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  • 発表日:2006/07/27
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2008年は「エコプロセッサ」の年に。インテル,2008年の展望を語る
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印刷2007/12/11 19:15

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2008年は「エコプロセッサ」の年に。インテル,2008年の展望を語る

吉田和正氏(インテル 代表取締役共同社長)
画像集#002のサムネイル/2008年は「エコプロセッサ」の年に。インテル,2008年の展望を語る
 2007年12月10日,Intelの日本法人であるインテルは2か月に一度の報道関係者向け定例アップデートミーティングを開催した。2007年最後の定例会ということで,同社の吉田和正代表取締役共同社長が登壇し,1年を振り返るとともに2008年の展望を語る形となった今回,とくに新しい情報があったわけではないが,日本法人としての戦略なども見える内容だったので,要点をまとめておきたい。


45nmプロセスのCPU=エコプロセッサと

位置づけるインテル


 さて吉田氏は冒頭,「2007年はインテルとしてはよい年になった。この勢いを2008年につなげていきたい」と,Intel/インテルの“勢い”を感じさせるセリフでプレゼンテーションを始めた。実際,2007年はCore 2 Duoが急速に普及し,Netburst Architectureの思わぬ失敗と,その後の一時的な停滞を完全に払拭することに成功した年といえる。吉田氏が「よい年だった」と振り返るのも当然だろう。

2007年の10大ハイライト
画像集#003のサムネイル/2008年は「エコプロセッサ」の年に。インテル,2008年の展望を語る
 続いて吉田氏が示した「2007年の10大ハイライト」のトップを飾るのは,やはりというか当然というか45nm High-K製品群である。吉田氏は「45nm High-Kプロセスはインテルの今後において,あらゆるプラットフォームに向けた製品の核となる技術。45nm High-Kプロセスに基づいて製造された製品の登場は今年最大のトピックと言っていい」と述べ,45nm High-kプロセスの重要性を強調した。
 また氏は「45nmプロセスはトランジスタの集積度を2倍に,トランジスタのスイッチング速度を20%向上させると同時にスイッチングに必要な電力を30%削減した。リーク電流は解決が難しい問題だったが,これも1/10に抑えることができた」と続ける。さらに,45nm High-k製品が鉛フリーで,2008年にはハロゲンフリー化の比率を高めていくとし,「45nmプロセスで製造される製品を『エコプロセッサ』と位置づけている。インテルとして今後も環境を重視した製品を投入していきたい」と,同社の環境への取り組みを強調した。

45nm High-Kプロセスのメリットと,積極的な製品展開をアピール
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 従来,プロセッサ分野では性能が重視されてきたが,環境に対する関心の高まりと同時に発熱,消費電力といった問題がクローズアップされるようになっている。デスクトップ分野だけでなく(むしろ)サーバー製品に対して省発熱,低消費電力の要求が高まっていることもあり,環境重視はインテルに限らずプロセッサメーカー共通の課題。この課題への対応実績を声高らかにアピールできるのが,いまのインテルの強さだろう。


2008年はモビリティとデジタルヘルスを注視


画像集#006のサムネイル/2008年は「エコプロセッサ」の年に。インテル,2008年の展望を語る
 続いて吉田氏は,2008年にかけてインテルが重視する分野を紹介した。まず取り上げたのがモビリティ,つまりはモバイル用途のPCである。
 「全世界的にモビリティが伸びておりインテルはモバイル製品に力を入れていく。2008年には45nmプロセス製品をノートPC向けに投入する」と述べ,Penryn世代のノートPC向けCPUをサポートするプラットフォーム「Santa Rosa Refresh」(開発コードネーム)や,10インチ以下の液晶を搭載するUMPCに向けた低消費電力プロセッサなど,2008年に投入予定となっている製品ラインナップの概要を紹介してみせた。

 また,先の10大ハイライトのスライドにも出ているとおり,インテルはKDDIと共同でモバイルWiMAX企画会社を設立している。吉田氏は「WiMAXが立ち上がるのは2008年後半と考えている。インテルは2008年中にWiMAXに対応する製品を投入する」とWiMAXへの取り組みを紹介していた。
 エンドユーザーがWiMAXを利用できる時期に関しては,やや歯切れが悪い印象だったが,これは今のWiMAXをめぐる状況から考えて致し方ないだろう。ご存じの読者も多いと思うが,日本でWiMAXに使用される予定の2.5GHz帯の認可をめぐって,ややゴタゴタが続いている。許認可関連についてインテルがはっきりしたことをいえるはずもなく「様子を見ながら」という姿勢になるのもやむを得ない。WiMAXをできるだけ早く立ち上げたいインテルとしては,なんとも歯がゆい状況かもしれない。

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 さて,もう一つ吉田氏が強調したのが医療分野だ。いよいよ4Gamer的には微妙な話題となってくるのでさらりと流すが,高齢化の進む先進国では,高齢者の医療費高騰が進んでいることなどを上げ,その問題を解決する手段の一つが,「ワイヤレス技術とITを用いたテレヘルス(※遠隔医療)だ」とした。
 また,インテルが数年前から力を入れているシニア向けPCにも触れ,「シニアPCのガイドラインを作りメーカーに採用を呼びかけている。PCのバリアフリー化が必要だ」と述べ,て今後もシニア向けPCの普及に力を入れていくことも明らかにした。

「医療の分野には標準規格がないことが問題」で,NPOなどと協力し,業界標準の策定を進めていると吉田氏(左)。シニア向けのPC普及にも力を入れている(右)
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 モビリティ,医療,シニアPCという3つのキーワードが出てきたわけだが,これらは簡単にまとめるなら,Intel製CPUの市場を広げるための新規開拓分野,ということになるだろう。Intel/インテルは以前から,CPU市場はほかの半導体市場と比べて大きくない(=まだ成長の余地がある)という見解を述べている。市場を拡大させるためにも,さらなるモビリティの向上や医療など,新しい分野へ打って出ていく必要があるということなのだろう。

 ところで,プレゼンテーション終了後の懇親会で吉田氏は「50歳以上ではPCの普及率が非常に低い。普及させる努力が必要だ」とも語っていた。この発言の背景には,日本のPC市場が過去5年,ほとんど成長していない(※逆に販売数は微減傾向)という,インテルにとって懸念すべき事実があると思われる。開拓すべきは50歳以上,したがってシニアPCに取り組むという方向になっているわけだ。

アップデートの最後には,インテルの江田麻季子マーケティング本部長が,Intel製CPUで使われている“あの”サウンドを着メロとしてダウンロードできる携帯電話向けサイトを紹介した。気になった人はぜひ聞いてみよう
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 もっとも,(世間一般で見た場合の重要度はさておき)デジタルヘルスやシニア向けのPCが,ゲーム環境を豊かにしてくれるとはさすがに思えず,その意味で注目は,2008年に登場するとされている次世代のネイティブクアッドコアCPU「Nehalem」(開発コードネーム)や,より低消費電力になるといわれているUMPC(向けCPU)だろう。モバイルWiMAXとUMPCで外出先でも快適にゲームができる,そんな環境が2008年にはお目見えするかもしれないのだ。先に述べたようにWiMAX関連はインテル1社の努力だけで何とかなる問題ではなかったりもするのが難だが,インテルを始めとする関係各社の努力を期待したいところである。

2007年もさまざまな形で行われてきたCore 2 Duoのキャンペーンだが,12月22〜24日には秋葉原の「カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店」にてエンドユーザー向けイベントを行う予定。協力各社によるプレゼンテーションやCore 2 Extreme搭載PCのデモが行われる予定だ。「初音ミク」で話題の声優,藤田 咲さんもスペシャルゲストとして来場するそうなので,時間が取れる人は覗いてみるといいかもしれない
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