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“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
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印刷2008/11/19 15:17

プレイレポート

“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る

画像集#007のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
 2007年12月に発売された「グランツーリスモ5 プロローグ」(以下,GT5プロローグ)が,2008年10月3日のオンラインアップデートを経て「グランツーリスモ5プロローグ Spec III」へと進化した。そしてこれまでのアップデート要素をすべて収録したパッケージも10月30日にリリースされている。これからプレイを始めようと考えていた人にとっては,GT5プロローグの世界に足を踏み入れる絶好の機会になったといえるだろう。そんな人達のために,実際にプレイした印象を交えながら,SpecIIIの新要素を解説していきたいと思う。

画像集#008のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る


新車種が3台追加され,収録車種は全74台に


 SpecIIIでは,「ロータス エヴォーラ」,「フェラーリ カリフォルニア」,「GT by シトロエン」の3台が新車種として追加された。
 「ロータス エヴォーラ」はロータスが14年ぶりに世に送り出すオールニューモデルで,2008年7月のロンドンモーターショーで発表されたばかりだ。2ドアのミッドシップスポーツでありながら2+2のシートレイアウトを持っているため,同じ2ドアのロータス エリーゼより車体がひと回り大きくなり,車重も1350kgと1トンの大台を超えた。エンジンはトヨタ製2GR-FE型3.5リッターのV型6気筒をチューンしたものが搭載され,最高出力は280馬力。実車の販売は2009年の春に予定されているので,ひと足早いバーチャル試乗がグランツーリスモの世界で実現したということになる。
 MRスポーツなだけあり,同クラスの車種と比較する限り旋回時の安定性が高く,非常に乗りやすい。レース時にはもう少しパワーが欲しかったなという印象を受けるものの,ロータス好きにはうれしい1台といえるだろう。

画像集#009のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
画像集#001のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
ロータス エヴォーラの販売価格は現時点では発表されていないが,ゲーム内での価格は1000万Crとなっている
画像集#002のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
ロータスといえば2シーターのライトスポーツというイメージだが,エヴォーラは快適性を重視してひと回りサイズアップした

 「フェラーリ カリフォルニア」は,パリで9月に開催されたモーターショーでデビューしたフェラーリのニューモデル。FR駆動のオープン2シーターで,同社初のリトラクタブルハードトップを採用。直噴仕様の4.3リッターV型8気筒エンジンを搭載し,最高出力は460馬力となっている。パワーこそF430に若干劣るものの,加速性能においてはほぼ同等。ミッションには7段デュアルクラッチ・ギアボックスが組み込まれ,タイムロスを最低限に抑えた変速が可能だ。そしてこれだけのマシンでありながら環境や省燃費にも配慮しており,二酸化炭素排出量は310g/km,燃費は13.2km/lと発表されている。フェラーリらしからぬアナウンス,といっては失礼かもしれないが,いまやスーパーカーにも環境性能が求められる時代になったということなのだろう。
 ゲーム内でのドライブ感はかなり良好で,特徴の一つでもあるシフトのつながりの速さには目を見張るものがある。コックピット視点にするとオープンの爽快感も存分に味わえるので,ぜひ入手して走り込んでみてほしい。

画像集#010のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
画像集#003のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
ゲーム内での価格は3000万Cr。単位が円に変わったところでフェラーリなら納得してしまうが,それでも高いものは高い
画像集#004のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
イタリア最大のカロッツェリアであるピニンファリーナが,フェラーリ カリフォルニアの内装外装ともにデザインを手掛けている

 「GT by シトロエン」は,シトロエンとグランツーリスモのコラボレーションによって生まれたコンセプトカーだ。いまにも変形するのではと思わせるSFチックなボディー形状は,日本人デザイナーの山本卓身氏が手掛けたもの。大容量電動モーターを動力として789馬力を叩き出すモンスターマシンとなっており,加速性能にもまったくムラがない。低速から最高速に達するまでの時間は圧倒的に短く,シューンという無機質で単調なモーター駆動音とは裏腹に怒濤の加速を見せてくれる。さすがに「SpecII」で追加されたフェラーリF2007と比較した場合は見劣りしてしまうが,そのほかのチューンドカーやコンセプトカーの中においてはズバ抜けた性能を持つ。車種やPP制限のないイベントレースなら,多少粗い運転をしたとしてもゴールドトロフィーは確実といえるだろう。

画像集#011のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
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価格はなんと1億Cr! 貯めるのにも一苦労といった金額だが,性能を考えれば妥当なところか
画像集#006のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
PPが高すぎるため,Sランクのレースには出場することができない。Aランクやアーケードモードでその性能を堪能しよう


バランスの見直しが図られ

初心者でもプレイしやすくなった


画像集#012のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
 新車種の追加以外にSpecIIIで変更になった点は,イベントレースの難度とワイヤレスコントローラ使用時の操作性だ。イベントレースはSpecIIから難度を緩和する方向で調整されており,セッティングを突き詰めていくことに喜びを見出すコアユーザーでなくても,気軽にグランツーリスモの世界に足を踏み入れられるようになった。ただしレースのランクが上がっていけば,やはり相応に難度が上がっていくことに変わりはない。間口は確かに広がったが,先々に待ち受けるレースでよい結果が残せるかどうかは,ライトユーザーといえども走り込み次第となるだろう。
 また,イベントレースの賞金も増額となった。例えばSunday Cupの1位の賞金は50万Crから100万Crに,Clubman Cupの1位の賞金は100万Crから180万Crに変更されている。なかなかお金が貯まらず車の買い換えもままならなかったという人は,いま一度チャレンジしてみてはいかがだろうか。SランクのフォードGTによるタイムアタックなら,1周でブロンズトロフィーの賞金を獲得できるので,10分とかからず1000万Cr稼げる。長時間のプレイが難しい人にもオススメだ。

画像集#013のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る

 そしてもう一つの変更点であるワイヤレスコントローラ使用時の操作性については,違和感なく車を操縦できるようにかなり改善されている。こちらの操作にしっかりと車が反応してくれるようになったため,SpecIIで記録したタイムならば,ほぼ確実に塗り替えられるはずだ。
 難度を調整して間口を広げた分,ハンドルコントローラを所持していないユーザーでもドライビングを楽しめるようにと配慮されたところは素直に喜ばしい。しかし個人的には,依然としてハンドルコントローラのほうが良いタイムを出しやすいので,この辺りは慣れと好みによるところが大きそうだ。
 なお,そのほかの細かい修正点は以下のとおりだ。

●タイムトライアル
・ペナルティー時の速度制限を廃止。タイム無効のみとなった。

●ドリフトトライアル
・採点区間の見直し。
・スタート方式がローリングスタートに変更された。

●オプション
・[デバイス]にプレイヤー2用の[キーアサイン]が追加された。

画像集#014のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る


新規ドライバーに捧げる,今から始めるGT5プロローグ


画像集#015のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
 ここまでSpecIIIでの変更点を述べてきたが,購入を悩んでいたり,これから始めようと思っていたりする人からしてみれば,そこだけ解説されても判断材料にはなり得ないはず。少なからずこのタイトルに興味を持っているならば,どういった内容の作品であるかはご存知だろうが,ここであらためてGT5プロローグについて紹介しておきたい。
 GT5プロローグは,「グランツーリスモ5」(以下GT5)の開発を進めていく傍ら,その基本構想とシステムにいち早く触れてもらえるようにとリリースされたもので,いわば機能限定のGT5という位置づけだ。
 とはいえ,よくある体験版のように小一時間で終わってしまうものではなく,パッケージとしてリリースされるだけのしっかりとしたボリュームとクオリティを持っており,これがプロローグなら本編はどれだけのものになるのかと期待に胸が膨らむほどである。では,その主要な部分をピックアップして解説していこう。


シングルプレイのメインとなるイベントモード


 イベントモードはC,B,A,Sの四つのランクに分けられていて,順位を競うスタンダードなレースのほか,規定タイムをクリアしなければならないもの,車種が限定されているものなど,それぞれのランクごとに10種類のイベントが用意されている。それらのイベントで上位に入れば賞金をゲットでき,そのお金を元にして新しい車を購入していくという流れだ。
 ランクをアップさせるには,10種類のイベントすべてで3位以上の成績をおさめる必要があり,上のランクになるほどクリア条件はシビアなものになっていく。もちろんランクが変われば車も買い換えていかねばならないのだが,ひとつ上のクラスのマシンに乗り換えたときのドライブ感のギャップが,また車好きにはたまらない。ブレーキングやターンインのタイミングなど,ドライブしながらそのギャップを一つ一つ埋めていき,自分と車が次第に一体となっていく感覚は,リアルなカーシミュレータでなければ味わえない喜びだろう。

画像集#016のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
CランクやBランクのイベントでも,車種限定のものは思った以上に難しい。1位獲得にこだわることなく進めていこう
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車はディーラーで購入することになる。高性能な車はやはり値段も高い。がんばってイベントで稼ぎまくろう

 しかしながら一つ残念な点は,敵車のAIドライバーがまだ成熟されていないところ。こちらがベストラインを走っていても平気で横から車体を当ててくることがあるし,250km/hから一気に減速しなければならないようなタイトなコーナーで,普通に後ろから激突されることもある。そのせいで意図せずコースアウトしてもこちらがショートカットペナルティをくらってしまうのだから,恐ろしくて接近戦など挑めたものではない。サイドバイサイドの競り合いや,ブレーキング競争といったレースの醍醐味が存分に堪能しづらいというのはいかんともし難いことなので,今後のアップデートではぜひAIドライバーにマナーとスポーツマンシップを搭載してほしいものである。

画像集#018のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
購入した車はガレージに収納され,いつでも好きなときに乗り換えることができる。いざ金欠のときは売却もOK
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Sランクをクリアすると,F1マシンのフェラーリF2007が購入できるようになる。お値段はなんと2億Cr!


オンラインランキングにも直結しているアーケードモード


画像集#020のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
ランキング上位の人のゴーストをダウンロードして,それを表示させながらタイムトライアルを楽しむことも可能
 アーケードモードは,自分が所有している車を使って手軽にレースを楽しむためのもので,「シングルレース」「ドリフトトライアル」「タイムトライアル」の三つが用意されている。シングルレースは16台出走の純粋なバトル,ドリフトトライアルはいかに長く美しくドリフトを決められるかという芸術的な勝負,タイムトライアルは敵車のいない状態でどれだけのラップタイムを刻めるかという孤独な戦いだ。


画像集#021のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
車によって,ドリフト向きか否かが大きく変わってくる。始めのうちはトルクのあるFR車で練習を積んでみるのがよいだろう
 このうちドリフトトライアルとタイムトライアルは,PLAYSTATION NETWORKにログインしていれば,プレイ結果が自動的にオンラインランキングへ登録される。自分のタイムやポイントが世界でどれぐらいの順位に位置しているのかがプレイのたびに逐一報告され,否応なくモチベーションが高まってしまうという仕組みなわけで,激しく負けず嫌いな方はハマりすぎに注意してほしい。ちなみにランキングはゲーム内に限らず,グランツーリスモの公式サイト「グランツーリスモ・ドットコム」からも自由に閲覧できる。


ライバル達と直接しのぎを削る,オンライン対戦


画像集#022のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
 ランキングによる間接的な戦いだけではなく,最大16人によるオンライン対戦機能も搭載されている。PLAYSTATION NETWORKに接続可能な環境さえ整っていれば,ほかに面倒な手続きは必要なし。コースや車種,プレイヤーレベルなどの条件がレースごとに決まっているので,自分に当てはまるものを選び,参加するだけでOKだ。次の瞬間には世界中のドライバーとの熱い戦いが幕を開けている。ただしグランツーリスモというソフトの性質上,純粋にレースを楽しみたい人ばかりが集っているので,レースにおける最低限のマナーを頭に入れておくことだけは忘れないようにしてほしい。意図的に車をぶつけたり,コースを逆走したりするような人がまれに見受けられるが,そういう行為を楽しみたいなら,それを主旨としたカーアクションゲームをプレイしたほうがいいだろう。悪質なプレイヤーにペナルティーが課されるようなシステムの実装も,検討する価値はあるのではないだろうか。


自動車関連ニュースの情報源としてもあなどれない



 もちろんゲーム部分がメインとなるのだが,それ以外に情報源としての顔を持っているという点がGT5プロローグの特徴でもある。メイン画面には世界の主要サーキットの天気が表示され,画面下部には国内外のモータースポーツ関連のニュースがテロップで流れるようになっている。こちらから情報を得ようとしなくても,GT5プロローグを起動しておけば関連情報が飛び込んでくるというシステムなのだ。これに加えて,カーディーラーが日々発信するニュースリリースや最新情報も閲覧可能。

画像集#023のサムネイル/“SpecIII”でさらなる進化を遂げた,「グランツーリスモ5 プロローグ」の魅力に迫る
車好きならメイン画面を眺めているだけでも飽きないであろう美しさ。それに加えて最新ニュースまで知ることができる
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GT-TVではすでに多くの映像コンテンツが配信されており,有料のものでも100〜300円程度となっている

 またメインメニューから「GT-TV(グランツーリスモTV)」を選ぶと,イギリスBBCの「トップ・ギア」など,モータースポーツ関連の映像コンテンツをダウンロード/視聴できるようになっている。ゲームだけではなく,モーターシーンや自動車関連情報のポータルとしての役割も果たすであろうGT5プロローグ,およびこれから発売されるGT5は,モータースポーツファンや車好きにとって欠かせない存在となりそうだ。

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  • 関連タイトル:

    グランツーリスモ5プロローグ Spec III

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    グランツーリスモ5 プロローグ

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