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GeForce GTX 600
  • NVIDIA
  • 発表日:2012/03/22
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「エクサスケールのコンピュータは,プロセス改善だけでは実現できない」。NVIDIA副社長,一層の電力効率改善を予告
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印刷2011/07/22 20:19

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「エクサスケールのコンピュータは,プロセス改善だけでは実現できない」。NVIDIA副社長,一層の電力効率改善を予告

Chris A. Malachowsky氏(Co-Founder, NVIDIA Fellow, and Senior Vice President of Research)
 2011年7月22日,NVIDIAとGPUコンピューティング研究会は,GPUコンピューティングの最新情報を提供する開発者向けイベント「GTC Workshop Japan 2011」を都内で共同開催した。
 内容はもちろんGPUコンピューティング関係で,しかも,これといった新製品や新技術の発表があった/あるわけでもないため,新味には乏しかったのだが,基調講演に登壇したChris A. Malachowsky(クリス・マラコウスキー)上級副社長の発言には,いくつか4Gamer的にも興味深いものがあったので,今回はそのあたりを抜粋してお届けしたい。


エクサスケールに向け,

もはやプロセス縮小だけでは十分でない


「初のプログラマブルなGPU」とMalachowsky氏が位置づけたGeForce 3
GeForce GTX 600
 イベントでMalachowsky氏は,「NV1」など過去の製品に言及しつつ,GPUコンピューティングへの大きな転機になった製品として「GeForce 3」を挙げていた。客観的に見るとGeForce 3は,それほど成功したGPUとは言いがたいところもあるのだが,氏は,「プログラマブルなGPUがいかにパワーがあるかを示した製品だった」と,その歴史的重要性を強調する。

 そして,現在のFermi世代のGPUによる「Unreal Engine 3」のデモを披露したうえで,CUDAがGPUをグラフィックス以外の領域に拡大し,並列計算の分野で革命を起こしていると,下にスライドで示したとおり,いくつかの例を紹介してみせた。

GeForce GTX 600
「CUDAが実現したGPUコンピューティングの応用例」としてMalachowsky氏が取り上げた,OpenEyeのタンパク質分子検査用ソフトウェア。分子の類似性をシミュレーションで検査できるソフトウェアで,実際に販売されているらしい
GeForce GTX 600
「CUDAが実現したGPUコンピューティングの応用例」その2。心臓の動きを追って,心臓の動きを予測することにより,「心臓の動きを踏まえたうえで動きを補正できる手術用ロボットアーム」を製品化できたという。「父親が医者だったので,この凄さはよく理解できる」とMalachowsky氏

 「では,これからどう進んでいくのだろうか。この先には,エクサスケールのコンピュータがある」とMalachowsky氏は未来に話を進める。
 現在のスーパーコンピュータはPFLOPS(PetaFLOPS,Petaは10の15乗なので1000兆FLOPS)に達しているが,その1000倍となるのEFLOPS(ExaFLOPS,Exaは10の18乗なので100京FLOPS)級のコンピュータが,NVIDIAに限らず業界すべての目標だ。

 しかも,NVIDIAにはエクサスケールを目指さなければならない別の理由がある。Malachowsky氏は基調講演中,「政府との契約を遵守して,我々はエクサスケールのマシンを作る」といった,やや婉曲的な表現を行っていたが,NVIDIAは,米連邦政府直属のDARPA(Defense Advanced Research Projects Agency,国防高等研究計画局)と,大規模通信監視システム「Echelon」(エシュロン)計画で研究助成金を受け取る契約を結んでいるのだ(関連記事)。Echelon計画を実現するためには,エクサスケールコンピュータの実現が必須なのである。

 その目標に向かうとき,最大の障害は「やはり電力」とMalachowsky氏は述べている。最大20MW(メガワット)が契約時の目標消費電力値となっているため,毎秒100京回の演算を可能とするコンピュータは,一定の消費電力の枠内で実現しなければならないからだ。

エクサスケールコンピューティングを実現するのに必要な電力を示したスライド。20MWというと,とてつもない数字に聞こえるかもしれないが,同じ性能をFermiで実現しようとすると,600MW超,50万世帯分に相当する電力が必要になる。それを,20MWまで抑えようというわけだ
GeForce GTX 600

 もちろん,NVIDIAはエクサスケールに向かって歩みを進めており,例えば次世代GPU「Kepler」(ケプラー,開発コードネーム)では,「消費電力あたりの性能は,Fermi比で3倍に達した」と,Malachowsky氏は完了形で紹介。試作時点で得られているデータから,3倍の電力効率が得られると見えているということなのだろう。
 ただ,Keplerにおける電力効率の向上はもっぱら,28nmというプロセス技術によるものだという。Malachowsky氏は「プロセスの改善は今後もあるとしても,最終的には電子回路,アーキテクチャに消費電力が依存することになる」と続けて語り,プロセス技術だけではエクサスケールのコンピュータは実現できないと示唆していた。

 氏いわく「演算器のインターコネクトやI/O階層,さらにソフトウェアの改良まで必要になるだろう」。具体的にどう改良するかにまでは踏み込まなかったが,Keplerの次の世代のGPUとなる「Maxwell」(マクスウェル,開発コードネーム)では,Malachowsky氏の言及した点が大きなポイントになってくるということなのかもしれない。

GeForce GTX 600
GTC Workshopは今後も各地で開催される予定。次の“大きなGTC”は2012年5月14日開幕の予定だ
GeForce GTX 600
NVIDIAは,東日本大震災で被災した子供達に寄付すべく,275万ドルを集めたという。現在,NVIDIA Japanが運用を管理しているので,いいアイデアがあれば知らせてほしいとのことだった
 「エクサスケールのマシンを作る方法は分かっているが,かつてない電力効率が必要になるだろう。しかし現実になると思う」と力強く語るMalachowsky氏。GPU性能の向上ともにGPUコンピューティングの重要性はさらに高まることから,NVIDIAとしてGTC Workshopやこれに準ずるイベントを世界各地で開催していく予定と述べていた。

 というわけで,基調講演はGPUコンピューティングの拡大がテーマだったが,GPU性能の向上はグラフィックス性能の向上に直結してもいるわけで,4Gamerの読者に無縁の話でもないだろう。当初の予定では2011年中ということになっていたKeplerの発表時期に関する言及が皆無だったのは残念だが,NVIDIAが目指すエクサスケールへの道のりには注目しておきたいところだ。


危うくトイレットペーパーと同名に!?

「NVIDIA」という社名の由来も語られる


「フルタイムの仕事に就くことになって,一番喜んだのは妻だった(笑)。またNVIDIAに戻ってこられてうれしい」とMalachowsky氏
 ところで,GPUコンピューティングともGPUロードマップとも何の関係もないのだが,Malachowsky氏の基調講演には,1つ,興味深い話があったので取り上げてみたい。それは,NVIDIAという社名の由来だ。

 NVIDIAは,会社の顔でもあるJen-Hsun Huang(ジェンスン・ファン)氏と,Curtis Priem(カーティス・プリーム)氏,Malachowsky氏の3人が共同で設立した企業だ。
 ここ数年,Malachowsky氏はNVIDIAのビジネスにフルタイムでは関与していなかったが,今年の1月から調査研究担当の上級副社長として復帰したという経緯がある。

 というわけで氏は,「3人でデニーズに集まって会社を設立しようと何時間も話し合った。そして,2つのベッドがあるアパートを借りて,3人で会社を設立した。そして社名を考えた」と,懐かしそうに振り返った。
 3人の名前やイニシャルを並べるなど検討してみたがいい名前がない。Malachowsky氏は「誰もが思いつくような名前や,『安いアパートにいて,お金がないことが丸分かり』という,みすぼらしい名前もダメだと思った」とのことだ。加えて,「自分たちが将来どうなるか分からない。だから一般的な名前にしよう」と考えたそうだ。

社名の由来というか社名を決めるまでの経緯を語るMalachowsky氏。設立を話し合ったデニーズや,Huang氏とアパートの一室にいる様子,そしていわくつきのトイレットペーパーの写真が掲げられている
GeForce GTX 600

 検討の末に考え出されたのが「ENVISION」――「予見する」という動詞をそのまま使った社名だ。しかし「法律事務所に,この名前がどこかほかに使われていないか調べてもらったところ,トイレットペーパーの製品名に使われていた(笑)」(Malachowsky氏)。そこで「E」を取ったり,語尾を弄ったりしてNVIDIAという社名になったのだという。社名の読みが「エヌビディア」なのも,「エンヴィジョン」が基なら納得,といったところか。
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