DeToNatorが圧倒的な強さで護衛/爆破両部門を制覇！「Alliance of Valiant Arms」オフラインイベント「AVAれ祭2013 -後楽園の陣-」レポート

　ゲームオンは2013年12月28日，オンラインFPS「Alliance of Valiant Arms」（以下，AVA）のオフラインイベント「AVAれ祭2013 -後楽園の陣-」を，東京の後楽園ホールにて開催した。

「Alliance of Valiant Arms」公式サイト

以前AVAのプレイヤーと対談したパンクラスの川村 亮選手が，スペシャルゲストとして登場。チャンピオンベルトを持って登場した川村選手は，「後楽園ホールがこんなに埋まっているのは久しぶりに見ました。すごくジェラシーを感じます」と会場の笑いを誘った。そして「会場に張りつめた緊張と熱気は（格闘技の試合と）近いものがある」とコメントした

　大規模オフラインイベント「AVAれ祭2013 -後楽園の陣-」では，2013年10月から11月にかけて開催されたオンライン公式大会「AVARST2013 Season3」を勝ち抜いた4クランが，爆破部門/護衛部門の日本最強クランの座をかけて戦う決勝戦が行われた。
　なお，この戦いに勝てば，優勝という栄誉だけでなく，2014年4月に開催予定の国際大会「IFM2014国際親善試合」に日本代表クランとして出場する権利を得られる。それだけに，各クランの気合の入りようには並々ならぬものがあった。トップクラン同士による白熱した戦い，そして最強クラン誕生の瞬間を見ようと，多くのAVAファンが集結した2013年最後のAVA大会の模様をレポートしよう。

試合の解説はAVA運営プロデューサーの井上洋一郎氏（左），実況はFPS実況解説者のmejika氏（右）が務めた

決勝戦の会場となったのは，格闘技の聖地ともいえる後楽園ホール。格闘技選手とのコラボが多かったAVAらしいステージだ

護衛トーナメント決勝戦は，確立された戦術で

FiVESeedを押さえ込んだDeToNatorが頂点に立つ

　まずはDeToNatorとFiVESeedによって争われた，護衛トーナメントの決勝戦の模様からお伝えしよう。
　護衛ルールでは，1クラン5人ずつでチームを組み，先攻と後攻に分かれて対戦する。先攻（攻撃側）は，制限時間内に戦車を目標地点まで誘導する。後攻（防御側）は，それを妨害して戦車の到達を阻止する。先攻が目標地点へ戦車を到達させると，攻守交代となり，目標地点までの到達時間が，より短いクランが勝利となる。メンバー個々の戦闘力もさることながら，防御側はRPGなどで戦車を破壊するタイミング，攻撃側は破壊された戦車を素早く修理することなどがポイントとなる戦いだ。

　試合は，2013年の大会で護衛部門を総なめにしているDeToNatorが先攻，新鋭クランFiVESeedが後攻でスタートした。
　第1チェックポイントまで約2分と，実況が驚くほどスムーズに試合を進めていくDeToNator。そのまま第2チェックポイントを目指すDeToNatorだったが，FiVESeedのねばり強い攻撃に押さえ込まれ，戦車を破壊され侵攻がストップした。しかし，すぐに修理を完了させたDeToNatorは，第2チェックポイントを通過して先へ進んでいく。ここからDeToNatorは猛攻を見せFiVESeedを殲滅。試合の主導権を握ったDeToNatorが目標地点に到達した。

　攻守が入れ替わり，攻めに回ったFiVESeedだが，DeToNatorの堅い守りに阻まれ，なかなか前に進むことができない。有利なポジションを取れず苦戦するFiVESeedだが，なんとか戦車の修理を終え，先に進むことに成功する。DeToNatorの激しい攻撃をくぐり抜け第2チェックポイントを突破するものの，序盤で時間を使いすぎた影響もありそこでタイムアップ。圧倒的な実力差を見せつけてDeToNatorが勝利し，優勝を果たした。

　護衛トーナメント決勝戦の総括として井上プロデューサーは「完璧な試合だった」とDeToNatorを絶賛。「両クランの試合の技術や殲滅力は，それほど差がありません。しかし，DeToNatorの時間管理能力や選手の動かし方など，護衛に特化した戦術が見事でした。アーカイブで試合内容を確認してみると，戦い方のヒントとなるものがいろいろと分かるのではないかと思います」とコメントした。

爆破トーナメント決勝は，圧倒的な実力差を見せつけた

DeToNatorが相手クランをねじ伏せて優勝

爆破の決勝戦に先立って，井上プロデューサーが試合マップを抽選。1マップめはAIRPLANE，2マップめはINDIA，3マップめはFOX FOUNDに決まった

　続いてDeToNatorとSunSisterによる爆破トーナメントの決勝戦が行われた。

　爆破ルールは，護衛と同様に5vs.5で争われ，試合は7セット先取の3セットマッチとなる。先攻（攻撃側）はマップのどこかにあるC4爆弾を入手し，それを爆破地点に設置して爆発させれば勝利。後攻（防御側）は，爆弾の設置を阻止し，設置された場合はそれを解除することで勝利となる。もちろん，相手クランを全滅させても勝利となり，実際にはこちらのほうが勝敗の決め手となるケースが多い。リスポーンがなく，緊張感のある戦いが楽しめこともあり，プレイヤーからの人気が高いミッションである。

　1マップめのAIRPLANEは，SunSisterが得意とするマップだ。しかも彼らは，後攻からじっくり調子を上げていくクランとして知られており，実況もSunSisterが有利だろうと予想していた。しかし，その予想に反してDeToNatorが1セットを先取する。すぐにSunSisterも1セットを取り返し，1-1のイーブンとした。この最初の攻防でそれぞれエンジンがかかったのか，これ以後は激しい銃撃戦が繰り広げられていくが，地力に勝るDeToNatorが要所を締め，5-1と圧倒的なポイント差で攻守交代となった。
　AVAでは，このポイント差から試合がひっくり返った例も少なくなく，すぐにSunSisterが1セット取り返したこともあって，会場につめかけたAVAファン達も逆転劇を予想したかもしれない。だが，DeToNatorがその流れをすぐに寸断して自分達のペースに持ち込み，最終的には7-2でAIRPLANEを制した。


　2マップめのINDAは，攻守交代してSunSisterが先攻，DeToNatorが後攻でスタートした。得意マップだったAIRPLANEで負けた影響もあったのか，SunSisterが立て続けにセットを奪われ4-0とDeToNatorに大きくリードを許してしまうが，その流れを作ったのがDeToNatorのRobiN選手だ。実況席からも「今日のRobiN選手はひと味違う」とのコメントが飛び出したRobiN選手は，一人で2キル，3キルと立て続けにSunSisterを倒していく。その後も神懸かり的な動きを見せてポイントを稼ぎ，攻守交代のときには6-0と圧倒的な差がついていたほどだ。
　攻守交代を機に意地を見せるSunSisterだったが，あと一歩のところで返り討ちにあってしまいそのまま敗北。2マップめはなんと，7-0という結果でDeToNatorが完勝し，爆破部門の優勝を決めた。

　試合の解説を務めた井上氏も「7-0という結果はあまり記憶にありません。SunSisterも決して弱いクランじゃないんですが，DeToNatorの完成度の高さを目の当たりにしたというところでしょうか。これがワールドクラスの強さなんですね」とDeToNatorを賞賛した。

　試合後には表彰式が行われ，爆破/護衛の両部門を制覇したDeToNatorに優勝トロフィーが授与された。

爆破トーナメント優勝　DeToNator	爆破トーナメント準優勝　SunSister
護衛トーナメント優勝　DeToNator	護衛トーナメント準優勝　FiVESeed

優勝トロフィーを手にしたDeToNatorのMchik選手（左）とDarkよっぴー選手（右）

　イベントの最後に井上プロデューサーは「2013年の12月1日に，日本のAVAは5周年を迎えました。かつての大会では韓国に大敗しましたが，そこから世界でトップを取るために一生懸命準備してきました。DeToNatorのように圧倒的な強さを見せるクランも出てきましたし，あとは世界一を取るだけです。それにより世界中のAVAを活性化し，日本でも世界のトップクラン同士の戦いが見られるようにできればと思いますので，これからも応援よろしくお願いします」と述べ，イベントを締めくくった。