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少年よ,加速せよ。「放課後ライトノベル」第90回は『アクセル・ワールド』で加速世界にバースト・リンク
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印刷2012/04/28 10:00

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少年よ,加速せよ。「放課後ライトノベル」第90回は『アクセル・ワールド』で加速世界にバースト・リンク



 闇に飲まれよ!(訳:お疲れ様です!)
 このところ,身の回りで「アイドルマスター シンデレラガールズ」のプレイヤーが着々と増えており,日々肩身の狭い思いをしている筆者です。

 まあ,これだけ周囲にプロデューサーがいると嫌でもいろいろ情報が入ってくるわけで,それを目にしてまったく心が動かないかというと,そういうわけでもない。きらりんはにょわー☆可愛いし,杏はニート可愛い。かな子はふくよか可愛いし及川さんは(以下略)。そんな彼女たちをプロデュースし,コミュニケートするのはさぞ楽しいだろうなあとも思う。

 にも関わらず,筆者がなかなか最初の一歩を踏み出せない理由の1つは,プロデューサー達の会話の中で「殴る」とか「食わせる」とかいう不穏な単語をしばしば聞くから。えっ,アイドルをプロデュースするゲームじゃなかったの!? アイドルって,バーストリンカーの別名だったりするの!?

 そんなわけで今回の「放課後ライトノベル」では,ガチャを回したりトレードしたりしない代わりに,仮想世界でキャラクターたちが対戦格闘を行う『アクセル・ワールド』をご紹介。この春から放映中のアニメ版で知ったという読者も多いだろう本作だが,原作最新刊はこんなことになってるんですよ。

少年よ,加速せよ。「放課後ライトノベル」第90回は『アクセル・ワールド』で加速世界にバースト・リンク
『アクセル・ワールド11 ―超硬の狼―』

著者:川原礫
イラストレーター:HIMA
出版社/レーベル:アスキー・メディアワークス/電撃文庫
価格:578円(税込)
ISBN:978-4-04-886521-0

→この書籍をAmazon.co.jpで購入する


●まだ見ぬ自分に変わるため,少年は《加速》する


 西暦2046年。首に装着することで,脳と量子的に接続し,五感のサポートやネットワークへの接続など,さまざまな角度から人々の生活を支える携帯端末《ニューロリンカー》が一般化した時代。クラスメイトからのいじめに耐える日々を送っていた中学1年生の有田春雪(ありたはるゆき)は,ある日,学内ネットワークの中で1人の少女に出会う。

もっと先へ……《加速》したくはないか、少年

 そんな不思議な言葉でハルユキを誘った彼女――その正体は,ハルユキの学校の生徒会副会長を務める少女,通称“黒雪姫”だった。彼女がハルユキに持ちかけたのは,《ブレイン・バースト》なるゲームへの参加。それは,人間の意識を1000倍に加速し,仮想世界の中で仮想体(アバター)を駆って戦う対戦格闘ゲームだった。自分を変えるため,自らを見いだしてくれた黒雪姫に応えるため,ハルユキはブレイン・バーストのプレイヤー――バーストリンカーとなることを決意する。

 以来ハルユキは,銀色のアバターを持つバーストリンカー《シルバー・クロウ》として,ほかのバーストリンカーたちと数々の激闘を繰り広げてきた。だが《ブレイン・バースト》には,単なるオンラインゲームの枠を超えた,さまざまな謎が隠されていた……。


●1000倍に加速された世界での激闘。その興奮だけは,仮想ではない


 近未来のテクノロジーを駆使して作り上げられた《ブレイン・バースト》を物語の根幹に据えた『アクセル・ワールド』だが,そこで描かれるストーリーは,むしろひと昔前の少年マンガを髣髴とさせる。自らを鍛え,あるいは仲間と力を合わせることで,強敵を撃破していく――友情・努力・勝利を地で行く,てらいのない展開が,相性がものを言う異能力バトルが定番の今日ではかえって新鮮。加速世界の中で,1週間にわたって(現実世界では10分程度)特訓するというエピソードに「精神と時の部屋」を連想したのは筆者だけではないだろう。

 とはいえ,駆け引きの要素がまったくないということではない。遠距離攻撃から近接攻撃,特殊攻撃まで,なんでもありの《ブレイン・バースト》では,プレイヤーの機転でいかにその不利を覆すかが肝となる。追い詰められ,HPが残りわずかな状況から大逆転,といった対戦格闘ゲームの醍醐味は,本作でもしっかりと描かれている。

 一方で加速世界の支配者と呼べる《純色の七王》を始めとする上位ランカーの実力は,生半可な工夫では容易に超えられないほどすさまじく,その鬼神のような戦いぶりも本作の見どころの1つ。もっとも作中では,そんな彼らですら手も足も出ないようなエネミー(プレイヤー操作でない,いわゆるモンスター)なんていうのも登場しており,その強さをひと言で言うなら「どうあがいても絶望」。

 《ブレイン・バースト》ではプレイヤー一人ひとりが持つ「心の傷」が重要な意味を持っており,アバターの能力にもそれが深く反映されている。強くなるために,それぞれの登場人物が戦いの中で己の傷と向き合い,それを乗り越えていく様は,ここぞというところでしっかりと盛り上がるバトルの描写と相まって,胸にぐっと来るものがある。もちろんその際にも,仲間との絆が大きな支えになるのは言うまでもない。


●新たなる目的,新たなる敵,そして新たなる謎


 アニメの放映開始と同時期に刊行された最新11巻では,それまで複数巻にわたって描かれてきたエピソードが一段落し,新章の開幕とでも言うべきストーリーが展開する。

 加速世界で暗躍する謎の組織《加速研究会》の陰謀を止めるため,彼らの重要拠点と思しき場所の攻略を決定した七王。だがそのためには,門番役である超絶威力の技を持つエネミーを突破する必要がある。その技を破るためのアビリティを習得する役として白羽の矢が立てられたのは,ほかでもないハルユキ=《シルバー・クロウ》だった。

 突然の難題を抱えることになったハルユキの前に,さらなる壁が立ちふさがる。加速世界に突然現れた謎のアバター《ウルフラム・サーベラス》。いかなる攻撃をも受け付けない“最硬”の装甲を持ち,レベル1にして高レベルリンカーと互角以上に渡り合う彼の正体は? 《加速研究会》とは関わりがあるのか? さまざまな謎が積み重なり,開幕直後から目が離せない展開となっている。

 もともと謎の多いゲームだったのが,巻を追うごとにさまざまなシステムが明らかになり,今や単なるいちゲームとは思えない規模の広がりを見せている《ブレイン・バースト》。基本的にはほかのあらゆるゲームと同じく,ゲームクリアを目指してプレイしているハルユキたちだが,次から次へとさまざまな難題が持ち上がり,10巻を超えた今もクリアへと至る道筋はまだまだ遠い。もっともそれは,今後長きにわたって読者を楽しませてくれそうだ,ということでもある。仮想世界に負けじと《加速》を続ける物語の行く末に思いを馳せつつ,次巻を楽しみに待ちたい。

■バーストリンカーじゃなくても分かる,川原礫作品

『ソードアート・オンライン1 アインクラッド』(著者:川原礫,イラスト:abec/電撃文庫)
→Amazon.co.jpで購入する
少年よ,加速せよ。「放課後ライトノベル」第90回は『アクセル・ワールド』で加速世界にバースト・リンク
 著者の川原礫は2009年,第18回電撃小説大賞を受賞した『アクセル・ワールド』でデビュー。その翌々月には早くも第2のシリーズ『ソードアート・オンライン』を開始。以来,2つのシリーズを途切れることなく発表し続けており,デビューから3年強にして著作の数は20冊を数える。
 デビュー以前より九里史生名義でWeb上にて執筆活動をしており,『アクセル・ワールド』はもともとはWeb上で発表していたものを投稿,受賞に至ったという経緯を持つ。『ソードアート・オンライン』も同じくWeb上で発表され,個人サイトでありながら650万ものPVを集めた人気作品。こちらも今年7月からのアニメ化が決定している。また,発表の場を商業に移した現在でも,たびたびWebや同人誌での新作発表が続けられている。
 『アクセル〜』『ソードアート〜』共に,「仮想世界を舞台とするゲーム」というモチーフは共通している。そのためか,『アクセル・ワールド』10巻に収録された短編の1つは,『ソードアート・オンライン』の主人公・キリトが加速世界に現れ,ハルユキと共演するという内容になっている(ただし,2作は明確にリンクするものではない,とのこと)。

■■宇佐見尚也(ライター/アイドルバスター)■■
『このライトノベルがすごい!』(宝島社)などで活動中のライター。本連載の相方である柿崎氏が,事あるごとに「『アイドルマスター シンデレラガールズ』始めましょうよ〜」と勧誘してくるのが,そろそろ本格的にうざくなってきたという宇佐見氏。「仕方ないので,『SR島村さんが出たら始めるのを検討するのもやぶさかではない』と言ってやりましたよ」と語る宇佐見氏だが,まずアナタが何言ってるのかよく分かりませんがな。
  • 関連タイトル:

    アクセル・ワールド -銀翼の覚醒-

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