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ASUS「R.O.G.」のP55モデル「Maximus III Formula」。実機の特徴を細かくチェックする
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印刷2009/09/02 11:21

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ASUS「R.O.G.」のP55モデル「Maximus III Formula」。実機の特徴を細かくチェックする

Maximus III Formulaの製品ボックス
画像集#002のサムネイル/ASUS「R.O.G.」のP55モデル「Maximus III Formula」。実機の特徴を細かくチェックする
 秋葉原のPCパーツショップ界隈では,“X-DAY”が決まったとも囁かれている,IntelのデスクトップPC向け次期主力CPU,「Lynnfield」(リンフィールド,開発コードネーム)。対応チップセットは,「Intel P55 Express」(以下,P55)となるが,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,この世代でも,ゲーマー&オーバークロッカー向け製品ブランド「R.O.G.」(Republic of Gamers)のマザーボードを展開する計画だ。

 現時点で判明しているラインナップは,ATXフォームファクタの「Maximus III Formula」と,microATX仕様の「Maximus III Gene」。今回4Gamerでは,発売時期,価格とも未定ながら,「ほぼ製品版」(ASUS)とされるバージョンのMaximus III Formulaを入手したので,写真と製品概要をまとめて紹介したい。


マザーボード全体像&チップセット


Maximus III Formula。ボードリビジョンは1.02Gだ。メモリモジュールは,
PC3-17000/16000/14400/12800/10600/8500/6400 DDR3 SDRAMがサポートされる
画像集#003のサムネイル/ASUS「R.O.G.」のP55モデル「Maximus III Formula」。実機の特徴を細かくチェックする

 Maximus III Formulaは,黒と赤を基調とするマザーボードである。物理的な拡張スロット構成はPCI Express x16 ×3,PCI Express x1 ×2,PCI×2という構成で,3本のPCI Express x16スロットは,赤×2がPCI Express 2.0 16/0レーンもしくは同8/8レーンとして動作するとのこと。8レーン×2動作時には,2-wayのNVIDIA SLIとATI CrossFireXをサポートする。白いPCI Express x16スロットは,4レーンで動作する仕様だ。

拡張スロットは計7基。白いPCI Express x16スロットのすぐ脇には,バラック状態でのテスト時に便利な,プッシュボタン式のスタート/リセットボタンが用意されている
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マザーボード背面。セパレート仕様の冷却機構はネジ留めされており,(メーカー保証の対象外であることを覚悟すれば)簡単に交換できる
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 「PCH」(Platform Controller Hub)とされる1チップ仕様のP55チップセットは,後述する電源周り用とは分離された(=ヒートパイプなどでつながってはいない)比較的大型のヒートスプレッダに覆われている。ダイの刻印は「BD82P55 SL6WV Q928A105」で,見る限り,製品版リビジョンのようだ。

 冷却機構というと,マザーボードの背面に特殊加工を施した「Stack Cool 2」や,最近だと,PCBを2レイヤー追加し,さらに電源レイヤーに2オンスの銅を採用することで,いろいろと注目を集める「Stack Cool 3+」など,ASUSは基板レベルでの冷却技術も持っているが,Maximus III Formulaで,そのあたりはとくに謳われていない。

P55 PCH(左)とその周辺(右)。PCHを囲むように置かれているチップなどについては後ほど
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電源周りとDIMMスロット周り


 電源部は,「Extreme Engine Power Design」と呼ばれる多フェーズ仕様になっており,具体的には,CPU用に16フェーズ,(CPUの)Vtt用に3フェーズ,DIMM用に3フェーズのPWM回路がそれぞれ採用されている。
 下に写真で示したとおり,ヒートスプレッダは背が非常に低いが,ASUSいわく「背を低くしているのは,発熱の低さに自信があるためと,どのようなCPUクーラーでも取り付けられるようにするため」。P55世代で,主な熱源はCPUになるので,CPUクーラーはこれまで以上に重要になるとのことだ。

LGA1156仕様のCPUソケットを囲むように,CPUおよびVtt用の電源回路と,それを覆うヒートスプレッダが配置されている
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 その思想は,先ほど簡単に紹介した,セパレート仕様の冷却機能にも生かされている。VRM用の冷却機構をよく見てみると,Integrated Device Technology(旧ICS)製のPLLクロックジェネレータ(と思われる)チップ,「9LPRS140」用の熱伝導シートが貼られていて,本チップの発熱対策であるかのように見えるのだが,「9LPRS140はまったく発熱しない」(ASUS)。むしろこのデザインは,VRM部の熱を効率よく処理するために,“ノースブリッジがなくなった部分”のスペースを有効活用した結果なのだという。とにかく,CPU周りの熱処理を最優先するデザインになっているのだそうだ。

セパレート仕様の冷却機構(左)と,その下に置かれている9LPRS140チップ(右)。PCケースに組み込んだ状態(=VRM部が上,9LPRS140部が下)になった状態でも,熱が適切に移動するヒートパイプ設計になっていると,ASUSは付け加えていた
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 電源回路とI/Oインタフェースの近くには,消費電力を管理し,低消費電力を実現するという専用プロセッサ「EPU」(Energy Processing Unit」と,8フェーズを超える電源回路を実現するのに用いるとされる「PEM」(Phase Extension Module)を搭載するのが見て取れる。

圧巻の16+3フェーズ電源回路(左)。その一部を拡大して撮影したのが右の写真で,回路の近くに,EPUとPEMが置かれている(※PEMの刻印は少々見づらいが,ご容赦を)。このあたりは,2009年7月9日の記事で紹介したASUSの一般PCユーザー向けマザーボード,「P7P55D EVO」と同じ
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DIMM用スロット用の3フェーズ電源回路
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 DIMMスロット用となる3フェーズPWMの近くには,CPUやDIMMスロットなど,マザーボード上に用意された5か所の動作電圧をテスターで計測するための端子「ProbeIt」と,CPUやメモリモジュール,拡張カードの接触不良を確認できるLED「Q-LED」,そして新機能となるプッシュ式のボタン「GO Button」(※シルク印刷上は「Go」だが,「GO」が正式とのこと)が用意されている。

 GO Buttonは,マニュアルによると「POST時には『MemOK!』の起動用,Windows上では,オーバークロック用のプリセットファイルを即座に適用するためのボタンとして機能する」(原文:Press the GO button before POST to enable MemOK! or press it to quickly load the preset profile(GO_Button file) for temporary overclocking when in OS.)ものだ。
 MemOK!というのは,メモリモジュールとマザーボードの相性問題によってPCが起動しないとき,モジュール側のSPD情報を無視し,最適な(=動作する)メモリ設定を試みて起動する機能。もう一つの,プリセットファイル云々というのは,標準設定とターボ設定の動作クロック&電圧設定を登録しておいて,Windows上から一発で切り替えられるソフト「TurboKey」機能を,ボタンに割り当てたもののように見える。

写真右奥から,ProbeIt,Q-LED,Go Button
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オンボードデバイスなど


RC TweakItのユーザーインターフェース(※出典:ASUS)
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 Maximus III Formulaのが持つ機能で,おそらく最もユニークなのが,「ROG Connect」と呼ばれる,専用のUSBポートである。
 これは,I/Oインタフェース部に用意された機能で,「RC TweakIt」と呼ばれる専用アプリケーションをインストールした別のPCから,USB経由で,BIOS設定を直接変更できるというもの。さらに,POSTコードや,動作電圧,温度,ファン回転数のモニタリングも,このRC TweakItから行えるようになっているという。

 ベンチマークテストによっては,場面場面でCPUの負荷が異なることがある。
それをモニタリングし,必要に応じてクロックを引き上げるソフトウェアもないわけではないが,Windows上で動作するソフトウェアだと,それ自体がリソースを消費してしまう。そこで,外部から,モニタリングとBIOS設定の変更をリアルタイムで行えるようにすることで,より高いスコアを狙えるようにしたと,ASUSはROG Connectのポイントを説明している。
 ゲーマーからすると,何もそこまで……といったところだが,場面場面で動作クロックなどを変更できるというのは,場所によってCPU負荷が異なるタイプのゲームだと,役に立つ可能性もありそうだ。

I/Oインタフェース部。右端に見える縦向きのUSBポートが,ROG Connect用インタフェースで,製品ボックスに付属するオス−オスのUSBケーブルを利用して,外部のPCと接続する。その左に置かれた,二つのリングを重ねたようなマークのボタンが,本機能のオン/オフを切り替えるスイッチとなる。なお,写真にはもう一つボタンが見えるが,これはCMOSクリアスイッチ
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 ユニークといえば,ストレージ周りもなかなかのもの。というのも本製品では,P55によるSerial ATA×6(※RAID 0/1/5/10対応)と別に,JMicron Technology製のSerial ATAマルチプライヤ「JMB322」×1,Serial ATAコントローラ「JMB363」×2が用意されているのだ。
 JMB322の近くには,HDD/SSD用とされるSerial ATAポートが2基,JMB363×2の近くには,光学ドライブ用と位置づけられたSerial ATAポートが2基用意されているため,ぱっと見たところ,JMB322がHDD/SSD用,JMB363が光学ドライブ用コントローラであるかのように見える。しかし,実際の配線では,片方のJMB363がJMB322とつながっているので,JMB363は片方がHDD/SSD×2,片方が光学ドライブ×2のインタフェースコントローラとして機能し,同時に,JMB363とつながったJMB322マルチプライヤが,RAID 0/1機能を提供している可能性が高い。

 ちなみに,Maximus III Formulaは,IDEデバイスをサポートしていない。Intel製マザーボードでは,ずいぶん前からそうだった記憶があるが,ゲーマー向けマザーボードでも,ついに対応が打ち切られたわけで,なかなか感慨深いところだといえよう。

PCHによるストレージサポートはSerial ATA×6(左)。長い拡張カードと干渉しないよう,コネクタはマザーボード基版と平行に取り付けられている。右の写真で赤く見えるSerial ATAインタフェースは,RAID 0/1対応のHDD/SSD用ポートだ
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JMB363×2と,「ODD」(Optical Disc Drive)用とシルク印刷された白いSerial ATAインタフェース(左)。場所が場所だけに,グラフィックスカードやDIMMスロットとの干渉が気になるが,ひとまずDIMMスロット側は,片側のノッチを省略することで,干渉を防ごうという配慮が見られる(右)
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※2009年9月2日16:00
JMicron Technologyコントローラに関する考察をアップデートしました。

 このほか,主なオンボードデバイスとしては,Realtek Semiconductor製の1000BASE-T LANコントローラ「RTL8110SC」,VIA Technologies製のIEEE 1394aコントローラ「VT6308P」を搭載。サウンド機能は,製品ボックスに付属のPCI Express x1接続サウンドカード「SupremeFX X-Fi」によって,アナログ7.1ch出力と,同軸/光デジタルサウンド出力が実現される。
 SupremeFX X-Fiは,EAX ADVANCED HD 4.0や,CMSS-3Dをサポートしたサウンドカードで,いうなれば「PCI Express Sound Blaster X-Fi Xtreme Audio」相当のものだ。

左の写真中央がVT6308P,右がRTL8110SC。右の写真は,SupremeFX X-FiをPCI Express x1スロットへ取り付けたところ
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画像集#025のサムネイル/ASUS「R.O.G.」のP55モデル「Maximus III Formula」。実機の特徴を細かくチェックする
 ASUSによると,P55チップセット搭載マザーボードは,一般PCユーザー向け製品を優先して出荷する予定。そのため,冒頭でも紹介したX-DAY(※いつかは明らかになっていない)を迎えても,すぐにMaximus III Formulaの販売が始まる可能性は低いと思われる。
 ただ,手持ちのノートPCやNetbook――サブのデスクトップPCでもかまわないが――の,新しい使用法を提案するROG Connectも含め,今回もR.O.G.の新作はなかなか面白そう。興味を持った人は,X-DAYを迎えた後も,ちょっと待ってみるといいかもしれない。
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