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ゲームの物理シミュレーションはここまで来た。ムービーでチェックする,NVIDIA PhysX採用タイトル「Backbreaker」のリアリティ
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印刷2008/05/31 12:00

ムービー

ゲームの物理シミュレーションはここまで来た。ムービーでチェックする,NVIDIA PhysX採用タイトル「Backbreaker」のリアリティ

NaturalMotionのWebサイト
Backbreaker
 NaturalMotionというデベロッパをご存じだろうか。同社は,アニメーションやCGにおいて,キャラクターがより自然な動きを実現できるようシミュレーションする,アニメーション合成ソフトなどを手がけてきた会社である。その技術はテレビCMやゲームタイトルですでに採用されているが,最近の例だと,アニメーション合成エンジン「euphoria」が,あの「Grand Theft Auto IV」に採用されていることが挙げられよう。
 「Dynamic Motion Synthesis」と呼ばれるeuphoriaは,障害物や敵キャラクターなどから与えられる衝撃の大きさや向きなどを物理演算処理で計算し,自然なキャラクターの動きを実現できるエンジンだ。Grand Theft Auto IVのほかにも,2008年9月発売予定の「Star Wars: The Force Unleashed」や,現在開発が進められている「Indiana Jones」で採用され,さらに,Wii,Xbox 360,PLAYSTATION 3といったコンシューマ機用タイトルでも,その技術は応用されている。


物理演算によって人間のリアリティを描くBackbreaker


 そんなNaturalMotionの自社開発タイトルで,2008年8月の市場投入に向けて開発中なのが,今回取り上げるアメリカンフットボールゲーム「Backbreaker」だ。


 Backbreakerは,ランニングバックとして,次々とタックルしてくる敵チームの選手を避けながら,タッチダウンを目指すというシンプルなゲームである。その動きの自然さは,NaturalMotionが実際にプレイしてみせた下のムービーを見てもらえば一目瞭然だろう。



 敵チームの選手がタックルしてくる高さやスピードによって,プレイヤーキャラクターが毎回異なる動きを見せるあたりは,まるでテレビ中継のようで,従来型の「あらかじめモーションキャプチャされた何パターンかの動きを繰り返すキャラクター」とは一線を画している。3Dキャラクターの動きをリアルタイムでシミュレーションするからこそできる芸当だ。

Backbreaker
 とはいえ,積極的に物理演算を用いたリアルタイムのアニメーションレンダリングを実現するには,代償も大きい。
 Backbreakerでは,より自然なキャラクターの動きを実現するため,物理演算と,それに伴う人工知能機能にハードウェアリソースの大半を割いているのだ。そのため,キャラクターの表情は描かれず,フルフェイスヘルメットに覆われるなど,レンダリング負荷の低減が図られている。もっとも同時に,インスタンシングを活用して9万人の観衆を描いたり,ダイナミックな光源処理やモーションブラーを用いたブレやボケの表現を行ったりと,最新GPUの持つ描画能力を惜しみなく使うことで,グラフィックスクオリティがプレイヤーを幻滅させることがないようには配慮されているが。

 なお,Backbreakerは,あくまでボールをエンドゾーンまで運ぶシンプルなシングルプレイを前提にしている。パスプレイやセットプレイなど交えた,アメリカンフットボールそのものを楽しめるゲームを実現するには,CPUやGPUのさらなるパワーアップが必要になるという。


物理シミュレーションが変える次世代ゲーム


 Backbreakerのデモは,2008年5月30日の記事で紹介している「Far Cry 2」のムービーが公開されたのと同じNVIDIAのイベント内で行われたが,ここでNaturalMotionは,同タイトルの開発に当たって,NVIDIAとの戦略的提携契約を結んだとアナウンスした。NVIDIAは,GeForce 8/9シリーズのGPGPU的演算能力や,同社が2008年2月に買収した旧AGEIA Technologiesの物理シミュレーションエンジンである「NVIDIA PhysX」(旧称:AGEIA PhysX)を用いて,euphoriaエンジンをより積極的に活用した新世代のゲーム開発を支援するとのこと。Backbreakerはその第1弾にして,テクノロジーデモ的な位置付けになる。
 ちなみに下に示したのは,euphoriaエンジンのデモだ。キャラクターにかかる力の強さや向きなどに応じ,物理演算処理によって自然な動きをシミュレートし,リアルタイムでレンダリングしている。


 NaturalMotionとNVIDIAは今後,euphoriaエンジンの開発環境であり,ランタイムエンジンでもある「morpheme 2.0」においてNVIDIA PhysXを採用。GeForce 8/9シリーズなどのシェーダコアを,描画だけでなく物理演算処理にも用いることで,よりリアリティのあるゲームを実現させるべく,協力していくという。

morphemeの説明(左)と,morphemeのオーサリングツール画面(右)
Backbreaker Backbreaker

NaturalMotionのCEOであるTorsten Reli氏
NVIDIAで(ゲームソフト開発の支援などを行う)コンテンツリレーションズ部門を統括するRoy Taylor氏
 NaturalMotion創業者の一人で,CEOのTorsten Reli氏は,「GPUが優れたコンピューティング性能を持つ今,物理演算処理を積極的に取り入れることで,キャラクターの自然な動きや,インタラクティブなゲーム展開が実現可能になる」と説明。また,NVIDIAでゲームコンテンツ開発のサポートなどを統括するRoy Taylorコンテンツリレーションズ担当副社長は,「物理演算処理をプレイヤーキャラクターの動きにも取り入れることは,次のアクションのトリガーが不確定になることを意味する。つまり,より多くのAIリソースが必要となる」と指摘する。その解決策の一つが,GPUリソースをグラフィックス描画だけでなく,演算処理にも積極的に活用するアプローチというわけだ。
 Taylor氏は「Backbreakerのような,物理演算処理をキャラクターの動きにも用いたゲームでは,グラフィックスクオリティと物理演算性能,AI性能などをバランスよく配分する必要がある。その匙(さじ)加減一つで,ゲームがおもしろくなったり,つまらなくなったりすることがあり得るからだ」と,ゲーム開発の難しさを指摘する。しかし同時に,「GPU性能の向上で,現在開発中のタイトルでは,より多くの物理演算要素が取り入れられ始めている。こうした新しい世代のゲーム開発を強力にサポートするためにも,GPUの演算性能をさらに高めていく必要がある」とも述べ,GPUのさらなる性能向上がゲームの進化に不可欠であるとした。

 PCゲーマーのなかには,「これからのPCゲームがNVIDIAのハードウェアに最適化され,競合他社の環境ではパフォーマンスや機能面で大きな差が生じるのでは?」と,不安を覚えた人がいるかもしれない。
 確かにその可能性はある。しかしその一方,GPUがグラフィックス処理だけでなく,GPGPU(General Purpose GPU,汎用GPU)的な各種演算処理もこなせるようになることで,よりリアルなゲームが誕生する素地が出来たのも,また確かだ。
 Backbreakerは,こうした次世代ゲームの一例といえよう。そして,NVIDIAがAGEIA Technologiesを買収したことは,GPUを“グラフィックスプロセッサ”としてではなく“ゲームプロセッサ”として進化させるための第一歩となるのかもしれない。
  • 関連タイトル:

    Backbreaker

  • 関連タイトル:

    PhysX

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