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[iPhone]北米App Storeで1位を獲得したパンカクの次の一手とは? APPLIYA,iPhoneアプリ開発に関する“勉強会”を開催
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印刷2009/05/30 15:00

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[iPhone]北米App Storeで1位を獲得したパンカクの次の一手とは? APPLIYA,iPhoneアプリ開発に関する“勉強会”を開催

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 映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を題材とするiPhone/iPod touch用アプリなどを販売しているAPPLIYAは,「iPhoneアプリケーション10ヶ月の実態とこれから 〜IT・ゲーム、出版、教育分野などに与えた影響〜」と題した“勉強会”を,東京都港区にある東京汐留ビルディングで5月29日に開催した。
 今回のイベントでは,北米のApp Storeで,日本のメーカーとして初めて有料アプリランキングの1位に輝いた(関連記事),パンカクの柳澤康弘 代表取締役が同社の今後の展開などを語っている。それでは,各登壇者のプレゼンテーションの内容を,ざっくりとお伝えしていこう。


■林信行氏

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 まず最初に,フリージャーナリストで,この勉強会の仕掛け人である林信行氏が登壇し,2008年7月11日のiPhone 3Gの発売からこれまでのあいだ,世界でどのようなムーブメントが起こってきたかを振り返った。

 林氏の説明によれば,現在,iPhoneは世界の81の国/地域で販売されており,中国でも6月中に発売されると見られているという。
 またAppleは,現地時間の4月23日に行った,2009年会計年度第2四半期決算報告の中で,全世界のiPhoneの販売台数が2100万台に達していると発表している。林氏は,iPod touchの普及台数約1600万台と合わせると,iPhone/iPod touchは約3700万台のプラットフォームに成長していると述べ,世界規模で普及が進んでいることを強調した。
 林氏は,大ヒットを飛ばした「iShoot」などを例に挙げ,プラットフォームとして拡大し続けるiPhone/iPod touchにアプリを提供することで,個人でも大きな成功を収められる可能性があることを説明した。

 次に林氏は,iPhoneなどの通信端末が,インターネット利用者のライフスタイルに大きな変革をもたらしつつあると述べた。自身の造語である「Web 2.0 in your pocket」は,いつでも好きな場所でWebを閲覧できる,モバイルインターネットの可能性を意味するものだという。

(写真左)「iShoot」 (写真右)林氏が入手した情報によれば,iPhoneの開発にあたり,Appleは関連技術200以上について特許を取得しており,それがスマートフォン市場においてアドバンテージになっているという
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■柳澤康弘氏

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 続いて,冒頭で紹介したように,アクションゲーム「LightBike」を手がけ,北米のApp Storeで有料アプリランキングの1位を獲得した,パンカクの柳澤康弘 代表取締役が登壇した。
 柳澤氏によれば,北米で同作を展開するにあたり,まずは無料版を2009年1月にリリースし,それがランキングに入ったタイミングを見計らい,2009年2月に有料版をリリースしたという。ランキングに入れるために,当初はセールス価格として0.99ドルで割引販売し,その後通常価格に戻すという手法を採ったそうである。
 また柳澤氏は,有料版LightBikeの購入者は150万人を超えており,全世界のiPhone/iPod touch(約3700万台)の4〜5%にインストールされている計算になると述べた。北米のApp Storeではレビューが1800近くに達し,約半数で“五つ星”の評価を得ているということだ。

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 次に柳澤氏は,iPhone OS 3.0の登場により,App Storeでのビジネスモデルがどのように変化していくか,その見通しを説明した。
 具体的には,現在,App Storeでの販売価格が下落傾向にあり,売り切り型のビジネスモデルでは採算面で厳しくなると考えられることや,無料アプリでも,アプリ内に広告を掲載することで収入が得られるようになりつつあることを示し,今後は,「無料アプリ+広告」あるいは「コンテンツ課金」といったビジネスモデルを採用する例が増えるのではないかと述べていた。

 そして,気になる今後のパンカクの取り組みについて,柳澤氏は,LightBikeの150万人以上のユーザーベースを活用していくと述べ,ゲーム対戦ネットワーク「パンカクネット」の構築や,iPhone/iPod touch以外のプラットフォームへの展開を明らかにした。
 パンカクネットについて詳しくは説明されなかったが,会員向けにゲーム本体を無料で提供し,アバター/アイテム販売などで課金する方式とのこと。iPhone/iPod touchゲーマーならば,今後の動向に注目したいところだ。

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■幅朝徳氏

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 次にプレゼンテーションを行ったのは, CRI・ミドルウェアの幅朝徳氏。幅氏は,同社の事業内容や沿革を説明したあと,先日4Gamerでも一部をお伝えした,ゲーム開発者を対象とするアンケートの結果を紹介した。

 幅氏が「一番興味深い」と述べたのが,“iPhoneアプリを開発するとしたら,どの部門に担当させるか”という設問への回答結果だ。プラットフォームのカテゴリーから見れば,ニンテンドーDSやPSP用ゲーム,あるいは携帯電話用ゲームを作っている部門にアサインするのではないかと考えがちだが,家庭用ゲームの開発部門に担当させるという回答が1位となっている。
 これについて幅氏は,PLAYSTATION 3やXbox 360,Wii向けにゲームをダウンロード販売する形態が台頭しつつあり,これらのプラットフォームと同じ部門がiPhone/iPod touchゲームも手がけることは,デベロッパとしては自然な考え方なのだろうと説明していた。

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 最後に幅氏は,ムービーの移動や拡大/縮小,回転といった操作を容易に行えるようにするミドルウェア「Sofdec for iPhone/iPod touch」のデモムービーを紹介したあと,初公開の情報として,「CLOUDIA」というミドルウェアを開発しており,2009年夏に提供開始する予定であることを明らかにした。
 幅氏はCLOUDIAについて,「クラウド対応型マーケティング支援ツール」であると紹介していたが,詳細は後日あらためて発表される予定とのことだ。

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■椎谷ハレオ氏

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 最後に,APPLIYAの代表取締役社長を務める椎谷ハレオ氏が登壇し,同社が蓄積してきたというデータをもとにした,iPhone/iPod touchアプリの販売動向に関する分析結果が示された。


(写真左)日本のApp Storeでは,2009年4月以降,100位以内のアプリがランキングに定着する傾向が見られたという (写真中央,右)1位のアプリに注目すると,日本の場合,1位に滞在する日数が最大15日ほどであるのに対し,アメリカでは最大25日ほどと長めになっている
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(写真左)100位以内に入っているアプリの平均販売価格は,アメリカよりも日本のほうが高めだが,この1か月ほどで差が小さくなっている (写真中央)100以内に入っているアプリの価格帯に関しては,日本とアメリカに明確な差は見られない。700円以上のアプリが10%以上存在する点に要注目 (写真右)10位以内に入っているアプリに絞ると,アメリカでは0.99ドル(115円)のアプリが大部分を占めていることが分かる
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 3人の登壇者によるプレゼンテーションに続き,APPLIYAの取締役を務めている孫泰蔵氏が加わり,参加者との質疑応答が行われた。
 その冒頭,孫氏は,ライフサイクルが短い通常の携帯電話と比べ,iPhoneがいかに長く売れ続けているかを強調。「累積台数が伸び続けているiPhone/iPod touchの可能性に着目して,アプリ開発に取り組む人が増えており,新たなフェーズに入っていると感じます」と述べた。

 質疑応答では,林氏が,日本でのiPhoneの普及台数について,海外のソースから入手したさまざまな情報を総合して推測する限り,近い将来100万台に達するのではないかという見通しを示していた。
 そのほか,椎谷氏は,LightBikeがアメリカで支持されたのは,向かい合って対戦するというプレイスタイルが受け入れられたからではないかとコメントした。

 また,日本でも先日,GoogleのAndroidを搭載した携帯端末が発売されたこともあり,参加者の多くが関心を寄せているようだった。
 質疑応答ではまず林氏が,“Androidケータイ”が先行販売されているアメリカの2008年クリスマス商戦において,iPhoneの販売台数がAndroidケータイの6倍近くに達したことや,Appleがスマートフォンに関する200以上の特許を持っているため,ユーザビリティの面でiPhoneに分があることを指摘した。

 次にコメントしたパンカクの柳澤氏によれば,Android搭載端末の将来性に注目しており,同社としても参入を計画しているものの,現時点では,LightBikeのようなゲームを開発するにはスペック面で厳しいものがあるという。
 また,さまざまな種類の端末が登場するAndroid向けのアプリよりも,iPhone/iPod touchアプリのほうが短期間に開発できると述べた。
 この点について,CRI・ミドルウェアの幅氏は,AndroidはあくまでOSを指すものであり,端末のスペックは機種ごとに異なるものとなることをあらためて指摘。Android向けのミドルウェア開発にはより多くの時間が必要になるとのことだ。


 さて林氏によると,この勉強会は今回限りのものではなく,日本と海外で異なるという,iPhone/iPod touchに対する認識の違いを解消するための取り組みとして,今後も定期的に行っていくという。iPhone/iPod touchゲームの情報を追っている4Gamerとしても,可能な限りフォローしていきたい。
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