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[GDC 2010]「EverQuest」で知られるSony Online EntertainmentがFacebookゲーム市場に参入
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印刷2010/03/11 22:08

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[GDC 2010]「EverQuest」で知られるSony Online EntertainmentがFacebookゲーム市場に参入

画像集#005のサムネイル/[GDC 2010]「EverQuest」で知られるSony Online EntertainmentがFacebookゲーム市場に参入
 Game Developers Conference 2010の2日目,GDCに吸収される形で開催されていたのが,Live Gamerの主催する「VCON」だ。Live Gamerとは,もともとフロリダをベースに,中国や中米でゴールドファーマーを雇い入れるなどして伸びてきたRTM業者だ。しかし,その後は法スレスレのビジネス展開をやめ,ビジネスやトレーディングの透明性を高めるなどして合法的なRTM業者としての名を高め,今では問題視されることは皆無に等しくなった。
 LiveGamerの中核となるサービスは,オンラインゲームの運営元に,バーチャルグッズのP2P(パーソンtoパーソン)トレーディングのソリューションを提供することだ。そのサービスを利用しているのが,ほかでもない大手Sony Online Entertainment(以下,SOE)である。

 「EverQuest」(1999年)が世界的に大ヒットしたSOEは,その後さまざまなMMORPGを手掛けてきたものの,鳴り物入りで登場した「EverQuest II」(2004年)をはじめ,大きくブレイクしている作品はない。
 2006年,現在ではSOE Denverとして知られるWorld Apart Productionsを買収したSOEは,その強みであるカードゲームを,自社のさまざまなオンラインゲームに投入し始める。これがコアゲーマー達に大ウケして,SOEは新たなビジネスにも積極的に展開していくようになった。その一つが,2009年4月にローンチされた「Free Realms」だ。これは,10歳前後の子供を対象にしたカジュアルな雰囲気のMMOアドベンチャーゲームで,現在は400万アカウントを保持するほどの大ヒットとなっている。

Sony Online EntertainmentのCEO,ジョン・スメドレー(John Smedley)氏
画像集#001のサムネイル/[GDC 2010]「EverQuest」で知られるSony Online EntertainmentがFacebookゲーム市場に参入
 VCONのキーノートスピーカーとして登場した,SOEのCEOであるJohn Smedley(ジョン・スメドレー)氏は,「How Games-as-a-Service and Virtual Items Have Changed the Playbook Forever」(サービスとしてのゲームとバーチャル・アイテムが,いかに遊び方を永遠に変えてしまったか)という講義を行い,このFree Realmsのマーケットプレイス内で行われている,「お金の使わせやすさ」に関する数々のテクニックを紹介している。
 スメドレー氏の解説で印象的だったのは,「プレイヤーが毎日アクセスするように工夫しなければ,長いあいだ彼らからマネタイジングできない」と語っていたことだ。「マネタイジング」(Monetizing)というのは,いかに事業収益を増やすかということであり,ソーシャルゲームやモバイルゲームが盛んになった今年のキーワードの一つでもある。

「Free Realms」の400万アカウントのうち,男の子の人数は70%に達するとのことだが,70%の収益は女性プレイヤーという統計も面白い
画像集#003のサムネイル/[GDC 2010]「EverQuest」で知られるSony Online EntertainmentがFacebookゲーム市場に参入

 Free Realmsの場合,一度すべてのプレイヤーにStation Cash(SOEがゲームサービスに利用する専用通貨)を250ポイントずつ無料配布するという実験を行ってみたのだが,その結果アイテムの購買量が30%も上昇し,以降まったく減っていないという。これは,Free Realmsのプレイヤー層である子供達が,最初はStation Cashを利用することをまったく理解しておらず,250ポイント分の配布によって,利用することの楽しさを知るに至ったわけだ。
 子供がマーケットというのは,ビジネスとしてはかなりトリッキーなものらしい。Free Realmsのβテスト中にも,「何年生まれですか?」というレジストレーション中の問いかけに答えられないプレイヤーが,投げ出してしまうようなこともあったという。これは「何歳ですか?」という,より子供達が答えやすい問いかけに修正することで解決したそうだ。さらに,親のクレジットカードの番号を無断で使ってしまうようなケースが多く,実に収益の60%が,親の苦情によって払い戻しされてしまうというデータもユニークで興味深い。

「Free Realms」のマーケットプレイス。お金を払いやすいようにさまざまなオプションが用意され,また透明性も高くしているという
画像集#002のサムネイル/[GDC 2010]「EverQuest」で知られるSony Online EntertainmentがFacebookゲーム市場に参入

 SOEは,今後も積極的にビジネスチャンスを広げていく予定で,その一つがFacebookへの参入だ。その第一歩となったのが,3月8日にローンチされたばかりの「PoxNora: Battlefield of the Immortals」だ。本作はすでに,基本料金無料のオンラインゲームとしてリリースされているカードゲーム型のファンタジーストラテジーだが,Facebookからアカウントのリンクができるようになっており,将来的にはより複合的なサービスへと変化していく可能性が高い。PoxNoraは,すでに250万人の会員を獲得していると発表されているが,Facebookが窓口として機能することで,さらに増えていくことが考えられるだろう。

ターンベース型の「PoxNora」は,カードを購入してユニットを増やすようなカードゲームの仕組みを採用したもの
画像集#004のサムネイル/[GDC 2010]「EverQuest」で知られるSony Online EntertainmentがFacebookゲーム市場に参入

 また,SOEはカードゲームとして有名なThe Wizards of the Coastの「マジック:ザ・ギャザリング」と提携を結んでおり,このカードゲームがコア向けのソーシャルゲームとなって登場しそうな気配。このほか,スメドレー氏は「3週間後にはビッグニュースの発表を行う予定」と話しており,Facebook向けゲームの拡充はさらに行われていきそうだ。SOEがソーシャルゲーム市場でビッグネームを維持していけるかどうかに注目したい。
  • 関連タイトル:

    Free Realms

  • 関連タイトル:

    EverQuest

  • 関連タイトル:

    PoxNora

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