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GeForceとRadeonが協調動作するMSI製マザーボード「Big Bang-Fuzion」レビュー
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印刷2010/01/16 10:30

レビュー

GeForceとRadeonが協調動作する世界初のマザーボードは,真に歴史的な製品となれるか

MSI Big Bang-Fuzion

Text by 宮崎真一


 予定どおりであれば,本日(2010年1月16日),MSI製のゲーマー&オーバークロッカー向けマザーボード第2弾「Big Bang-Fuzion」が,PCパーツショップの店頭に並ぶはずだ。
 LucidLogix Technologies(以下,LucidLogix)製ブリッジチップ「Hydra 200」を搭載することにより,NVIDIA SLI(以下,SLI)にもATI CrossFireX(以下,CFX)にもよらない,新しいマルチGPUソリューション「Hydra Engine」を提供するという新製品。4Gamerでは,1月7日にパフォーマンス速報記事をお届けしているが,あらためて,Big Bang-Fuzionというマザーボードの可能性に迫ってみたいと思う。

Big Bang-Fuzion
メーカー:MSI,問い合わせ先:エムエスアイコンピュータージャパン Tel 03-5817-3389
予想実売価格:3万9800円前後(※2010年1月16日現在)
Big Bang


世界初のHydra 200搭載マザー

基本仕様はBig Bang-Trinergyを踏襲


 速報記事でもお伝えしたとおり,Big Bang-Fuzionは,「Intel P55 Express」(以下,P55)チップセットを搭載した,Big Bangブランドマザーボードの第1弾「Big Bang-Trinergy」の姉妹モデルに当たる製品だ。

MSI「Big Bang-Trinergy」発売直前検証(前)〜トピック満載のゲーマー向けマザーボード
MSI「Big Bang-Trinergy」発売直前検証(後)〜3-way SLI,OC Dashboard,QuantumWaveをチェック

Big Bang
LGA1156パッケージのCPUに対応したソケット周り。ドライバICとMOSFETをワンパッケージに統合し,低発熱動作を実現したDrMOSと,コイル泣きを防ぐ固体チョークコイルに,今回はHi-c Capが組み合わされている
Big Bang
I/Oインタフェース。左から三つめのブロックにある見慣れないコネクタが,OC Dashboard接続用だ
 ボード上のコンデンサには,MSIが「Hi-c Cap」と呼ぶ,三洋電機製の導電性高分子タンタル固体電解コンデンサ「POSCAP」を全面的に採用。POSCAPは,耐熱性が高く,大容量で,しかも背が低いという特徴を持っているため,電源周りの信頼性をアルミ固体コンデンサよりも大幅に高められるほか,コンデンサの高さが邪魔になったりしないので,大型のCPUクーラーを取り付けやすいメリットもあると,MSIはアピールしている。

 Hi-c Capと組み合わされるメインの電源部が8+2フェーズのDrMOS+固体チョークコイル構成となっている点や,メモリモジュールやPCI Express用電源回路も同様の構成になっている点,マザーボードのBIOS設定をカスタマイズできる外付けコントロールユニット「OC Dashboard」や,バーチャルサラウンド機能「THX TruStudio PC」に対応したPCI Express x1接続サウンドカード「QuantumWave Audio Card」が付属する点などは,Big Bang-Trinergyから変わっていない。

DIMMスロット,そして拡張スロット用電源回路にもDrMOS+固体チョークコイル。組み合わせされるコンデンサはもちろんHi-c Capである
Big Bang Big Bang
OC Dashboard(左)とQuantumWave Audio Card(右)。特徴や使い勝手に関しては,Big Bang-Trinergyのレビュー記事を参照してほしい
Big Bang Big Bang

Hydra 200
Big Bang
 Big Bang-Trinergyは,NVIDIA製のPCI Express 2.0ブリッジチップ「nForce 200」を搭載することで,3-way SLI構成を可能にしていたが,早い話,Big Bang-Fuzionは,そんな第1弾製品をベースに,ブリッジチップをHydra 200へ置き換えたものと断言してよさそうだ。
 実際,Big Bang-Fuzionは,Big Bang-Trinergyと瓜二つと言っていいほどよく似ているが,マルチGPUサポートは基本的にHydra 200任せとなるため,とくに認証プログラムのないCFXは利用可能である一方,SLIは非対応となるので,この点は注意しておきたい。

P55 PCHとHydra 200,電源部をつなぐパッシブクーラーは,ボードの背面からネジ留めされており,(メーカー保証外になることを覚悟すれば)簡単に取り外せる
Big Bang Big Bang


意外と多い協調動作の制約

プライマリGPUをどちらにするかも重要に?


Hydra Engineの動作概要。DirectX 9.x/10.x APIをインターセプトして動作する。ほかのAPI,例えばOpenGLなどへは,対応予定がないわけではないが,現在はDirectXに注力しているとのこと
Big Bang
 Hydra 200ブリッジチップは,LucidLogix独自のアルゴリズムにより,リアルタイムで複数のGPUへ負荷分散を行う。これにより,GPUの世代はもちろん,メーカーの垣根を越えた協調動作(=マルチGPU構成)が実現するという理屈だ。
 LucidLogixによれば,将来的には“3-way”動作も可能になるとのことだが,現時点での対応はシングルGPU仕様のグラフィックスカード2枚まで(=「GeForce GTX 295」や「ATI Radeon HD 5970」といったデュアルGPUソリューションは現状非対応)。その動作モードは,

  • N-Mode:デュアルGeForce
  • A-Mode:デュアルATI Radeon
  • X-Mode:GeForceとATI Radeonによる協調動作

の3種類が用意されている。
Big Bang-Fuzionでは,PCI Express x16スロットを3基搭載するが,このうち,CPU側に近い2基に差したカードでHydra Engineは動作する
Big Bang
 どのモードで動作するかは,装着するカードの組み合わせによって自動的に判別される。また,SLIやCFXのように,カード間をケーブルで接続してやる必要もないので,2基のPCI Express x16スロットへグラフィックスカードを差してやれば,自動的に認識され,利用できるようになる。このあたりは大変スマートだ。

 ただし,いくつか注意事項や制約もある。
 Hydra Engineを利用するためには,対応ドライバを入手する必要があることや,最新の1.4版ドライバでないと,「GeForce Driver Release 195非対応」「ATI Radeon HD 5000シリーズ非対応」になることは,速報でもお伝えしたとおりである。1.4版ドライバは,製品の正式発表後,MSIのBig Bang-Fuzionサポートページから「1.4.106」版として入手できるようになったので,この点は問題ないのだが,実は,この1.4.106版ドライバに付属するドキュメントと実際では,「X-Modeでプライマリに差すべきグラフィックスカード」の指定が異なっている。

Big Bang-Fuzionサポートページ

Big Bang
HYDRA_QG(G52-75822X5)-02.jpgより。X-ModeではGeForceをプライマリで用いるよう推奨されている
David Belz氏(VP Research and Development, LucidLogix Technologies)。Big Bang-Fuzionの発表会終了後,4Gamerの質問に答えてくれた
 前提となる話をしておくと,X-Modeでは,GeForceとATI RadeonのどちらをプライマリGPU(=ディスプレイ出力を行う側)としても動作する。そして,1.4.106版ドライバソフトの付属ドキュメント,というかjpeg形式の画像ファイル「HYDRA_QG(G52-75822X5)-02.jpg」では,GeForceをプライマリで利用するよう推奨されている。

 しかし,Big Bang-Fuzionの国内発表会に合わせて来日したLucidLogixのDavid Belz(デビッド・ベルズ)副社長は,「1.4版ドライバでは,ATI Radeonをプライマリで利用することを推奨する」と語っていた。
 Belz氏によると,1.4.106版ドライバでは,ATI Radeon HD 5000シリーズへの対応を図るなど,大規模な最適化を行った結果,ATI Radeon搭載グラフィックスカードをプライマリで用いたほうが,パフォーマンスは出るようになったのだそうだ。
 アプリケーションによっては,GeForceをプライマリにしたほうがいい場合もあると述べていた氏によると,「ドライバは3か月に1度のペースでアップデートを予定している。そして,リリース時における最適化状態によって,どちらをプライマリにすべきかは変わる」とのことだった。

非対応のグラフィックスドライバを導入すると,このようなエラーダイアログが表示され,Hydra Engineは自動的に無効化される
Big Bang
 なお,3モードにおける動作要件は速報で示したとおり。あらためて表1にまとめてみたが,このなかでもとくに注意しておきたいのは,対応ドライバである。
 というのも,Hydra 200は,表1に示したグラフィックスドライバを導入したときにしか動作しないからだ。これ以外のバージョンを導入すると,エラーダイアログが表示され,Hydra Engineは自動的に無効化される。「ATI Catalyst 9.7『以降』」とされているATI Catalystはさておき,GeForce Driverは,195.62より新しいものがリリースされても,それを利用するには,3か月に1度のリリースとされているHydra 200の新しいドライバが登場するのを待たなければならないのである。
 また,それは対応GPUも同じことで,表に示した対応GPU以外の製品が登場しても,Hydra Engineのドライバがアップデートされるまでは対応しない。


Hydra Control Panel。Gamesタブから対応タイトルを確認したり,リストにないタイトルを手動で登録したりできるが,後者がマトモに機能するのを期待するのはちょっと難しそう(※サムネイルをクリックすると,別ウインドウで全体を表示します)
Big Bang
 さらに,Hydra Engineでは,動作モードごとに対応ゲームタイトルやベンチマークソフトが指定されており,Hydra Engineの設定メニュー「Hydra Control Panel」の「Games」タブに名前の挙がっていないタイトルは,基本的に動作しない。このタブから,ユーザーが任意にタイトルを追加して,強制的にHydra Engineを有効化することも物理的には可能になっているのだが,試しに「Cyrsis Warhead」や「Race Driver: GRID」で試した限り,うまく動作しなかった。
 つまり,Hydra Engineを利用してプレイしたいタイトルがあっても,対応リストにない場合は,やはりドライバのアップデートを待つ必要があるわけだ。

1.4.106用ドライバソフトウェアに付属の画像ファイル「HYDRA_QG(G52-75822X5)-01.jpg」より,対応ゲームタイトル一覧
Big Bang


ATI Radeonをプライマリに全9パターンで比較

性能が近いGPUの組み合わせだと効果が出やすい?


 今回用意したテスト環境は表2のとおり。基本的には速報時と変わっていないが,グラフィックスカードの数は大幅に増やしている。なお,グラフィックスカードはいずれもリファレンスクロック動作の製品だ。


 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション8.4準拠だが,前述のとおり,対応タイトルの規定があるため,今回は「3DMark06」(Build 1.1.0),「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4),「バイオハザード5」の三つに絞る。バイオハザード5は,Hydra Engine側に,同タイトルの海外版である「Resident Evil 5」用の設定しか用意されていなかったため,今回は海外版の公式ベンチマークソフトを用いることにした。
 また,これではサンプルがやや少ないようにも思われたため,DirectX 10対応タイトルである「Call of Juarez」のベンチマークモードも試すことにしている。

Big Bang
 テスト解像度は,グラフィックス描画負荷が大きくなる1680×1050/1920×1200/2560×1600ドットの3パターン。ただし,「ATI Catalyst 9.12」ではDell製の30インチ液晶ディスプレイ「3007WFP」との組み合わせで,3DMark06を実行できず,別途用意した最大解像度1920×1200ドットディスプレイとの接続を余儀なくされたという理由,またCall of Juarezは,ベンチマークモードに2560×1600ドット設定が用意されていないという理由で,いずれも当該解像度でのテストを省略している。

Hydra Control Panelから,「Show logo in game」のチェックボックスを有効にすると,ゲーム中,画面左上にロゴが表示されるようになる。このロゴは,動作モードによって表示が変わるのだが,写真はATI RadeonをプライマリとしたX-Modeの様子
Big Bang
 なお以下,文中,グラフ中とも,GeForceやATI Radeonといったシリーズ名は省略することと,どの動作モードでも,先に書いてあるほうがプライマリのGPUであることをあらかじめお断りしておきたい。

 ……さて,本格的なテストへ入る前に,今回は,セカンダリGPUをGTX 285で固定し,プライマリGPUをHD 5870からHD 4670まで,さまざまなクラスのものに変更しながら3DMark06を実行し,さらに,用いた全カードのシングルカード構成とも比較してみることにした。
 ここでは,解像度1920×1200ドット,4xアンチエイリアシング&16x異方性フィルタリングを適用した「高負荷設定」という条件に絞り,3DMark06を実行しているが,その結果をまとめたものがグラフ1だ。GTX 285シングルカードに対して,HD 5850+GTX 285は30%,HD 4890+GTX 285は26%,HD 4870+GTX 285は21%の伸びで,この当たりのスコア上昇率が高い。とくにHD 4870+GTX 285は,HD 4870シングルカードと比べて47%という高い伸び率を示している点も目を引くところである。
 一方,HD 5870+GTX 285はHD 5850+GTX 285よりも若干スコアを落とし,HD 4670+GTX 285に至ってはシングルカードより28%も落ち込んでいる。


 以上の結果から,Hydra Engineは,3D性能が比較的近いGPU同士で組み合わせたほうが高いパフォーマンスを得られ,そうでない場合は,性能が低いほうに足を引っ張られるという推測ができそうだ。
 グラフ2,3は,総合スコアを“分解”して,項目ごとに見たSM 2.0スコアやHDR/SM 3.0スコアだが,ここも全体的には総合スコアを反映している印象。ただ,HD 5870+GTX 285やHD 5850+GTX 285のスコアを見ると,HDR/SM 3.0スコアが伸び悩んでおり,これがパフォーマンスが上がりきらない原因になっていることも見て取れる。


 同じく総合スコアから,CPUスコアをまとめたのがグラフ4で,ご覧のとおり,Hydra Engineを有効化した状態のスコアが7%ほど低い。Hydra Engineは,相応のCPU負荷があると見ていいだろう。



対応タイトルでも効果のバラつきあり

GPU間の性能差がある場合は期待薄


 前検証の結果を踏まえ,今回は,GPU同士の性能が近いものと離れているもの,それぞれを含めて,

《X-Mode》
  • HD 5870+GTX 285
  • HD 4890+GTX 285
  • HD 4670+GTX 285
《A-Mode》
  • HD 5870+HD 5870(以下,HD 5870 Hydra)
  • HD 5870+HD 4890
  • HD 4890+HD 4670
  • HD 5870+HD 4670
《N-Mode》
  • GTX 285+GTX 285(以下,GTX 285 Hydra)
  • GTX 285+9800 GT

という組み合わせで,テストを行うことにしたい。なお,HD 5870のデュアルGPU構成については,HD 5870 CFXでもテストを行い,HD 5870 Hydraと比較することにしている。

 というわけで,まずグラフ5,6はX-Modeにおける3DMark06の結果だが,これはグラフ1のそれを踏襲したものになった。
 ちなみに速報記事では,X-ModeでGTX 285+HD 5870(※GTX 285がプライマリ)という組み合わせを試しているが,そのときのスコアは18066。今回のほうがスコアは下がってしまったことになる。「どちらをプライマリで使うか」というのは,相当に根の深い問題かもしれない。

※グラフ5のHD 4670+GTX 285は,テスト中にアプリケーションが落ちるため,N/Aとした

 A-Modeのスコアに目を移すと,HD 5870 Hydraは,HD 5870 CFXとほぼ同じレベルのスコアを示している(グラフ7,8)。とくに1680×1050ドットではわずかながらも上回っており,相当に優秀だと言ってよさそうだ。
 一方,セカンダリにHD 4670を組み合わせた2パターンでは,スコアが大きく落ち込んでいる。X-Modeと同様,A-Modeでも,性能に大きな違いがあるGPUを組み合わせると,パフォーマンスは上がるどころか,むしろ低下することが確認できたことになる。


 これはN-Modeでも同じで,グラフ9に示したとおり,GTX 285 Hydraではシングルカード比でパフォーマンスの向上を確認できた一方,GTX 285+9800 GTにはなんの効果も確認できなかった。


 X-Mode,A-Mode,N-Modeのそれぞれについて,3DMark06のデフォルト設定におけるFeature Test実行結果をまとめたのが表3〜5だ。あまりにもスコアが荒れているため,グラフ化を断念した次第だが,少なくとも,「Hydra Engineを有効にすると,Pixel Shaderのスコアが異常に低く出る」ことは,傾向として断言できよう。
 そのほかの傾向は全体的に掴みづらく,「3DMark06は対応アプリケーションだが,そのFeature Testは非対応なのではないか」とさえ思えるほどだが,このあたりの“謎さ加減”が,Hydra Engineの課題とも指摘できそうである。


 対応ゲームタイトルにおけるテスト結果を見てみよう。
 グラフ10,11は,X-ModeにおけるCall of Duty 4のスコアだ。今回組み合わせた構成では,いずれもGTX 285のシングルカードよりも低いスコアになってしまっており,X-Modeで動作させるメリットが感じられない。


 また,A-Modeでは,3DMark06だとHD 5870 CFXと互角の勝負を演じたHD 5870 Hydraが大きく水を空けられるなど,全体的に振るわない(グラフ12,13)。3DMark06の高負荷設定でHD 5870シングルカードより高いスコアを示したHD 4890+HD 5870が,ここではスコアを落としているのも気になるところだ。


 N-Modeに至っては,GTX 285 HydraがGTX 285シングルカードの後塵を拝してしまっている(グラフ14)。


 これに対し,バイオハザード5だと,また異なる結果になった。
 グラフ15,16はX-Modeのテスト結果だが,2560×1600ドットで大きくスコアを落とし,ドライバの成熟度合いに懸念が残るものの,それ以外のテスト条件では,HD 5870+GTX 285とHD 4890+GTX 285がHD 5870シングルカードのスコアを安定して上回った。
 とくにHD 4890+GTX 285のスコア上昇率は,HD 4890シングルカードに対し,1680×1050&1920×1200ドットで29〜53%。型にはまったときの,Hydra Engineの爆発力はなかなかのものがある。


 A-Modeでも,X-Modeと似たような傾向を確認できる(グラフ17,18)。HD 5870 HydraがHD 5870 CFXに届かない一方,HD 4890+HD 5870は,2560×1600ドットまで安定してHD 5870シングルカードのスコアを上回った。


 グラフ19に示したN-Modeでも,GTX 285 Hydraはしっかりスコアを伸ばしている。日本語版が非対応という大きな問題はあるものの,バイオハザード5のエンジンそのものはHydra Engineと相性がいいといえそうだ。


 これがCall of Juarezではどうかだが,X-Modeではぱっとしない(グラフ20,21)。無理矢理いいところを探せば,標準設定の1920×1200ドットと高負荷設定時に,HD 5870+GTX 285,HD 4890+GTX 295は,GTX 285シングルカード比でいずれも数fpsほど高いスコアを示しているが,その程度である。


 A-Modeだと状況に変化があり,HD 5870 Hydraは,HD 5870を大きく上回るスコアを示す(グラフ22,23)。HD 5870 CFXにずいぶんと置いて行かれているのは気になるが,HD 4890+HD 5870が,HD 5870シングルカードを大なり小なり上回るスコアを示しているのは好材料か。


 最後にN-Modeだが,グラフ24を見ると,GTX 285のスコアはSLI動作しているかのような伸びを示している。これなら十二分に合格点といえそうだ。



画期的でユニークな製品なのは間違いなし

活かすも殺すも今後のサポート次第だ


 まとめよう。
 まずはっきりさせておくと,Hydra Engineは,ドライバの練度が決定的に低い。性能差が大きなGPUの組み合わせに,効果がないどころかマイナスなのはさておき,ある程度近い3D性能のGPU同士であればパフォーマンスの向上を期待できるというのは,3DMark06の結果から見て取れるが,それが,限られた対応タイトルでも100%の信頼を置けるものになっていないというのは,さすがに問題だ。

Big Bang-Fuzionの製品ボックス
Big Bang
 しかも,LucidLogixによれば,この問題が解決するのは,早くて3か月後である。LucidLogixがどれほどの規模でドライバ開発チームを抱えているのかは分からない――質問したが,回答は得られなかった――が,NVIDIAやAMDのGPUやグラフィックスドライバの登場サイクルを考えると,3か月ごとというアップデートサイクルは,少なくとも現在の完成度を踏まえるに,長すぎる。
 MSIは発表会で,「向こう3か月,Hydra 200を搭載したマザーボードはMSIからしか出てこない」と宣言していたので,それ以降は,各社から搭載製品が登場してくる可能性もあるが,せめてその蜜月期間だけでも,世界中のBig Bang-Fuzionユーザーからフィードバックを集め,月に1度くらいのペースでアップデートを行う必要があるのではなかろうか。

 異なる仕様のGPUを協調動作させられるのが,魅力的な機能であることに疑いの余地はない。使い古したカードを有効利用できるという点からも注目される可能性を大いに持っており,完成度さえ高まれば,相当に使いでのある技術といえるだろう。
 Big Bang-Fuzionが,真に歴史的なマザーボードとなるか,はたまた“変態マザー”の1枚で終わるかは,MSIやLucidLogixによる,今後のサポート体制がカギになるはずだ。
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    Intel 5

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