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[GDC 2009#28]初めて手がけたゲームが評価されてGDCデビュー。インディーズゲームの星「PixelJunk Eden」開発秘話
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印刷2009/03/28 19:02

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[GDC 2009#28]初めて手がけたゲームが評価されてGDCデビュー。インディーズゲームの星「PixelJunk Eden」開発秘話

画像集#001のサムネイル/[GDC 2009#28]初めて手がけたゲームが評価されてGDCデビュー。インディーズゲームの星「PixelJunk Eden」開発秘話
 PLAYSTATION 3のオンライン配信タイトル「PixelJunk Eden」(以下,Eden)を知っているだろうか。Edenは2008年7月31日に配信がスタートし,GDC09で開催された「2009 Independent Games Festival」にノミネートされたタイトルだ。惜しくも受賞は逃したが,「Excellence in Visual Art」「Excellence in Audio」「Technical Excellence」の3部門にノミネートされたのは評価されてしかるべきだろう。

Baiyon氏。京都府在住の日本人だ
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 そんなEdenに関するレクチャーがGDC09最終日である3月27日に実施された。講演者はEdenのグラフィックスとサウンドのディレクションを担当した,マルチメディアアーティストBaiyon氏である。Baiyon氏は,漫画を描いたり,Tシャツのデザインをしたり,CDをリリースしたりと幅広く活躍している人物だ。Baiyon氏は,Edenを作るまでゲームに携わったことがなかったのだが,Edenが評価されたことで,いきなりGDCで講演する機会を得たのである。この講演では,Edenを作る過程での苦労話などが語られたわけだが,まずはEdenの概要を説明しよう。

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 Edenは色鮮やかな世界を舞台に,宝探しをするアクションゲームだ。ガーデンと呼ばれる世界で構成されており,“オシレーター”と呼ばれるもの(発振回路のことだが,この世界とどう関係があるのかはよく分からない)を使って,この世界を冒険する。オシレーターは時間の経過とともに徐々に減っていくHPのようなもので,ゼロになるともとの世界に戻されてしまうのだが,「クリスタル」を手に入れると回復する仕組みだ。うまくオシレーターを維持しつつ,「スペクトラ」といわれるアイテムをなるべく多く獲得するのが目的だ。
 各ステージには不思議な形をした植物があり,これらを足場にしてジャンプしながらスペクトラを探す。プレイヤーキャラクターはワイヤーを使え,反動をつければより遠くへ跳ぶことも可能だ。画面写真を見てもらえれば分かるとおり,独特な色使いのゲームで,この雰囲気にあったテクノやハウスミュージックが用意されている。グラフィックスとサウンドのディレクターが同一人物だからこそ表現できる一体感といえるだろう。

インクや墨汁を適当にぶちまけて植物をイメージし,イラストに起こしていったそうだ
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 Edenの植物は生きているような不思議な動きをするのだが,Baiyon氏は最初,この動きをランダムで動かすようにプログラマーに指示していたという。だが,そのサンプルを見てみると,想像していたものとはかけ離れており,美しさが表現できていなかった。そのため最終的には,Baiyon氏自身がさまざまな動きのパターンを描いていったのだ。Edenをプレイすれば分かるのだが,植物の動きはかなり複雑。すべて手作業で描いたときくと,なんというか,頭の下がる思いだ。しかも単純に動きがいいというだけでなく,「どこを切り出しても格好よくしたい」とコンポジションにも徹底的なこだわり,頑張りすぎで作業中に突然鼻血が出たこともあるそうだ。

始めに制作したコンセプトアート
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 先に「独特な色使いのゲーム」と書いたが,右に掲載したコンセプトアートを見ていただくと,その独特さ加減は分かってもらえるだろうか。これもこだわり抜いた結果である。開発当初は色の指示を出すと,プログラマーは原色に近い極端な色で仕上げてきたのだが,それではイメージしているものとはまったく違うために,考え抜いて色を決めていった。これもゲーム画面のどこを切り出しても美しく見せるための努力である。
 ちなみにゲームに登場する植物は,焼き鳥から垂れる油や道に流れる水を見たときに閃いたという。鼻血からはインスピレーションを感じなかったようでなによりだ。

 文字どおり鼻血が出るほどのこだわりは,なにもグラフィックスだけではない。グラフィックスにマッチさせるため,音楽も徹底的に作りこんでいった。ただし,ゲームミュージックを作るというイメージではなく,CDのアルバムを作るような感覚で曲作りを行っていったというのだ。ほかのゲームの音楽は,聴くと「ゲームの曲」と分かることが多いが,Edenの音楽は違う。前述したように「ゲームの曲」として作っていないせいか,明らかに別物なのだ。それでいてゲームの世界にマッチしており,2009 Independent Games FestivalのExcellence in Audio部門にノミネートされたのもうなずける出来だ。

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 Baiyon氏はアーティストとして,ゲームというものに可能性を感じているという。ゲームは音と絵を融合させ,そしてそれらを動かせるようにして初めて完成する。Baiyon氏にとっては世界を創るのと同じくらいのことなのだという。加えて,どこかの大作RPGのように巨費を投じなくても面白いものを作リ出す自信があるそうだ。初めて携わったゲームが評価され,GDCで講演を開けるほど評価されたBaiyon氏だけに,次回作以降にも期待が持てるだろう。

 なお,4月には五つのステージが追加されるEdenの拡張パック「PixelJunk Eden Encore」がリリースされる予定だ。
  • 関連タイトル:

    PixelJunk Eden

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