北米時間2016年9月3日,Razerは,ゲーマー向けイベント「PAX West」に合わせ,「
Mecha-Membrane」(メカ・メンブレン)と呼ぶ新しいスイッチを採用するゲーマー向けキーボード「
Razer Ornata Chroma」「
Razer Ornata」(以下順に,Ornata Chroma,Ornata)を発表した。北米市場における直販価格は順に
99.99ドル,79.99ドル(いずれも税別)で,北米市場では発表と同時,世界市場では10月発売予定となっている。
Ornata Chroma。伝統的にRazer製キーボードの命名はクモから取られるが,調べてみた限りだと,Ornata(オルナータ)はいくつかのクモでその名を確認できた。命名の由来は「Poecilotheria Ornata」というタランチュラの一種あたりだろうか?
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Razerが公開している,Mecha-Mambraneスイッチのイメージ
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Razer Ornataシリーズは,着脱可能なパームレストが標準で付属する,10キー付きのフルキーボードだ。最大の特徴でもあるMecha-Mambraneスイッチは,Razerによると,「
メンブレンのソフトタッチと,メカニカルキーボードの爽快なクリック感を両立させ,た新しい感覚をもたらす」とのこと。Razerが公開しているイメージ画像を見る限り,ラバーキャップにプランジャーを載せたうえで,プランジャーに「クリック感をもたらす機構」を組み込んであるようだ。
この仕組みを採るスイッチ自体はもはや珍しくないわけだが,Razer Ornataシリーズでは,そこにもう一手間加えてあるといったところか。
パームレストを取り付けた状態のイメージ
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新型スイッチの採用と合わせてRazerは,Razer Ornataシリーズにおいて,キーキャップの高さを「Mid-Height」(中くらいの高さ)に設定することでショートストローク仕様とし,高速な操作性を実現したとのことだ。
なお,Ornata ChromaとOrnataの違いは,約1677万色から好みの色を選び,また好みのやり方でバックライトを光らせられる機能「Chroma」に対応しているか否かだけであって,“無印”のOrnataだとバックライトの色は緑固定となる。
一部のキーを無効化できる「Gaming Mode」や,10キーロールオーバー,Anti-Ghosting(アンチゴースト)といった,Razer製キーボードでお馴染みの機能は,もちろん両製品とも共通だ。
Ornata。こちらにも標準でパームレストが付属する
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あえて言ってしまえば,Mecha-Mambraneスイッチは,メカニカル風のキータッチを実現した「だけ」であって,メンブレンキーボードに79.99ドル(税別)からというのは……と考える人もいると思うが,ある意味,Razer Ornataシリーズほど,使ってみるまで,価格の妥当性について結論を下せそうにないキーボードはなかなかない。割高なメンブレンキーボードなのか,真に画期的なキーボードなのかは,実機検証をして判断するほかなさそうだ。
Razer Ornataシリーズの主なスペック(※海外発表時点)
- 接続インタフェース:USB
- 基本キー数:英語104キー
- キーピッチ:未公開(※公開されている製品イメージからするとおそらく19mm)
- キーストローク:未公開
- 押下特性:未公開
- ロールオーバー:10キーロールオーバー
- 複数キー同時押し対応:10キー
- キー耐久性:未公開
- ポーリングレート(レポートレート):未公開
- マクロ機能:対応(※「Razer Synapse」による)
- バックライト:あり(※Ornata Chromaは約1677万色,Ornataは緑1色)
- サイズ:463(W)×154(D)×31(H)mm(※パームレスト含まず)
- 重量:約950g(※パームレスト,ケーブルを含むかどうかは未公開)
- ケーブル長:未公開
- 対応OS:Windows 10・8.x・7
- 発売予定時期:北米直販は発表日に発売開始,日本での直販は2016年9月23日出荷開始
- 価格:99.99ドル(税別,Ornata Chroma),79.99ドル(税別,Ornata)
- 保証期間:未公開