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UQコミュニケーションズ,商用WiMAXサービスの開始を発表〜2月26日サービス開始,月額4480円
月額4480円で利用できるUQ WiMAXサービス
2月26〜6月30日は,地域限定の“お試し期間”に
WiMAX(World Interoperability for Microwave Access)は,IEEE(日本語俗称:米国電気電子学会)により「IEEE 802.16」として標準化されている高速無線通信の規格だ。無線LAN(Wi-Fi)とよく似た方法を使いつつも,基地局のカバーエリアを最大で半径10km程度まで広げているので,“広域型無線LAN”くらいに考えておけばいいだろう。UQコミュニケーションズが提供する予定のMobile WiMAXは,このWiMAXに,モバイルに必要な技術――例えば基地局の切り替え(ハンドオーバー)――などを追加したものである。
以上を踏まえてUQ WiMAXだが,料金プランは当初,完全定額かつ契約期間条件などのない月額4480円(税込)の「UQ Flat」のみが用意される(※このほか,登録料2835円(税込)が,初回登録時に必要だ。
- 東京23区,川崎市,横浜市在住
- 20歳以上の個人で,本人名義のクレジットカードを所持している
- モニター期間中に最大4回実施されるアンケートにすべて回答できる
モニター募集は2月15日まで。抽選の結果,モニター当選者には2月下旬に直接その旨が伝えられ,2月26日から,データ端末が順次発送されるという。また,7月1日から正式サービスが始まるとき,モニター参加者が望めば,データ通信カードは無料で譲渡されるとのことなので,条件を満たし,かつノートPCを持っているなら,とりあえず応募するしかない感じである。
ところで,4480円という月額は,いわゆる3Gデータ通信サービスの最安値(※イー・モバイルの4980円)をやや下回る程度だが,3G携帯端末でお馴染みの“2年縛り”などがなく,しかも通信速度は下り最大40Mbps,上り最大10Mbpsと,競合と比べて,少なくとも下りは相当に早い。モバイル環境でのデータ通信を前提とした場合には,相当魅力的なサービスとなるだろう。
なお,UQ WiMAXのデータ通信端末は,ひとまずUSB接続タイプが2製品,PCカードタイプとExpressCard/34タイプが各1製品用意される予定。。7月1日以降,店頭販売されるときの売価は,前2者が1万2800円,後2者が1万3800円(いずれも税込)となっている。
UQ WiMAXは「真のモバイルブロードバンド」
普及に自信を見せるUQコミュニケーションズ
説明会では,UQC代表取締役社長の田中孝司氏が,2007年12月21日に免許を取得したことを振り返り,「キャリアを短期に立ち上げるのは苦しかったが,何とか今日の発表会を迎えることができた」と挨拶。「UQがどういった世界を作っていこうとしているのか,目指す世界を紹介したい」と話を切り出した。
田中氏は3Gを「なんちゃってブロードバンド」だと位置づけ「High Speedにフォーカスをおいたデモ」として,会場に用意されたノートPCでUQ WiMAXへの接続とスピードテストを実演。無線LANでアクセスポイントに接続するのとあまり変わらない所要時間で接続に成功し,速度は下りが約16Mbps,上り3.9Mbpsという結果が出ていた。
そんな氏が,説明会において一貫して強調していたのは,UQCが,携帯電話のキャリアではないという点だ。決定的に異なるのは,「キャリアブランドの端末しか出てこない」わけではないということ。スタート時に登場する4製品こそ,知名度の向上を図るためかUQ WiMAXのロゴが刻まれているが,「さまざまなメーカーが,いろいろなWiMAXデバイスを提供する。そういう世界を作っていきたい」(田中氏)。“自分”のブランドで,インセンティブをつけて端末を売るような,既存の3Gキャリアのようなやり方は長続きしないとした。
そのパフォーマンスには期待大
課題は一にも二にも提供エリア
以上,現行の3G携帯電話や,携帯データ端末と比べて高いデータ転送速度を実現したMobile WiMAXは,モバイル環境でもゲーム,とくにインターネットへの接続環境が求められるタイプのゲームをプレイしたい人にとって,大いに注目すべき存在といえるだろう。IPアドレスは保持されるため,「基地局が切り替わるとサーバから切断される」ような心配がいらないのも心強い。
また,ゲームプレイという観点では,転送速度だけではなくpingも重要。無線LAN環境ではpingが悪化しがちというのは,ゲーマーにもよく知られている事実だけに,UQ WiMAX環境のpingがどれくらいなのかも気になるところだ。
UQCは,7月1日の正式サービス時に首都圏,名古屋圏,京阪神圏をカバーし,2012年末には人口カバー率90%を目指すというロードマップを公開しているが,このとおり進むかどうかが,UQ WiMAXが成功するかどうかのカギとなるはずだ。
とにもかくにも,「お試し期間」はかなりお得。対象地域に住んでいる人で,普段からノートPCを持ち運んでいるなら,まずはモニターに応募してみよう。
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