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【西川善司】6画面の原稿書きマシンを新調した話
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印刷2013/05/31 00:00

連載

【西川善司】6画面の原稿書きマシンを新調した話

西川善司 / グラフィックス技術と大画面と赤い車を愛するジャーナリスト

(善)後不覚

blog:http://www.z-z-z.jp/blog/


 ボクら記者(ジャーナリスト)は,それぞれ執筆環境にこだわりがあります。
 今や多くの同業者は,ノートPCを主体とした環境にしているのですが,ボクの場合,ノートPCは「出張用」という認識で,メインの原稿書きマシンはやはりデスクトップPCです。出張から帰宅すると,出張期間中に執筆した原稿ファイルや撮影した写真データはそのメインデスクトップPCにコピーして一元管理しています。

【西川善司】6画面の原稿書きマシンを新調した話
2007年当時の,筆者の原稿書きマシン。8画面環境で,ブラウン管が7台(笑)
【西川善司】6画面の原稿書きマシンを新調した話
こちらは2009年当時のもの。nForce 680 SLIベースなのは変わらず。7画面環境になりブラウン管が4台に減少した
 このデスクトップPCはRAID 1ベースで環境を構築してあり,Windows環境に移行してからの約十数年間分となる膨大な原稿ファイルや写真データをこのマシン1台で管理しています。
 なので,この原稿書きデスクトップPCは,あまり大きな仕様変更を行わずに,長く使います。直近まで使っていたマシンだと,CPUは「Core 2 Quad Q6600」で,マザーボードは「nForce 680 SLI」チップセット搭載のEVGA製という構成でした。

 チップセットビジネスから(事実上)撤退したNVIDIA製というあたりが奇異に映るかもしれませんが,なぜかというと,このマシンを組んだ2006年当時,3枚以上のグラフィックスカードを差せるマザーボードは,nForce 680 SLI搭載モデルしかなかったのです。筆者がライフワーク的にこだわり続けている多画面環境を構築するには“一択”だったわけですね。

 nForce 680 SLIだと,メモリシステムはDDR2ベースですし,最大容量も8GB止まり。6画面環境で数十ものウインドウを開いて作業をしていると,デスクトップマネージャが結構メモリを使ってしまい,動作が重くなってきてしまいます。2006年から約6年強の間に,アプリケーションソフトの規模が大きくなり,それぞれがメモリをより多く消費するようになったことも原因の1つでしょう。とにかく,CPUヘビー……というよりは,メモリヘビーな環境になってきてしまったんですね。
 ということで,5月の連休を利用して,原稿書きメインマシンを一新することにしました。


新マシンの構成パーツを選択する


マザーボードはASUSTeK Computer製のCrosshair V Formula-Zをチョイス
【西川善司】6画面の原稿書きマシンを新調した話
 コストパフォーマンスを重視して,CPUはAMDの8コアCPU「FX-8350」を選択。マザーボードは,多画面環境を構築することを最重要視し,「AMD 990FX」チップセット搭載の,ASUSTeK Computer製品「Crosshair V Formula-Z」にしました。PCI Express x16スロットが4本用意され,それらを16レーン×1,8レーン×2,4レーン×1で動作させることができるのです。

 メモリモジュールはPC3-12800 DDR3 SDRAMの8GBモデルを4枚用意して総容量32GBとしました。新マシン組み替えのきっかけが「メモリヘビー改善」でしたから,この部分も少しだけこだわっています。
 HDDもこの機会に一新しようと思い,Western Digital製の「WD Caviar Green」から,容量3TBのモデル(型番:WD30EZRX)を2台購入。従来マシンだと容量2TBのRAID 1だったので,容量は1.5倍になる計算です。

PCケースはLascala SST-LC17Bを利用。とっくの昔に販売終了となった,デスクトップタイプのATXケースだ
【西川善司】6画面の原稿書きマシンを新調した話
 一方,電源ユニットはそれまで所有していたものを流用しました。ちなみに電源は,2007年から約6年間の旧マシンのライフタイムの間に1回だけ新しくしていますので,そんなに古いものではありません。具体的には,Super Flower Computerの定格1000Wモデル「SF-1000P14XE」です。定格1000Wのモデルを使っているのは,旧マシンでもグラフィックスカードを3〜4枚差していたためですね。
 PCケースは,旧マシンで図体のでかいタワー型ケースを使っていましたが,nForce 680i SLIのマザーボードをそこから取り外すのは面倒だったので,死蔵していたSilverStone Technology製品「Lascala SST-LC17B」を引っ張り出してきて,それを使うことにしました。

 パーツの移植や組み立て工程は手慣れたものだったはずなのですが,いくつかの問題が発生しました。
 1つは,グラフィックスカードを3枚差すと,カードがHDDと干渉してしまうという初歩的なもの。PCケースのLascala SST-LC17BにはHDDベイが2つあるのですが,その両方がグラフィックスカードと干渉してしまうので,HDDベイを使わずに,とりあえず,HDDを筐体の底面にただ縦置きする形での設置を余儀なくされました。折を見て,大きめのケースにパーツを入れ直すべきかもしれませんね。

グラフィックスカード3枚差しで密度高すぎ(笑)。PCケースのLascala SST-LC17BはそもそもホームシアターPC向けなので,「GeForce GTX 280」や「GeForce GTX 260」搭載製品のような長尺カードを差す前提にはなっていないのだろう
【西川善司】6画面の原稿書きマシンを新調した話


黎明期のUEFIがもたらす「起動できないRAID 1アレイ」


 容量3TBのHDDをフルに使い切るためには,GPT(GUID Partition Table)フォーマットにしなければなりません。さらに,それを起動ドライブにするには,新しいBIOSの形であるUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)モードで当該ドライブを起動できるようにしなければなりません。

 もともとのマシンに入っていたHDDは容量2TBのMBR(Master Boot Record)フォーマットだったので,まずは,フォーマットをGPTへ変換しつつ,容量3TBのHDDへコピーする手立てが必要です。こうしたことが行えるユーティリティソフトがあるのか探したところ,アーク情報システムの「HD革命CopyDrive5 with PartitionEX2 Windows8対応パッケージ」(以下,HD革命CopyDrive5)が,その機能を有していると判明。ええ,迷うことなく購入いたしました。

【西川善司】6画面の原稿書きマシンを新調した話
HD革命CopyDrive5なら,MBRディスクをGPTディスクに変換しながらのコピーが可能
【西川善司】6画面の原稿書きマシンを新調した話
GPTフォーマットのRAID 1アレイとしてコピーはできるのだが,OSをブートさせられない
 HD革命CopyDrive5は,インストールすることなくCD-ROMブートで使える機能を持っているのでかなり便利です。「MBRフォーマットで容量2TBのHDDを,GPTフォーマットで容量3TBのHDDへ」というコピーを仕掛けて待つこと数時間,旧HDDの中身は,めでたくGPTフォーマットに変換されて新HDDにコピーされたのでした。

 ただ,Crosshair V Formula-ZのオンボードRAID機能で構築したRAID 1アレイは,どういうわけかUEFIからブートしてくれません。RAID 1アレイでなくシングルドライブにすると,UEFIからブートしてくれるのに,です。
 試しに,テスト用HDDを使い,MBRフォーマットでRAID 1アレイを構築して,ここにOSを新規インストールしてみたところ,問題なくブートできたので,今回は「ボクの環境だと,GPTベースのRAID 1アレイは起動ドライブにできない」と結論づけることにしました。UEFI関連はまだまだ抱える課題が多いようです。仕方ないので当面はシングルドライブ構成の3TBのGPTディスクで運用することにしました。

 そうそう,以前のマシンで使っていたOS入りHDDを新しいマザーボードにつなぐと高確率でBSoDを食らいますよね。これにはさまざまな原因が考えられますが,最も大きなネックとなり得るのは,Windowsの起動時にディスクドライブ(≒HDD)用I/Oインタフェースのドライバの読み込みに失敗しているためです。そしてこの事態は,Windowsをインストールした直後のように,ドライバを再構成しながら起動する振る舞いにすることで回避出来ます。その手法は,Keroberos氏のblogに書かれているので,興味のある人は参考にしてください。

 今回,筆者のケースでも,Intel製CPU+NVIDIA製チップセット環境上で動いていたWindowsシステム入りのHDDを,AMD製CPU+チップセット環境へ移行させたうえで起動したので,初回起動時は盛大にBSoDが発生しました。しかし,リンク先に書かれているテクニックを用いることで,無事,起動ドライブにまつわるドライバを再構成のうえ,問題なく起動できるようになっています。


6画面,解像度6400×2680ドットの多画面環境


 今回のマシン新調にあたって,せっかくCPUとチップセットがAMDなので,グラフィックスカードもAMDにしてみようかと,「Radeon HD 7790」カードを2枚導入してみたのですが,Radeon HD 7790へのドライバ最適化がまだ不十分なのか,数時間に1度のペースでシステムがフリーズする現象に見舞われました。
 原因が分からなかったので,Radeon HD 7790はゲーム用PCで使うことにし,原稿書きマシンには前のマシンで使っていたGeForce GTX 280カードとGeForce GTX 260カード,そして「GeForce 8600 GTS」カードを流用しています。CPUとチップセットがAMD,GPUがNVIDIAという組み合わせですが,導入後約1か月,今のところは動作が安定しています。

 ディスプレイ機器側は,前回紹介したときから進化しており,ついにブラウン管がゼロになりました。
 使用しているディスプレイ機器は,Dell製「3008WFP」(解像度2560×1600ドット),EIZO製「FORIS FX2431TV」(同1920×1200ドット)および「FlexScan HD2452W」(同1920×1200ドット),LG Electronics製「D2342P-PN」(同1920×1080ドット)および「29EA93」(同2560×1080ドット),三菱電機製「RDT233WX-3D」(同1920×1080ドット)の6枚です。

2013年,ついにブラウン管はゼロに。画面数は6+1になった。左上の“+1”はサブマシン専用で,原稿書きマシン自体は6画面構成になる
【西川善司】6画面の原稿書きマシンを新調した話

【西川善司】6画面の原稿書きマシンを新調した話
6画面の画面キャプチャはこんな感じ(※クリックすると,解像度6400×2400ドット,ファイルサイズ4.86MBのjpegイメージを読み出すので,閲覧には注意してください)
【西川善司】6画面の原稿書きマシンを新調した話
「画面の解像度」プロパティではこんな感じ
 メイン画面は2560×1600ドット解像度の3008WFPです。いつの日か,32インチIGZO液晶採用のシャープ製4K2Kディスプレイ「PN-K321」をゲットしたいと思っていますが,当面はこれでがんばります。

 EIZO製の2製品は,フルHDよりも縦方向に解像度が高い1920×1200ドットスペックなのが気に入っています。しかもFORIS FX2431TVはテレビも見られます。D2342P-PNとRDT233WX-3Dは3D立体視対応というオマケ付きです。
 すべてが異なるモデルで統一性がありませんが,以前のブラウン管混在環境と比べるとデスクトップの構成は綺麗になっています。スクリーンショットで見ると,上方の左右両端に未表示領域ができていますが,デスクトップ解像度自体は6400×2680ドット解像度です。


おわりに


新マシンでは,システムがReadyBoost不要を訴えてきた
【西川善司】6画面の原稿書きマシンを新調した話
 実際にこのマシンで仕事を開始して1か月ほど経ちましたが,かなり快適です。グラフィックスカードはそれほど新しいものではありませんが,このマシンでベンチマークテストを行ったりゲームをプレイしたりするわけではないので,不満はありません。
 1つ「おや?」と思ったのは,先代マシンだと使えていた「USBフラッシュメモリを使ったReadyBoost」が,新マシンでは使えなくなってしまったことです。搭載するメインメモリの容量が大きく速くなったことで,「このコンピュータは十分に高速で,ReadyBoostによるさらなる効果が得られにくいと思われるため,ReadyBoostは有効になっていません」というエラーメッセージが出るようになってしまいました。

 メモリ容量が従来比4倍の32GBとなり,さらに帯域幅もDDR2からDDR3へのジャンプアップで広がったことにより,ウインドウを数十個開いてもまったく“重く”なりません。従来と同じ使い方をしたところ,メモリ消費量は10GB未満で,20GB近くがフリーとなっているので,たしかにReadyBoostの有効化は意味がなさそうです。

 新マシンの,一連のこうした体感速度の向上には,CPU世代が上がったこと,そしてHDDのI/OインタフェースがSATA 1.5GbpsからSATA 6Gbpsになったことも無関係ではないと思います。
 ハイエンドなゲームPCには及びませんが,結構ハイスペックに仕立てられたボクの原稿執筆デスクトップPC。また6年ほどは活躍してもらおうと思っています。

■■西川善司■■
テクニカルジャーナリスト。デスクトップ派とはいえ,当然のことながらノートPCも何台か所持している西川氏ですが,そのうちの1台,「VAIO F」のストレージを,容量500GBのHDDから同容量のSamsung Electronics製SSD「SSD 840」へと換装したそうです。「SSDついでにWindows 8へアップグレード。スタートアップ時に謎のソニー製アプリがやたらと起動するVAIO Fにもかかわらず,電源投入から数十秒でマシンが使用状態になる」と,速さに感動してました。「こちらもあと6年は戦える」と豪語してましたが,さて,TLCのSSDで6年保ちますかね?
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