてほしい

「龍が如く5　夢、叶えし者」公式サイト

　サイン会終了後，名越氏はメディアの取材に応じてくれたので，その内容をここでお伝えしたい。

――本日から全国で体験会が開催されますが，感想を聞かせてください。

名越稔洋氏（以下，名越氏）：
　体験会は恒例のイベントになっていますが，年末商戦に向けた発売はしばらくぶりのことで，この雰囲気の中での体験会は懐かしい感覚でした。東京ゲームショウ以降，ゲームの評判がいいので，少し気が早いながら手応えを感じています。気合も入りましたね。

――この体験会で遊べる体験版で，見てほしい点はどこでしょうか。

名越稔洋総合監督。サイン会終了後には，メディアの囲み取材にも応じ，本作にかける意気込みを語ってくれた

名越氏：
　せっかくの体験会ですから，画面の良さなどの見た目だけでなく，レスポンスが上がって遊びやすくなった部分を含めて，ベースの技術の向上を理解してもらいたいと思います。それに加えて，従来作のファンならとくに気になるはずの爽快さや技の種類など，具体的な部分も体験してほしいですね。
　プレイできる時間が短いので，どれだけ伝わるかは難しいところですが，プレイした瞬間にいろいろなことが感じられる体験会になればいいと考えています。

――発売日が近づいていますが，開発の進捗状況はどうですか。

名越氏：
　もちろん間に合いますよ（笑）。今回の開発には時間を多めにもらえたんですが，それ以上に作るものが多かったというのが率直な感想です。密度を高めつつ，遊びやすさも伴った，これまで最高のもの……というのは新作が出るたびに言い続けている言葉ではありますが，今回もしっかりした内容の作品をお届けできると思います。

（左）プレイ時間は，一人あたり約15分。ゲームの中に作られたゲームセンターで「バーチャファイター2」を試すプレイヤーの姿もあった。（右）サイン会に詰めかけた人達

――本日のサイン会を見ると，女性のファンが増えた印象なのですが，そういった女性層に向けたアピールはありますか？

名越氏：
　もともとは子供と女性は相手にせず，海外もあえて視野に入れないという絞り込みから生まれたコンテンツです。もちろん，ファン層が広がっていくのはもちろん嬉しいですし，その性別や構成が変わっていくのも，一つの傾向だと思います。ですが，先ほどの絞り込みの部分を根本から変えてしまうのは違うと思っていますので，新しい層に向けた何かをするということは，今回もこれからも，しないと思います。

――年末商戦での発売は「龍が如く2」以来のこととなりますが，それについて特別な気持ちがありましたら，聞かせてください。

会場には，本作プロデューサーの横山昌義氏の姿も。会場の外でファンとの記念撮影をしたり，質問に答えていたりした

名越氏：
　「龍が如く1」の頃を思い出しますね。数字のことはあまり言いたくはないんですが，今回は記録を作れる手応えを感じています。先日の「バイオハザード6」もすごい数を出していて，あれを見るとライバルながら励みになりますね。大作パッケージゲームの元気の良さを見せるために，僕らも貢献していこうという気持ちは常に持っています。

――今回の龍が如く5に先だって，「龍が如く1＆2 HD EDITION」が発売となりますが，そちらについて何かコメントをお願いします。

名越氏：
　大好きな原点の作品ですし，たくさんの人に遊んでほしいというのが本音です。出せること自体，非常に嬉しいですが，元のPlayStation 2版が廉価版を含め200万本以上出ていることもあって，「売れんのかいな？」という気持ちもありました（笑）。数字はいいと聞いていますので，心を落ち着かせることができました。
　龍が如く5の予習をする意味で先に遊んで，気持ちを高めてください。1と5は離れていますけど，原点と最新のものを両方プレイするのは，面白い遊び方だと思いますよ。

来場者一人一人に丁寧にサインをし，握手する名越氏。偶然通りかかった参加者も含め，合計100人ほどにサインをして，サイン会は終了となった

――最後に，発売に向けてのメッセージをいただけますか。

名越氏：
　今日あたりは，開発も佳境の佳境の佳境の佳境ぐらいの状態で（笑），大鳥居あたりは穏やかでない雰囲気になっていると思いますが，大丈夫ですのでご安心ください。
　シリーズの一つの区切りとなる龍が如く5では，開発に時間をある程度かけられました。今回は記録を作りたいと考えています。その気合を乗せて，がんばっていこうと思います。

――ありがとうございました。期待しています。


　この体験会は，来週の10月17日以降ソフトの発売直前となる12月1日まで，全国16か所の店舗にて開催される予定だ。詳細は公式サイトにてチェックしてほしい。
　また，名越氏のサイン会が行われる日時と場所は，11月1日が東京のGAMES マーヤ葛西店，11月10日が愛知県のソフマップギガストア名古屋駅ナカ店，そして11月17日が大阪のジョーシンディスクピア日本橋店となっている。
　サイン会への参加は無料だが，サインを入れてもらうものは自分で用意する必要があるので，色紙やゲームのパッケージなどを準備して会場に足を運ぼう。

「龍が如く5　夢、叶えし者」公式サイト