連載
インディーズゲームの小部屋:Room#397「ACE OF SEAFOOD」
自宅から徒歩3分のところにあったクリーニング屋が閉店してしまい,困惑している筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第397回は,Nussoftの「ACE OF SEAFOOD」を紹介する。本作は,イワシや鮭や伊勢海老などを操作して,広い海の中で勢力争いをするという三人称視点のアクションシューティングだ。空いた店舗に新しいクリーニング屋が入ってくれますように……。
Nussoftといえば,本連載の第176回でも取り上げた,水槽の中で主に甲殻類が文字どおり火花を散らして戦う「NEO AQUARIUM -甲殻王-」を制作したことで広く知られている。そして,その最新作ではついに水槽を飛び出し,甲殻類の枠を超えた海洋生物達が広いオープンワールド……いや,オープンシーワールドで激しい生存競争を繰り広げることに。
ゲームを開始すると,詳しい状況説明もなく,いきなりこれである。
素性ってなに!? こんなの面白すぎてずるいよ! というわけで,まずはこの中から操作する生物を選択する。その後は操作方法のチュートリアルが始まるので,初めてプレイするときは一通りチェックしておこう。
ゲームの目的は,オープンワールドの海の中を泳ぎ回りながら漁礁を探し,敵対生物を倒してすべての漁礁を占領すること。漁礁は本作における拠点にあたり,ここでは最大6匹の群れを設定したり,新たな生物を繁殖させたり,生物の強化をしたりといったことができる。とはいえ,多くの漁礁はほかの生物の縄張りになっているので,そこを占領するためには,それらをやっつけなくてはいけない。
本作には数えきれないほどの海洋生物が登場し,それぞれビームを撃ったり,鱗を飛ばしたり,突撃して来たりと多彩な攻撃方法で襲い掛かってくる。広い海にはさまざまな強さの生き物(だけとは限らないけど)がいるので,勝てそうな相手と戦いながら少しずつ勢力を広げていこう。ほかの海洋生物を倒すと,相手の遺伝子や有機資源が手に入り,これを使って上述したように生物の繁殖や強化が行える。
また,「NEO AQUARIUM -甲殻王-」ではやたらとリアルなモデリングでも評判を呼んだが,本作でもやはり見どころの1つとなっており,今回は鮫やアザラシなどの大型生物に加え,駆逐艦やら潜水艦やらのプラモデル(しかも結構強い)まで登場。ますますカオス度が高まっている。
しかし,ただのネタゲーなのかというと決してそんなことはなく,海中を探索して拠点を広げ,少しずつ群れを強化して,これまでは勝てなかった強敵を倒していく楽しみがばっちり堪能できるゲームに仕上がっている。というか,何となく海を泳ぎ回って,目についた生物にちょっかいを出すだけで面白く,ついつい止めどきを失って遊んでしまう中毒性がある。
果たして,戦いの先でその謎は解き明かされるのか? そして,海産物のエースとなるのはどの生物なのか? そもそも,海産物の定義とは一体? 興味を持った人はぜひプレイしてみてほしい。そんな本作の製品版は1543円(税込)で発売中だ。
■Nussoft公式サイト
http://www.neoaq.net/- この記事のURL:
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