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  • 5pb.
  • 発売日:2011/09/01
  • 価格:初回限定版:9240円,通常版:6090円,ダウンロード版:3990円(すべて税込)
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67
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この世界には奇跡も魔法もない。CERO Dギリギリの救いのない恐怖表現に満ちた「コープスパーティー Book of Shadows」レビュー
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印刷2011/09/03 13:14

レビュー

システムを一新し,よりピュアなホラーが楽しめるようになったファン必見の地獄絵図

コープスパーティー Book of Shadows


コープスパーティー Book of Shadows
 5pb.は9月1日,PSP用ホラーアドベンチャー「コープスパーティー Book of Shadows」(以下,コープスパーティーBS)を発売した。本作は2010年8月に発売された「コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー」(以下,コープスパーティーBR)から派生した前日譚や後日譚をまとめたサテライトエピソード集だ。2D RPGのようなシステムが印象的だった前作からシステムを一新し,全7話からなるオムニバス形式で,さまざまなキャラクターの視点から物語を読み解いていくテキストアドベンチャーとなっている。
 本稿では実際にプレイした感想を交えつつ,ゲームの魅力について紹介していこう。なお,「コープスパーティー」をよく知らないという人には,ぜひとも「こちら」のレビューをチェックしてほしい。

「コープスパーティー Book of Shadows」公式サイト



繰り返される絶望と狂気

“天神小学校”の悪夢再び


星の数だけバッドエンドがあるとは……今さらながら何とも酷い話である
コープスパーティー Book of Shadows
 異空間に存在する呪われし学び舎,“天神小学校”へと引きずり込まれた人々の絶望と狂気を描いた「コープスパーティー」シリーズ。元々はPC-9801向けに制作された同人ゲームだったのだが,その後Windows PCや携帯アプリなどに移植され,ファンを拡大しつつシリーズを重ねてきた。
 初のコンシューマタイトルとなった前作「コープスパーティーBR」は,CEROレーティング「D」(17歳以上対象)とは思えないほどの陰惨なシナリオやビジュアルが話題となり,発売後に全国で品薄状態が続くほどの人気を博した。

 バッドエンドだらけの救われないマルチエンディングシステムがシリーズ最大の特徴であり,これまでに多くのプレイヤーの心に癒えない傷を残してきたコープスパーティーだが,システムが一新された本作でも,その鬼畜外道っぷりは変わっていない。記事冒頭でもお伝えしたように,全7話からなるオムニバス形式で構成されている本作には,前作同様,それぞれのエピソードにいくつもの専用バッドエンドが用意されているのである。同人ゲーム時代からシリーズに慣れ親しんでいるプレイヤーでも,第1話から絶望の洗礼を受ける覚悟をしておいたほうがいい。

コープスパーティー Book of Shadows コープスパーティー Book of Shadows
どんなに足掻こうとも避けられぬ死の運命。この世界には奇跡も魔法もない

 もちろん,各章には“ベストエンド”も用意されているのだが,ベストだからといって「幸福なエンディング」であるとは限らない点が,実にコープスパーティーらしい。苦労してベストエンドにたどり着いたはいいが,結果的にはどのバッドエンドよりも悲惨な末路を迎えてしま……なんてことがざらにあるのだ。クリアしたという達成感のあとに訪れるのは,最悪にクソッタレな余韻(褒めてます)。でも,そんなところが不思議と病み付きになるのは,秀逸なシナリオに引き込まれているせいなのか,筆者がドMだからなのか……。

錯乱する直美と顔のない世以子の写真。天神小から生還したあとも,悪夢は終わらなかった
コープスパーティー Book of Shadows コープスパーティー Book of Shadows

 ちなみに本作のシナリオは,基本的に前作をプレイしていることを前提とした作りになっている。そういった意味ではファンディスク的な側面が強く,新規プレイヤーにはちょっとオススメしづらいところがある。「コープスパーティー」に興味があるならば,まずは「コープスパーティーBR」からプレイしてほしいところだ。

コープスパーティー Book of Shadows
何者かに縛られ,放置プレイ中の女の子。彼女は確か,前作のエクストラチャプターに出ていたような……?
コープスパーティー Book of Shadows
教え子に対してあられもない姿を晒す結衣先生。これは一体何ごとか! 羨ましい!

 その分,前作をクリアしたプレイヤーにとっては非常に興味深い内容になっており,各エピソードでは中嶋直美,鈴本 繭,宍戸結衣,大上さやか,森繁朔太郎,持田由香,霧崎凍孤の7名がメインキャラクターを張っている。それぞれの過去や現在の出来事を通じて,キャラクターの掘り下げが行われているのだ。中には前作エンディング後の物語が描かれているエピソードもあり,ファンにとっては感慨深い展開が用意されている。……そりゃもう,感慨深すぎて吐き気を催すくらいだ。というか,プロローグから「うわぁ……」ってなること受け合い。プレイヤーに多少なりとも人情というものがあるならば,「救いはないんですか!?」と思わず叫んでしまうはずである。シナリオを手がけた祁答院 慎氏は,そうとう精神汚染(後述)が進んでいるに違いない……。

繰り返される惨劇と,本来持っているはずのない記憶。前作のループエンドを彷彿とさせる展開だが……?
コープスパーティー Book of Shadows コープスパーティー Book of Shadows


コンセプトはそのままにシステムを一新


コープスパーティー Book of Shadows
コープスパーティー Book of Shadows
 さて,ここからはシステムについて詳しく説明していこう。本作はテキストアドベンチャーである,と冒頭で述べたが,シナリオを読み進めていくだけの,いわゆる“ノベルゲーム”ではない。コープスパーティーらしい探索要素は形を変えて残っており,廊下や教室間の移動は任意で行えるし,“サーチーモード”で怪しい場所にカーソルを合わせることでアイテムを獲得したり,攻略のヒントを得たりできるのだ。
 プレイ感覚は,前作の見下ろし型2D RPG的なものとは打って変わって,一般的な(ちょっとレトロな感じの)アドベンチャーゲームに近づいている。シナリオの進行フラグを立てるために総当り的な移動や調査を繰り返す場面が多く,いい意味でも悪い意味でも,少々懐かしい印象を受けるのだ。
 とはいえコープスパーティーの場合,どこかノスタルジックなプレイ感覚を再現することも,ゲームデザインに盛り込まれているような気がする。そこかしこにしかけられた恐怖の罠におびえつつも,怪しい場所を手当たり次第に探索しなければならないこの感覚は,得体の知れない場所に監禁され,必死に生き延びようとするキャラクター達の心情とうまいことシンクロするので,恐怖感も倍増するのだろう。

コープスパーティー Book of Shadows コープスパーティー Book of Shadows

キマシタワー……って言ってる場合じゃねぇ! この血が滲んだ視界,精神汚染がかなり進んでいるようだ
コープスパーティー Book of Shadows
 そしてもうひとつ,本作独特のシステムである“精神汚染度”についても特筆しておこう。精神汚染度は,キャラクターが恐怖を感じるような目に遭うたびに上昇していくのだが,精神汚染が進むとゲーム画面が血に染まっていき,さらに幻覚や幻聴に悩まされるようになる。これはルート分岐やエンディングに影響を与える可能性があるほか,汚染が最大値に達してしまうとキャラクターが“黒化”し,ゲームオーバーになってしまう……この説明で何やらダイスを振りたくなったという人は,きっと本作を気に入ることだろう(SAN値的な意味で)。

 コープスパーティーは,攻略するうえで念入りな探索が必要とされるゲームだが,本作ではこの精神汚染度/黒化という要素が盛り込まれているため,むやみやたらに調べまくっていると,自分の首を絞めることになるかもしれないのだ。本作においては,好奇心は人を殺すのである。

黒板に対して表示される意味不明な選択肢。非常に危険な状態である

 ちなみに本作は,オプションモードも充実している。ゲーム中に登場したグラフィックスを観賞できる“心霊写真館”や,BGMを聴ける“電動演奏機”など,アドベンチャーゲームにつきもののオマケモードは一とおり揃っている。さらに,ゲームの進行度に合わせて出演声優の音声コメントが追加されていく“言霊集”や,ダミーヘッドマイクで収録した3D音声が聞ける“心霊音声劇場”といったファンサービス的な要素も嬉しい。この辺は,アドベンチャーゲームを得意とする5pb.の“らしさ”が出ている部分だろう。

「コープスパーティーBR」のデータを読み込むことで,心霊写真館に前作のイベントCGが追加されるほか,ちょっといいこともある


相変わらずのインディーズ精神

分かるヤツには分かる妖しい魅力を満喫せよ


コープスパーティー Book of Shadows
 コンシューマ版コープスパーティーの2作目となる本作。テキストアドベンチャーということで,さすがに前作ほどの尖った特徴はないものの,一人称視点のアドベンチャーゲームとして,しっかり作り込まれている点は好印象だ。セーブスロットの数に困ることはないし,筆者がプレイした範囲では,目立ったバグも見当たらず,ストレスを感じることもあまりなかった。何より,システムを一新してもなお日和ることなく,インディーズ的なエログロホラーを貫いているところが,個人的に高評価である。前作に引き続き,CERO D指定されたことがうっかりミスなんじゃないかと思えるほどのホラー作品だ。

コープスパーティー Book of Shadows コープスパーティー Book of Shadows

 来るもの逃さず,去る者追えず。やり過ぎ感のあるホラー作品ゆえ,コープスパーティーシリーズは決して万人にオススメできるような作品ではないが,特定のコアなファン層を虜にして離さない妖しい魅力を持った作品として,これから先もずっと評価されていくだろう。コミックや小説といったメディアミックス展開も含め,この恐怖がどのような広がりを見せてくれるのか,今後とも注目していきたいタイトルだ。
 なお「こちら」でも紹介しているように,本作の体験版がPlayStation Storeにて配信されている。購入を検討しているホラーファンは,ぜひ一度体験版をプレイしてみよう。

「コープスパーティー Book of Shadows」公式サイト

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