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士郎正宗氏が手がけたサイバーパンクの金字塔「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」。1989年に「ヤングマガジン海賊版」で発表されて以来,さまざまなメディアへ展開してきた,言わずと知れた人気作だ。
世界に本作を知らしめた押井 守監督の映画「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」(1995年公開)をはじめ,これまで何本ものアニメ作品が制作されており,この7月に待望のTVアニメシリーズ最新作がいよいよスタートした。
というわけで,「そうだ アニメ,見よう」第263回のタイトルは「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」(毎週火曜23:00〜カンテレ・フジテレビ系全国ネット“火アニバル!!”)。制作はサイエンスSARU,シリーズ構成・脚本は「道化師の蝶」などで知られるSF作家の円城 塔氏が担当。監督は「ダンダダン」(関連記事)や「平家物語」のモコちゃん(木村登真)氏が務めている。
「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」
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全身義体のサイボーグ・草薙素子(くさなぎもとこ,CV:坂本真綾)は,バトー(CV:安元洋貴)やイシカワ(CV:後藤光祐),サイトー(CV:奈良 徹)ら腕利きの隊員たちで構成される精鋭部隊を指揮するなかで,犯罪を未然に防ぐことを目的とする特殊部隊の設立を望んでいた。
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同様の部隊設立を構想していた内務省の荒巻大輔(あらまきだいすけ,CV:山路和弘)はある事件をきっかけに草薙たちをスカウト。草薙たちは攻性の組織となる公安9課,通称“攻殻機動隊”としての活動を始める。
国家間の謀略が渦巻く電脳犯罪に対峙していくなか,事件の捜査線上に正体不明のハッカー「人形使い」の存在が浮かび上がる。草薙を待ち受ける運命とは,そして,人形使いの目的とは……。
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最新作は原作漫画がベース
「攻殻機動隊」アニメシリーズ最新作の第1話が,ついに世界に向けてお披露目された。制作スタジオを,これまですべてのアニメ版にかかわってきたProduction I.GからサイエンスSARUへバトンタッチし,キャストも一新。
草薙素子役に坂本真綾さん,荒巻大輔役に山路和弘さん,バトー役に安元洋貴さん,トグサ役に中村悠一さん,イシカワ役に後藤光祐さん,サイトー役に奈良 徹さん,フチコマ役に金田朋子さんと新しい顔が並んだ。なお,パズとボーマは今後発表される模様。
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そして最大のトピックは,絵柄やストーリーが原作に限りなく近い“原作準拠版”となっていることだ。これまでのアニメ版は,病的なまでに緻密なタッチの原作版をアニメで動かすように落とし込まれたものだった。
士郎正宗氏の漫画を限りなく再現した作品といえばOVA「ブラックマジック M-66」(1987年)ぐらいだったと記憶している。細かすぎたのだ。
今回は,その繊細なディテールと激しいアクション,独特のデフォルメ表現を現代風に仕上げ,ほぼ漫画が動いているような画面に仕上げている。
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漫画版をベースにしたのは,なんでも「35年の歴史の中で,原作の魅力をそのまま映像化した作品が一度も存在しなかったから」なのだとか。
それぞれ監督の独自解釈が強く反映された“別作品”ではなく,士郎正宗氏の「未来は明るいほうがいい」というスタンスを円城 塔氏が脚本に起こし,35年分の蓄積を踏まえた「原点回帰にして最新型(第2世代型の1作目)」として作り上げているのだ。
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コミカルな少佐が登場
第1話で,その仕上がりを確認した筆者は,思わず顔がほころんでしまった。まさに士郎正宗氏の作品が動いている。「アップルシード」シリーズや「ドミニオン」「仙術超攻殻 ORION」といった士郎正宗氏の作品群でお馴染みの緻密な世界観はそのままに,コミカルな要素もふんだんに盛り込まれているのがうれしい。
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荒巻の要請に「嫌なこった」と悪態をつく少佐は,まさに原作準拠ならではといえる。ただ,副読本が必要なほどの情報量の多さはいかんともしがたく,原作を知っているほうが楽しめるのは間違いない。
センターの警備員に潜入がバレたのは,マンホールに草が挟まっていたせいだが,初見でそこまで気付くのはかなり難しい。
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そんな物語を盛り上げているのは,King GnuのOPテーマ「GO GHOST」と,MILLENNIUM PARADE feat. Saya Gray, Daniel CaesarのEDテーマ「Blue」だ。これは常田大希氏が率いるMILLENNIUM PARADEが手がけ,Saya GrayとDaniel Caesarをフィーチャリングゲストに迎えたグローバルな楽曲となっている。
同一作品のテーマ曲を同じグループがダブルで担当する試みは珍しい。OP&EDにスタイリッシュなものが多い「攻殻機動隊」のテーマとして,今回も気に入る人が多いはずだ。
映画版とSACに次ぐ,第3の選択肢
![]() 原作「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」 |
この押井&神山版のクールな素子のキャラクター性が印象に残り,原作版のちょっとコミカルな素子との間で違和感が起きているというのだ。
このシリーズは,過去作品でネットワークの可能性や未来のテクノロジーを語りながら,人間とは何か,自我とはどこにあるのかといった哲学じみたテーマを掲げてきた。
本作でもそのテーマ性は変わらず,「人間性の定義(ゴースト)」や「高度な政治・ネット犯罪」といった問題提起が物語の根幹を形成している。
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映画版(押井)は映画版,SAC(神山)はSAC。今作はそれらを置き換えるものではなく,新たな潮流の一つとみることが肝要なのだと思う。
ともあれ,本作はまだ始まったばかり。新たな“素子像”に世界中がやられてしまうのも,そう遠くない将来のような気がする。確信があるわけではないが,少佐風に言えば「そうささやくのよ,私の魂(ゴースト)が」というところか。
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「そうだ アニメ,見よう」第105回は神山健治氏×荒牧伸志氏で贈る「攻殻機動隊 SAC_2045」。14年ぶりに公安9課が再起動
「そうだ アニメ,見よう」第105回は,“SAC”シリーズ最新作となる「攻殻機動隊 SAC_2045」。制作はお馴染みProduction I.GとSOLA DIGITAL ARTS,シリーズ構成を神山健治氏が担当し,監督は映画「APPLESEED」の荒牧伸志氏と神山氏がタッグを組んで務めている。
| 放映データ |
|---|
| 2026年7月〜毎週火曜23:00〜カンテレ・フジテレビ系全国ネット |
| キャスト | |
|---|---|
| 草薙素子:坂本真綾 | |
| 荒巻大輔:山路和弘 | |
| バトー:安元洋貴 | |
| トグサ:中村悠一 | |
| イシカワ:後藤光祐 | |
| サイトー:奈良 徹 | |
| フチコマ:金田朋子 | |
| オペレーター:大井麻利奈 | |
| スタッフ |
|---|
| 原作:士郎正宗(講談社 KCデラックス刊) |
| 監督:モコちゃん |
| シリーズ構成・脚本:円城 塔 |
| キャラクターデザイン・総作画監督:半田修平 |
| 美術監督:片野坂恵美 |
| 美術監修:増山 修 |
| 色彩設計:橋本 賢 |
| 撮影監督:伊藤ひかり |
| 編集:廣瀬清志 |
| 音響監督:丹下雄二 |
| 音響効果:八十正太 |
| 録音:太田泰明 |
| 音楽監督・音楽:岩崎太整 |
| 音楽:小西遼 YUKI KANESAKA |
| 音楽制作:フライングドッグ |
| アニメーション制作:サイエンスSARU |
| 製作:THE GHOST IN THE SHELL COMMITTEE |
| タイトルロゴデザイン:空山 基 |
| OPテーマ「GO GHOST」King Gnu |
| EDテーマ「Blue」 MILLENNIUM PARADE feat. Saya Gray, Daniel Caesar |































