「魔界戦記ディスガイア4」，キャラごとのエピソードや裏工作が重要な「議会」，新たなネットワーク要素などゲーム内容をどさっと大ボリュームで紹介

　日本一ソフトウェアが2011年2月24日に発売を予定しているPlayStation 3用ソフト「魔界戦記ディスガイア4」の最新情報が，本日（12月16日）付けで公開された。

　ゲームシステムやストーリーに関しては，毎度毎度かなりのボリュームの情報をお届けしている本作。大きな流れの第4回となる今回も，これまでの3回に匹敵するボリュームの新情報を紹介していく。「ディスガイア」シリーズをプレイしたことがない人でも楽しめるように，簡単な説明を交えつつお伝えしていくが，読み進める中で疑問点が浮かんできたら，過去3回の記事も参考にしてほしい。

・第1報
・第2報
・第3報

　ということで，今回は以下3つの大きなテーマについて，順に紹介していこう。

・キャラクターごとに用意された深イイ（？）「エピソード」
・妄想爆発大歓迎のネットワーク機能「マップエディット＆配信」
・根回しとごり押し上等のゲームシステム「議会」

各キャラクターにまつわるエピソードを紹介

　ユニークなキャラクター達が多数登場する本作だが，彼らが地獄にいる理由も十人十色。ここでは，主人公「ヴァルバトーゼ」を含む4人のキャラクター達のエピソードを紹介する。


・ヴァルバトーゼ「伝説の吸血鬼が血を吸わない理由」

　かつて“暴君”として猛威を振るっていたほどの実力を持つヴァルバトーゼだが，今の彼は吸血鬼ながら人間の血を吸うことはない。その理由には，彼が数百年前に人間界で出会った一人の女性が関係している。

　戦地で看護婦として活動していたその女性は，非常に高潔な心を持つ人物で，吸血鬼のヴァルバトーゼを見ても怯えることなく，人間と同じように接した。さらに，吸血鬼の「他者の血を吸わなければ生きていけない」という運命に心を痛めたその女性は，自分の血を差し出す代わりに，ほかの人間を襲わないようにとヴァルバトーゼを諭したという。

　これに対してヴァルバトーゼは，「悪魔を恐れぬ人間から血を吸うなど、プライドが許さん。キサマを恐怖のドン底に陥れてから血を吸ってやろうではないか！」と返答し，同時にその女性の血を吸うまでは，ほかの誰の血をも吸わないことを約束した。しかし，この女性は人間界の政情不安によってはかなくも幽明を隔ててしまう。

　こうして，彼女と交わした約束を守れなかったヴァルバトーゼは，現在も血を吸わない吸血鬼として生きているというわけだ。

ディスガイア4の登場キャラクターの皆さんからの一言

・フーカ「逆恨み登場」篇

　自分が死んだことも，生前に罪を犯したことも，まったく自覚がないまま地獄に落ちてきた風祭フーカ（生前，中学3年生）。それゆえに，自分が地獄にいることを自分の夢だと思い込んでいる。人間が地獄に落ちると本来プリニーになるはずなのだが，肝心のプリニーの皮が足りなかったがために，帽子だけをかぶらされたという中途半端な処置を食らった，可愛いのか可哀想なのかいまいち分かりにくい少女だ。

　魔界の予備知識が一切なかったがために「自分がこんなところで過酷な労働をさせられているのは，プリニーのせいだ」と，なぜかプリニーたちを逆恨み。そして，そのねじれた意思でもって，政腐が組織した「プリニー殲滅部隊」に参加し，プリニーをぶちのめそうとする。プリニーになりそこなったプリニー未満のくせにプリニーを襲うとは，フーカ，恐ろしい子。

　しかし，そんなフーカもプリニーを救うために“政腐”と対立するヴァルバトーゼとの激突を機に，その誤解から目を覚ます。プリニーの教育係であるヴァルバトーゼは，プリニーに課せられる過重労働は当然の義務であることを説き，間違った道を歩んでいるプリニー（フーカ）を再教育することにする。


　こうしてフーカは，ヴァルパトーゼの導きによってどこにでもいる普通のプリニーに……。なるわけもなく，現状のプリニーの扱いについての反感を今度は魔界大統領へ向け，「打倒！　魔界大統領」を目指して闘志を燃やすことになってしまう。逆恨み上等。




・デスコ「ただいまラスボス修行中」篇

　「ラスボスになる」，ただそれだけのために生まれてきた存在，デスコ。けれど現実（地獄だが）は厳しく，彼女はラスボスになるという夢を果たす前に廃棄処分され，特別房に幽閉されてしまう。しかしそこはデスコ，あきらめない。いつか自分が外に出されること，つまり勇者と対決したり世界を滅ぼしたりすることを夢見て，暗い一人ぼっちの房の中，ラスボス修行をコツコツ続けていたのだ。

　そんな努力のかいあってか，彼女の房の封印がある日解かれる。待望の出番に意気込むデスコ。ラスボスらしく威厳を持って登場し，勇者達を怯えさせようと企むデスコ。しかし，実際デスコの前に現われたのは世界平和を望む勇者ではなく，吸血鬼が率いる政腐の反乱分子ご一行様だったのだ。


　このような因縁があって，デスコはヴァルバトーゼ達と行動を共にし，いつか本当の勇者と出会う日が訪れることに夢を馳せ，立派なラスボスになるための修行を続けていく。その心意気や実に健気で，登場したのがディスガイアシリーズでなかったならば，ラスボスどころかヒロイン有力候補だったろうに。




・ブルカノ（？）「怪盗天使、ただいま参上」篇

　弱肉強食。自分の欲望に忠実に振舞うことが是とされる魔界において，ひときわ悪名を轟かせる怪盗がいる。“業欲の天使”と称されるその人物は，名前のとおり正真正銘の天使だった。

　あるときは変装をして忍び込み，またあるときは隠密行動によってターゲットから金をむしり取る。その容赦のなさは天使どころかストライクゾーンど真ん中の悪魔っぷりで，当の地獄の悪魔ですら寒気を覚えるほどだという。しかも，件の怪盗は天使であるということ以外，正体や目的は一切分からない謎の人物ときたものだ。

　ヴァルバトーゼ達は，その怪盗が窮地に陥っている状況に出くわす。見かねて怪盗天使を助けた彼らだが，肝心の天使は「ブルカノとでも呼んでください」と名乗るのみ。その後「行き先が同じ方向なだけ」と誰にともなく言い訳を口にしながら，天使は吸血鬼ご一行様と行動を共にすることになる。

●ちょっと寄り道（1）「まだまだ攻めます!!」魔ニフェスト

発売まで後二ヶ月！
まだまだ攻めます、ネタを仕込みます。

いろんな意味でギリギリのところまで攻めて、笑いを取るのが日本一ソフトウェア流（魔界流）です。今後ご紹介予定のネタを少しだけご紹介しましょう。これらのネタは、弊社からユーザーの方々に向けた魔ニフェストです。気になるものがあったなら、本タイトルに邪な一票をお願いします!

魔界名作劇場!?
涙なしには語れない、一人と一匹の政治闘争物語？


「この桜吹雪に見覚えがねぇとは言わせねえぜ!」
魔界のお白州に、桜吹雪が吹き荒れる?


ガンマニアの方に朗報！
『4』では銃のグラフィックがじっくりと拝めます！
（待機中も表示するように変更となりました）

新たなネットワーク要素，マップエディット＆配信

　ディスガイア4には，ネットワークを通じて楽しめるさまざまな要素が存在する。前回紹介した「界賊エディット」もその一つで，オリジナルの界賊戦をパーツから組み上げ乗組員まで設定し，ほかのプレイヤーのアイテム界に乗り込ませて助太刀させたり戦闘をしかけたりできるという内容だった。

　今回の「マップエディット＆配信」は，「理想のマップがどこにもない？　それなら作ればいいじゃない!!」をモットーに，プレイヤー好みの戦闘マップを自由自在に作成できるようにしたシステムだ。


　その自由度は簡易エディットソフト並みで，根幹となる地形から特有のジオエフェクト，登場するキャラクター，クリア条件まで，マップに関するほとんどの設定が可能となっている。このほかにも，ライトやBGMなど細かい設定項目が用意されており，組み合わせによって生み出されるマップの種類はまさに無限と言っても過言ではないとのこと。


　ネットワークを介したオリジナルマップの配信および，ほかのプレイヤーが作ったマップの攻略ももちろん可能で，マップごとに評価を付けることもできる。自分の作ったマップをほかのプレイヤーが遊んだ場合，どのようにそのマップをプレイしたか確認できるログが残るのも特徴で，これを元にして，さらに面白いマップへと改良するといった遊びも考えられるのだ。

ジオエフェクトを使えばこんなレベル上げ用のマップも作れる。クリア条件の指定などもできるので，目的に応じてさまざまなマップを作成してみよう

ストーリー中に攻略したマップは地形サンプルとして使用できるので，これを改良して手軽にマップエディットを楽しむのもいい

配置したキャラクターには自己紹介文を設定可能。ありったけのユーモアでほかのプレイヤーを迎えるのだ

リザルト画面ではマップ作成者にコメントを送ることもできる

こちらは攻略のログ

　ちなみに，このネットワーク要素を活用することで強くなる成長型の武器も存在するとのことだったので，公開されたスクリーンショットの中からそれっぽいものを探してみたところ，“ユーザースレイヤー”「他ユーザーキャラを倒せば倒すほど強くなる！」というなんだか禍々しい説明の武器を発見しちゃった。

●ちょっと寄り道（2）キャラクターメイク

自分の好みや状況に合わせて仲間を増やすことが出来るのも本タイトルの楽しみの一つ。
豊富な職業や種族の中から、今回は新職業２タイプを含む４職業をご紹介します。

アンドロイド 新たに追加された女性型の職業。充実した機能を備えた戦闘兵器。顔を覆うレーダーにより周囲の状況を多角的に把握できる

バトルスーツ 新たに追加された男性型の職業。特殊な鎧の内部には膨大なパワーが渦巻いている

“忍者” 優れた体術を会得しており、攻撃回避力に優れた男性型職業。物理攻撃やい動力にも優れたスペシャリスト

“魔法使い・女” 魔法を操るスペシャリスト。可愛らしい見た目と特徴的な掛け声などにより親しまれている。シリーズ皆勤賞、獲得中

やりたい放題できなそうでできる政拳運営「議会」

　ディスガイアシリーズをプレイしたことのある人にはおなじみの「議会」。プレイヤーの意志や欲望をゲーム内に反映できる可能性を秘めたユニークなシステムだ。構造は単純で，議会を開いて議案を提出し，あらゆる手段をもって可決させるだけ。ちなみにこの議題，かなり自由な内容らしい。ディスガイア4の登場キャラクター風に表すならばこんな感じ。

「もっと歯ごたえのある敵を出せ」
「おにゃにょこを増やしたい」
「一番いい装備をくれデス」

実際の議案は固定の文言から選択する。上の台詞はあくまでキャラクターの願望だ（でも実現はできる）

　ちなみに，議案は具体的なものから抽象的で一見何が起こるかわからないものまで多数ある。普通の議案を実現させるためには議会での承認が必要となるが，中には承認が必要ない小さな議案もあるので，慣れないうちはこれを試してみるのもいいかもしれない。

勢力拡大のために，キャラメイクを行う際にもこのシステムを利用することになる。キャラクターの素質を決める際に上位のものを選ぶと、議会での承認が必要になることも

　それでは，下の囲みで具体的な議会の利用方法を説明しよう。どうやら地獄での議会のポイントは「空気を読むこと」と「高い能力を持つキャラクターが議案を提出すること」，そして「徹底的に裏工作すること」のようである。現世とあまり変わらない気もするが。

STEP1　キャラ選択　
議会に議題（要望）を提出するキャラクターを決めます。
魔界には『強い人物ほど発言力がある』という暗黙のルールがあります。レベルが高い人物ほど議案が可決しやすくなるので、誰が議決しても問題ない議案の場合は高レベルキャラクターを選ぶと評の確保を有利に進めることが出来るでしょう。

STEP2　議案の選択
あなたの望む内容の議案を選びます。議案には、議会の承認（可決）が必要なものと、承認なしで実現できるものがあります。承認が必要な議案には、議会を開催するのに必要なマナと、開催した際に可決が出来るかどうかの目安となる可決率が設定されています。大規模な願いほど、必要なマナは多くなり、可決率は低くなっていきます。なお可決率はあくまで目安の数値です。何せ相手は悪魔、気まぐれのため、議会ではどんなドラマが起こるかわからないのです。

STEP3　議会開催
議会に乗り込んだら、まずは場の空気を読みましょう。
参加している議員には議案に好意的な者もいれば、反対している者や、興味がない者、眠りこけている者など様々な議員がいます。まずは、議会全体が賛成と反対のどちらに傾いているかを把握しましょう。

STEP4　情報収集と根回し、裏工作！
議会に集まった議員たちは、そのレベルに準じた発言権を持っています。強いものの意見ほど評決結果に大きな影響を与えます。多数決ではなく、発言力ですべてが決まる…暴力的な強権主義です。反対派の議員にワイロを贈って懐柔したり、根回しが通じないキャラクターをアイテムで無理やり眠らせて評決に参加しないようにするなど、積極的な裏工作が可決への近道です。議員の顔色を伺い、うまく立ち回りましょう。


STEP5　評決を取る
参加議員への根回しが終わり、いよいよ評決に入ります。
開始すると、各議員が意見を表明。それぞれの発言力に応じて賛成派、反対派の票の競り合いとなります。根回しを万全にしていても魔界の住人は気まぐれで、それまでの態度を急に翻すこともあるので最後まで気が抜けません。見事過半数を確保できれば、議案が可決され願いが実現します。

　以上が，議会の一連の流れとなる。ちなみに，最終の表決で議案が否決された場合でも「この議案だけはどうしても通したい」と思ったときは，最後の手段として「力で押し通す」こともできる。文字通り戦場となった議会で反対していた議員と戦闘し，勝利を収めて議案をごり押しするのも，地獄らしくてとてもいいではないか。

　なお最後の手段は，やりすぎると議員の反発が強まり，通常の方法で議案を可決することが難しくなってくるので，この点だけは注意しておきたい。



●「害務大臣」とは一体何者か

　議会の説明は以上なのだが，実は議会にもネットワークに絡んだユニークな要素が存在する。それが「害務大臣」だ。

　前回は，指定したキャラクターをネットワーク経由でほかのプレイヤーのゲーム内に送り込み，戦闘の助っ人として登場させられる「暴衛大臣」を紹介したが，今回の「害務大臣」はそれの議会版に近い。

　ネットワークを介して送り出した害務大臣は，ほかのプレイヤーの議会にて一般議員と同様に評決に参加する。送り出すときに行動方針の設定が可能で，この設定によって議会の中で特殊な行動を起こすこともあるのだ。

ネットワークで送り出すキャラクターにはアピール文も忘れずに

「熱血タイプ」
オレの隣に立つんじゃない！　とばかりに、評決時に周囲の議員を吹っ飛ばす。吹っ飛ばした後の結果はあまり考えていない？


「アイドルタイプ」
周囲の議員の意見を塗り替えるキャラクターも。私の意見に賛成よね？　と可愛い顔で言われたら、賛成せざるを得ないですよね？


「合体タイプ」
周囲の議員を巻き込んで超☆合体。もちろん、発言権も大きくなります。

　ここまでの説明で分かるとおり，助っ人というよりはお邪魔虫に近いため，ほかの人のところに送り出す必要なんてないのでは？　と思うかもしれないが，送り出した害務大臣はその成果をしっかりと持って返ってくるというのだからそうも言ってられない。例えば送り先で害務大臣がワイロを渡されると，そのワイロを持って自分のゲーム内に戻ってくるのである。さすが害（外）相の名を冠すだけあって外での仕事が実にうまい。その成果に期待大だ。

　これで，今回公開された内容はすべて紹介した。最後に，あの人気ライトノベルのキャラクター達がゲーム内に登場するという，コラボレーション企画の情報も掲載するので，合わせて目をとおしてほしい。コラボレーションで使われるイラストは，すべて原作のイラストレーターによる描き下ろしだ。

「とある魔術の禁書目録」
（アスキーメディアワークス　電撃文庫）より、インデックスが登場。

（C)鎌池和馬／アスキー・メディアワークス イラスト／灰村キヨタカ

「狼と香辛料」
（アスキーメディアワークス　電撃文庫）より、ホロが登場。

(C)支倉凍砂／アスキー・メディアワークス イラスト／文倉 十

ゲストイラストレーター

魔法の演出（魔法絵）以外にも、豪華なゲストイラストレーターの手がけるイラストが登場し、ゲームをより熱く盛り上げます。
今回ご紹介するのは、“日向悠二さん”のイラストです。

「魔界戦記ディスガイア4」公式サイト

※画像は開発中のものです。