「ICARUS ONLINE」初のオフラインイベントが開催。今後のアップデート内容の発表と，日本発の新アイテム制作が決まったイベントの模様をレポート

　WeMade OnlineとNHN ハンゲームは2015年11月1日，「ICARUS ONLINE」初のオフラインイベント「飛翔祭 〜Fly High ICARUS〜」を都内のe-sports SQUARE AKIHABARAにて開催した。
　イベントでは，この日に合わせて来日した開発チームから今後のアップデート内容の発表が行われたほか，会場では年内の実装が発表されている新クラス「レンジャー」が体験できた。レンジャーについての詳細は「こちら」のプレイレポートを確認してほしい。本稿では，初出の情報を含む発表内容を中心に紹介していこう。

ニコニコ生放送でもお馴染みのWeMade Online 広報プロデューサー 横山 遼氏が登壇して進行役を務めた。背中の羽根は，フェローとしても登場するペガサスをイメージしたものだとか

「ICARUS ONLINE」公式サイト

「飛翔ビジョン」のコーナーで，開発チームから今後のアップデート情報が公開

　イベントは，GReeeeNとのコラボで実現した公式PV「イカロス」が大画面に映し出されてスタートした。横山氏によると，会場に足を運んだイベント参加者は100名弱で，260通の応募があったという。


　最初のコーナーは，韓国で開発を担当しているチームから今後の展開が直接聞ける「飛翔ビジョン」だ。登壇した開発チームのメンバーは，統括プロデューサーのソク・フン氏，企画チーム長のノ・ギュイル氏，グラフィックチーム長のチェ・ウォニョン氏の3名で，それぞれの立場から今後追加されるコンテンツについて，映像を交えながらの解説が行われた。

写真左からソク氏，通訳担当，ノ氏，チェ氏

●新フィールド「不死の砂漠」
　まず，ノ氏から新フィールドの追加について説明が行われた。キャラクターレベルが40〜50までの間足を運ぶことになる「不死の砂漠」では，その名称どおり，砂漠に関連した敵やフェローと出会うことになるという。



●新コンテンツ「挑戦の塔（仮）」
　不死の砂漠実装に合わせて，「挑戦の塔」という新しいコンテンツが追加される。これはPvE用の40階層のダンジョンとなっていて，その成績によってクラス別にランク付けされ，上位入賞者には報酬が与えられるようだ。ノ氏によると，階層ごとにコンセプトが違っていて，映画のパロディなども用意されているという。また，10階層ごとにボスモンスターが登場し，討伐することでドロップアイテムにも期待ができるとのことだ。



●新クラス「レンジャー」
　クロウと同じシャドウクランに属しているレンジャーは，ラニア姫を助けるという任を受けて表舞台に現れたらしい。レンジャーは，ボウを使った遠距離攻撃とガントレットによる近接攻撃のどちらも無難にこなせるのが大きな特徴だ。



　上記以外にも，レベル50のレベルキャップ開放や伝説等級ダンジョンの追加，レイドモンスター「サンドストーム」などが今後追加されていく。初出の情報として「活力システムの撤廃」も行われるとの発表もあった。活力システムは，プレイ時間を制限するためのもので，活力をすべて消費すると経験値の獲得やクエストの受諾などができなくなる。これが撤廃されることで，時間を気にせず遊べるようになるわけだ。

　また，不死の砂漠に続く新フィールド「エローラ聖域」の映像も公開された。砂漠からは環境が一変し，エローラ聖域は緑豊かな場所のようで，新種のフェローも多数確認できる。


●今後追加されるフェローについて
　続いてグラフィックチーム長のチェ氏から，ICARUS ONLINEにおいて重要視されているフェロー関連の情報が公開された。

　不死の砂漠で実装される新しいフェローは40種以上で，砂漠の熱気に耐えられる能力を持っているのが特徴だ。砂漠らしいサソリ型のフェローのほか，ネコやフクロウといった可愛い見た目のフェローも登場する。


　今までのフェローは，どちらかというと野生をそのまま表現したような荒々しい姿をしたものが多かったが，そうしたイメージを脱却するような新しいタイプのフェローも登場する。
　下の画像でバイクやヌイグルミの形をしたフェローが確認できるが，これらは新しく追加されるフェロー用のコスチュームによって姿を変えているという。また，日本の情緒や文化を反映したフェローも現在開発中とのことだ。



●新規コンテンツ「フェロー牧場（仮）」
　先日掲載したインタビューで横山氏が話していた，日本の運営チームから提案していたという「フェロー牧場」。その実装が決まったようだ。
　フェロー牧場は，プレイヤーが取得したフェローを自分専用の牧場に放牧できるというもので，放牧されているフェローにエサを与えて成長させたり，ブラッシングをしたり撫でたりして，好感度をアップさせられる。そして，好感度が高いフェローからはプレゼントをもらえるのだという。また，特定のフェロー同士を組み合わせて放牧すると，フェローが面白いモーション覚えることもあるそうだ。

日本でのアップデートのスケジュールについて

　では，これらのコンテンツはいつ日本に導入されるのだろうか。

　横山氏の発表によると，まず2015年11月26日に新クラス「レンジャー」が実装され，12月中旬に「不死の砂漠」，そして2016年初旬に「フェロー牧場」が実装予定とのことだ。フェロー牧場に関しては，日本運営チームに情報が届いたのがほんの数日前という話だったが，早い段階で実装されるようだ。


　ここからは，来場者からの質問に開発/運営チームが答えた質疑応答をまとめておこう。

Q：新フィールドの不死の砂漠では，プレイヤー間で取り合いになるようなレイドモンスターがメインになるのか。ダンジョンなどでチーム単位で戦えるような工夫はされていないのか。

A：地上用のモンスターであるサンドストームは，レイドドロップルールが適用された状態で導入する。不死の砂漠はほかのフィールドよりもダンジョンの数が多く，挑戦の塔という新しいタイプのダンジョンもあるので，どちらかというとダンジョンに重きを置くフィールドといえる。特定のフェローしか落とさないアイテムなどがあると取り合いが発生するので，今後そうしたことがないよう入念にチェックしていくつもりだ（横山氏）。

Q：レイドドロップルールが適用というのは，ラストアタックを与えたチームだけが報酬をもらえるのか。また，エローラの聖域の日本で導入される時期はいつ頃になるのか。

A：レイドのルールに関して細かいルールは公開しておらず，内部のデータに関わることなので修正できるかどうかは分からないが，開発と協議しながら調整を加える必要がある。エローラの聖域については，まだ正確な時期を公式としてお伝えできないが，2016年の上半期を予定している（横山氏）。

Q：現状だとインスタンスダンジョンをソロで攻略するプレイヤーも多いが，新フィールドではパーティを組む必要はあるか。

A：既存コンテンツにおいて，アサシンやプリーストによる伝説ダンジョンのソロ攻略が流行していることは確認している。不死の砂漠のダンジョンについては，実はそのタイミングで「パーティが5人から6人に増える」予定で，難度そのものが既存のダンジョンよりも高い。もちろん，強いキャラクターならソロ攻略もできるかもしれないが，特定のクラスだけがソロ攻略ができるような状況にはしないつもりだ（横山氏）。

Q：フェロー牧場の映像で，プレイヤーキャラクターが踊っているようなシーンがあったが，これは新しいエモーションとして実装されるのか。

A：ムービーでは演出上のもので，ゲームシステム上のエモーションではない。ただ，日本のプレイヤーがそれを必要としているようなので，計画にはなかったが導入できるようにする（ソク氏）。

Q：ニコニコ生放送でコラボイベントを行うという話を聞いたが，その進捗状況は？

A：コラボイベントは進行しているが，韓国と日本両方で使えるようなコラボではないと難しいということもあり，具体的にはまだ決まっていない。アニメやゲームといったコンテンツとのタイアップにするのか，デバイスメーカーとのタイアップが良いのか，プレイヤーからの意見をもっと聞いてみたい（横山氏）。

Q：ゲーム内の製作関連で新しいコンテンツはないのか。

A：レンジャーとフェロー関連で新しい製作アイテムが実装される。あと，暑い不死の砂漠で積極的に活動するためには食べ物が必要で，これをプレイヤーが製作することになるだろう。

来場者の意見を聞いて作る日本発の新アイテム

ここで決まった着ぐるみの実装を開発陣が確約

　開発/運営チームからの発表のあとは，来場者参加型のコーナーが行われた。「MAX SPEED BIKE RACE」と名付けられたミニゲームで，開発/運営チームと来場者で対戦が行われ，来場者チームが勝利すると，不死の砂漠で実装されるフェロー「賢いトロ」が先行プレゼントされる。

　ミニゲームのルールは，移動速度が通常の3.5倍にチューンされたバイク型のフェローを操り，ハカナス城正門前からスタートしてエローラの聖域前にある橋を先に渡った方の勝ち。ちなみに，イベントの後半に来場者向けに会場に設置されたPCを使ってレンジャーの体験会が行われたが，その際にこのミニゲームをプレイすることもでき，順番待ちで長い列ができるほどの人気だった。
　開発チームは先鋒が横山氏，中堅がノ氏，大将がソク氏というメンツだ。初戦は横山氏の勝利，次戦が来場者が意地を見せて勝利して成績は一勝一負の五分にする。最終戦は，初心者だという女性の来場者に対してソク氏が前半ぶっちぎって走行するも，最後の橋の前で止まるという“大人の対応”により，来場者チームの勝利となった。

MAX SPEED BIKE RACEの様子。速度3.5倍は相当速いらしく，来場者は操作に苦戦していた

　続いて行われたのは，「その場で確約。参加者が決める新アイテム」という来場者参加型のコーナー。開発陣のキーマンがいるということで，来場者の意見を聞きながら日本発の新アイテムを決めて開発してもらおうという趣旨のコーナーだ。

　新アイテム決定の手順としては，運営チームが用意したパネルから好きなものを来場者に選んでもらって，新アイテムの方向性を決める。そして，案が具体的になってきたら，運営チームの広報担当者がイラストを描いてイメージを固めていくというものだ。

運営チームは，当然フェローになると思っていたようだが，来場者はその予想に反して，イロモノ系のコスチュームを選択

　カテゴリーが決まってからは，来場者の意見を直接聞いて具体化していく段階に入る。コスチュームを一から作るのは相当のオリジナリティが必要で，個人の好みもあるので意見をまとめるのは難しそうだが……。
　

最初に出てきた案は，ダンジョンに出てくるモンスターのコスプレ衣装や着ぐるみ。イラストはグースト風のコック衣装

　さまざまな意見が交わされるなか，イロモノ系ということで着ぐるみ案が採用され，ICARUS ONLINEのマスコットキャラ的なラビニ族風にイラストが描かれ，それに対して来場者の意見をさらに聞いて，色や各パーツなどが少しずつ決められていく。

来場者の意見を反映して刻々と変わっていくイラスト

　できあがった新コスチュームのデザインに関して，開発陣からは，背中に武器を装着する関係もあってマントは難しいかもしれないと前置きしながらも，実装に向けて開発を行うと確約してくれた。また，胸のあたりにラビニのにくにゅうマークを付けたらどうだろうかと開発陣からの提案があり，これに来場者も同意していた。

新コスチュームデザインの決定稿。後日整形したイラストを公式サイト上で発表するとのこと

PvPに興味があるプレイヤー同士が戦うなど，来場者は思い思いの方法でレンジャーの性能を確かめていた。この場でしかプレイできないプレゼント付きのミニゲームも

　今回の発表では，レンジャーや不死の砂漠など既報の情報だけではなく，パーティが5人制から6人制になることや，活力システムの撤廃などといった，これまでのインタビューなどにはなかった新情報も明らかになった。今後，ICARUS ONLINEがどのような進化を遂げるのか楽しみだ。
　なお，後日（11月7日）に行われるニコニコ生放送で，イベントの模様をお伝えする予定とのことなので，気になる人は公式サイトを確認しよう。

「ICARUS ONLINE」公式サイト