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DX11&3枚差しに対応した「Big Bang-Fuzion」再検証。GeForce×Radeonの異種混合マルチGPUは使えるようになったか?
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印刷2010/07/07 10:00

レビュー

GeForce×Radeonの異種混合マルチGPUは使えるようになったか?

Big Bang-Fuzion
(+1.5.109ドライバ)

Text by 宮崎真一


Big Bang-Fuzion
メーカー:MSI
問い合わせ先:エムエスアイコンピュータージャパン Tel 03-5817-3389
実勢価格:2万5000〜3万4000円程度(※2010年7月7日現在)
画像集#003のサムネイル/DX11&3枚差しに対応した「Big Bang-Fuzion」再検証。GeForce×Radeonの異種混合マルチGPUは使えるようになったか?
 LucidLogix Technologies(以下,LucidLogix)の技術を採用し,NVIDIA SLI(以下,SLI)にもATI CrossFireX(以下,CFX)にも頼らない,自由な組み合わせの異種&異世代混合マルチGPUをサポートするとして話題を集めた,MSI製のゲーマー向けマザーボード「Big Bang-Fuzion」。そのポテンシャルを見るべく,4Gamerでは発売に合わせてテストを行ったが,そのとき用いた異種&異世代混合マルチGPU用ドライバソフトウェアの完成度は低く,「今後のドライバアップデートに期待」とまとめざるを得なかった。

 あれから約5か月。6月17日には,バージョン1.5世代の最新版となる1.5.109ドライバがリリースされたほか,MSIの日本法人であるエムエスアイコンピュータージャパンも「非常に良くなっている」とコメントするなど,状況に変化があった気配も見られるが,実際のところ,何がどう変わったのか。再検証を通じて,“Fuzionマザーボード”の価値をもう一度捉え直してみたいと思う。


DirectX 11や3-way構成などを新たにサポート

“プライマリGPU指定”もなくなった?


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Hydra EngineあらためFuzion Technologyを実現するブリッジチップ
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エムエスアイコンピュータージャパンのWebサイトにあるFuzion Technologyのロゴ
 Big Bang-Fuzionの基本仕様は1月16日に掲載したレビュー記事を参考にしてほしいが,簡単にまとめると,MSIが「Fuzion Technology」と呼ぶ技術により,異種混合マルチGPU動作を実現した「Intel P55 Express」チップセット搭載マザーボードだ。当初,この異種混合マルチGPU技術には「Hydra Engine」,ブリッジチップには「Hydra 200」という名称がそれぞれ付けられていたが,MSIによれば,これらは商標権の問題から,Fuzion Technologyという呼称に改められたという。

 そんなFuzion Technologyで実現できる動作モードは,下記の3種類となる。

  • A-Mode:モデルナンバーや世代の異なるATI Radeonによる組み合わせ
  • N-Mode:モデルナンバーや世代の異なるGeForceによる組み合わせ
  • X-Mode:ATI RadeonとGeForceの組み合わせ

 G92以降のコアを採用したGeForce,もしくはモデルナンバーでHD 4000以降のATI Radeonを搭載したシングルGPU仕様のグラフィックスカードなら組み合わせの制限は基本的になく,差されたグラフィックスカードをドライバ側で認識し,最適な動作モードが自動的に選択される仕掛けである。対応OSは,A&N-Modeが32/64bit版Windows 7&Vista,X-Modeが32/64bit版Windows 7だ。

DirectX 11を新たにサポート。インジケータに「Hydra Engine」という表記がまだ残っているのはご愛敬か
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 1.5.109版のFuzion Technology用ドライバで注目すべきポイントは2つ。1つはDirectX 11をサポートしたことである。
 1月の時点だと「ATI Radeon HD 5000シリーズ対応だが,サポートするAPIはDirectX 9.x&10.x」という状態だったので,DirectX 11への対応を果たしたのは大きい。もちろん,NVIDIAのDirectX 11対応GPUであるGeForce GTX 400シリーズの対応も追加されている。

 もう1つは,“異種混合3-wayマルチGPU”のサポートが追加されたこと。GPUメーカーのリファレンスでは3-way動作に対応していない製品も含め,任意の3製品を組み合わせてマルチGPU動作させられるようになったのである。
 というわけで今回は,エムエスアイコンピュータージャパンの主張するパフォーマンス向上が見られるのかという点とは別に,以上2つの新要素についてもテストすることになる。

 ただ,本格的なテストに移る前に,確認しておかねばならないことがある。というのも,バージョン1.4世代のFuzion Technologyドライバでは,X-Mode時においてATI Radeonをプライマリで利用することが推奨されていたのに対し,バージョン1.5世代ではその言及がなく,どちらをプライマリで用いるべきか,はっきりしないのだ。
 そこでまずは,に示したテスト環境を用意し,3D性能が比較的近い「ATI Radeon HD 5850」(以下,HD 5850)と「GeForce GTX 465」(以下,GTX 465)とで,どちらをX-Modeのプライマリとして用いるべきか,基礎テストを行うことにした。

※HD 5850はリファレンスカードを優先して用い,R5850 Twin Frozr IIは2-wayや3-way時に利用した
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 というわけでグラフ1,2は,プライマリにするGPUを切り替えながら,4Gamerのベンチマークレギュレーション9.2準拠で「3DMark06」(Build 1.2.0)を実行した結果となる。
 ご覧のとおり,スコアの差はほとんどない。もちろん,3DMarkのスコアだけで全体を語るのは早計に過ぎるが,LucidLogixやMSIがプライマリGPUの推奨を行っていないことも踏まえると,バージョン1.5世代では,プライマリGPUの制約がなくなった可能性が高いと述べていいのではなかろうか。使い勝手という観点では,大きな改善といえそうである。
 なお,よく見るとGTX 465をプライマリにした「GTX 465+HD 5850[X]」のほうがスコアは高いため,今回X-Modeのテストに当たってはGTX 465をプライマリとする。この点はあらかじめお断りしておきたい。

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HD 5850とGTX 465の組み合わせでテスト

DirectX 11,一部3-way構成も


 テスト環境は先ほど示したとおりだが,なぜHD 5850とGTX 465を選んだのか,疑問に感じる読者も少なくないだろう。それは,先のレビュー記事において,異種混合マルチGPUにおいては,組み合わせるGPUの性能差が小さいときのほうがパフォーマンスを発揮しやすいというデータが得られているためだ。DirectX 11世代のテストにあたり,まずはベストケースで試してみようというわけである。

本文ではあえて触れていないが,1.5版ドライバでは,X-Modeにおいてマルチディスプレイ出力がサポートされており,「プライマリディスプレイでゲームを実行しつつ,セカンダリGPUからセカンダリディスプレイへ別の映像を出力する」といったことは,試した限り確かに可能だった。組み合わせ例はMSIの英語Webサイト内の「Fuzion Zone」にあるので,興味のある人は合わせてチェックしてほしい
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 これも先ほど述べたように,テストはベンチマークレギュレーション9.2準拠。ただし,スケジュールの都合上,3DMark06のほかは,「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4)と「バイオハザード5」に絞っている。ただし,Fuzion Technologyは依然として日本語版バイオハザード5をサポートしていないため,今回は英語版公式ベンチマークソフトを利用することにした。
 また,当初「Colin McRae: DiRT 2」でのテストを予定していたのだが,本タイトルもFuzion Technologyからサポートされていなかったため,DirectX 11世代のテストを追加すべく,今回は「S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat」(以下,STALKER CoP)の公式ベンチマークソフトを利用し,DirectX 11モードにおける「Day」と「SunShafts」のスコアを採用する。

 ハイエンドクラスの製品によるマルチGPU構成の検証ということもあり,解像度は1680×1050/1920×1200/2560×1600ドットの3パターンを選択。テスト開始時期の都合上,グラフィックスドライバが「ATI Catalyst 10.5」および「GeForce Driver 257.21」になっている点はご容赦いただきたい。
 なお以下,文中とグラフ中ともに,HD 5850のCFX構成は「HD 5850 CFX」および「HD 5850 3-way CFX」と表記することや,Fuzion Technologyを用いたA-ModeやN-Modeは(GPU名×用いるGPUの数[モード名頭文字])と表記する。


DX11&3-wayは「とりあえず動作はする」レベル

最適化が進んでいる3DMark06のスコアは良好だが……


 ベンチマークスコアを順番にチェックしていこう。グラフ3,4は,3DMark06の総合スコアをまとめたものになる。
 注目すべきポイントはいくつかあるが,そのなかでも「2-wayのHD 5850 CFXとHD 5850×2[A]にスコアの差がほとんどなく,3DMark06において,Fuzion TechnologyがCFXと同等の性能を発揮できている」点は重要だ。
 また,GTX 465×2[N]も,シングルカード動作時と比べたときに,4xアンチエイリアシングと16x異方性フィルタリングを適用した「高負荷設定」で最大36%,GTX 465+HD 5850[X]だと同条件でシングルカード動作時と比べて64%高いスコアをそれぞれ示している。Fuzion動作のメリットは十分確認できると言っていいだろう。

 しかし,“3-way Fuzion”となるHD 5850×3[A]は,動作こそしているものの,HD 5850×2[A]比でのスコアの伸びがほとんど認められず。付け加えるなら,高負荷設定の2560×1600ドットだとスコアが落ちてしまっており,ドライバの完成度がまだ足りていない印象を受ける。
 なお,HD 5850 3-way CFXのスコアがN/Aなのは,3DMark06のCPU Testで必ずシステムがフリーズしてしまうためで,「ATI Catalyst 10.6」を導入して追試しても,症状に変化は見られなかった。これはFuzion Technologyうんぬんというより,マザーボード,もしくはATI Catalyst側の問題ではなかろうか。

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 続いてグラフ5,6は,STALKER CoPの公式ベンチマークソフトで用意されているテスト項目中,最も描画負荷の低い「Day」の平均フレームレートをまとめたもの。ご覧のとおり,本タイトルではGTX 465+HD 5850[X]とGTX 465×2[N]の2パターンでテストが不正終了してしまう不具合が見られた。要するに,N-ModeとX-Modeは正常に動作しないわけだ。
 そこでA-Modeについて見ていくが,CFX動作だと,2-way,3-wayとスコアが伸びていくのに対し,A-ModeはHD 5850×2[A]の時点で2-wayのHD 5850 CFXに対して82〜95%のスコアに留まった。HD 5850×3[A]だと,それよりもさらに落ち込んでしまっており,3-way動作に向けたドライバの最適化が足りていない例の1つとなってしまった。

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 同じくSTALKER CoPから,最も描画負荷の高いテスト項目である「SunShafts」のスコアをまとめたのがグラフ7,8だが,傾向自体はDayと同じだ。描画負荷がトリガーになって何かが改善するといった期待はできそうにない。

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 DirectX 9世代のFPSとなるCall of Duty 4だと,今度はA-Modeが不安定。グラフ9,10に示したとおり,HD 5850×2[A]とHD 5850×3[A]だと,テスト以前にゲームが起動しなかった。ATI Catalyst 10.6を導入した追試を行ったが,結果は変わっていないので,Fuzion Technology側の問題が残っているということなのだろう。
 また,GTX 465+HD 5850[X]およびGTX 465×2[N]はひとまず動作しているものの,前者はシングルカード動作からのスコア向上がほとんど見込めず,後者に至ってはGTX 465シングルカード動作時の51〜66%まで落ち込むなど,惨憺たる結果である。

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 最後に示したグラフ11,12のバイオハザード5だと,STALKER CoPと同じく,N-ModeとX-Modeで動作不具合が発生。もっともGTX 465+HD 5850[X]は,1920×1200ドット以下の解像度なら問題なく動作したうえ,シングルカード動作時からスコアの向上も確認できたので,このあたりは,GPUの組み合わせ次第といったところかもしれない。
 動作自体はパーフェクトだったA-Modeだと,HD 5850×2[A]が,HD 5850シングルカードからスコアを伸ばす一方,HD 5850 CFXには届いていないことと,HD 5850×3[A]は,3枚動作の意義を見いだせない結果になっていることを指摘しておく必要がありそうだ。

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Fuzionに必要なのは機能追加でなく互換性向上

いっそうのサポート強化を望みたい


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 端的にまとめると,1月の時点で指摘した「ドライバの完成度が低い」という問題は,バージョン1.5世代でも改善されていない。プライマリGPUの制約がなくなったのは大きな前進だし,3DMark06に見える最適化の進み具合にも,一定の可能性を感じることはできるのだが,いかんせん実ゲーム動作周り,とくに新要素であるDirectX 11対応や3-way動作周りがメタメタに過ぎる。
 「新機能追加!」と謳うのはけっこうだが,より低廉なエントリーモデルがこれから登場するFuzionシリーズの今後を考えるに,いま重要なのは,せめて主要タイトルが問題なく動作するよう,1つ1つ問題点を潰していくことではなかろうか。少なくとも現時点では,新製品が登場し続けるGPUや,アップデートされ続けるグラフィックスドライバ,リリースされ続けるゲームタイトルへの対応といった基本部分が,後手に回っている印象を拭えない。

 COMPUTEX TAIPEI 2010でMSI以外の企業がいくつかブリッジチップ搭載製品を公開していたことを持ち出すまでもなく(関連記事1関連記事2),Fuzion Technologyは,マトモに動いてくれさえすれば,極めて魅力的なマルチGPUソリューションである。今後,いっそうのサポート強化を望みたいし,厳しいことを言えば,それができない限り,このソリューションが日の目を見るのは難しいだろう。
  • 関連タイトル:

    Big Bang

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