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誰のために作るのか。RocWorks Korea「homage」開発者が語るMMORPGが出来るまで
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印刷2008/12/11 14:31

企画記事

誰のために作るのか。RocWorks Korea「homage」開発者が語るMMORPGが出来るまで

前編はこちら

企画チームリーダーが手にしているのは,homageの世界観からゲームバランスまで,アイデアがギュっと詰まった企画ノートだ。ここからhomage開発は始まった
 「横浜デジタルアーツ専門学校」の学生3人による,MMORPG「homage」への新企画プレゼンツアー in 韓国もあっという間に最終日。三日目はRocWorks Korea開発スタッフから,企画/キャラクターデザイン担当者がそれぞれの立場で,MMORPGの開発に必要な視点や考えるべきことについて,かなりの熱弁をふるってくれた。普段はMMORPGをプレイする側の読者にとっても,1本の作品が世に出るまでどんな段階を経ているのかという話は興味深いと思われるので,ぜひ目を通してほしい。


 まず最初に,homageにおけるキャラクターデザインをサンプルに,グラフィックス担当者から解説が行われた。
 本作のキャラクターをデザインするうえで考慮が必要なのは,たとえば髪の長いウィキン族と羽の生えたブラキア族など,身体の特徴が異なる種族の設定資料を念頭において,単なる見た目だけではなく,骨格から生活習慣まで考えてデザインしていくことだ。とはいえ,防具を装備するため,どんなに可愛くても,あまりフワフワしたヘアスタイルは厳しいといった,ゲーム設定上の制限もあり,自由きままにデザインができるわけではない。

 また,一番大事なのは3D化したときに,どの方向から見ても美しいことで,一方向からの完成図だけを,頭の中で想像してはいけないと語る。3D化をスムースに進めるためには,足や腕の位置を決める基本姿勢の設定などについて,3Dグラフィックスのデザイナーにイメージが伝わるようなイラストを資料として用意する必要があるとのこと。さらにこの情報をベースとして,キャラクターのアクション作成などが行われるため,イラスト資料がすべての制作と関連した,基礎情報となるといった話が語られた。

 このほかにも,マントや髪型など風になびくようなデザインは,グラフィックスに負荷がかかるため実現が難しく,テストの段階で先述の骨格に基づいた,さまざまなバージョンのアニメーションが作られているとのこと。動作の関節が多いほどに動きが細かくなるが,その一方でゲームが重くなっていくため,現実的ではないといった話を,途中でプログラム担当者も参加してみっちりと語ってくれた。

 久保田さんと東屋さんからは「四つの種族の設定とデザインは,すべて同時並行で作業が進むのか? それとも一つの種族をラフから3D化まで行ってから次の種族に移るのか?」「3D化する前に,いったい何枚ぐらいデザイン画を描けばいいのか?」という質問が出たが,これに対しても「種族のバランスを取るために,すべて同時進行で作業しています」「何枚描けばこれで十分ということはありません。必要なだけ何枚でもデザインします」という丁寧な答えが返ってきた。この後,引率役の浅野氏は「彼らは普段出されている課題と同じようにとらえているから,何枚描けばいいのかといった質問が出てしまうんですね」と,ちょっと苦笑いしつつコメントしていた。

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 次に企画チームのリーダーより,ゲームの企画とは一体どんな仕事をしているのかという説明がスライドを利用して行われた。
 まず,「普通の人は企画をしていますと聞くと,面白そうな仕事というイメージを抱く」と前置きしたうえで,「しかしそれは,ゲーム企画の面白そうな部分だけを見ているからにすぎません。実際には複雑な作業と単純作業の繰り返しです」と辛口の話からスタートした。企画の仕事を2泊3日の旅行計画にたとえ,目的地や食べたいものなど楽しそうなプランを考えるときは皆が協力してくれるけれども,企画で本当に大事なのは目的地までの交通はどうするのか,その費用は一人いくらかかるのか? 宿泊先の部屋割りはどうするのかといった細々としたことで,これらを一つ一つ決定していくのが“企画”であると説明した。
 次に,homageが出来上がるまで,企画/開発が考えていかねばならないことのおおまかな流れを,資料と共に解説してくれた。まず最初にすべてのベースとなる世界観,それに連なるエリアや村などのコンセプト,種族が住む地形などの自然環境を決め,さらに天候を決定していく。その次にエリアマップ個々の内容とエリアごとのリンク,さらに細かいマップレベルでの面積や進行不可エリアの割合,ワープポータルの配置とリンクを設定する。最終的にはプレイヤーが一つのマップに集中しないようスムースな導線を設定し,モンスターのバランス調整やクエストに関わるNPCの位置を決めていくという。もちろんこれは本当に大枠の説明であり,ここからさらに各村の構造やNPCの立ち位置といった細部,プレイヤー間の経済システムを考えるなど,ここでは説明しきれないほど企画チームがやるべき仕事は膨大にある,と結んだ。

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 以上のように,学校の授業だけではなかなか触れる機会のない,開発現場に立つスタッフからの説明や資料を熱心にメモしていた3人だが,一番心に残ったのは,RocWorks Koreaのスタッフが最後に述べた「ゲームは商品であり,売れなければ評価はされない。自分が楽しいものではなく,プレイヤーが楽しんでくれる物をつくるためには厳しいこともあるけれど,それを犠牲だと思ってはいけない」,「ゲーム開発にたずさわって12年近くになるが今でもゲームが好きだし,辛いこともあるけれど,好きなことを仕事にできることは本当に幸せ」という言葉だったようだ。
 最後に3人の引率役としてプレゼンテーションをバックアップしてくれた浅野氏に,この3日間の感想を聞いてみたところ「今回はRocWorks Koreaの方々に,『ゲームは自分のためではなくプレイヤーのために作る』という当たり前だけれども心に響く言葉をいただいて,だいぶ彼らの考え方が変わったと感じます。今回選ばれた3人は確かに優秀な学生ですが,まだまだ人間的には未完成です。人間の成長というものは迷いなどで一度止まって,そこから一気に伸びる段階というものがありますが,今回こういうプレゼンの機会が与えられたことは,そうした成長への大きなきっかけとなるでしょう。また,プレゼンに対して,日本からのお客様に向けた10分程度のお褒めの言葉をいただいて終わり――というのではなく,学生相手に本音で語ってもらえたことは本当に素晴らしく,感動しています」というコメントをもらうことができた。


 これにて横浜デジタルアーツ専門学校×ロックワークスによる,MMORPG「homage」企画ツアーは無事に終了となった。授業の一環として普段から他人の前で作品を発表する,という行為には慣れている彼らだが,やはり通訳を挟みながらのプレゼンテーションは勝手が違い,緊張したり時間配分が難しかったりと大変だったようだが,それはそれでいい経験になったことだろう。
 ただ一点だけ,PCゲームに携わっている筆者として,残念に感じたことがある。この3日間を通し,久保田さん,東屋さん,梶尾さんと話す機会あるごとに,いくつかの質問を投げているのだが,3人が「ゲームはスキです」「ゲーム業界にもちろん就職したい」と語るとき,その「ゲーム」が示すものが,コンシューマ機にだけ向けられていたと思えた部分だ。「PCオンラインゲームはFFXIしかプレイしたことがない」「ポケモンシリーズが一番スキ」といった回答からもそのあたりはうかがえるが,こういう(オンラインで機種の垣根が崩れていこうとする)ご時勢なのだ,これから未来のゲームを担っていく彼らには,もっともっと広い視野を持って活躍して行ってほしいと願う。
 ロックワークスにはぜひとも本企画を,毎年とは言わないが今後も継続してもらい,ゲーム業界全般に,才能溢れる優秀な人材を引っ張ってきてほしいものである。

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