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印刷2009/01/30 15:06

レビュー

自分の肉体だけを頼りに大都会を駆け抜ける新感覚のアクションゲーム

ミラーズエッジ

Text by UHAUHA

»  バトルフィールドシリーズでおなじみ,スウェーデンのEA DICEが開発したアクションゲーム,ミラーズエッジ。鏡のように清潔な大都市を背景に,自分の肉体だけを頼りに障害物を乗り越え,移動し,戦っていくという他に類を見ない内容が注目されるタイトルだ。そのPC版を,高いところが苦手な割にはXbox 360版にハマりまくったUHAUHA氏がレビューする。


高いところが苦手な人にはつらいアクションゲーム
「ミラーズエッジ」がPC版で登場


 忘れもしない昨年(2008年)12月。突然筆者のもとに,Xbox 360版「ミラーズエッジ」が送られてきた。ミラーズエッジは,走る,飛ぶ,よじ登るといった自分の肉体だけを使ったアクションで障害物を乗り越えるエクストリームスポーツ,「パルクール」にインスパイアされたアクションゲームで,人気の高いマルチプレイFPS,バトルフィールドシリーズを開発したEA DICEが手がけた新作だ。

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ミラーズエッジは高所恐怖症ぎみの人(筆者のこと)がプレイすると,チビりまくりで大変なことになるが,オムツをしてプレイしても損はないゲームだ。ビルからビルへ飛び移り,障害物を乗り越え,鏡のような大都市を駆け抜けるのだ!

 発売前から公開されていたスクリーンショットやムービーで,ビルの上を走り回ったり,建物の屋根から屋根へと飛び移ったりしているのを見て,高所恐怖症ぎみである筆者には「絶対に無理」と思っていたのだが……。あれほど,「高いところと狭いところと怖いゲーム(激しく臆病である)はやりませんよ!」と言っていたのに担当編集者は忘れちゃったのだろうか(編集部注:忘れていた)。

 とはいうものの,せっかくなのでプレイしてみたところ,やっぱり高いところが大の苦手である筆者には足のすくむシーン満載なのは間違いないけど,アクション部分のプレイフィールが非常にマッチしており,思わずミラーズエッジを極めたいと思ってしまったのである。以来,プレイしまくり。ひたすら走り回り,飛び回り,背筋やお尻のあたりにいやーなゾクゾクを感じながらも,ほかにはない爽快感と“障害物だらけの場所を滑らかに走る面白さ”に完全にハマってしまったのである。なんだか編集部の罠にもハマったような気もするけど。

 こうしたアクションゲームでは三人称視点が採用されることが多いが,ミラーズエッジは珍しいことに一人称視点を採用している。これは,「まるで自分が本当に走ったりジャンプしたりしているような没入感を与える」ことを意図してゲームがデザインされているためで,グラフィックス的には,プレイヤーキャラクターの手足や下半身が大胆に画面に出てくるところが異色だ。

どう移動すればいいのか頭を使うシーンも多い。華麗なテクニックを使い,流れるような動きで移動しないと先に進めないこともある
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今,フェイスがどこを見ているかによって焦点が変化するので,画面に奥行きを感じさせてくれる
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PhysXによるガラスの破片が飛び散る描写などは見事で,思わず顔の前に手をかざしたくなる

 Xbox 360版,PLAYSTATION 3版は2008年12月11日に発売されているが,PC版「ミラーズエッジ」は一か月以上遅れて,2009年1月22日発売された。ちなみに,ミラーズエッジにすっかりハマってしまった筆者は,Xbox 360版を毎日プレイしながらPC版発売を楽しみに待っていたクチである。というのも,PC版では物理エンジン「NVIDIA PhysX」(以下,PhysX)に対応すると発表されていたからだ。簡単に説明すると,PhysXとはガラスが割れたり,布や煙の描写,物理的に発生した風の再現を現実の物理法則に則ってリアルに再現するものだ。詳しいことは「こちら」「こちら」の記事をご覧いただきたい。
 なんにせよ,コンシューマ版の単なる移植ではなく,こうした「PCならでは」の特徴を実装してくれたのは素直に嬉しい。

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日光や蛍光灯などの相互反射による陰影の表現が巧みで,思わずのけぞってしまうような高さを強調している。白を基調とした都市に赤,黄,青といった原色のオブジェクトが配置され,それらの色が白い壁に淡く反射するなど,光線が反射して周囲に影響を与える“環境光”の再現にはただただ驚く
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じっくりとストーリーモードを堪能したら
レースモードでタイムを刻め!


 ミラーズエッジは近未来の架空の大都市が舞台となる。この街では,ネットや手紙などあらゆる情報が政府に監視されており,政府に知られたくない情報を安全かつ確実に送るには“手渡し”で運ぶしかないのだ。そうした情報の運搬を担うのが,運び屋集団である「ランナーズ」。ランナー(運び屋)達は素早く移動するのに最適で,邪魔の少ない隠れた通路,「鏡の境界」(ミラーズエッジ)を走り抜け,政府や警察の目をかいぐぐりながら情報を次のランナーやクライアントに送り届けているのである。ミラーとは,コンクリートとガラスで作られたきらめく都市の暗喩だ。
 主人公のフェイスは,そんなランナーの一人だったが,ある日,彼女の双子の妹ケイトが,何者かが仕組んだ殺人事件の容疑者として逮捕されてしまう。フェイスは妹を助けるため,そして事件の真相を解明するために走り出すのだ。

これが世界中で「誰々に似ている」だとか,「あんまり(以下,自主規制)」とか,いろいろと話題になっている主人公フェイス。筆者はとてもアジアンビューティーだと思うので,それでいいじゃないか!
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 と,こんな感じのストーリーを背景に展開されるのが「ストーリーモード」。
 プロローグと九つのチャプターで構成されており,各チャプターにはいくつかのチェックポイントがある。ビルから落ちたり,警官などに殺されるとチェックポイントからやり直しだが,ゲームオーバーはなく,何度失敗しても大丈夫。“コンティニュー”を選べば,最後にプレイしたチャプターのチェックポイントからストーリーモードが始まり,“チャプターをプレイ”を選べば,クリアしたチャプターを個別に選択して,好きなチェックポイントからプレイできる。

 チェックポイントを選択してのプレイに意味がなさそうだが,実はやり込み要素として各チャプターごとにステージのどこかに黄色いランナーバッグが3個ずつ隠されている。ストーリーモードをプレイ中に回収してもいいが,まずはバッグを気にせずにクリアし,それからチェックポイントを選んでバッグを回収しに行けるのは,時間短縮になってありがたい。とはいえ,バッグがどのチェックポイントにあるのかは分からないけど……。

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 ストーリーモードのほかには「レースモード」があり,ストーリーモードの各チャプターをどれだけ速くクリアできるかを競う「スピードラン」と,設定されたコースのチェックポイントを順番に通過しながら,ゴールまでのクリアタイムを競う「タイムトライアル」の二つのレースが用意されている。

 スピードランでもタイムトライアルでも,オンラインに接続(登録無料のアカウントが必要)しておくと,自分の出したタイムがサーバーにアップロードされてランキングに記録されるので,世界中のプレイヤーと腕を競い合える。
 さらに,タイムトライアルではプレイしたときのゴーストデータも保存されるので,上位プレイヤーのゴーストをダウンロードして表示させ,彼らがどんなルート取りやショートカット,アクションを使っているのかがよく分かって参考になる。

 どちらのモードも,クリアタイムの設定はかなりシビアだ。たぶん,最も遅い設定でも苦労するはず。いかに最短ルートをタイムロスなく走り抜けられるかがポイントで,かなりのテクニックが必要になる。トライ&エラーを繰り返すことになるので,これをストレスと感じるプレイヤーもいるかもしれない。レースモードは,やるなら覚悟して挑戦しよう。

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ストーリーモードの各チャプターのクリアタイムを競うスピードランは,ルート取りのほかに速度を落とさずに走り続けられるかが重要
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コース上に設定された赤く光るチェックポイントを通過していくタイムアタック。ときに大胆にコースを攻めないとタイムは出ない
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たとえ上級プレイヤーのゴーストについていけなくても,残された軌跡は十分にルート取りの参考になる。世界のタイムに挑戦しよう
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殺人事件の容疑者として逮捕されたフェイスの双子の妹ケイト。やがてフェイスも容疑者として追われることになるのだ
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やりこみ要素といえる「ランナーバッグ探し」。プレイ中に赤いランナーズマークを見かけたら周辺を探してみよう
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各チャプター冒頭にはアメコミ調のムービーが挿入される。ちなみに手前にいる男性がランナー達を仕切っているマークだ

臨機応変に多彩なアクションを使いこなせ


 ゲーム画面は,上にも書いたように,フェイスが見たままの風景がゲーム画面として映し出される一人称視点。アクションゲームにありがちな体力バーやミニマップといったインジケータ類はいっさいなく,画面中央に小さなレティクルがあるだけというシンプルな構成だ。ゲーム中には視点を移動させてあたりを見回しながら行動するが,もちろん,PC版ならではの特典(?)であるキーボード+マウスでの操作も可能だ。

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フェイスの基本攻撃であるパンチやキックは敵との距離から自動的に選択される。しゃがみパンチ&スライディングキックなども織り交ぜると効果的だ。ウォールランからのキックで倒すと映画「マトリックス」みたいでカッコイイ

 フェイスの操作は前後への移動および走る(デフォルトでW/Sキー。以下同),横歩き(A/Dキー),ジャンプ(SPACEバー),ターン(Qキー),しゃがむ&スキルロール(=受け身)&スライディング(左Shiftキー),マウスによる視点移動(=方向操作)を組み合わせて多彩なアクションを繰り出せる。ほかにも敵から武器を奪い取る武装解除(右マウスボタン),パンチ&キック&銃撃(左マウスボタン),時間をスローモーションにするリアクションタイム(Rキー),目標地点を向く(左Alt)といったキーを使いこなして大都市の中を駆け巡るのだ。まあ,こうやって書くと操作すべきキーが多そうだが,実際にプレイをすればすぐ慣れると思う。

 Xbox 360版をプレイした時間が長かったせいもあるのだが,筆者としてはXbox 360ゲームパッドでプレイしたほうが遊びやすかった。キーボード+マウスも試したが,ジャンプやターンなどを連続で行う場合のやりやすさは,ゲームパッドのほうが勝っていると思う。
 だが一方,方向操作や銃のレティクル操作といった微妙なコントロールが必要な場合はもちろんマウスのほうがやりやすく,結局,銃を持ったときだけ左手にゲームパッド,右手にマウスを握り締めることになった。まあ,どちらも一長一短ある感じなので,プレイスタイルに合わせて使いやすいよう,キーアサインを変更するといいだろう。

 ミラーズエッジでは走ることとジャンプすることが基本アクションだが,とくに走ることでつく「勢い」がポイントだ。現実でも遠くへ飛び移りたいときには助走をつけてジャンプするが,それは本作も同様で,走ることでついた勢いを利用して通常よりも高く,遠くへ跳んだり,長い時間スライディングできるようになる。ゲーム中,助走が足りずに屋上からころげ落ちたり,踏み切るタイミングが早すぎて目的の場所に届かなかったなんてことはイヤというほど出てくるはずだ。少なくとも筆者はそうだった。何度コントローラーを壁に投げつけようとして思いとどまったことか……(遠い目)。

 また,大ジャンプのあとや高所から降りたときは,着地するときにスキルロール(受け身)を取らないとダメージを受けて体が完全に停止してしまう。スキルロールを使えば最小限の速度低下で再び走り出せるため,敵に追われているときなどは素早く逃げられるし,レースモードではタイムに大きく響いてくる。ただし,ダメージを受けない高さなのにスキルロールを使うと逆にタイムロスになるので注意が必要だ。

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 全般に多用することになるのが,垂直な壁を駆け上がるウォールクライムと,壁の側面を弧を描くように走り抜けるウォールランだ。どちらも勢いがついているほど高く,遠くまで行けるので,通常では行けない場所や,離れた地点への移動が可能となる。
 ウォールクライムからターンをすると「180度ターン」となり,そこでジャンプすれば駆け上がった壁とは反対方向へ飛びつける。また,ウォールランからターンすると90度ターンとなって,走っている壁に対して垂直方向にジャンプできる。
 これを応用すれば,ウォールランから90度ターンでジャンプし,そのままウォールクライムで壁を駆け上がって,180度ターンしてから反対側の壁の上に着地するという一連の流れで,普通では行けない高さまで登れるのだ。このように,これぞパルクール(編集部注:無理です)といえるアクションを状況に応じて華麗に使えるようになると自分が偉くなったような気がして,俄然面白さは増してくる。

 ゲーム中,フェイスは武器を持ち歩いていないので,敵(警察やガードマンなど,邪魔するヤツら)に応戦するにはパンチやキックをお見舞いすることになる。連続でパンチを繰り出せるが,スライディングからキック,そして立ち上がって顔面にパンチといったコンボもボタンを連打するだけで簡単に出せる。

 武器を奪い取るには,敵に接近して殴りかかろうとしている一瞬,武器が赤くなったときに「武装解除」(マウス右ボタン)をすればいい。タイミングがシビアなため,敵に殴られて画面が真っ赤になることも多いが,どうしてもうまくいかなければ時間の流れをスローモーションにするリアクションタイムを併用しよう。リアクションタイムは,一定時間勢いをつけて走ることで再チャージされる。

 武器は遠距離攻撃ができて便利だが,すぐに弾切れになるし,なにより手に持っている間は移動速度も落ちて,ジャンプもできないなど動きに制約が出てくる。そのため,あえて武器を使わずに格闘技で立ち向かうことが多くなる。もちろん,単純なパンチやキックだけでなく,ドロップキック(ジャンプキック)やスライディングキック,そしてウォールランからのキックなどを使うと非常にクールでオススメだ。

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全力疾走中は画面周辺がボヤけてスピード感がある。手や足が大きく視界に入ってくるところも臨場感を高める
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足場がなくて多少距離があるところでもウォールランなら大丈夫。ウォールランからジャンプすればさらに遠い位置へ
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高所からの着地時に転がってダメージを逃がすスキルロール。出すタイミングは早すぎても遅すぎてもダメ。体で覚えるしかないのだ
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背の低いオブジェクトを踏み台にして通常より高く遠くへジャンプする“スピードヴァルト”は,使えないと困るジャンプテクニック
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エレベータシャフトや地下鉄のトンネルを移動することもある。どちらも非常に暗いので,何度も失敗することになるだろう
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武器が赤くなった瞬間に「武装解除」をすれば敵を倒して武器を奪い取れる。難しければリアクションタイムを使おう

トライ&エラーを繰り返して覚えた
走り続ける快感がもうヤミツキ


 各チャプターは複数のルートが取れるようにデザインされており,どんなルートで進めていくかはプレイヤー次第だ。どの障害物を乗り越え,どこをジャンプしていくかによってゲームの難度も大きく変わる。何度も助走をつけてジャンプし,やっと届いたような場所に,あとから発見した別ルートで簡単に行けたとか,ここを乗り越えるものだと思って必死に飛んだり跳ねたりしていたら,実際はまったく違うところが目的地になっていたなんてことが多く発生するので,読者にも思う存分に悔しい思いをしてもらいたい。筆者はもう十分にした。

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なんてことのないジャンプなのに,意外と足を踏み外して落ちたりするから油断大敵。立ち止まって慎重に進んだほうがいい場合と,止まらずにリズム良く進んだほうが楽なところがあるので臨機応変に対応しよう。それにしても高い,怖い

 走り回れるフィールドはかなり広いが,どの方向に行けばいいのか分からなくなることもしばしばある。そんなときは「目標地点を向く」(左Alt)を使えば行くべき方向を向いてくれるので便利だ。もちろん,場所によっては目の前が壁で,どこ行きゃいいのか全然分からん! なんてこともあるが,小まめに使っていれば迷いにくくなるだろう。
 また,ランナービジョンを有効(オプション画面で設定する)にしておけば,先に進むための重要なオブジェクトや敵などが赤く表示されるので,それらを目印にできる。

 さて,Xbox 360版を延々プレイしてきた筆者だが,PC版のストーリーモードにも挑戦したところ,実プレイ約7時間でエンディングに到達できた(難度はイージー)。Xbox 360版ではイヤというほどトライ&エラーを繰り返し,クリアまで4日ほどかかっているので,少しばかり上達した今ではずいぶん速くなったなぁと自分で驚いてしまった。
 ストーリーモードについては「全体的に短い」という声を耳にするが,チャプターごとに,ビルの屋上,屋内,地下,工事現場,ダクト内,そして船内などバリエーションに富んでおり,なにより常に走ったり飛び回ったりと非常に忙しいゲームなため,個人的にはちょうど良い長さに感じられる。

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 一人称視点で激しく動くアクションゲームということもあり,ゲーム難度は高い部類に属するだろう。最初にプレイするときは,とにかく高所から落ちて死ぬことが多く,ストレスが溜まるかもしれない。しかし,ジャンプするタイミングを体でつかみ,ウォールクライム,ウォールランなどが確実にこなせるようになると,今までビルの谷間の幅を確認してから助走し,半分ビビりながらジャンプしていたところもヒョイヒョイ移動できるようになるし,移動に手間のかかる場所へも簡単に登れるようになる。こうしたトライ&エラーを繰り返し,次第にうまくなっていくのが実感できるところがアクションゲームの最大の面白さだ。そして,このミラーズエッジでは,それが十分に味わえるのである。

 目もくらむような高層ビルの屋上を飛び回ってみたり,警官に追われてみたり,あるいはヘリコプターから銃撃されてみたりと,ハリウッド映画のようなシーンがわんさか出てくるが,一人称視点を採用したことで,まるで自分が実際に体験しているような錯覚に陥る。筆者が割とのめり込みやすいという性格を割り引いても,ミラーズエッジは,今までのアクションゲームにはないスリルと興奮を味わえると思う。
 繰り返しで申し訳ないが,たとえ何度もビルから転げ落ちようと,諦めずに繰り返し挑戦すれば上達するのが体感できる。そのようにして,流れるようなアクションで自在にフェイスを操り,走り回れるようになったときの快感と気持ちよさは,なんともいえない魅力。ぜひ,フェイスになりきってビルの上を駆け回ろう。地下もあるけど。

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高所からジップライン(ロープのようなもの)につかまって滑り降りる。勢いがついているので着地点を予測して手を離す
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銃は移動に制限が出るものの離れた位置からの強力な攻撃が魅力。射撃は,照準を素早く合わせられるマウスのほうが楽だ
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アクション映画のワンシーンのように,水路を滑り降りていく。こうした映像の迫力は,一人称視点だからこそだろう
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いくつものルートを取れるステージもあるが,とくにスピードランモードではどこをどう駆け抜けるかが重要なポイント
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高所から落ちたり敵から攻撃されてダメージを受けると画面の隅が赤くなる。ダメージが大きいほど赤い範囲が広くなっていく
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ストーリーとレースモードをクリアしていくことで,アートワークやゲーム中のムービー&ミュージックがアンロックされる

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