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「AVA International Championship 2014」が本日開幕。日本代表チーム「DeToNator」は“死のグループ”に
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日本,台湾(2チーム),香港,中国,韓国,タイ,ヨーロッパ(2チーム)の9チームが世界一を懸けて戦うこの大会は,優勝賞金が100万台湾ドル(日本円にして約330万円)と,賞金だけ見てもかなり大きな大会だ(AVAの大会で言えば過去最大)。加えて試合の模様がストリーミング配信され,決勝戦は台湾のテレビ局が生中継するなど,観戦者数もかなりのものになる。
また,次回のAICは優勝チームの母国で開催されることになっており,そういう意味でも「勝利」が持つ価値は大きい。名誉も懸かった大会と言えるだろう。
AIC2014に日本から出場するのは「DeToNator」。国内最強との呼び声も高いクランであり,国内大会はもちろん,国際大会でも多くの好成績を収めている……が,DeToNatorにとってAIC2014は特別な意味合いを持っている。
というのも,昨年日本で開催されたAIC2013において,DeToNatorは決勝戦で敗退,惜しくも準優勝に終わったのだ。無論,準優勝は十分に素晴らしい成績ではある。が,自分達のホームで行われた国際大会の決勝で敗れる悔しさはいかほどであろうか。
しかもDeToNatorは,その後ルーマニアで開催されたe-Sportsの国際大会IeSFのAVA部門で,まさかの予選落ちという屈辱も味わっている。今大会に懸ける意気込みは並々ならぬものがあるのだ。
果たしてDeToNatorがAIC2013とIeSFの雪辱を果たし,悲願の王座に輝くのか? それとも世界が未だ知らない挑戦者が,強豪がしのぎを削る大会に新風を吹き込むのか? いやが上にも注目が高まるAIC2014の開幕前日の模様を,DeToNatorを中心にお伝えしたい。
やってきました決戦の地,台湾
羽田空港から飛行機で4時間半。台湾は“外国”としては,非常に近い距離にある。が,さすがに沖縄より南に位置するだけあって,とにかく暑い。さらに湿度も高い。そしてその対策なのか,建物の中はしばしば凍えるほどに冷房がフル稼働している。良くも悪くも弱冷房に慣れている日本人にとって,台湾の夏は想像以上にタフだ……というか,ホテルの部屋の冷房設定温度が15度というのは,さすがにやりすぎなんじゃないだろうか。これも文化の違いというやつだろうか。
AIC2014を主催するのは,台湾でAVAを運営するGarena。Garenaはシンガポールに本社を置く国際企業で,東南アジアおよび台湾・香港におけるオンラインゲームやモバイルインターネットサービスの中心的存在となっている。サービスするゲームは「League of Legends」や「Heroes of Newerth」「EA SPORTS FIFA Online 3」など,ビッグタイトルが目白押しで,AVAもその一角を占める。ちなみに社名は「Global」な「Arena」という意味だとのこと。
AIC2014の事前説明会と予選リーグの抽選会はそのGarena台北支社で行われたが,案の定というかなんというか,やはり強烈に冷房が効いていた。AIC2014出場者にはロゴ入りの長袖ジャージが配布されたが,選手の多くが素早くジャージを着込んでいたのが印象的だった。そりゃあ,国際大会の前日に風邪を引きでもしたら,目も当てられない。
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さて,AIC2014の具体的な進行は掲載済みのプレスリリースに詳しいので,詳細はそちらを見ていただくとして,おおまかな流れを紹介しよう。
初日となる7月16日,出場9チームは3チームずつに分かれて第1次リーグを戦い,各リーグ上位2チームが翌日(17日)の第2次リーグに進出する。
第2次リーグも3チームずつの2リーグで行われ,同様に上位2チームがベスト4トーナメントに進出。さらにこの日はベスト4トーナメントの1回戦までが行われ,決勝戦と3位決定戦の組み合わせまでが決まる。
続く18日は中休みとなり,決勝戦と3位決定戦は19日。実に長丁場だ。
気になる第1次リーグの組み合わせ抽選会は,前回優勝した台湾のチームが事前に第1リーグにアサインされたうえで行われた。普通に考えれば「第1リーグ以外に入ったほうが楽」であるように思える。
次々にくじが引かれていき,会場の選手達から歓声や悲鳴が上がる中,ついにDeToNatorの入るリーグが決定……第3リーグだ。少なくとも,前回王者といきなり雪辱戦をする展開は避けられた……と,思いきや,事実は小説より奇なり。
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同じ第3リーグに入ったチームの1つはタイの「1st-eSports」。奇しくもIeSFの予選でDeToNatorが「まさかの敗北」を喫し,予選敗退の直接的な原因となった相手である。そしてもう1つが,韓国のチームである「United5」。こちらはこれまで韓国最強だったチームを韓国予選で破って出場となる,気鋭のチームだ(United5のプレイヤーは基本的に歴戦のプロばかりなので,あえて「新進」とは言わないでおく)。
なんともはや,客観的に見ると,DeToNatorは「いきなりクライマックス」を迎えることになったのである。
初日から激しい戦いとなりそうなDeToNatorは,これまたくじ運悪くGarena台北市社内部のPCで練習する権利の抽選会にも漏れたため,近隣のネットカフェへと最終調整に向かった。
そんな彼らが大会を前に,どんな心意気で戦おうとしているのか。貴重な時間を少しお借りして,一言ずつもらったので,紹介したい。
DeToNatorの選手に聞く,大会への意気込み
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初戦がタイと韓国のチームということで,リベンジマッチができると初戦からボルテージが上がっています。とにかく今は,早く対戦したい。そして早く勝ちたいという気持ちでいっぱいですね。
個人的には,対戦相手の研究もしてきています。ただ「相手はこういうことをしてくる」という予断がチームに蔓延すると,それはそれで危険なので,チームで共有とかはあえてしていません。普段の力を発揮すれば絶対に勝てると思っています。
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1回戦の相手が前回のIeSFで負けたタイのチームというだけでなく,これまで韓国不動の王座を維持していたアストリックを倒したUnited5ということですが,この大会を戦っていればいつかは当たる相手ですので,是非とも初戦で勝ってグループ1位で次に行きたいです。
それに,自分達は昨年の優勝チームである台湾のチームahqにも勝たなくてはなりませんし。
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4月に新たにチームに加わりました。役割としてはライフルマンで,最前線のバックアップをする形になります。これまで国内大会は2,3回出場してきましたが,国際大会は初めてですね。
とにかくまずは予選を抜けてなんぼですし,IeSFでタイに負けているのでそのリベンジというのもあります。ただ,集まってきた選手はみんな強いですし,どのチーム相手であろうと油断できないと感じています。気を引き締めて戦っていきたいですね。
それにやはり,自分が来たからにはチームを勝利させたいし,逆に「mancho.が入ってDeToNatorは弱くなった」とは言われたくないですしね(笑)
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第1次リーグの相手はIeSFで負けた相手であるタイ,アストリックを下したUnited5と,正直激戦区だと思っています。ですが自分たちもIeSFで負けた悔しい思いは忘れていませんし,新メンバーも加入したということもありますし,まずは初戦のタイに勝つ。そしてUnited5にも勝って,1位でリーグを抜けたいと思っています。
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タイも韓国も強いチームです。とくにタイはIeSFとメンバーまで完全に同じチームなので,リベンジを果たすには絶好の機会とも言えます。まずはこのリベンジマッチでテンションを上げて,勢いに乗って,United5も倒す。そんな感じでいきたいですね。
IeSFは,相手が強かったというより,自分たちが弱かったという反省点が多い大会でした。でもそれは,自分たちの弱いところが見えたということでもあります。ですのでその経験をもとに,ここに来るまで練習を重ねて,弱点を修正してきました。
普段の練習としては,クラン戦が中心ですが,なかでも意図的に少人数戦を練習してきました。例えばメンバーを6人集めて,3対3で勝負する(AVAは通常5対5)とかですね。1日平均して2時間から2時間半,それをほぼ毎日やってきた形です。練習の成果をきちんと発揮したいですね。
今回のレポートはDeToNator中心のレポートとなったが,出場チームは多かれ少なかれ,それぞれの覚悟とドラマを背負って台湾に集まってきている。彼らがどんなパフォーマンスを見せるのか,期待したい。
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AIC2014特設サイト
「Alliance of Valiant Arms」公式サイト
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