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「SideWinder X8 Mouse」詳報。穴のないスペックは,ゲーマー向けワイヤレスマウスの概念を変えるか?
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印刷2008/09/11 20:05

ニュース

「SideWinder X8 Mouse」詳報。穴のないスペックは,ゲーマー向けワイヤレスマウスの概念を変えるか?

SideWinder
Hardware Anywhere 2日めは,レドモンド市のMicrosoft本社が舞台に
SideWinder
X8 Mouse
 速報記事でお伝えしているとおり,北米時間2008年9月10日,MicrosoftはPCゲーマー向け周辺機器ブランドの新製品として,ワイヤレスマウス「Microsoft SideWinder X8 Mouse」(以下,X8 Mouse)を発表した。
 新世代トラッキング技術「BlueTrack Technology」(以下,BlueTrack)を採用したSideWinderブランド初のワイヤレスマウス,と一言でまとめるのは簡単だが,実機に触れ,そして担当者に直接話を聞くにつれ,驚くほどアグレッシブな試みがなされているのが分かってきた。本稿では,イベント「Hardware Anywhere」の会期中に判明した限りの情報を,細大漏らさずお伝えしたい。


高速な操作に対応すべく引き上げられた追従性能

「人間には知覚できない遅延」で動作するX8 Mouse


 さて,一部は速報でお伝えしているが,X8 Mouseのスペックを下記のとおりまとめてみよう。

  • センサー基本仕様:BlueTrackベース(※光学センサー搭載)ワイヤレスタイプ
  • ボタン:左右メイン,左サイド×2,チルト機能&センタークリックボタン機能付きスクロールホイール,解像度設定変更専用ボタン×3,マクロ登録ボタン×1
  • トラッキング解像度:250〜4000dpi(専用ボタン×3に任意の解像度設定を割り当てることで,いつでも変更可能)
  • フレームレート:13330fps
  • トラッキングスピード:120ips
  • 最大加速度:75G
  • リフトオフディスタンス:光学センサーを搭載した既存ゲーマー向けマウスと同程度
  • USB接続インタフェース:USB 1.1 FullSpeed
  • 無線周波数帯:2.4GHz
  • 動作遅延:30ms以下
  • バッテリー:単三型乾電池(※工場出荷時には充電池を同梱)
  • バッテリー駆動時間:30時間(※3時間のフル充電時)
  • マクロ登録機能:対応
  • 内蔵フラッシュメモリ:非搭載
  • 本体サイズ:SideWinder X5 Mouseと同程度
  • 重量:一般的なゲーマー向けワイヤードマウスと同程度
  • マウスソール:テフロン含有率100/50/0%の3種類(※付け替え可能)
  • 対応OS:Windows XP/Vista
  • 価格:99.95ドル(※北米市場)
  • 発売予定時期:2009年2月(※北米市場)

 驚くべきは,そのスペックの高さだ。スペック=性能では必ずしもないが,120ipsというトラッキングスピード,75Gという最大加速度は現時点でのトップクラス。1万を超えるフレームレートは,筆者が記憶する限り過去最高の値だ。

BlueTrack共同開発者であるMicrosoftのMark DePue氏
 この点について,BlueTrackの共同開発者であるMark DePue氏は,X8 Mouseのセンサーではフレームレートと最大加速度が重視されており,「Microsoft Explorer Mouse」とは異なるチューニングを施していると述べる。さらに,SideWinder担当のマーケティングマネージャーであるBill Jukes氏は,X8 Mouseで「最高の製品として,追従性については,ゲーマーに驚いてもらえるだけのスペックを実現した」と胸を張る。

SideWinderシリーズのプロダクトマネージャーを務めるBill Jukes氏(右)。左は,MicrosoftでユーザーエクスペリエンスおよびSideWinderを担当するエンジニアのKevin Flick氏だ。Flick氏には,本稿の後半でご登場願う
SideWinder
 無線伝送ということで気になるのはレイテンシ(=入力から反応までの遅延時間)だが,「電気系とファームウェア,ソフトウェア方面のエンジニアが連携することで,30msを下回るレイテンシに抑えることができた」(Jukes氏)。
 一般的なワイヤードのゲーマー向けマウスが持つ同6〜9msと比べると見劣りするが,Jukes氏は,「我々の調査では,超一流のプロゲーマーでも,40ms以下の遅延は体感できていない。つまり,30msというのは『事実上,人間には知覚できないレイテンシ』といって差し支えない」と述べ,「Lag Free Play」というキーワードをX8 Mouseに与えている。

SideWinder
Jukes氏は2日めの基調講演で,X8 Mouseのキーワードとして,ワイヤレス(Wireless),長くプレイできること(Continuous Game-Play)と併せ,レイテンシのないゲームプレイ(Lag Free Play)の三つを挙げていた
SideWinder
SideWinderロゴ入りの無線レシーバ兼充電ユニット。替えのマウスソール入れとしても機能しており,上蓋を開けるとアクセス可能だ。写真左に伸びるのは充電ケーブルである。なお,本体が大型なのは,より多くのワイヤーを内蔵し,アンテナ強度を高める目的もあるという

センサーユニットはBlueTrackベースとなる。BlueTrackが青色光を採用したのは,赤色光よりも拡散しやすいためとのこと。波長がより短いためだそうだ。なら,紫光を利用すればいいのではという気もするが,紫だと,読み取る側の光学センサーがうまく対応できないとDePue氏
SideWinder
 バッテリー駆動時間は30時間。センサーユニットの消費電力は,DePue氏いわく「従来の光学センサーやレーザーセンサーとほぼ同じはず」だが,Microsoft独自設計で,Infineon Technologiesに製造を委託している光学センサーASICはBlueTrackで第4世代を数えており,その分,消費電力面では改善ができるとのことだ。つまり,30時間というバッテリー駆動時間を実現できたのは,採用した単三型乾電池によるところが大きいというわけだ。

 「30時間というのは,解像度設定を4000dpiに設定し,流れるパケットの量を最大にしたときの値だ。Microsoftのポリシーとして,一般的な設定で使用したときに70時間利用できなければ,『30時間』とは謳わない」とJukes氏。

SideWinder
本体底面のカバーを外した状態とレシーバユニット。電池のスロットは,左サイドボタン側に寄って取り付けられている
SideWinder
充電時は,こんな感じでレシーバユニットとマウス本体を接続する。接点はマグネット式。充電中も“ワイヤードマウス”として利用可能だ
 競合のLogitechは,ゲーマー向けワイヤレスマウスとなる「G7 Laser Cordless Mouse」(以下,G7)でバッテリーユニットの軽さを重視。実使用時に5〜7時間駆動を実現する専用のバッテリーパックを2個用意し,入れ替えながら使うよう推奨していたが,そのバッテリーパックの重量は実測で19gだった。
 対する単三型充電池の重量は(三洋電機の「エネループ」で)同27gなので,確かに重量面では若干不利になる。しかし,数gの犠牲と引き替えに3倍以上のプレイ時間を実現できるというのは,意味のあるトレードオフだというのが,Microsoftの主張だ。1日数時間ゲームをプレイするとして,1週間程度持つことを重視した結果であるという。

 ちなみに,電池ボックスは本体左サイドボタン側に用意されており,左右のバランスが気になるところだが,持ってみると,そう不自然さはない。この理由は「本体の右側に主要なコンポーネントを集中させているのと,そもそもマウスを右手で持つ場合,左側の重さは気になりにくいため」(Jukes氏)だそうだ。

やや余談だが,開発途上版のX8 Mouse用充電ユニットが公開されたので紹介しておこう。左は初期バージョンで,マウスの情報を表示するような液晶パネルを装備した直方体。マウスとの接続はUSBだった。右はちょっと変わった形のバージョン。マグネット式が採用されつつ,液晶パネルはまだ残っている
SideWinder SideWinder


シリアスゲーマーがターゲットの戦略にブレなし

流行の内蔵フラッシュメモリ非搭載の理由とは


X5 Mouse(奥)と比べてみると,そこかしこが丸くなっているのが分かる
SideWinder
 X8 Mouseの形状は,「Microsoft SideWinder X5 Mouse」(以下,X5 Mouse)とよく似ている。とくにフットプリントや背の低さはそっくりと言っていいほどだが,実際に横に並べてみると,いわゆる“SideWinder的”な,角張った印象はなりを潜め,ずいぶんと丸みを帯びているのが分かる。「丸みを帯びた結果,さらにグリップしやすくなった」とまでは,短時間試しただけの身としては断言できないが,右手中指を右メインボタンに置き,親指と薬指,小指でにぎる「かぶせ持ち」時には,ずいぶんと余裕を持ってグリップできる印象だ。
 筆者は中指をスクロールホイール上に置くプレイスタイルなのだが,この場合でも,手のひらとマウスの背をしっかり密着させることで,苦もなく握ることができた。指先でつまむように持つ「つまみ持ち」はかなり厳しいが,まあ,これはSideWinder Mouseの方向性に起因するものなので,やむを得まい。

「かぶせ持ち」に最大限配慮したデザインは健在
SideWinder SideWinder

 さて,X8 Mouseでは,使い勝手を左右する重要な変更が二つなされている。一つは,スクロールホイールがチルト対応になったこと。もう一つは,サイドボタンの背が低くなったことだ。

速報記事より再掲。チルトホイールはしっかりした作りで,ぐらつくような印象はなかった
SideWinder
 Microsoft製マウスのチルトホイールというと,クリック感がなく,多くのゲーマーから不評を買っている「Smooth Scroll」仕様が有名だが,X8はしっかりとしたクリック感があるタイプ。また,初代「Microsoft SideWinder Mouse」(以下,初代SideWinder)から,左右を若干スリムにしたような外観のメタル製ホイールは,操作中にグラついたりしない,しっかりした作りで,少なくとも“誤爆”への配慮は感じられるものとなっている。
 ちなみにチルトを用意したのは,「オンラインRPGやRTSで利用できる,カスタマイズ可能なボタンの数を,従来の5個から7個に増やすため」(Jukes氏)とのことである。チルトにテキストチャット用のスラッシュコマンドを割り当てたいというプレイヤーが,案外多いのだとか。……個人的には,間違えて押して,キャラが身動きとれなくなったりしないかと思うと,ちょっと不安だが。

こちらも速報記事より。サイドボタンの中央が窪んだ,V字状のレイアウトになっている
SideWinder
 サイドボタンは,初代SideWinderとX5 Mouseでは,材質こそ違うが,縦二連で大きく突き出ていたのが特徴だった。外観上の特徴にもなっていたわけだが,X8 Mouseでは,これが平板なものに変わっている。
 これは,二連ボタンでは,親指の移動量が大きくなってしまったためで,今回は二つのボタンの間に設けられた窪みに親指を置けば,あとは親指を傾けると,指の両側面で押下できるようになっている。こちらも誤爆が気になるところだが,ざっと触ってみた限りでは,窪みが上手く機能しており,マウスを持ち上げたときにサイドボタンを押してしまうようなことはなかった。
 もっとも,実際のゲーム中でも反応しないかどうかは,あらためてきちんと検証する必要があるだろう。

サイドボタン中央部分は,自然に親指が収まるよう,ガイドラインが引かれている。写真左に見える黒いボタンは,初代SideWinderから引き継いだマクロ登録ボタンだ。右はFlick氏が見せてくれた実演。こんな感じで窪みに親指を置くと,サイドボタンを誤爆しないで済むような形で自然に収まる
SideWinder SideWinder

初代から引き続き搭載する液晶ディスプレイ。解像度設定などを表示できるが,設定内容はマウス側に保存されているわけではなく,あくまでPCから情報を持ってきていることになる
SideWinder
 最後に,ゲーマー向けマウスでは最近の流行となっている,本体内蔵のフラッシュメモリについて。
 Jukes氏は,なぜ搭載しなかったのかという筆者の質問に答える形で,「その機能については,いつも考えている。新しいゲーマー向けマウスを開発するときには必ず,『取り入れる機能』の候補リストに入る」としつつ,搭載コストと,フラッシュメモリを積極的に使うプレイヤーの数が少ないことから,X8 Mouseでは採用を見送ったとした。

 「SideWinderブランドの製品を開発するときは常に,“ゲーマーピラミッド”の頂点にいる,数の少ないプロゲーマーではなく,その下にいる,数多くの『シリアスゲーマー』のことを第一に考えている」(Jukes氏)とのことで,将来的に搭載コストが下がり,一般的なPCゲーマーが求めるようになれば,採用される可能性があるとの見通しが示されている。


少なくとも現時点では穴がないX8 Mouse

いよいよ,ゲーマーはケーブルから解放されるか?


SideWinder
SideWinder
 どんなに細く,柔らかいものであったとしても,マウスを高速に,あるいは大きく移動させるときに,マウスのケーブルというのは邪魔である。にもかかわらず,一般ユーザー向け市場ではずいぶん前から一定の地位を築いているワイヤレスマウスが,ゲーマー向けではG7しか存在せず,実際にゲーム,とくにアクション要素の高いゲームをプレイする用途でワイヤレスマウスを使っている人の数が少ないのは,一にも二にも,ワイヤレスマウスをゲームで用いるには,何かを犠牲にしなければならなかったからだ。
 それは応答性能だったり,バッテリーを含むことによる重量増だったりするが,そういった観点から見たとき,少なくとも現時点のX8 Mouseは,これといった穴がない。もちろん,フタを開けてみるまでは「本当にそうか」については結論を留保する必要があるものの,MicrosoftのSideWinder開発チームが相当の自信を持っていることだけは確かだ。

 北米での発売日すら2009年2月の話なので,国内展開については鬼が笑うどころの騒ぎではないが,本気で使えるゲーム用ワイヤレスマウスがついに登場するのかどうか。X8 Mouseは,続報に期待するだけの価値はある製品といえるだろう。

※9月12日20:00PM頃 本文中のマウスの名称に間違いがありましたので,訂正しました。
  • 関連タイトル:

    SideWinder

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