「インディーズゲームの小部屋」の第71回は,
「N」 を紹介する。本作は,ニンジャ(?)を操作して出口を目指す,シンプルな固定画面アクション。タイトルの「N」は,ニンジャの“N”なのだ。プレイヤーは真っ黒な棒人形のようなニンジャを操作して,トラップだらけのステージを攻略していく。
主人公のニンジャの驚異的な身体能力は,びっくりするほど速い新陳代謝によるもので,そのせいで90秒しか寿命がもたない。そして,すべてのニンジャ同様お金に飢えており,金塊には目がないというのが本作の設定だ。何かいろいろと間違っている気がするが,そういう設定なのだから仕方ない。
ニンジャの寿命(=残り制限時間)は画面上部に表示されており,ゲーム開始と同時に減少していく。そして,どういう理屈かは分からないが,金塊を取ることでほんのちょっぴり寿命が回復するので,時間切れになってしまう前に1エリア5ステージをクリアしていかなくてはならない。
ニンジャの操作は,初期設定では方向キーでの左右移動と,Shiftキーでのジャンプで行うようになっている。ニンジャだからといって,手裏剣を投げたりといった攻撃手段は一切ない。敵の攻撃からは,とにかくジャンプで逃げ回るしかないのだ。ジャンプは本作の最重要アクションなのだが,Shiftキーを連続で押すとWindowsの「固定キー機能」が働いてしまうので,コンフィグメニューでほかのキーに変更しておくほうがいいだろう。
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見た目もルールもシンプルな本作だが,ニンジャのアクションはかなり奥が深い。超人的なジャンプ力でステージ中を軽々と跳びまわれるだけでなく,壁を利用したジャンプで垂直な壁を飛び上がったり,壁に張り付いて高所から滑り降りたりといったさまざまなアクションが可能。ニンジャの動作には常に慣性が働いているので,シンプルな操作ながらなかなか気を抜けない。
そして本作のもう一つの見どころ(?)が,ニンジャの豪快なやられっぷりだ。対戦格闘ゲームでは,体力のなくなった相手に追い討ちをかける行為は「死体蹴り」と呼ばれ,マナー違反とされている。しかし本作では,敵もトラップも倒れたニンジャに情け容赦なくぶつかって跳ね飛ばすという無情ぶりで,そのあまりの仕打ちにかえって清々しさを覚えるほどだ。
ところで,本作にどこかで見覚えがあると思った人は正解。本作は「N+」というタイトルで,北米でニンテンドーDSおよびPSP用ソフトが発売されており,国内でもXbox Live アーケードで配信されている(800マイクロソフトポイント)。本作は,その元ネタとなったゲームのPC版で,おまけにフリーで公開されている。全500ステージ+ユーザー作成による150ステージ以上がプレイ可能と,製品版と同等以上のボリュームで,オンラインランキングにも対応している。本作にはPC版のほか,Macintosh版やLinux版もあるので,冬休みにじっくりと全ステージ制覇に挑戦してみよう。
■「N」公式サイト
http://www.thewayoftheninja.org/
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