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「GeForce GTX 1070 GAMING X 8G」レビュー。MSI独自設計のGTX 1070カードは買いか
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印刷2016/07/09 00:00

レビュー

MSI独自設計で「Twin Frozr VI」クーラー搭載のGTX 1070カードは買いか

MSI GeForce GTX 1070 GAMING X 8G

Text by 宮崎真一


GeForce GTX 1070 GAMING X 8G
メーカー:MSI
問い合わせ先:アスク(販売代理店)サポートセンター 03-5215-5652(平日10:00〜12:00および平日13:00〜16:00)
価格:6万2000〜6万9000円程度(※2016年7月9日現在)
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 「GeForce GTX 980 Ti」以上の性能を,100W近く低い消費電力で実現するGPUとして注目を集める「GeForce GTX 1070」(以下,GTX 1070)だが,Founders Edition登場ラッシュが一段落した後は,冷却性能や静音性の高さ自慢のオリジナルGPUクーラー搭載モデルが人気を集めつつあるようだ。

 今回取り上げるMSIの「GeForce GTX 1070 GAMING X 8G」(以下,GTX 1070 GAMING X 8G)も,そんなオリジナルクーラー搭載モデルの1つである。本製品は,6月11日の記事でテスト結果をお伝えしている「GeForce GTX 1080」(以下,GTX 1080)搭載カード「GeForce GTX 1080 GAMING X 8G」(以下,GTX 1080 GAMING X 8G」のGTX 1070版とも言えるカードだが,その実力は果たして上位GPU搭載モデル譲りと言えるだろうか。気になる消費電力や静音性も含め,テストしてみたい。


3つの動作モードを持つのはGTX 1080 GAMING X 8Gと同じ。動作クロックは最大で1900MHz台後半に


GTX 1070 GPU
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 GTX 1070というGPUがどういう製品なのかは同GPUのレビューを見てもらうとして,さっそく,GTX 1070 GAMING X 8Gのカードそのものを見ていこう。

 GTX 1070 GAMING X 8Gは,GTX 1080 GAMING X 8Gと同じく,「OCモード」「ゲーミングモード」「サイレントモード」という3つの動作モードを持ち,MSI独自ユーティリティソフト「Gaming APP」(Version 6.0.0.08)から切り換えられるようになっている。各動作モードの動作クロックは以下のとおりで,いずれの動作モードも,メーカー保証の範囲内で利用可能だ。

  • OCモード:ベース1607MHz,ブースト1797MHz,メモリ8108MHz相当
  • ゲーミングモード:ベース1582MHz,ブースト1771MHz,メモリ8010MHz相当
  • サイレントモード:ベース1506MHz,ブースト1683MHz,メモリ8010MHz相当

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 GTX 1070のリファレンススペックだと,ベース1506MHz,ブースト1683MHz,メモリ8008MHz相当なので,サイレントモードはほぼリファレンスどおりとなる。
 ゲーミングモードはGPUコアクロックがリファレンス比で約5%高くなり,OCモードはゲーミングモードからベースおよびブーストクロックがさらに25MHz,さらにメモリクロックも98MHz相当(実クロック約24.5MHz)それぞれ高くなっている。

 ちなみに,後述するテスト環境でGaming APPから動作クロックを確認すると,ブースト最大クロックはOCモードで1974MHz,ゲーミングモードは1949MHz,サイレントモードは1873MHzだった。さすがに2GHz超えまではしていないが,GTX 1070のFounders Editionだと1822MHzまでしか上がらなかったので,GTX 1070 GAMING X 8Gの動作クロックはかなり伸びていると言っていいのではなかろうか。

Gaming APPでは,[OCモード][ゲーミングモード][サイレントモード]の各ボタンをクリックするだけで動作モードを変更可能。動作クロックはタコメーターでリアルタイムに確認可能なので,それを使ってテスト中の最大クロックを追ったものが,ここで示しているスクリーンショットとなる
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GTX 1070 GAMING X 8Gの外観はGTX 1080 GAMING X 8Gと瓜二つ


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 動作クロック仕様を確認したところで,ハードウェアとしてのカードも確認しておこう。
 GTX 1070 GAMING X 8Gが採用するGPUクーラーは,2スロット占有タイプの「Twin Frozr VI」で,その外観はGTX 1080 GAMING X 8Gと瓜二つ。カード長も実測で約278mm(※突起部除く)とGTX 1080 GAMING X 8Gと同じで,マザーボードに差したとき,Founders Editionより垂直方向に約34mm長い点も変わらない。補助電源コネクタが8ピン×1+6ピン×1という仕様なのも変わらないため,外観上の違いはまったくないと言い切ってしまっていいほどだ。

GTX 1080 GAMING X 8Gと同じデザインにしか見えないGTX 1070 GAMING X 8G。違いは本体背面の補強板でMSIロゴマークの上に見える製品シールだけといった雰囲気である
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GTX 1070 Founders Editionと比べて6ピン1系統が増えた外部電源コネクタ部(左)。右はビデオ出力インタフェースで,DisplayPort 1.4×3,HDMI 2.0b×1,Dual-Link DVI-D×1。構成は,並びも含めてGTX 1070 Founders Editionと同じだ
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Torx Fan 2.0仕様の羽に寄ったところ(上)と,Gaming APP側のZero Frozr有効/無効切り替えスイッチ
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 見た目が同じなので当たり前といえばそれまでだが,搭載するTwin Frozr VIクーラーも,GTX 1080 GAMING X 8Gとまったく同じもののようで,エッジの傾斜が異なる羽を交互に配置する「Torx Fan 2.0」(トルクスファン2.0)仕様を採用した100mm角相当のファンを2基搭載する点や,GPUコアの温度が60℃を下回っている状況ではファンの回転を止める「Zero Frozr」(ゼロフローザー)機能を実装している点,側面にある,MSIロゴと龍のイラスト部に埋め込まれたLEDの色や光り方をGaming APPから変更できる点は完全に同じだ。
 なお,Zero Frozr機能は,Gaming APPから有効/無効を切り換えられる。工場出荷時は有効なので,アイドル時のGPU温度を低く保ちたい場合は無効にするといいだろう。ユーザー側で選べるのはありがたい。

Gaming APPからMSIロゴと龍の色を緑(左),赤(右)にそれぞれ設定したところ。クーラー上にある赤い稲妻のような意匠部は光り方のみ設定可能で,色が赤に固定となる点も含め,GTX 1080 GAMING X 8Gと変わらない
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GPUクーラーを取り外したところ
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 GPUクーラーの取り外しは自己責任であり,取り外した時点でメーカー保証は受けられなくなることを断りつつ,今回はレビューのため特別に取り外して,もっと詳しく見ていこう。

 まず取り外したクーラーから見ると,ヒートパイプは8mm径が1本,6mm径が4本。GPUの熱を受ける枕とヒートパイプをつなげる部分で隙間を少なくすることにより熱抵抗を下げるという仕様も含め,やはりGTX 1080 GAMING X 8Gと同じである。外観もヒートシンクの仕様も,上位GPU搭載モデルとまったく同一という理解でよさそうだ。
 メモリチップにヒートスプレッダ兼補強板,電源部には放熱フィン付きのヒートシンクをそれぞれ装着している点もGTX 1080 GAMING X 8Gと同じである。

いい加減くどいと思うが,GTX 1080 GAMING X 8Gが搭載するTwin Frozr VIクーラーとの間に違いは見出せない
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ヒートスプレッダやヒートシンクの仕様も変わらないようだ。カード背面側の補強板を外すと,「上位モデルであるGAMING Zでのみ使う,カード背面側のLEDを光らせるための端子」があるのもGTX 1080 GAMING X 8Gと同じだった
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基板全景。PCI Express x16端子のすぐ近くにV330 VER:5.0というシルク印刷があった
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ちなみにこちらがGTX 1080 GAMING X 8Gの基板。シルク印刷が異なるだけでなく,電源部も異なっている
 基板は,ぱっと見ただけだとGTX 1080 GAMING X 8Gと同じように見えるのだが,シルク印刷を見ると,GTX 1080 GAMING X 8Gが「V336 VER:3.0」なのに対してGTX 1070 GAMING X 8Gが「V330 VER:5.0」と,若干異なっている。また,よく見ると電源部にも違いがあり,GTX 1070 GAMING X 8Gのほうが若干スッキリした印象を受ける。

 GPUレビューで明らかになっているとおり,GTX 1070の消費電力はGTX 1080よりかなり低い。そのためMSIは,10フェーズという電源構成,そしてMSI独自の品質規格「Military Class 4」に準拠した部材採用という部分はGTX 1080と揃えつつ,一定レベルのコストダウンを図ったのではないだろうか。

GTX 1070 GAMING X 8Gの電源部(左)。GTX 1080 GAMING X 8Gと比べるとチップコンデンサの数なども減っており,「消費電力がGTX 1080より低いGTX 1070に合わせたコストダウン」の影響を見てとれる。その電源部には,「Hi-c CAP」コンデンサや,日本メーカー製の固体コンデンサ,「Super Ferrite Choke」といった,「Military Class 4」に準拠した高耐性品が並ぶ(右)
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デジタルPWMコントローラは,GTX 1070 GAMING X 8Gと同じく「μP9511P」を搭載
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メモリチップはMicron Technology製のGDDR5「K4G80325FB-HC25」だった


3つの動作モードすべてでテストを行い,「上積み」度合いを見る


 今回,比較対象にはGTX 1080とGTX 1070の両Founders Editionを用意。さらに,GTX 1070 GAMING X 8Gは前述したつの動作モード全部でテストを行うことにし,グラフ中に限り,スペースの都合から「GAMING X 8G(OC)」「GAMING X 8G(ゲーミング)」「GAMING X 8G(サイレント)」と書いて区別する。
 要するに,GTX 1070 GAMING X 8GはGTX 1070のFounders Editionと比べてどれだけ高い性能を発揮し,GTX 1080 Founders Editionにどこまで迫れるかを見ようというわけである。

 用いたグラフィックスドライバは「GeForce 368.39 Driver」で,これはテスト開始時の最新版だ。それ以外のテスト環境はのとおりとなる。

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 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション18.0準拠。解像度は,GTX 1070というGPUがハイエンド市場向けであることから,2560×1440ドットと3840×2160ドットを選択している。

 なお,これはいつもどおりだが,CPU「Core i7-6700K」の自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」は,テスト状況によって挙動が変わる可能性を排除すべく,マザーボードのUEFI(≒BIOS)から無効化してあるので,あらかじめお断りしておきたい。


クーラーの性能で高いブーストクロックを実現するGTX 1070 GAMING X 8G。ただし動作モードごとの違いは大きくない


 グラフ1の「3DMark」(Version 2.0.2530)からテスト結果を見ていこう。
 GTX 1070 GAMING X 8Gの標準仕様となるゲーミングモードは,GTX 1070と比べて5〜8%程度高いスコアを示し,クロックアップの効果を確認できる。リファレンスクロック設定となるサイレントモードでもGTX 1070より3〜5%程度高いスコアを得られているのは,Twin Frozr VIクーラーの恩恵で,「GPU Boost 3.0」の効果が高まったためだろう。
 一方,3つの動作モードで得られるスコアは階段状で,モードの違いがスコアと結びついているものの,その違いはそれほど大きくなく,OCモードであっても,GTX 1080とのスコア差はまったく埋められていない。

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 続いて,「Far Cry Primal」の結果がグラフ2,3となるが,ここではGTX 1070 GAMING X 8Gの3モードに,スコア差がほとんど出ていない。厳正を期せば,サイレントモードはGTX 1070寄りのスコアになっており,それと比べるとOCおよびゲーミングモードのスコアは高いものの,ならこれを体感できるかというと,最大でも3fpsでは難しい。

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 グラフ4,5にスコアをまとめた「ARK: Survival Evolved」(以下,ARK)は,なんというか,一言で説明しづらい。
 全体としてはFar Cry Primalと同じ傾向が見られるものの,解像度3840×2160ドットでは,明らかなスコアの頭打ちが見られる。
 GTX 1070のレビューで筆者は,高負荷条件でシェーダプロセッサ数よりも動作クロックがスコアに影響を及ぼしやすくなったのではないかという指摘を行った。しかし今回,動作クロックの異なる3条件でGTX 1070 GAMING X 8Gのスコアを並べた感じだと,「Low」プリセットでは多少,そういうことも言えるかもしれないが,「High」プリセットを見る限り,別の要因の存在があると言わざるを得ないだろう。

 ARKは,北米時間6月22日リリースのパッチ「V243」(関連リンク)で,描画性能が33%改善した。現在も開発が進んでいるタイトルということもあり,結論を出すにはもう少し時間が必要かもしれない。

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 「Tom Clancy’s The Division」(以下,The Division)の結果がグラフ6,7になるが,GTX 1070 GAMING X 8Gは,GTX 1070に対して6〜9%程度高い結果なので,3DMarkと似たような傾向とは言えるだろう。ただし,3つある動作モードごとの違いはあるものの,体感できるレベルではない。

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 グラフ8,9の「Fallout 4」は,ある意味でとても分かりやすい結果となった。相対的に描画負荷の低い2560×1440ドットではGTX 1070 GAMING X 8GがGTX 1080に迫るが,描画負荷が高くなる3840×2160では“地力”の違いでGTX 1080に置いて行かれてしまう。

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 「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(以下,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチ)における結果をまとめたものがグラフ10,11だ。
 端的に述べて,スコア傾向は3DMarkを踏襲している。GTX 1070 GAMING X 8Gの3モードは階段状のスコアを示し,対GTX 1070でOCモードは102〜110%程度,ゲーミングモードは102〜109%程度,サイレントモードは101〜106%程度といったところである。
 もちろん,GTX 1080にはまったく歯が立たない。

※グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートベースのスコアを表示します
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 グラフ12,13は「Project CARS」の結果だ。Project CARSのスコアはFallout 4に近く,2560×1440ドットではGTX 1070 GAMING X 8GがGTX 1080に迫る一方で,3840×2160ドットでは離されている。

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GTX 1070から50W前後消費電力が増加。Twin Frozr VIの冷却性能と静音性は優秀


 先に評価したGTX 1080 GAMING X 8GがGTX 1080のFounders Editionと比べて消費電力がかなり増えてしまったことと,そのGTX 1080 GAMING X 8Gとよく似たカードデザインを採用することから,GTX 1070 GAMING X 8Gでも消費電力の増加が懸念されるが,実際にはどうか。ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を利用して,システム全体での消費電力を測定,比較してみよう。

 テストにあたってはゲームでの利用を想定し,ディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき最も高い消費電力値を記録した時点をタイトルごとの実行時とした。

 その結果はグラフ14のとおりだ。アイドル時は見事に52℃で横並びとなったが,アプリケーション実行時に目を移すと,案の定といった感じになっている。
 GTX 1070 GAMING X 8Gのゲーミングモードは,GTX 1070と比べて28〜52W高いスコアを示し,Fallout 4とFFXIV,Project CARSの3タイトルでは対GTX 1080でも上回ってしまった。高い動作クロックの実現を目指してカード設計した場合には,こういう結果になってしまうということなのだろう。GTX 1070 GAMING X 8Gでも,Founders Editionと比べて消費電力が上がることは押さえておいたほうがいいだろう。

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 Twin Frozr VIクーラーの冷却能力を見るべく,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,TechPowerUp製のGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.8.9)から温度を取得した結果がグラフ15となる。
 テスト時の室温は約24℃。システムはPCケースに組み込まず,いわゆるバラック状態に置いているので,この点は注意してほしい。

 GTX 1070 GAMING X 8GとGTX 1070 Founders Editionでは,温度センサーの位置が同じとは断言できず,また,ファン回転数の制御方法ももちろん異なるので,横並びの比較はできない。なので,あくまでもGTX 1070 GAMING X 8Gのスコアを見てもらえればと思うが,まずアイドル時は(標準設定だと)ファンが停止するため,GPU温度はやや高くなる。とはいえ,いずれも50℃弱であり,問題のないレベルだ。
 一方の高負荷時は,いずれの動作モードでも71℃で揃った。Twin Frozr VIクーラーは申し分のない冷却能力を持っていると断言してしまっていい。

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 気になる動作音だが,今回はカメラをカードと正対する形で30cm離した地点に置いて,音声付きのビデオとして撮影してみた。その結果をYouTubeにアップしたので,それを確認してほしいと思う。
 ここでは,PCをアイドル状態で1分間放置し,その後,FFXIV蒼天のイシュガルド ベンチを最高品質の3840×2160ドットで4分間実行した合計約5分間をビデオとしている。Gaming APPの設定は標準のゲーミングモードだ。

 テスト開始後1分間は,ファンが停止しているため,周囲の環境音しか聞こえない。そして,1分後にベンチマークを実行すると,その約20秒後(※ファイル冒頭から80秒後)からファンが回転を始め,徐々に回転数が増大していくのが分かるはずだ。
 ベンチマーク実行3分後(ファイル冒頭から4分後)にはそれなりの動作音が聞こえる。また,多少のコイル鳴きも確認できるが,PCケースに入れてしまえば気にならないレベルの静音性があると言っていいと思う。



GPUクーラーの冷却性能と静音性を重視するなら魅力的な1枚


製品ボックス
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 GTX 1070 GAMING X 8Gの,クロックアップモデルとしての価値はそれほど大きくない。GTX 1080 GAMING X 8Gでも指摘したが,Gaming APPで動作モードを切り替えるメリットが乏しい点もマイナスだ。
 ただし,Twin Frozr VIの冷却性能と静音性は優秀で,そこは評価できる。クロックアップの効果もないわけではないので,高い性能のGPUを静かに運用したいという場合に,GTX 1070 GAMING X 8Gは有力な選択肢となるだろう。

 ちなみに7月9日時点で,GTX 1070 Founders Editionの実勢価格は5万8000〜6万5000円程度。それだけに,現在6万2000円〜6万9000円程度という実勢価格のGTX 1070 GAMING X 8Gの価格は,もうちょっと値下がってほしいところではあるが,それは時間が解決する問題かもしれない。

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