「アラド戦記」に7年ぶりとなる新地域「仙界」が登場。オプションを選べる新装備「ミストギア」など，注目ポイントをまとめて紹介

　ネクソンがサービス中のオンラインRPG「アラド戦記」で，明日（2024年2月21日），大型アップデートが実装される。このアップデートでは，なんと7年ぶりとなる新たな地域「仙界」が登場。さらに，ランダムで表示されるオプションの中から好きなものを選んで付与できる新装備「ミストギア」，より手応えのあるダンジョンなども追加され，新たな楽しみが生まれそうだ。
　そんな大型アップデートを一足先に体験してきたので，そのポイントをレポートしよう。

「アラド戦記」公式サイト

オプションを自由に選べる新装備から幸運を追うカジノまで

盛りだくさんの大型アップデート

　ベルトスクロールアクションとアクションRPGの要素を組み合わせたオンラインゲーム「アラド戦記」は昨年（2023年），日本国内サービス開始から17周年を迎えた。7月には6年ぶりとなる新職「アーチャー」が登場したほか，11月に開催されたオフラインイベント「ARAD PARTY 2023」では，大型アップデート「SEASON10 仙界 空の下の一番目の世界」がアナウンスされ，話題を呼んだ（関連記事）。
　そして17.5周年とも言うべきタイミングの2024年2月21日，待ちに待った「SEASON10 仙界 空の下の一番目の世界」が実装され，7年ぶりに新地域が登場することとなった。

昨年，6年ぶりとなる新職として実装された「アーチャー」。彼女の故郷は，今回の大型アップデートの舞台となる仙界

　SEASON9のラストで大魔法使いマイアに誘われた冒険者達は，SEASON10で仙界へとおもむく。空の真下にあるこの地は，浮遊島と豊かな自然を持ち，自由を重んじる「仙界人」達が住む場所だ。仙界を訪れたばかりの冒険者達は，仙界人達から疑いの目を向けられるが，戦いの中で分かり合っていくこととなる。
　仙界は「白海」「重泉」「千海天」といったエリアに分けられており，今回のアップデートでは白海での冒険が描かれる。


　仙界には，天気が変わる美しい都市「晴煙」があり，そこには仙界人とともに「神獣」達が暮らしている。神獣は12種類いて，どれが出現するかは天気によって決まる。いずれも可愛らしい姿をしており，「今日はどの神獣に会えるかな？」と，日々のログインもより楽しくなりそうだ。
　冒険者は神獣と「なでなで」「抱っこ」「遊ぶ」「驚かせる」といったコミュニケーションを取ることができ，時にはアイテムをもらえることもあるという。アイテムの種類はさまざまだが，中には神獣の姿に変身できるコスチュームアイテムもあるという。
　そして，音楽を愛する仙界人達が週末に開くステージイベント（ライブ）も見どころ。「スピリティア」という場所にはステージがあり，ステージイベントを観賞すると，さまざまな能力がアップするバフを得られるという。
　また，街のジュークボックスNPCから，自分でBGMを選ぶことも可能となっている。

神獣とは「なでなで」「抱っこ」「遊ぶ」「驚かせる」といったコミュニケーションを取れる

神獣はいずれも可愛らしい

　そして，今回の大型アップデートでは「白雲の谷」「ソリダリス」「霧の高原」「均衡の仲裁者」「ソラス・オブ・カシュパ」など，6種の一般ダンジョンと2種の上級ダンジョンが登場する。いずれも高レベルの冒険者を対象としたダンジョンだが，後述する育成キャンペーンが行われるので，初心者でもほどなくたどり着くことができるそうだ。

新ダンジョンの一つ「白雲の灯台」

　白雲の谷は，草萌ゆる平原に霧が漂い，その向こうでは真っ白な雲海に不思議な塔がそびえ立つ神秘的な場所。このダンジョンでは不思議な「霧捕集器」が攻略のカギとなる。霧捕集器は持ち運び可能で，敵を倒すとドロップする「霧」を自動で集めてくれる。霧を100%まで溜めた状態で霧捕集器のパワーを使えば，ボスの無力化ゲージを一気に減らすことができるのだ。
　無力化ゲージが破壊されたボスは，状態異常などへの無効効果が解除されるのはご存じの通り。霧捕集器を持ち運んでいても，キャラクターの行動は一切制約を受けないため，活用すればするだけ得になる。仙界のボス戦では「どのタイミングで霧捕集器を発動させるか」も重要になりそうだ。

目の前にあるのが「霧捕集器」

霧捕集器で「霧」を集め，100%に達したらチャンス

霧捕集器のパワーを解放すれば，霧の蓄積は0%になるが，無力化ゲージを一気に減らせる

霧捕集器を使っても，ボスは強い

　雲海に浮かぶ艦隊を飛び渡っていくのがソリダリス。船のそれぞれが一つのルームのような扱いになっており，この場で激しい戦いが繰り広げられる。ここで重要になるのがルート選択と「支援スキル」だ。
　「治療船」「補給船」「戦闘船」「突撃船」といった船を攻略すると，それぞれの船が持つ専用バフ「支援スキル」のレベルが上昇し，冒険者が有利になる。例えば，治療船の支援スキルは一定時間HPとMPを回復してくれるため，攻略の安定性が増す……といった具合だ。
　しかし，船をくまなく巡って支援スキルを総取りすることはできず，三つの船から一つを選ばなければならない。時には手ごわいボスが乱入してくることもあるが，撃退できれば支援スキルのレベルが一気にMAXとなる。ピンチがチャンスに転ずるというわけだ。どの支援スキルを狙うかは戦略次第なので，いろいろと試してみたいところだ。

「ソリダリス」は船を飛び渡っていく。画面左上には「支援スキル」とルートが表示されており，どの支援スキルのレベルを上げるかが重要だ

時には手ごわいボスが乱入してくることもあるが，撃退できれば支援スキルのレベルが一気にMAXになる

ソリダリスのボス「ブルーホーク船長バーディ」。コントラバス風の楽器を携え，渋い音色とともに音楽モチーフの攻撃を仕掛けてくる，イケメン系の女性。空高く舞い上がり，騎獣との連携攻撃も仕掛けてくる強敵だ

　稼ぎにもってこいのダンジョンも実装される。それが「均衡の仲裁者」と「ソラス・オブ・カシュパ」にある「クオンタムカジノ」だ。均衡の仲裁者は，入り口からボスまでの距離が非常に短く，慣れた人ならすぐにボスと戦えるだろう。目玉の一つであるミストギアや，これを強化する「ほのかなミスト」もドロップするため，キャラクターを強くするのに持ってこいだ。
　ただ，均衡の仲裁者に入場するには「ミストコア」というアイテムが必要。ミストコアは一般ダンジョンやアラドミッション，「ライアンコア」との交換で手に入るため，しっかり集めていくのが重要になりそうだ。

均衡の仲裁者は，入場してほどなくボスにたどり着ける。デフォルトで“ボス直”かつミストギアまで出るのだから，至れり尽くせりだ

　今回の大型アップデートの中でもとくにユニークなのが，クオンタムカジノ。冒険者達がカジノに突入して大暴れする，という一風変わった筋立てだ。ラスベガスやマカオもかくや，というような豪華な遊技場には，ベスト姿のディーラー達が待ち受けている。置かれているパチンコやスロットマシーン，ルーレットテーブルも壊せるのが面白いところ。よく見るとスロットマシーンにも複数のタイプがあり，開発チームのこだわりがうかがえる。
　システム面でもカジノらしさが表現されている。クオンタムカジノでは運がいいと「VIPクラブの鍵」が手に入り，さらに稼げるお得意様エリア「クオンタムカジノ-VIP」へ入場できる。ここでは，敵を倒すとキャラクターの頭上にある5枚のカードが1枚ずつオープンされていき，絵柄がどれだけそろったかに応じて，ボス「マスターディーラー ハートキャット」を倒した際の報酬が豪華になっていく。最も高価な報酬は，1億ゴールドで売れる換金アイテムとのこと。カジノらしく一攫千金が可能というわけで，大いに盛り上がりそうだ。

「クオンタムカジノ」は豪華な遊技場にベスト姿のディーラー達が待ち受ける

こちらは「クオンタムカジノ-VIP」。キャラクターの頭上にあるカードは，敵を倒してダンジョンを進めると1枚ずつオープンされていく。絵柄が多く揃うほど報酬が豪華になる

ボス「マスターディーラー ハートキャット」は，その名の通りカジノのディーラー。この時点でキャラクターの頭上のカードはダイヤ印が3枚までそろっており，残り1枚がどうなるかドキドキさせられる

　これらの上級ダンジョンと均衡の仲裁者をクリアすると，新たな装備ミストギアが手に入り，キャラクターはより強くなっていく。これまでの主力「105Lvエピック装備」には「固定オプションエピック装備」と「カスタムオプションエピック装備」が存在し，前者のオプションは固定，後者はランダム付与かつ変更時はすべてのオプションが変わってしまうという性質があった。
　一方，ミストギアは付与されるオプションの数こそ105Lvエピック装備と同じだが，ランダムで表示されるオプションの中から好きなものを選んで付与できる。強さを追求する人にとっては，うれしいシステムといえるだろう。ミストギアは105Lvエピック装備の“上位互換”ではなく，その有用性は付与されたオプション次第。105Lvエピック装備を活用しつつ，理想のミストギアを追求する楽しさを味わえそうだ。


　なお，仙界でのシナリオクエストを受けるには，「名声値」が2万3259以上のキャラクターが必要。そのため，新規プレイヤーがいきなり仙界を楽しむことはできないのでは？　と思うかもしれないが，今回のアップデートに合わせ，育成支援イベントも行われる。このイベントを利用すれば，慣れたプレイヤーなら1日ほど，まったくの初心者でも1週間程度で，仙界で戦えるレベルに到達できるという。

本作を代表する鬼剣士（男）も，ドット絵がリニューアルされた。左が旧ドット絵，右が新ドット絵。“上半身にベストだけを着たワイルド系”のコンセプトはそのままに，ベストにはファーが付き，ヘッドギアやパンツのシルエットが細くなり，腹筋のディテールが強調されるなど，よりシャープかつワイルドなイメージになった

　2006年にサービスがスタートした「アラド戦記」だけに，ずいぶん長いことゲームから離れているという人もいることだろう。しかし，お休みの期間が長いほど，今回の大型アップデートにはビックリできるはず。本作を代表する鬼剣士（男）のドット絵やスキルエフェクトもリニューアルされており，おなじみのベストにもファーが付いてよりワイルドになるなど，かつて使っていたキャラクターであっても，新鮮な気持ちでプレイできるだろう。
　なお，公式サイトでは「初心者ガイド」や「復帰者ガイド」が公開されているので，この機会に「アラド戦記」を始めてみよう，再開してみようという人は，それらもチェックしてほしい。

「アラド戦記」初心者ガイド

「アラド戦記」復帰者ガイド

「アラド戦記」公式サイト