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インディーズゲームの小部屋:Room#633「The Procession to Calvary」
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印刷2020/05/13 10:00

連載

インディーズゲームの小部屋:Room#633「The Procession to Calvary」



 連休を挟んで3週間ぶりにお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第633回は,ルネサンス絵画をモチーフにしたポイント&クリックアドベンチャー「The Procession to Calvary」を紹介する。思いがけずゆっくりできたので,また心機一転して頑張るぞ(棒読み)。

画像集#008のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#633「The Procession to Calvary」

 本作の舞台は,聖戦が終結したどこかの時代。“不死身のジョン”が新たな王になり,ようやく平和が戻ってきたのだが……それを喜ばない人物もいた。戦争中にあまたの敵を倒し,すっかり血に飢えた獣と化してしまった(?)主人公の女騎士は,無用の殺生が禁じられた世の中に不満たらたらなのだ。

画像集#004のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#633「The Procession to Calvary」

 なんとか,もう少しだけ人殺しができないものかとジョンに直談判した女騎士は,ジョンのライバルである“天のピーター”がまだ生存していることを知り,ジョンの言葉尻を捕らえて無理やりピーターの討伐を承諾させる。そして,最後の仕上げとばかりにピーターの首を取るための旅に出るのだった……。

画像集#003のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#633「The Procession to Calvary」

 実にひどいストーリーでこれだけでも突っ込まずにいられないが,本作最大の特徴は何と言っても,ルネサンス絵画をコラージュしたグラフィックス。レンブラント,ボッティチェリ,ミケランジェロなど,筆者でも名前を知っている巨匠達の作品が,作者の言葉を借りれば「原画となるべく同じ形で」1つの世界にまとめられており,思わず顔がにやけてしまう。

画像集#009のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#633「The Procession to Calvary」

 それでいて,本来は絵の中にいるだけの人物がもぞもぞと動きながら,ナンセンスで馬鹿馬鹿しいセリフの応酬を繰り広げるのだから,これで笑うなというのは無理な話だ。各シーンのBGMには,ヴィヴァルディ,バッハ,ヘンデルといった作曲家によるクラシックの名曲が使われており,まさに芸術の無駄遣いとしか言いようがない。

画像集#007のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#633「The Procession to Calvary」

 主人公の女騎士を筆頭に,どの登場人物も頭のネジが100本くらい緩んでいるが,謎解き自体は割としっかりしており,きちんと順を追っていかないと解けないのが,なんだかかえって腹が立つ。いやまあ,ゲームとしては正しいんだけど……。だが女騎士は剣を持っており,めんどくさい謎解きをしたくないときは,問答無用で相手を斬り捨ててもいい。


 注意点としては,本作はマルチエンディングとなっており,罪もない人を殺していると,あとで報いが待っているということ。残念ながら本作は日本語化されておらず,英語があまり得意ではない人にはオススメしにくいが,あられもない姿に魔改造されてしまった名画の数々を見ているだけでも楽しめるので,興味を持った人はぜひどうぞ。そんな本作はSteamにて,1010円で発売中だ。

■「The Procession to Calvary」公式サイト
http://joerichardson.games/theprocession/

画像集#001のサムネイル/インディーズゲームの小部屋:Room#633「The Procession to Calvary」
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